私は生まれて20数年、ずっと奈良県に住んでいます。
奈良の郷土料理といえば、柿の葉寿司や茶がゆ、奈良漬けなどが有名です。柿の葉寿司とは、柿の葉でサバと酢飯を包んだ押し寿司のこと、茶がゆはほうじ茶に冷やご飯を入れて炊いたもの、奈良漬けは野菜を酒粕に漬けて作られる漬け物を指します。
これらの郷土料理は有名で、私も幼い頃から知っており、どれも食べたことがあります。しかし、結婚を機に夫の故郷の大和高田市へ引越し、そのとき初めて奈良には”美味しいお肉”がたくさんあることを知りました。
夫の母に教えてもらった、お肉を使った料理が絶品だったのです。奈良にもこんなに美味しいものがあるのかと、とても驚いたことを覚えています。 そこで今回は、知る人ぞ知るおすすめのお肉料理と奈良県で暮らす魅力を紹介します。
奈良県出身の私も知らなかった! 夫のふるさと大和高田市の郷土料理
おすすめの料理を紹介する前に、なぜ私が奈良に住んでいても美味しいお肉があることを知らなかったのかについて、少しお話したいと思います。その秘密は、夫の生まれ育った大和高田市にあったのです。
近所付き合いの親密さに驚き!
大和高田市で暮らし始めてから気付いたのは、近所付き合いの親密さでした。
例えば道を歩いていると、すれ違った人がどんな人かわかるのです。「あの人はどこどこに住んでいるこんな人だよ」と教えてもらったことが何度もありました。また、近所の人とも仲が良く、困ったことがあればお互いに助け合うのが当たり前です。
これにはとても驚きました。隣に住んでいる人とは挨拶くらいしか交わしたことがない、という方も多いのではないでしょうか。実際、私が学生の頃に住んでいた地域では、隣に住んでいる人の名前すら知りませんでした。
それが、大和高田市に住んでいるとほとんどの人が顔見知り。私も着なくなった子どもの服をもらったり、大きいものではベビーベッドをもらったりしたこともあります。
また、食べ物についても近所付き合いの親密さを物語るエピソードがあります。例えば、何かをいただいたお礼に、その人が好きな、おかずを炊いてお返しをしたりするのです。その他にも、少し遠いところにお肉を買いに行くとき、車を持っていない近所の人の分も頼まれて買いに行くことも。それほど親しい人でなかったら、そんなこと気軽に頼めませんよね。
近所付き合いが郷土料理を知るきっかけに
そんな中でも私が一番驚いたのは、お肉を近所の家に買いに行ったこと。お肉屋さんが美味しいお肉を近所の家まで車で運び、その場で量り売りをするという文化があるのです。
そのお肉を買いたい人たちが、その家に集まって、お金を出して買う。私も一緒に買いに行かせてもらったのですが、このような経験はしたことがなかったので、初めて誘ってもらったときには「お肉屋さんじゃなくて近所の家で買うの?」と戸惑ったことを覚えています。
私が幼少期から住んでいた地域では見かけなかった光景でした。
また、結婚前は知らなかった美味しい食べ物もたくさん教えてもらいました。特に、お肉を使った料理は絶品! 私が知らなかったお肉の美味しい部位や食べ方をたくさん教えてもらいました。聞き慣れない部位ばかりで最初は戸惑いましたが、今では好んで食べるようになりました。
知る人ぞ知る郷土料理! 大和高田市に伝わる美味しい肉料理3選
奈良の定番郷土料理といえば、最初にも紹介したように柿の葉寿司や茶がゆなどがありますが、今回はお肉の郷土料理に絞ってピックアップ。生まれてからずっと奈良に住んでいる私でも知らなかった逸品ばかりを集めてみました。
さいぼし
「さいぼし」とは、馬肉の燻製のことを指します。実は先ほど紹介した、近所の家へ買いに行ったお肉こそ、このさいぼしです。車のトランクに積んであるさいぼしを、その場で量って売ってもらいました。
さいぼしは基本的には少し焼いて食べるのですが、そのまま何もつけずに食べてもいいですし、タレやにんにくをつけて食べても美味しく食べることができます。
ちなみに私は何もつけずに食べるのが好きです。噛めば噛むほどお肉の旨みが感じられます。3歳と2歳の息子たちも、さいぼしが大好き。他のお肉はあまり好きではないのですが、このさいぼしを小さくちぎってあげるとたくさん食べてくれます。
さいぼしを焼くときには、包丁で切って焼いてもいいのですが、あえて手で割いて焼くのがおすすめ。この食べ方は近所の方から教えてもらい、実際に試してみたのですが、確かに包丁で切るより手で割いた方が焼いた際に美味しさが増すような気がします。
そんなさいぼしですが、奈良県でもスーパーではあまり売られていません。奈良県内の精肉店か、ネット販売で購入することをおすすめします。
油かす
油かすとは、牛の腸を油でじっくりと揚げたもの。まわりの部分はカリカリなのですが、中の部分はぷるぷるとしており、他にはない食感です。
油かすはさまざまな料理に使うことができます。例えば焼きそばに入れたり、お好み焼きやモダン焼きに入れたりして食べるととても美味しいです。キャベツやもやし、にんじん、ピーマンなど、たくさんの野菜と油かすを炒めた野菜炒めも、簡単に作ることができます。
私は食べたことがないのですが、油かすは煮物に使っても美味しいそうです。油かすという名前ですが、それほど脂っこくはなく、濃厚な味わいに料理が仕上がります。
その他にも、オムライスを作るときにケチャップライスへ油かすを入れたり、うどんに入れたりしても絶品。油かすを使った"かすうどん"を専門にしているお店があるほど、油かすとうどんの相性はばっちりです。
そんなどんな料理にでも合う万能な油かすは、市内のスーパーやお肉屋さんでも手に入るので、大和高田市に住んだらぜひ食べて欲しい一品です。かすうどんのお店でも販売されています。油かすは冷凍して長期保存も可能なので、さまざまな料理で活躍すること間違いなし。冷凍できると、使いたいときにすぐ使うことができるので、使い勝手もいいのが嬉しいポイントですよね。
ホルモン煮
焼肉でお馴染みのホルモンですが、煮て食べると美味しいことをご存じですか? ホルモンにもたくさんの種類があり、それぞれ味や食感が全然違います。見た目も独特なものが多いので、初めてホルモンを炊いたホルモン煮を見たときには、「本当に美味しいのかな…?」と疑ってしまいました。
私もすべての種類を食べたことがある訳ではありません。しかし、夫の母が作ってくれたホルモン煮の中で、特に美味しかったものを2つ紹介したいと思います。
1つ目は、アカセンとセンマイを甘辛く煮たもの。和風だしとしょうゆ、みりん、料理酒、砂糖で時間をかけてじっくりアカセンとセンマイを炊きます。
センマイは見た目がブツブツしていますが、味はほとんどせず、ザラっとした食感が特徴的。アカセンはとろっとしていて、ジューシーで甘いです。私は特にこのアカセンが美味しいと感じます。
2つ目は、ウスミノとアシスジを同じように甘辛く味付けをして煮込んだものです。こちらはホルモン自体もとても美味しく食べられますが、炊いてすぐの温かいまま食べるだけではなく、冷やしてからも食べてほしい一品となっています。
実はウスミノとアシスジの煮物を冷やすと"こごり"になるのです。こごりとは、煮こごりとも呼ばれており、ホルモンに含まれるゼラチンによって煮汁がぷるぷるに固まったもの。このこごりがまたとても美味しいのです。
温かいうちに食べても、冷やして食べても二度美味しいウスミノとアシスジの煮物。ぜひ一度食べてもらいたいホルモン煮です。
大和高田市ってどんな町?
結婚を機に私が引越してきた大和高田市。郷土料理以外にも、たくさんの魅力があります。特に私のような子育て中のファミリー層におすすめ。そこでここからは、大和高田市について簡単にご紹介します。
大和高田市はどんどん住みやすくなっている
大和高田市は、ここ数年でどんどん住みやすくなってきています。
最近では市役所が新しく建て替えられとてもきれいになりました。今までの市役所にはなかったエスカレーターも導入され、階段の上り下りが大変な方にとっても利用しやすくなっています。
また、駅前の発展も著しく、とくに近鉄大阪線の大和高田駅には分譲マンションが建てられたり、駅直結のトナリエ大和高田という商業施設があったりもします。
特にトナリエ大和高田は私がおすすめしたい場所。子どもを連れて訪れるのにぴったりの場所です。
大和高田市の賃貸物件を探そう
トナリエ大和高田には、スーパーがあるので主婦の方も多く利用しており、ファッション、雑貨店のほかに本屋さんや100円ショップ、銀行、食事ができるお店、子ども用品店までそろっているのです。
その中でも特に私がお気に入りの場所は、3階にあるすべり台です。横にベンチがあるので、大人は買い物の間に休憩しつつ、子どもたちは遊ぶことができます。
すべり台には階段から登るだけではなく、ロッククライミングのようになっている部分から登ることもでき、いろいろな楽しみ方ができます。まだ1歳の次男にはロッククライミングから登ることはできませんでしたが、階段の方から登って楽しんでいました。
また、すべり台はテラスのような場所にあるので、そこから駅のロータリーを見渡すこともできます。車が好きな長男は、バスやタクシーを見つけて大喜びしていました。
3つもの駅が集結!?
大和高田市には3つもの主要駅が集まっています。近鉄大阪線の大和高田駅と近鉄南大阪の高田市駅、そしてJR和歌山線、桜井線の高田駅があるのです。私が知る限り、奈良の中でも3つもの大きな駅が集結している場所は他にありません。
これらの駅には快速や特急などの電車も停車するため、少し遠いところへお出かけするときにも便利です。息子たちは電車が大好きなので、吉野や大阪へ行くときに利用しています。
高田千本桜も見逃せない!
春には桜が咲き誇る、高田千本桜と呼ばれる名所もあります。わざわざ電車に乗って、遠くから訪れる人も絶えないほど、有名な観光名所です。
大中公園を中心に、川に沿ってずらりと並んだ桜が満開を迎えると、それはそれはとても美しい光景が広がります。新型コロナウイルスが流行する前には屋台も出て、とても賑わっていました。
私も実際に長男と一緒に桜を見に行ったことがありますが、その美しい景色を今でも覚えています。桜が少し散ったころには地面が桜で埋め尽くされ、ピンク色の絨毯の上を歩いているようで、また違った風情を楽しめました。
もちろん今でも、桜の木は毎年きれいに咲いています。大中公園には遊具もあり、普段は子どもたちが遊ぶにもぴったりの場所ですよ。
伝統を残しつつ発展していく大和高田市
紹介した郷土料理のように、伝統をしっかりと残しつつ、未だ発展して住みやすくなっている大和高田市。これからもますます栄えていくのではないかな、と感じています。子どもたちが楽しむことができる穴場もたくさんあるので、私はこの土地で子育てを続けたいと思います。