在宅勤務をはじめるも、時間の管理ができない、だらけてしまう、働きすぎてしまうといったお悩みを抱えている方は多いでしょう。私もそうでした。しかし環境を整え、工夫を繰り返すことで、在宅勤務にメリハリが生まれ、自信を取り戻すことができています。
メリハリのある在宅勤務は、環境と工夫が大切です。今回は同じようなお悩みをもっている方に向けて、メリハリのある在宅勤務を続けるコツをご紹介します。
- 在宅勤務でメリハリをつける工夫
- 私が在宅勤務をはじめたきっかけ
- 在宅勤務で集中力を保つ難しさ
- 試行錯誤した、私なりの在宅勤務スタイル
- 在宅勤務でメリハリをつけるポイント:習慣
- 1. 食卓で仕事をしない
- 2. 仕事をするときは無音で
- 3. 裸足で仕事のスイッチを入れる
- 4. 屈伸運動で気分転換
- 在宅勤務でメリハリをつけるポイント:休憩時間の過ごし方
- 1. 外に出て全力疾走
- 2. 休憩時間に家事
- 在宅勤務でメリハリをつけるポイント:環境
- 1. 部屋の温度は低めに設定
- 2. 家の中に息抜きスペースを作る
- 3. 仕事はベッドが見えない位置で
- 在宅勤務のメリハリをつけやすい住まい
- 日中はお日さまの光でリラックス
- 広いベランダで気分転換
- 昼間静かなら仕事もはかどる
- 駅から離れた静かな場所
- 仕事専用スペースを作ろう
- 環境を整えて在宅勤務にメリハリを
在宅勤務でメリハリをつける工夫
在宅勤務といっても、その働き方はさまざまです。家で働くことを楽だと思う方もいるかもしれませんが、私は想像していたよりも難しく感じました。ときには、仕事を進めることすら困難な状況に陥ることもあります。そのようなときに意識したいのが、メリハリです。
私が在宅勤務をはじめたきっかけ
私には生まれつきの持病があります。いろいろな症状がありますが、とくに聴覚が鋭く、少しざわついているような場所では人の会話も聞き取れません。
以前の職場では人の話を聞き逃すまいとして、仕事中はずっと気を張っていました。お客さまへの対応時だけではなく、同僚との会話も聞こえにくいので、勤務中はずっと緊張していたのです。
このような働き方をしていると体力を消耗し、何時間も働き続けることはできません。短時間のアルバイトでも緊張は伴いますし、事務の仕事も完全に無音な場所で、一人きりで行う仕事ではありません。
このような理由から、私は30歳をすぎても、自分の仕事の仕方について悩み続けていました。「家で一人でもできる仕事がしたい」と、ずっと願っていたのです。
そのようなときに出合ったのが、webライターという仕事でした。webライターはパソコンを使い、在宅で完結できる仕事です。「在宅勤務で完結できるなんて夢みたい」と思った私は、すぐに勉強を開始し、webライターの仕事に取り組みました。実際に在宅勤務の仕事をはじめてみると、想像していた以上に難しい仕事であることが分かりました。
在宅勤務で集中力を保つ難しさ
自室でパソコンに向き合い、仕事をし続けることは、思っていたよりもハードでした。私にとって自分の部屋は世界中で一番リラックスできる場所です。ところが、その場所に一番緊張して挑まなければいけない仕事が入ってきたのです。
在宅勤務は監視する人もいません。仕事が楽しくてたまらない人なら、長時間仕事をすることも平気でしょう。しかし集中力が切れてくると、つい作業が止まってしまいます。
目を横に向けると、いつも寝ているベッドや読みかけの本が視界に入ります。在宅勤務は、自分で自分を律する力が必要です。ふらっとベッドに行きたくなるのをこらえて仕事をしていると、思っていたよりもストレスが溜まります。
また、家で仕事をするということは、自分でパソコンを開いたら仕事が始まり、パソコンを閉じたら仕事が終わります。真夜中でも早朝でも、自分がパソコンを開けば仕事開始になるので、時間のメリハリがつきません。
私の仕事は納品本数で収入が決まります。つい長時間仕事をしてしまい、次の日に体調を崩してまったく仕事ができないこともありました。
さらに、外からの騒音にも悩まされました。私の家は道路が近く、いつも車の音が聞こえています。車が走らない時間帯を狙って仕事をしようとすると、深夜や早朝になり、慢性的な寝不足になります。
「これは環境に問題があるのでは」と感じはじめた私は、在宅勤務がしやすい環境を整えることにしました。こうして、集中力には環境が大きく影響していると気づいたのです。
試行錯誤した、私なりの在宅勤務スタイル
私は集中力や環境からの影響について書かれている本を読んだり、動画を見たりして学びました。学んだことを活かしながら、暮らし全体を在宅勤務スタイルに合わせていったのです。このような工夫を楽しんでいると、仕事に集中できる時間が次第に長くなっていき、うまくメリハリをつけられるようになりました。
暮らしの工夫を楽しめるようになってくると、毎日が実験のようで楽しくなってきます。実際にタイマーで時間を計って結果を比べたり、納品本数を確認したりします。実験を繰り返すうちに、自分スタイルが徐々にできあがっていきました。
在宅勤務でメリハリをつけるポイント:習慣
メリハリをつけて在宅勤務を行うためのポイントを紹介します。習慣化することや環境を整えることで、私はメリハリのある仕事ができるようになりました。
1. 食卓で仕事をしない
食事をする場所と、仕事をする場所を分けることが大切です。毎日食事をしている場所に仕事道具が並んでいると、少し違和感を覚えるのではないでしょうか。
机を2つ用意するのが一番望ましいですが、用意できない場合は、ランチョンマットの使用がおすすめです。食事のときはランチョンマットを敷いてご飯を食べ、仕事をするときはランチョンマットを片付けるだけで、気分を変えられます。意識的に区別をつけることで、「今から仕事をするんだ」という気合を入れやすくなりますよ。
2. 仕事をするときは無音で
仕事をするときに、音楽をかけるといった声はよく聞きます。人それぞれでよいと思いますが、私は少なくとも仕事中に自分の好きな音楽をかけるのは向いていませんでした。
自分の好きな音楽をかけると、曲のリズムや歌詞に集中してしまいます。リラックス時間に音楽をかけている人はなおさら、仕事中は無音がおすすめです。
中には、静かすぎるのが苦手という人もいます。その場合は、動画サイトなどで検索すると出てくる、「雑踏」のBGMを使ってみてください。適度に人の気配を感じることで、精神的に落ち着いて仕事ができる人も多いようです。私は無音が好きですが、まれにこのBGMをかけて仕事をします。
3. 裸足で仕事のスイッチを入れる
私が仕事のメリハリをつけるために試したことのひとつに、「裸足で過ごす」があります。「冬場は寒いのではないか」と思うかもしれませんが、この刺激が仕事のメリハリにつながります。もちろん、風邪をひきそうな日はやめておきますし、下にタオルを敷いて裸足になるなどの工夫をしました。
裸足になる理由は、仕事のスイッチになるからです。私は足元が暖かくなると眠くなってしまいます。もちろん身体の冷やしすぎはよくないので、寒い時期はひざかけを使いながら裸足になっていました。
ぼんやりしてくると、足の裏をマッサージすることもあります。足裏はツボが集まっているからか、適度な刺激は目が覚めますよ。
4. 屈伸運動で気分転換
webライターの仕事は、単純に文字を打つことばかりではありません。文章の構成など、考えることもたくさんあるのですが、考えが行き詰まったときには、立ち上がって屈伸運動をしています。長時間座ったままでいると身体が凝り固まるので、屈伸運動をすると血流がよくなり、頭がハッキリしてきます。
屈伸運動は音がたたないため、マンションの下の階にも影響がなく、せまいスペースでも効率よく身体の血流を改善できるのでおすすめです。
在宅勤務でメリハリをつけるポイント:休憩時間の過ごし方
在宅勤務では休憩時間も大切です。単にボーっとするのもよいですが、適度に身体を動かして、仕事とまったく別の行動をすると頭もリフレッシュできます。
1. 外に出て全力疾走
とくに私が好きなのは、外に出て全力疾走することです。私はもともと運動が得意ではありません。しかし全力疾走すると、短時間で頭を空っぽにできるので気に入っています。
少し頭が痛いときにも、私は外を全力疾走します。距離は短くても構わないので、距離を決めずに自分が走りたいところまで走るのもよいでしょう。走っているあいだは仕事のこともすべて頭から離れていきます。(周囲の迷惑にならないよう気をつけて下さいね)
走ったあとは、ゆっくり歩きながらもと来た道を帰ります。家につくころには気分はスッキリしているので、また仕事を頑張ろうという気持ちになれますよ。
2. 休憩時間に家事
休憩時間はなにも考えないことが、上手な休みの取り方です。私は天気が悪く、全力疾走ができないときには、家事で気分転換をしています。はじめは家事の時間が確保できなかったので、仕事の合間にこなしていました。しかし家事をしている日の方が、仕事がはかどることに気づきました。
休憩時間に意図的に家事をして、ほどほどのところで仕事に戻ると、頭がリセットされます。とくに私が好きなのは、食器洗いです。洗濯物をたたむよりも水を触っていた方が、頭の中をリフレッシュできるような気がします。手を洗うだけでも効果があるのかもしれません。
在宅勤務でメリハリをつけるポイント:環境
在宅勤務で大切にしているのが、部屋の環境です。人は環境に左右されます。自分が長い時間を過ごす部屋は、より気をつかって環境を整えてみましょう。家具だけでなく、配置や温度にも気をつかうのがポイントです。
1. 部屋の温度は低めに設定
気温が高くなる春は、頭が少しボーっとしやすいです。部屋の温度も同じで、あまり暖かすぎると頭がほんわり、リラックスムードになってしまいます。休憩時間はそれでもよいのですが、仕事中はなるべく気分をシャキッとさせたいものです。
そこで部屋の温度を調節し、在宅勤務にメリハリをつけるようにしてみました。エアコンの温度を2度下げたり、エアコンを使わないときは窓を開けて風も通したりします。ほんの少しの違いですが、効果は抜群ですよ。
2. 家の中に息抜きスペースを作る
いつも部屋で仕事をしていると、家全体が仕事場のようになってしまいます。私は一時期、家に帰りたくなくなっていました。そんな状態を防ぐために、家の中に息抜きスペースを作りましょう。たとえばキッチンに椅子を置いて本棚を作り、好きな本を並べてみたり、好きな花を飾ってみたりするのもよい方法です。
息抜きができるスペースには、難しい仕事関係の本などは持ちこみません。「ここは息抜きスペースなんだ」と、自分で決めてしまうことが大切です。
3. 仕事はベッドが見えない位置で
家具の配置でもメリハリをつけられます。おすすめなのは、ベッドが見える位置にデスクなどを置かないことです。
目からの情報は脳に直接影響を与え、行動を変えてしまいます。仕事をしたいと思っていても、目の前にベッドがあったら、反射的に横になりたいと思ってしまうものです。
私はせまい部屋の中でデスクの配置を悩んだ結果、ベッドに背を向ける形にしました。部屋が広い場合は、パーティションを用意してもよいかもしれません。コンセントの位置などは、延長コードをうまく使って納得のできる位置を探しましょう。
在宅勤務のメリハリをつけやすい住まい
在宅勤務でメリハリをつけるなら、日中の過ごしやすさや環境が大切です。日中の過ごしやすさに気をつかうことで、在宅勤務の効率が何倍にも上げられます。
日中はお日さまの光でリラックス
太陽の光は、時間とともに向きが変化します。朝はたくさん光が入るけれど、お昼ごろから暗くなりはじめて、15時ごろには部屋の温度が下がってしまう部屋もあります。
家にいる時間が長い在宅勤務では、日当たりのよい場所が必要です。日光は、セロトニンという幸福を感じるのに欠かせない神経伝達物質の分泌を促してくれます。セロトニンがないと、鬱々とした気分になりやすいので、日当たりは重要です。
広いベランダで気分転換
息抜きスペースとしてベランダのあるお部屋もおすすめです。広めのベランダがあれば、プランターで家庭菜園も楽しめますし、気分転換をすることも可能です。
昼間静かなら仕事もはかどる
私のように聴覚が過敏な人に限らず、家で仕事をするのに周りがうるさいと仕事に集中できません。道路沿いの家や線路のそば、警察署や消防署の近くも意外と騒がしいので、注意が必要です。
日中静かなのは、住宅街や駅から遠い場所です。とくに住宅街は通勤している人が多く、日中は静かですが適度に人の気配を感じられるため、住む場所として最適といえるでしょう。
駅から離れた静かな場所
在宅勤務の場合、通勤する必要がないため、少し駅から離れた場所を検討するのもいいでしょう。
駅から離れると、家賃を抑えられます。駅前は便利ではありますが、人が多く騒がしいのも事実です。駅から少し離れるだけで、静かで広く、お手頃価格の部屋を見つけられます。通勤しないのであれば、駅から離れた部屋を選んでみてくださいね。
仕事専用スペースを作ろう
仕事専用のスペースとして活用できる書斎があると、気持ちを切り替えやすくなります。書斎は勉強や作業をするための空間です。仕事専用スペースを設けると、席についただけでも気分が切り替わります。
環境を整えて在宅勤務にメリハリを
いつも家で仕事をしていると、メリハリがなく気分が落ち込むときもあります。しかし環境を整え、工夫を重ねていくと、次第に在宅勤務を楽しめるようになっていきます。
私の場合、思うように仕事ができなかったことで失ったしまった自信を、在宅勤務で回復することができました。今では在宅勤務が大好きです。家の環境は、人の心にも変化をもたらします。今お悩みの方も、まずは環境を整えることからはじめてみましょう。