オーガニックコットンとは、農薬や化学肥料が使われていない畑で栽培された綿のこと。
国連がSDGs(持続可能な開発目標)を推進する中で、環境や人にも優しいオーガニックコットンの商品が増えてきています。
かつては肌の弱い人を中心にオーガニックコットンが普及していましたが、身にまとう服もより環境に配慮したオーガニックコットンを求める人が増えてきています。
私は無添加生活13年目の2児のママです。食べ物や衣類などなるべく安全安心なものを選ぶようにしています。今回はそんなわが家の実体験をもとに、オーガニックコットンの魅力を紹介します。
オーガニックコットンとは
厳しい基準があるオーガニックコットン
農薬や化学肥料が使われていない畑で栽培された綿のことを、オーガニックコットンといいます。以下のような厳しい条件をクリアしたコットンのみ、オーガニックコットンと表記することができます。
① 3年以上、化学農薬や化学肥料を使っていない土で栽培されること
②遺伝子組み換えの種ではなく、有機肥料だけで栽培されたコットンの種であること
③フェアトレード(公正、公平な貿易)であること
④児童労働が行われていないこと
⑤1~4の条件が満たされていることを、第三者認証機関が証明していること
オーガニックコットンが高価格な理由
農薬や化学肥料を使わないため、オーガニックコットンの栽培は手間や時間がかかります。そのため、一般的なコットンと比べ、価格は高くなってしまうのです。
また、オーガニックコットンの栽培では農薬や雑草を除去する除草剤の使用が制限されています。農薬は、害虫駆除などには効果的ですが、環境にはあまりよくありません。
インドではコットン農家の農薬による健康被害が深刻化し、社会問題にも発展しています。厳しい条件をクリアしたオーガニックコットン製品を選ぶことで、コットン農家の健康も守ることにもつながるのです。
このように、関わる人やものが持続可能であることを「サステイナブル(Sustainable)」といいます。サステイナブルは、国連が定めた「SDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals」の基本的な考え方です。SDGsでは「地球上の誰一人取り残さない」が基本理念として掲げられています。
このSDGsの流れを受け、大手衣料品メーカーもオーガニックコットンの衣類の販売を始めたことで、オーガニックコットンがより身近に、より安価に購入することができるようになってきたのです。
オーガニックコットンと一般的なコットンとの違い
オーガニックコットンも、「コットン」であることには変わりはありません。ただし、栽培の過程で化学肥料品を使っていないため、オーガニックコットンのほうが肌触りが良く柔らかいのが特徴です。
また、一般的なコットンと区別するためにオーガニックコットンを使用した製品には認証マークがついています。
この認証マークによって、先にご紹介したオーガニックコットンの条件のひとつ「第三者機関が認めた」ことを示しています。肌や環境にとってよりよいコットンを選ぶなら、オーガニックコットンマークが付いたものを探してみましょう。
オーガニックコットンの歴史や日本での広まり
オーガニックコットンは、アメリカで作られたのが始めとされています。
実は、日本ではオーガニックコットンという概念が生まれる以前から、和綿(日本製のコットン)と呼ばれる衣類繊維の栽培がされていたのです。16世紀ごろから広がり始め、江戸時代には庶民の服として木綿の服が流通していました。
しかし、海外から安価な繊維が輸入されるようになり、和綿の栽培は激減。その後は生活様式の変化や化学繊維の普及により和綿の利用はさらに低迷してしまったのです。
最近はオーガニックコットン人気が高まったこともあり、かつて和綿の栽培が盛んだった地域でオーガニックコットンの栽培が再興されているようです。
私がオーガニックコットンを使い始めたきっかけ
私がオーガニックコットンを使い始めたきっかけは、布ナプキンを使い始めたことです。布ナプキンは基本的にコットンで作られています。ただ、直接肌に触れるということもあり、より安心できるオーガニックコットンで作られたものを選んだのです。
この出会いをきっかけに肌に触れるインナーなどは、オーガニックコットンで作られたものを選ぶように。以前は気になっていた肌の乾燥や、静電気も和らいだと感じます。
また、子どもが生まれてからは、布おむつや新生児の服などもオーガニックコットンでできたものを選ぶようにしています。
数年前は、化学繊維の衣類に比べるとオーガニックコットン使用の衣料品は高価でしたが、今は比較的安価に購入できるようになりました。
最近では化学繊維とオーガニックコットンを混ぜて作られた衣類もあり、季節や用途によって使い分けるようにしています。
オーガニックコットン、わが家の選び方
オーガニックコットンは、衣服だけではなく、タオルやシーツ・布団などさまざまな生活用品に使われています。自分が気になるもの、好きなものだけでもオーガニックコットン製を選ぶことで、より快適な生活を送ることができます。
ここからは、わが家のオーガニックコットンの選び方をご紹介します。
オーガニックコットンの選び方:衣類編
直接肌に触れる下着や、インナーはオーガニックコットン製品を選ぶようにしています。ただ、コットンは濡れてしまうと速乾性がありません。汗をかく夏などは、コットン100%のインナーでは体を冷やしてしまう心配があるため、化学繊維が含まれたインナーを選んでいます。
反対に、乾燥が気になる冬はオーガニックコットン100%のインナーを着るようにしています。静電気や肌荒れを予防することができるからです。
織り方によってさまざまな使い方ができるオーガニックコットンの衣類、夏のインナーは生地が薄くて風通しが良いものを、冬には生地が厚くて保温性が高いものを選ぶなど、季節によって変えてみましょう。
オーガニックコットンの選び方:生活用品編
生活用品でオーガニックコットンを取り入れいやすいのは、タオルです。オーガニックコットンのタオルは一般的なタオルよりも柔らかく肌触りがよく、吸水性も良いのが特徴です。また、布団やシーツなどの寝具類のオーガニックコットンも販売されています。
わが家では、子どもの寝具をオーガニックコットンでそろえています。子どもは寝ている間にたくさん汗をかき、あせもなど肌トラブルも気になるため、吸水性を重視した結果です。
保育園用として使えるお昼寝布団もオーガニックコットン製のものが売られています。キャラクターなどの絵柄はなくシンプルですが、子どもが保育園に通う間はほぼ毎日使い続けるもの。子どもの肌を守るためにオーガニックコットンは役立ちます。
オーガニックコットンの選び方:こども用品編
こどもが生まれたときには、オーガニックコットン製の布おむつや新生児肌着を選びました。赤ちゃん用品の専門店や、百貨店でオーガニックコットン製のものが手に入れられます。
赤ちゃんは自分のよだれでも肌荒れしてしまうなど、肌はとても敏感。オーガニックコットン製であれば、肌荒れ予防もかないます。
最近はオーガニックコットンを使った紙おむつにもさまざまな種類があります。わが家で使っているのは、表面シートがオーガニックコットンでできたおむつ。肌に触れる部分が優しいとおむつかぶれの心配も軽減できます。
また、赤ちゃんのおもちゃや布絵本などもオーガニックコットン製のものがあります。アースカラーなどナチュラルな色で作られたものが多く、自然派のママにはとても人気があります。
オーガニックコットンの選び方:生理用品編
生理用品は直接肌に触れる製品として代表的なもの。私が普段から使っている布ナプキンはオーガニックコットンを選ぶようにしています。
一般的な使い捨てのナプキンにもオーガニックコットン製のものがあるため、布ナプキンと交互に使うこともあります。以前はオンラインストアで購入していたのですが、最近はドラッグストアでもオーガニックコットン製のナプキンを購入することができるようになりました。
オーガニックな生活を実現する住まい
オーガニックコットンが好きな方は住環境もオーガニックにこだわる方が多いのではないでしょうか。私も、できるだけ化学製品に頼らず、環境にも人にもより配慮した生活を目指しています。
住宅においては、壁紙やペンキの材質などに化学物質が使われている場合が多く、敏感な方は化学物質過敏症の症状が出てしまう方も。
そのため、近年は環境にも人にも優しい材料で家づくりをされる方も増えてきています。
例えば
・壁紙やペンキは使わずに、漆喰などのエコな材料を使用
・塗装をしていない天然無垢な木材を使用
・換気システムを導入し、エアコンが無くても涼しい間取りを導入
・雨水を溜める貯水タンクを設置し、排水や水やりなどに使用する
・太陽光パネルを設置して電気を自給する
などです。
これらすべてを導入することは難しいですが、自治体によっては助成制度がある場合もあります。
オーガニック生活を送るわが家の住まい
わが家は中古マンションを購入し、フルリノベーションをしました。可能な限り安心安全な材料を選ぶようにしましたが、費用面で断念せざるを得なかったものもあります。床は無垢の天然材にしたかったのですが、集成材の無塗装のものを選びました。また、漆喰に憧れがありましたが、なるべく化学物質の不安がない塗装を選びました。
わが家はキッチンを中心設計したため、アイランドキッチンを採用。家族が集まるキッチン・ダイニングを広く取ることで毎日が快適に楽しく生活できています。
まとめ
オーガニックコットンを選ぶ暮らしは、自分だけでなく環境にも優しい生活へとつながっています。国連が定めたSDGsは、私たち一人ひとりがどう生きるのかということに直結します。
環境に配慮された方法で栽培されているのがオーガニックコットンです。少しずつでも環境に優しいものを取り入れていくことで、持続可能な社会づくりに貢献できると思います。
興味のある方は、ぜひ人や環境に優しいオーガニックコットンを試してみてはいかがでしょうか。