和歌山県は、海・山・川、そして温泉と、自然が豊かでとても魅力的な場所です。
世界遺産である高野山に熊野古道、みかんなどの柑橘類の栽培や紀州梅、海水浴などさまざまな魅力があります。京阪神の方には、パンダの赤ちゃんや白浜温泉の印象が強いかもしれませんね。
和歌山県の南部に位置する那智勝浦町出身の夫と結婚して早12年。夫の実家の生活を知ってからは、和歌山県の魅力をしみじみと感じるようになりました。
今回は、そんな和歌山に魅了され、定年後には和歌山県へのUターン移住を考えている私が、和歌山県の「食の魅力」をピックアップしてお伝えします。
和歌山の魅力は、自然の中にあり!
夫の地元は、「那智の滝」と生まぐろで有名な那智勝浦町です。そのため、和歌山県でも南部よりのお話が多くなりますが、夫の意見も交えつつ、和歌山県の魅力についてご紹介します。
和歌山県ってどんなところ?
和歌山県は近畿地方に属する県です。紀伊半島の西側に位置し、南北に長いです。人口は約96万人で、そのうちの4割が県庁所在地である和歌山市で暮らしています。
北部は大阪府と接し、県庁所在地である和歌山市があります。観光地としては、高野山が有名です。南部は太平洋と面し、冬でも温暖な気候で、みかんや桃などの果物の栽培をしています。観光地としては、白浜海水浴場や那智の滝が有名ですね。
和歌山県の約8割の土地は山で、温泉の多い県でもあります。パンダで有名な白浜にある白浜温泉、龍神温泉や湯の峰温泉に川湯温泉など、海の側から山の中、果ては川の中まで数多くの温泉があります。
参考:和歌山県公式ホームページ
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/020300/kids/wakadata/jinko.html
自然豊かな和歌山県での暮らし
夫の実家は、和歌山県の南部、落差日本一の「那智の滝」がある那智勝浦町にあります。
和歌山県南部は高速道路がなく、令和の時代においても「陸の孤島」と呼ばれています。大阪から特急電車に乗っても、同じ関西でありながら片道4時間ほどかかります。
とても自然豊かな町で、夫は幼い頃から海や山や川と、常に自然の中で遊んでいたそうです。とくに、夏の暑い時季には1日中海や川に出かけ、毎年真っ黒に日焼けするのが恒例行事でした。子どもが生まれた今でも、夏に和歌山へ帰省する際には、1日中子どもと共に海や川で遊び、一緒になって真っ黒に日焼けしています。
温暖な気候や山の恵みも素晴らしく、夫の実家が営む農家民泊では、山の湧き水を生活に利用したりブルーベリーを栽培したりしています。山の中の自然も色濃く残っていて、鹿や猪はもちろんのこと、リスや野ウサギの姿までも確認できるほどです。
夫の祖父母の家は那智勝浦町の中でも秘境の、平家の落人が暮らしたといわれる山間の「色川(いろかわ)集落」にあります。今でも、色川茶と呼ばれるお茶の栽培や田んぼ、畑などの農作業を行っています。夫も子どもの頃から、毎週末農作業のお手伝いを行ってきました。
とくに、田植えと重なる茶摘みの時季は大忙しで、親戚一同が総出で農作業を行います。
大勢が集まるときに作るのが、和歌山県ならではの郷土料理です。午前中は農作業で汗を流し、みんなで郷土料理が並ぶ昼食を食べ、また午後から作業を行う。季節に合わせて集まり、力を合わせて暮らしてきた歴史が感じられます。
私も結婚してからというもの、一緒にお茶摘みやお茶もみに参加してきました。みんなが集まるときには、農作業の方法や、和歌山ならではの郷土料理の作り方を教えてもらっています。
お茶摘みのときに教えてもらったのが、「茎も一緒に摘まないとおいしいお茶は作れない」ということ。一芯二葉というのですが、何も知らなかった初日は、ひたすら葉っぱばかり摘んでいたことを今でも覚えています。
和歌山の海の幸や郷土料理の特徴をご紹介!
さて、和歌山県の郷土料理に話を移しましょう。
南北に長い和歌山県は、北部と南部で郷土料理が異なります。ここでは、夫の実家がある和歌山県南部の、太平洋でとれる海の幸や地域ならではの郷土料理を紹介します。
・生まぐろ
那智勝浦町は、延縄(はえなわ)漁での漁獲高日本一の町です。那智勝浦町の生まぐろは、一度も冷凍されていないまぐろだけを、「生まぐろ」と呼んでいます。生まぐろは那智勝浦町に欠かせないもので、町内には無人生まぐろ販売所も存在します。初めて食べたときは、生まぐろならではのもちもちとした食感にとても感動したのを覚えています。
・くじら料理
那智勝浦町と同じく、和歌山県南部にある太地町は、古くから捕鯨が盛んな町です。くじら料理のひとつ、「くじらの竜田揚げ」を給食で食べたことがある人も多いのではないでしょうか。この竜田揚げを筆頭としたくじら料理も、和歌山県南部の郷土料理です。
・サンマ寿司
サンマ一匹をまるごと使った、かしら付きのお寿司です。和歌山県南部特産のダイダイやゆずなどの柑橘を使用したお酢で、サンマを酢じめにしてお寿司にしています。柑橘の豊かな香りが食欲をそそる、絶品のお寿司です。
・なれ寿司
発酵させたサンマのお寿司で、独特の風味が地元の方に愛されています。私は勇気が出ず、まだ食べたことがありません。
もちろん、和歌山の郷土料理は海の幸だけではありません。次の項目で具体的に紹介していきますね。
和歌山の郷土料理の作り方
ここからは、夫の実家がある那智勝浦町で、田植えや人が集まるときに食べる郷土料理を紹介していきます。作り方も併せて紹介しますので、ぜひ、作ってみてくださいね。
めはり寿司
和歌山県の旅行ガイドブックに、必ずといっていいほど名前が挙がるのが「めはり寿司」です。目を見張るほど大きく口を開けて頬張ることから、めはり寿司と呼ばれるようになりました。現在では、食べやすい大きさで作ることが多いです。
“寿司”と名前がついていますが、酢飯は使っていません。俵形に握ったおにぎりを高菜漬けで巻いたものです。お恥ずかしながら、私は高菜をぴっちり巻くのが難しく、まだまだ精進せねばと思っています。
<材料>
高菜漬け 適量(めはり寿司用や紀州や熊野産と書かれているもの※)
炊きたてご飯 適量
☆しょうゆ 大さじ1
☆みりん 大さじ1(アルコール分が気になるときは、煮切ってください)
<作り方>
① 高菜漬けを洗って、茎と葉の部分に分ける。
② 茎部分を刻み、☆であえてからご飯と混ぜる。
③ ②を俵形に握り、☆に浸した高菜の葉部分を巻きつける。
※他の地域の高菜漬けは味付けが異なる場合がありますので、めはり寿司用の高菜漬けがおすすめです。
おまぜ
農作業はもちろん、慶事・仏事などの人が集まるシーンで、必ず登場するのが「おまぜ」です。那智勝浦町ではまぐろ(地元の人には”しび”と呼ばれています)を入れますが、ぶりを入れるところや魚を入れないところなど、いろいろなバリエーションがあります。
慶事のときには彩り豊かに、仏事のときにはにんじんなどの色みは入れずに作っています。
<材料>3合分(作りやすい分量)
お米 3合
すし酢 お米3合分に合わせた量
まぐろぶつ切り、またはせせり 100g前後
卵(錦糸卵にする) 1個
具材(お好みで加減してください)
◆にんじん 40g
◆高野豆腐(もどす) 1枚
◆干ししいたけ(もどす) 大さじ1枚
◆ごぼう 40g
◆竹の子水煮 40g
◆油揚げ 1枚
◆こんにゃく 50g
◆切り昆布 5cm角程度1枚
(具材の味付け用)
☆だし汁 300ml
☆酒・砂糖 大さじ2
☆しょうゆ 大さじ3
<作り方>
① お米を洗って炊く。
② ◆の材料を千切りにし、☆で水分がなくなるまで甘辛く煮る。
③ まぐろを酢に浸す。色が白っぽく変わるまで漬ける(30分程度)。
④ 炊きあがったお米にすし酢を混ぜ、酢飯にする。
⑤ 酢飯に②と水気を切った③を混ぜる。
⑥ 仕上げに錦糸卵をのせる。
茶がゆ
TVでも取り上げられたことのある「茶がゆ」は、ほうじ茶で作るお粥です。和歌山県では「おかいさん」と呼ばれており、地元の人に愛されている郷土料理です。
夫の実家はお茶農家でもあるので、やはり自分の家で煎ったほうじ茶で作るのが1番おいしく感じます。さつまいもを入れるのもおすすめですよ。
<作り方>作りやすい分量
ほうじ茶葉 適量
水 500~600ml
お米 0.5合
① 煮出したほうじ茶に、洗ったお米を入れる。
② お好みの硬さのお粥になるまで炊く。
和歌山県の住み心地
和歌山県は、海や山や川などの自然が豊富で、アウトドアが好きな方にとくにおすすめしたい県です。世界遺産である高野山や熊野古道を歩くのもいいですし、サーフィンや釣りなどの海を楽しむのもいいでしょう。
数多くある清流を巡り、シャワークライミングや川遊びなども楽しめます。疲れたときには、温泉にゆっくりつかると、癒やされますよ。
このように自然を全身で楽しむ生活ができるのが、和歌山県の魅力です。南北に長いこともあり、北部と南部では暮らし方が異なります。ここでは、北部と南部の特徴について解説していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
北部と南部の暮らしの違い
和歌山県北部は大阪府に隣接しており、ベッドタウンとしても人気があります。
南部は、本格的に田舎暮らしをしたいという方に向けて、移住情報を積極的に発信しています。今回紹介した色川集落(那智勝浦町色川地区)は、なんと住民の約半分が移住者という、全国的に見ても珍しい集落です。
都心への通勤をお考えの方にも田園回帰をお考えの方にも、和歌山県は非常に魅力的な県といえるでしょう。
都市圏の通勤に便利な賃貸住宅
大阪への通勤をお考えの方におすすめなのが、和歌山市の住まいです。JRや南海電鉄でりんくう地域へのアクセスも可能で、大阪市内のなんばにも1時間程度で通勤できます。
お休みの日は高野山や南部に移動して熊野古道を歩くなど、和歌山の自然や歴史と都市圏での暮らしを楽しめます。和歌山市での暮らしは、和歌山県の魅力を存分に感じられるでしょう。
ファミリーでの和歌山県の移住
都市圏に通勤するファミリーにも、和歌山市の住まいがおすすめです。新築マンションや一戸建て住宅が多数建設され、お出かけに便利な大型商業施設もあり、子育てしやすい環境も整っています。県庁所在地ならではの、便利な生活を送ることができますよ。
和歌山市以外では、岩出市もファミリーに人気です。理由としては、和歌山市内への通勤・通学はもちろん、やはり大阪府内への通勤・通学が可能ということが挙げられます。スーパーなどの生活に必要な施設はすべてそろっているので、快適な生活を送れるでしょう。
和歌山県南部への移住をお考えのファミリーは、まずは田舎暮らしについての知識を深めるのがおすすめです。山の中の暮らしや、海の側の暮らし、田舎暮らしといっても、さまざまな暮らし方があります。和歌山県の移住相談窓口でじっくり相談し、空き家バンクなどの制度を活用してみるのもいいですね。
田舎暮らしの夢をお持ちの方は、ぜひ和歌山県を検討してみてください。ご家族みんなで田舎暮らしのあり方について話してみるのも楽しいかもしれませんよ。
和歌山県の賃貸物件
つれもていこら(一緒に行こう)、和歌山県!
「つれもていこら」は和歌山を代表する地酒の名前ですが、和歌山弁(紀州弁)で「一緒に行こう」という意味です。
和歌山県には海・山・川、世界遺産や温泉など、自然がいっぱいという魅力があります。豊かな風土で育った、海の幸や山の幸を使った郷土料理から、和歌山県の魅力を知っていただけたらうれしいです。
これから那智勝浦町がある和歌山県南部にも、高速道路がつながる予定です。ぜひ、ご旅行や移住を検討する際には、那智勝浦町がある和歌山県南部にも足を延ばしてみてくださいね。