大阪・阿倍野の繁華街近くに 佇む「湯処 あべの橋」では、毎日運搬される鮮度の高い天然温泉が都会で楽しめることでも人気の施設です。長年、再開発が進む阿倍野の街の変化を見守ってきた森和子さん、彬人さん親子に街と銭湯の関わりについて話を伺いました。
大阪の繁華街・阿倍野に佇む銭湯の始まり
―まず「湯処あべの橋」の創業当時のことを教えてください。
彬人さん:ここは僕の祖父の代から始まり、開業からは70年が経ちます。当初は、この場所ではなく、現あべのキューズモールの場所にあったのですが、阿倍野再開発に伴い、ここに移転することになりました。
大阪阿部野橋駅の賃貸物件を探す
―ビルやマンションが立ち並ぶ場所で銭湯をすること自体、特殊な環境だと思うのですが。実際始められていかがですか。
彬人さん:確かに特殊ではありますね。うちが開業した当初、周りの商業施設はアポロシネマとルシアスビルだけだったんです。他にもある程度、商業施設はあったんですが、今ほどは栄えていなかった。都市開発に伴い、どんどん周りの環境が変化していきました。
―なるほど。お店を取り囲む環境がどんどん変化していったんですね。ちなみに普段はどんなお客さんが来られるんでしょうか。
彬人さん:今みたいに定期的にイベントをしていなかった頃は、近隣に住む50代以上の方が中心でした。でも若い世代、特にお子さんに銭湯の楽しさを知ってもらいたいという思いがあるので、子ども向けのイベントを積極的に行っています。親子で来てもらって、その子が親になってまたここに連れてきてくれたら…そういうサイクルになってくれたらいいなという思いはあります。新しい方にも意識を向けつつ、もちろん変わらず常連さんにも来てほしいです。
―そういった思いもあって浴室に絵本の展示をして、浴室でも楽しめるような工夫をされているんですね。
彬人さん:そうなんです。お風呂に入っている間は、やることがないですしね!子どもだけでなく、大人の方も興味を持って読んでくださっていますよ。
気になる浴室のご紹介
―さて少し話が変わりますが、こちらではどんなお湯が楽しめるんでしょうか。ご紹介をお願いします。
彬人さん:浴室に入って左には、うちの親戚にあたる「テルメ龍宮」(大阪港)から毎日運搬している天然温泉を準備しています。手前には寝風呂、奥には座り風呂もあって。水深55センチと子どもも安心して入ってもらえるような深さになっています。
彬人さん:右側には白湯があります。奥には壁に電気が流れている電気風呂もあります。水がさらりとしているので、僕は天然温泉よりもこっちに入ることが多いですね(笑)。
―毎日入れるの、うらやましいです!奥にはサウナもありますね。
彬人さん:はい、うちは乾式サウナと湿式のスチームサウナがあります。
お湯を沸かす時の蒸気の一部を送り込んでいるので、温度が高いスチームサウナです。スチームサウナは無料、乾式サウナは有料バスタオル付きで300円。まずはスチームサウナを楽しまれる方も多いですよ。
彬人さん:ちなみに水風呂の底のタイルには金を使っています。水が反射してきれいですよ。
―入った時から思っていたんですが、天井がなんだか洞窟みたいですね。
彬人さん:ウレタンを貼っていて、元々は草原のような緑だったんです。でも経年変化で徐々にこの色になってきて。今はまだらな茶色になりました(笑)お客さんからも「洞窟みたいでいいね〜」とのお声をいただくこともあります。
オリジナル商品やドリンクなど、入浴後の楽しみも!
―オリジナルの商品もあるんですね。
彬人さん:週末限定で現れるコハク(飼い猫)をモチーフにしたTシャツや、サウナハット、タオル、ドリンクなど充実しています。
和子さん:あとこれはオリジナルではないんですが「伊良コーラ」は、スパイシーな味がくせになるととても人気なんです!東京・下落合に工房を構えるクラフトコーラの専門メーカーが作っているんですよ。入浴後に飲むと、スカっと爽快感があります!ぜひ飲んでみて欲しいな。
―では最後に今後のお店としてのご予定をお聞かせください!
彬人さん:そうですね。今のところ定期的に決まっているイベントは、2つ。どちらも絵本絡みのイベントでして、5月には「アブナイおふろやさん」、7月には「パンダ銭湯」の展示会を予定しています。イベント期間中は、待合室に手づくりの撮影スポットを用意し、子どもたちが遊べるコーナーをつくっています。
これからも積極的なイベントや、展示会を行なっていきたいですね。
―とても楽しそうなイベントがたくさんですね。
本日はどうもありがとうございました。
◆今回取材した銭湯
「湯処 あべの橋」
住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-7-25
電話:06-7890-1126
営業時間:15:00~23:00
定休日:木曜
Instagram:@abenobashi_onsen
再開発で進化を遂げた阿倍野の街の魅力とは
今回取材をした「湯処あべの橋」がある阿部野橋駅周辺は、JR天王寺駅を中心に、「あべのハルカス」「あべのキューズモール」などの大型商業施設が立ち並びます。車通りも多く、にぎやかな印象を持たれるかもしれませんが、大通りを1本外れるとそこには、マンションや団地が広がり、都心の中に穏やかな住空間が広がります。また動物園やプールなどのレジャー施設も近いので、阿部野橋近辺だけで「住むと遊ぶ」の両立ができるという魅力もあります。
大阪阿部野橋駅の賃貸物件を探す
取材・文:葭谷うらら 写真:大原康二郎(BRAT)