どんなアロマが虫よけに効く？ 手づくりアロマスプレーを作ろう

私が暮らすエリアは自然豊かなところなので、虫がたくさん出ます。そこで活用しているのが、虫よけ効果の高いアロマです。

私のアロマ歴は8年。知り合いにアロマを使ったローション、スプレーの作り方を教えてもらったことを機に、アロマの魅力にハマりました。自分で作るうちにより体系的に学びたくなり、独学でアロマについて勉強。公益社団法人日本アロマ環境協会アロマテラピー検定1級を取得しました。
そこで今回は、私が夏に活用している虫よけアロマについて紹介します。

なぜアロマが虫よけに効くの？

そもそもアロマテラピーとは？

アロマ（aroma）はギリシャ語で「芳香、香り」を意味します。これにテラピー＝「治療、療法」を組み合わせた造語がアロマテラピーです。

アロマテラピーは精油（エッセンシャルオイル）を用いた自然療法。紀元前のギリシャやローマ時代から使われてきたようで、長い歴史をもっています。アロマテラピーという言葉の歴史はまだ浅く、概念が確立したのは20世紀初めだそうです。
アロマテラピーで使われるエッセンシャルオイルの原料は、植物の花・葉・果皮・樹皮・根・種子などから抽出した天然の素材です。

アロマが夏の虫よけに効果的な理由

アロマで使用するエッセンシャルオイルには、以下の効果があるとされています。

・昆虫や鳥を引き寄せる香り→誘因効果
・昆虫や鳥がいやがる香り→忌避効果
・カビや有害な菌を防ぐ効果のある香り→抗真菌効果

このうち、夏の虫よけには昆虫や鳥がいやがる香り「忌避効果」のあるアロマを使用します。

夏の虫よけとして活躍するアロマ

アロマは虫よけにも効く

私は夏場になると、やぶ蚊に刺されやすく、刺されたところがいつまでもかゆくて悩んでいました。そんなとき、虫よけにもアロマが生かせると聞いて試すようになりました。それからは虫よけ用のアロマスプレーを作って、毎日活用しています。

わが家には庭があり、5～11月の間は蚊がたくさん出てきます。庭で洗濯物を干すときは、虫よけアロマスプレーが大活躍！
虫よけにおすすめのアロマは、ペパーミント・シトロネラ・ゼラニウム・レモンユーカリ・レモングラス・ローズマリーです。市販の虫よけスプレーを首周りにつけるのは抵抗がありますが、虫よけアロマは天然素材ですし、いい香りなので毎日活用しています。

虫よけ以外のアロマの魅力

「虫よけ対策」と考えると億劫な気持ちになりがちですが、いい香りのアロマを調合するのは楽しくてワクワクします。おかげで虫刺されの心配も減りました。虫よけアロマで使用するエッセンシャルオイルには、他の効果も期待できます。

・リラックス効果
エッセンシャルオイルの中には、リラックス効果が期待できるものもあります。虫よけアロマでは、ゼラニウムが代表的ですね。薔薇に似た香りで、私はリラックスタイムや落ち込んだ気持ちを持ち上げるときによく使います。

・奥が深い
エッセンシャルオイルは種類が豊富です。2～3種類をバランスよくブレンドすると、オリジナルアロマを作ることができます。

・さまざまな楽しみ方がある
アロマスプレー以外にも、以下のような楽しみ方があります。

・素焼きストーンに原液を垂らして香りを楽しむ
・ディフューザーに入れて芳香浴をする
・化粧ローションを作る
・石けんを作る
・足湯に入れる
・ボディ用オイル（ホホバオイルなど）に入れて、マッサージする

便利なアロマスプレーの作り方

虫よけアロマは誰でも簡単に作ることができます。活用法は、虫よけアロマスプレーを体にスプレーする、網戸や室内にスプレーするなどです。私は洗濯物を干す前に、肌の露出するところや服の上からスプレーして活用しています。アロマの香りで気持ちも満たされるのでおすすめです。

ここでは、アロマスプレーを作るときに必要なものと、所要時間5分でできる虫よけアロマの作り方を3つご紹介します。

虫よけアロマに必要な基本の材料

・エッセンシャルオイル（精油）
ペパーミント・シトロネラ・ゼラニウム・レモンユーカリ・レモングラス・ローズマリーなどがあります。
エッセンシャルオイルは、天然のものであることを確認してください。中にはポプリ用合成香料で、「アロマオイル」などと書いてあるものがあるので注意しましょう。肌につけることもあるので、品質のよいものを選びたいですね。

また、香りを試すことも大切です。虫よけ対策とはいえ、好きな香りの方が気持ちよく使用できます。エッセンシャルオイルの価格はアロマによって異なりますが10ml入りで約2,000円前後からです。ペパーミントは、薬局では「天然ハッカ油」として販売されており、約600円で購入できます。

・無水エタノール（またはウォッカ）
エッセンシャルオイルを薄めるのに欠かせないのがアルコールです。エッセンシャルオイルを原液のまま使うのは、ディフューザーを使った芳香浴のときのみです。
エッセンシャルオイルを溶かすことができるアルコールを使って、薄めてから使用します。アルコールは、無水エタノールまたはウォッカを使用します。無水エタノールはドラッグストアで手に入り、価格は500mlで1500円ほどです。ウォッカを使うときは、アルコール度数の高いものを選びましょう。

・精製水
エッセンシャルオイルの香りを広範囲に拡散させるために使用します。精製水もドラッグストアで手に入れることができます。開封後はしっかりとふたをして冷蔵庫で保存し、早めに使い切るようにしましょう。価格は500mlで約100円です。

・ビーカー
アロマスプレーを作るために必要な道具の1つがビーカーです。アルコールや水の容量を量り、材料を混ぜるときに使用します。大きさは20mlから販売されており、価格はガラス製で500円前後です。

・ガラス棒
材料を混ぜるときに使用し、約500円で購入できます。竹串でも代用可能です。

・スプレーボトル
アロマスプレーの容器です。ガラス製のもので、遮光性のある茶色や青など色がついたものがベストですが、100円ショップで販売されているものでもOKです。

・ラベル
アロマスプレーの材料と作った日にちを記入して、ボトルに貼るためのものです。こちらも100円ショップで手に入ります。

夏を快適に！ ペパーミントを使った虫よけアロマスプレー

夏の虫よけ対策におすすめのアロマスプレーです。スーっとした香りがするので、気分をすっきりさせたいときにもおすすめです。

【材料】作りやすい分量
ペパーミント　4滴
シトロネラ　　4滴
ユーカリ　　　4滴
無水エタノール　　　10ml
精製水　　　50ml
スプレーボトル（100ml）　　　1本
※肌に直接スプレーする場合は、エッセンシャルオイルの濃度を、無水エタノールと精製水に対して1%以下にします。1滴は約0.05mlです。

【作り方】
① ビーカーに分量の無水エタノールを入れます。
② ①にエッセンシャルオイルを加え、ガラス棒または竹串でよく混ぜ合わせましょう。
③ 精製水を加えてガラス棒または竹串でよく混ぜます。
④ ③をスプレー容器に移し、ふたをしっかり閉めて、縦に振ってよく混ぜましょう。

【アロマ豆知識】
●ペパーミント（ハッカ油）
和名はセイヨウハッカ。すっきりとした清涼感のある香りです。蚊やハエなどの虫よけにおすすめです。優れたリフレッシュ効果、ストレスや神経疲労を和らげる、鼻やのどのコンディションを楽にする効果も期待できます。

●シトロネラ
昆虫を寄せ付けず、害虫を防ぐ働きがあります。感染を抑える、疲労感を取り去る効果があるといわれています。

●ユーカリ
ミント系の香り。抗菌・抗ウイルス作用、気分をリフレッシュ、集中力を高める、鼻やのどなどのコンディションを楽にしてくれる効果が期待できます。

集中力アップ！ ローズマリーを使った虫よけアロマスプレー

ローズマリーを使った虫よけアロマです。スーっと染み通る香りは、爽やかな気持ちになりますよ。

【材料】作りやすい分量
ローズマリー　4滴
レモンユーカリ　　8滴
無水エタノール　　　10ml
精製水　　　50ml
スプレーボトル（100ml）　　　1本
※肌に直接スプレーする場合は、エッセンシャルオイルの濃度を、無水エタノールと精製水に対して1%以下にします。1滴は約0.05mlです。


【作り方】
① ビーカーに分量の無水エタノールを入れます。
② ①にエッセンシャルオイルを加え、ガラス棒または竹串でよく混ぜ合わせましょう。
③ 精製水も加えてガラス棒または竹串でよく混ぜます。
④ ③をスプレー容器に移し、ふたをしっかり閉めて、縦に振ってよく混ぜましょう。

【アロマ豆知識】
●ローズマリー
ローズマリーは樟脳（しょうのう）のような香りがするアロマです。リフレッシュ効果、記憶力を高めるなどの効果が期待できるといわれています。

●レモンユーカリ
レモンユーカリは、名前の通りレモンに似た香りのするアロマです。消毒・殺菌効果、風邪やのどに痛み、鼻の不調などに役立ちます。

リラックス効果のあるゼラニウムの虫よけアロマスプレー

ゼラニウムを使う虫よけアロマは、少し薔薇のような香りがして、心がほんわかと明るく、エネルギーを充電する働きがあります。部屋の中で使うのもおすすめです。

【材料】作りやすい分量
レモングラス　6滴
ゼラニウム　　6滴
無水エタノール　　　10ml
精製水　　　50ml
スプレーボトル（100ml）　　　1本
※肌に直接スプレーする場合は、エッセンシャルオイルの濃度を、無水エタノールと精製水に対して1%以下にします。1滴は約0.05mlです。

【作り方】
① ビーカーに分量の無水エタノールを入れます。
② ①にエッセンシャルオイルを加え、ガラス棒または竹串でよく混ぜ合わせます。
③ 精製水も加えてガラス棒または竹串でよく混ぜましょう。
④ ③をスプレー容器に移し、ふたをしっかり閉めて、縦に振ってよく混ぜます。

【アロマ豆知識】
●レモングラス
レモングラスはレモンに似た香りがするアロマです。主成分であるネロールやゲラニオールには防虫作用があり、蚊・ハエ・ノミ・ダニ避けに使われます。気分をリフレッシュさせる効果も期待できます。

●ゼラニウム
ゼラニウムは薔薇に似た香りがします。虫よけ以外には、心身のバランスを整え、不安やイライラなどを鎮めてくれる効果が期待できます。

アロマスプレーを安全に使うポイント

100%天然といえども、誤って取り扱うと、事故につながることもあります。ここからは、アロマを安全に使うためにおさえておきたいポイントをお伝えします。

・アロマスプレーは劣化しやすいため、作ってから1～2週間で使い切る
・火の近くでは使わない（アルコールを含むため）
・顔やシミになる素材の布などに向かってスプレーしない
・直射日光、湿気を避け、冷暗所で保管する
・エッセンシャルオイルは子どもやペットの手の届かないところに置く
・エッセンシャルオイルを直接皮膚につけない
・誤ってエッセンシャルオイルが直接皮膚についた場合は、大量の水で洗い流す
・妊娠中の使用は避けるものもあるため、説明書を読んでから使用する

アロマのある生活を楽しむ住まい

アロマグッズを収納できる物件

アロマのある生活を楽しむためには、アロマグッズを置くスペースがある物件がおすすめです。エッセンシャルオイルは、高温多湿、直射日光などの影響を受けやすいです。日光が当たらない、風通しのよい冷暗所がある部屋や、涼しくて日差しの当たらない場所に保管しましょう。

また、ペットや小さなお子さんの手の届かないところに保管してください。誤って直接皮膚につけたり、口に入れてしまったりすることがないよう、気をつけましょう。手の届かない高い場所や、クローゼットなどがあると、安心してアロマのある生活を楽しめます。
作ったアロマスプレーは、外出するときに、すぐ使えるところに置いておきたいですね。公園に遊びに行くときは、スプレーしてから出かけると、虫刺されの心配が減ります。

ガーデニングができる物件

アロマのある生活を楽しむためには、ガーデニングのできる物件もおすすめです。エッセンシャルオイルの原料になるゼラニウムやラベンダーは、苗を買ってきてプランターで育てることもできます。エッセンシャルオイルに加工することは難しいですが、グリーンに囲まれた生活は、心を癒やしてくれますよ。

アロマのある生活で夏を快適に

わが家はアロマで虫よけ対策をするようになってから、夏の生活が快適になりました。虫よけ以外にも、その日の気分で香りを選んで楽しめるのがアロマの魅力です。私は、虫よけアロマを3種類作り、その日の気分に合わせて使っています。

市販の虫よけスプレーと違い、天然のアロマスプレーは、香りを吸い込んでも安心です。この記事をきっかけに、アロマのある生活で夏を快適に過ごしていただけたら嬉しいです。