例年、訪れる花粉の季節。花粉症の方は、目のかゆみや鼻水、喉のイガイガや倦怠感など、「どうにかしてこの辛さから逃れたい…」と感じているのではないでしょうか。仕事にも集中できず、外に一歩も出たくないと思っている方も多いはずです。
そんな花粉症の方の悩みを解決する「避紛地」があることをご存じでしょうか。今回は、花粉症当事者の私が実体験をもとに、「避紛地」について紹介します。花粉症の辛さから解放され、ストレスフリーに過ごせる場所を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 避紛地とは
- 日本国内のおすすめの避紛地10選
- 宮古島【沖縄】
- 釧路【北海道】
- 草津温泉【群馬】
- 万座温泉【群馬】
- 奄美大島【鹿児島】
- 小笠原諸島【東京】
- 八丈島【東京】
- 奥飛騨温泉【岐阜】
- 的山大島【長崎】
- 奥鬼怒温泉【栃木】
- 花粉の時期を避紛地で過ごし始めたきっかけとさまざまな地域に出向く理由
- 避紛地に行くようになったきっかけ
- さまざまな避紛地に出向く理由
- 私流の避紛地での過ごし方と花粉症の症状の出方の実体験
- 【群馬】温泉で癒やされる
- 【北海道】大自然の中をドライブする
- 【沖縄】アクティビティを楽しむ
- 避紛地で過ごす際の注意点
- 風向きによって花粉が飛んでくる可能性がある
- 特定の植物の花粉が飛散する可能性がある
- 番外編!海外のおすすめ避紛地3選
- 海外のおすすめ避紛地(1)タイ
- 海外のおすすめ避紛地(2)台湾
- 海外のおすすめ避紛地(3)ハワイ
- 花粉症の方におすすめの住まい
- 二重窓の物件
- 浴室乾燥機のある物件
- 全室フローリングの物件
- 花粉症から解放されストレスのない日常を過ごそう!
避紛地とは
避紛地(ひふんち)とは、花粉の飛散しない、もしくは少ない場所を指します。多くの人の花粉症の原因とされている「スギ」や「ヒノキ」が少ない地域です。
関東では、2月から4月がスギ・ヒノキの花粉がピークとなります。避紛地を利用する方向けに、旅行会社では「避紛地ツアー」が組まれています。避紛地は国内外に存在し、花粉症の方にとって辛い季節でも快適に過ごせます。
日本国内のおすすめの避紛地10選
日本国内の、おすすめの避紛地を10ヶ所紹介します。
宮古島【沖縄】
宮古島には、花粉症の原因となる「スギ」の植林が行われていません。なぜなら、「スギ」は高く細く育つため、台風が多い宮古島の気候に適していないからです。
「南の楽園」とも呼ばれる宮古島は、スギ花粉と無縁の避紛地としても有名な地域です。植物の生態が本州と異なるため、多くの花粉アレルギーから逃れられるといわれています。スギ花粉アレルギーの方や、海が好きな方におすすめです。
釧路【北海道】
北海道は全体的に花粉が少なく、釧路はスギやヒノキの花粉が飛ばない地域です。釧路市は日照時間が長く、晴れの日が多いことから存分に観光を楽しめます。釧路湿原のシンボル「タンチョウ」は、11月から3月が見頃です。カヌーに乗れば、エゾシカやオジロワシにも会えます。もちろん、北海道ならではの海の幸も味わえます。
雄大な自然の中でのんびりしながら、グルメも楽しみたい方におすすめです。北海道は全域で花粉の少ない地域ですが、道南は本土から花粉が飛散してくるため、滞在先はよく確認してから選ぶようにしましょう。
草津温泉【群馬】
少し意外に思うかもしれませんが、群馬の草津温泉も避紛地として知られています。草津温泉は、スギやヒノキが生育できない標高の高い場所に位置しています。通常、スギやヒノキは標高1,000m以下で生育していますが、草津温泉は標高1,200mと、関東では珍しく花粉の影響を受けにくい観光地です。
そして草津といえば、やはり「温泉」が魅力的。花粉症によって引き起こされる眼病にも効能があるといわれています。温泉で日頃の疲れを取り、リフレッシュしたい方におすすめです。
万座温泉【群馬】
群馬の万座温泉は、草津温泉と同様に標高が高いため、花粉の影響が少ない地域です。草津温泉からも比較的近いので、それぞれの温泉地をはしごして楽しめます。
「万病に効く温泉」として知られており、湯治場として有名です。草津の湯畑は全国的に有名ですが、実は万座温泉にも湯畑があります。硫化水素ガスが出ているため、間近で見ることはできませんが、遊歩道からでもはっきり見られます。温泉でデトックスしたい方におすすめです。
奄美大島【鹿児島】
本土から離れている奄美大島は、花粉の影響が少ない地域です。奄美大島をはじめとする「奄美群島」も花粉の影響はほとんどないといわれています。
奄美大島は、沖縄の文化や気候に近く、世界遺産に登録されている地域です。希少な動物が見られる可能性もあり、海の美しさも沖縄に負けていません。きれいな自然に囲まれ、のびのび過ごしたい方におすすめです。
小笠原諸島【東京】
小笠原諸島は、スギやヒノキが植林されていない地域です。世界自然遺産に登録されている大自然が魅力的な場所です。
ただし、アクセス方法は船のみです。時期により異なりますが、3~7日に1回の運行のとなります。自然が好きで、まとまった休みが取れる方におすすめです。
八丈島【東京】
八丈島はスギの植林が少なく海に囲まれた離島のため、花粉が飛散しても海へ飛ばされることが多いと考えられます。
また、運がよければウミガメに接近できるため、ダイバーの聖地としても知られています。気温も高く、過ごしやすい気候です。島には7つの温泉があるため、湯めぐりもできます。
八丈島は「東京から1番近い南国」と呼ばれているので、リゾート気分を味わいたい方におすすめです。
奥飛騨温泉【岐阜】
奥飛騨温泉は、北アルプスの麓にあり標高が高いため、花粉の影響を受けにくい地域です。平湯・福地・新平湯・栃尾・新穂高の温泉郷の総称で、温泉はすべて自然の中にあります。
5つの温泉街をめぐる際は、自家用車の移動が楽ですが、バスも運行しているので比較的移動しやすい点も魅力的。奥飛騨温泉の露天風呂は「日本一」といわれているので、温泉好きの方におすすめです。
的山大島【長崎】
的山大島(あづちおおしま)は、スギ・ヒノキがほとんど生息していない地域のため、本土と比較すると花粉の影響が少ない地域です。
長崎の北方にある離島で、江戸時代から残る木造建築が軒を連ねる漁師の街として知られています。歴史ある街並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。昔ながらの風情を感じたい方におすすめです。
奥鬼怒温泉【栃木】
栃木の奥鬼怒温泉は、標高が高いため花粉の影響が少ない地域です。かつて、温泉郷までの道が整備されておらず、訪れることが困難だったことから「関東最後の秘湯」とも呼ばれています。
泉質の異なるさまざまな温泉が点在しており、有名な鬼怒川温泉のさらに奥にある穴場的スポットです。混雑を避けて、とにかくゆっくり過ごしたい方におすすめです。
花粉の時期を避紛地で過ごし始めたきっかけとさまざまな地域に出向く理由
避紛地に行くようになったきっかけ
私が避紛地に行くようになったきっかけは、シンプルに「花粉症が辛いから」「マスクをしたくないから」でした。私の住まいは東京都内ですが、毎年訪れる恐怖の花粉から逃れたくなったのです。
花粉症に苦しんだ経験のある方ならわかると思いますが、「目を取り出して洗いたい」と思うほど、花粉が飛散する時期は地獄のような毎日です。薬も効いたり効かなかったり、特に風の強い日は一歩も外に出たくありませんでした。
そんな私が避紛地を知るきっかけとなったのは、とあるテレビ番組を観てからです。それから避紛地をリサーチし、自分の行きたい「避紛地」に出向くようになりました。
さまざまな避紛地に出向く理由
私がさまざまな避紛地に出向く理由は、「旅行が好きだから」です。もちろん前提として花粉から逃れたい気持ちはありますし、毎度、鼻で呼吸ができることに感動します。
素敵な場所には、何度も訪れたくなります。しかし、「せっかくなら違う場所に行ってみたい」と思うため、さまざまな地域に出向いてしまうのです。
私流の避紛地での過ごし方と花粉症の症状の出方の実体験
ここでは、私流の避紛地での過ごし方と各地での花粉症の出方についてお伝えします。私が行った地域は、群馬・北海道・沖縄の3箇所です。
【群馬】温泉で癒やされる
私は花粉症から逃れるために、草津温泉に行きました。草津といえば「湯もみショー」。人生で一度は見たいと思っていたので、大満足の「避紛旅」となりました。
ゆっくり温泉につかり、花粉症の悩みも日頃の疲れも吹き飛びリラックスできたのを今でも覚えています。心配していた花粉症の症状は、ときどき鼻がむずがゆくなる程度。都内にいるときよりも、圧倒的に軽い症状で不快感はありませんでした。
【北海道】大自然の中をドライブする
北海道では、雄大な大自然の中をドライブしました。中でもうれしかったのは、ドライブ中に車の窓を開けられたことです。私が住んでいるエリアで花粉の時期になると、ドライブ中に窓を開けることはできません。
私が行った北海道の富良野方面では、窓を開けて走行しても花粉症の症状は出ませんでした。心地よい季節の風を感じながら、大自然を満喫できたのはいい思い出です。
【沖縄】アクティビティを楽しむ
沖縄では、アクティビティを全力で楽しみました。やはり沖縄といえば、透き通るきれいな海でしょう。シュノーケリング・ダイビング・サップなど、さまざまなアクティビティを体験できます。
海辺でのんびり過ごしていても、症状が出ることはありませんでした。むしろ、自分が花粉症であることを忘れていたほどです。沖縄は航空便の便数が多く、LCC(格安航空会社)の選択肢も多いためおすすめです。
避紛地で過ごす際の注意点
避紛地で過ごす際の注意点を2つ紹介します。
風向きによって花粉が飛んでくる可能性がある
避紛地とはいえ、地域によっては風向きで花粉が飛んでくる可能性があります。そのため、天候によっては完全に花粉から逃れることは難しい場合もあります。避紛地に滞在していても、マスクの着用や手洗い・うがいなど花粉症対策は怠らないようにしましょう。
特定の植物の花粉が飛散する可能性がある
避紛地でも、特定の植物の花粉が飛散する可能性があるため注意しましょう。例えば、北海道では4月から6月にかけてはシラカバ花粉、夏場は地域によってイネ科の花粉が飛散します。沖縄では、2月から3月にかけてリュウキュウマツ、10月から11月にかけてイネ科の花粉が飛散します。
今回は、花粉症の方に最も多い「スギ」と「ヒノキ」の避紛地について紹介しましたが、他の花粉に反応する方は注意してください。
番外編!海外のおすすめ避紛地3選
避紛地は日本だけではなく海外にも存在します。実際に私が訪れた体験談とともに、私のおすすめ避紛地を3ヶ国紹介します。
海外のおすすめ避紛地(1)タイ
タイは花粉がほとんど飛んでおらず、アレルギー反応を引き起こすことがほとんどないといわれています。私も4月にバンコク行きましたが、症状は一切出ませんでした。
タイは物価が安く、魅力的な観光地が多くあります。私が行った4月は、ちょうど新年を祝う「ソンクラーン(水かけ祭り)」の時期で、現地の人と一緒に新年をお祝いしました。
海外のおすすめ避紛地(2)台湾
台湾はスギがほとんどなく、花粉症の症状もほとんど出ませんでした。台湾は1年を通して高温多湿な地域です。
食事がおいしい、現地の人が友好的など、さまざまな観点から高い評価を受けています。日本から飛行機で3~4時間で行けるため、住まいの地域によっては国内旅行に行くよりも近いかもしれません。日本との時差も1時間で、治安もいいため、初めての海外旅行の方にもおすすめの国です。
海外のおすすめ避紛地(3)ハワイ
海外の避紛地として広く知られている国がハワイでしょう。ハワイは、きれいな海と暖かな気候が魅力的です。
ただしハワイは、南国ならではの「マンゴー花粉症」があることで知られています。特に、花粉症や、野菜・果物のアレルギーのある方は注意しましょう。マンゴーの花粉が飛散するのは、ちょうどスギ花粉が飛散する2月後半から4月。避紛地のハワイに行ったらマンゴー花粉症になったという悲劇だけは避けたいところです。
花粉症の方におすすめの住まい
花粉症の方におすすめの住まいの条件を紹介します。
二重窓の物件
二重窓は、空気の出入りする隙間が少なくなり、花粉をブロックする効果が期待できます。花粉は、室内に入れないことが基本です。夏の暑い日差しや冬の寒さにも有効な、遮熱・断熱効果もあります。
また、カビの原因となる結露の防止にもなります。
浴室乾燥機のある物件
洗濯物を外に干せない花粉症の方には、浴室乾燥機のある物件がおすすめです。浴室乾燥機を使用すれば、部屋干し臭の防止や、浴室のカビ防止になります。
しかし、「電気代が気になる」という方もいるでしょう。電気代を少しでも抑えたい場合は、電気代が安い夜間に使用することをおすすめします。乾燥効率を上げるために、こまめにフィルターの掃除も行いましょう。
全室フローリングの物件
掃除がしやすいフローリングのお部屋もおすすめです。どれだけ気をつけていても、花粉は室内に入ってきてしまいます。畳やカーペットなどは、ホコリや花粉を取り除きにくい床材です。フローリングであれば、サッと簡単に掃除ができるでしょう。いつも清潔な状態に保てるため、ダニが発生しにくい環境にもなります。
花粉症から解放されストレスのない日常を過ごそう!
花粉症の方にとって、毎年2月から4月は地獄のような辛い季節です。避紛地に行くことで症状が緩和され、気分もリフレッシュできます。
症状が重度の方には、意を決し移住する方や花粉の季節だけ移住するという方もいます。移住が現実的ではない方も多くいると思いますが、気分転換に出かけるだけでも日頃のストレスから解放されるのでおすすめです。
花粉が辛い季節には、避紛地に出向いてみてはいかがでしょうか。