いい街にはいい書店があるというのが、本当かはわからないけれど、いい書店がいい影響を街に与えるのは確かなことでしょう。それは、本はさまざまな知識や知恵を与えてくれるものと同時に、いい書店はそれをうまく人と結びつけてくれているから。このコーナーではそんな大阪の書店とその店から見える界隈の様子をご紹介します。
オフィス街にある海外からの観光客にも人気のお店「BOOK OF DAYS」
オフィスビルの間を東西に横切る阪神高速、都会を思い起こさせる大阪のビジネスの中心地本町駅界隈。
そんな中にあり、海外からの注目度も高いローカルブックストアが、帰山大輔さん(以下:帰山さん)が営む書店「BOOK OF DAYS」です。
こちらの書店は、たくさんの写真集が多く並ぶ写真集に特化した個人書店。関西圏の中でもこれほどの品揃えの書店は他にないくらいです。帰山さん曰く店舗だけで3000冊、倉庫のものも合わせると8000冊くらいはあるそうです。
帰山さん:「年月が経つうちに段々と品揃えが増えていきました。自分でセレクトしていますが、お客さんと話をしている中で、どんどん深いところに行っているものもたくさんあります。コロナ禍で通販需要が増えたのもあって、通販用にかなりマニアックなものを増やしたこともあって在庫は増えましたね」
コロナ禍以前の話を聞くと
帰山さん:「コロナ禍以前はお客さんの半分以上が外国人の方で、店頭のお客さんが減って(笑)。逆に通販の売り上げがかなり上がりました。なので徐々に店舗が通販のための倉庫化してきてしまっているというか。それでも今年の11月になって、外国の方々が戻ってきている感じですね。アジア系の若者や欧米の方も大阪に来てくださる。外国の方全般的に来られている印象です。でも、日本人作家の写真集を目掛けて買いに来店されている感じもしませんし、洋書も売れるので、目当ての作家というよりも、店に来てもらえているんですかね?理由はあまりわからないです」と話す帰山さんですが、国内でも取り扱いが東京の数店と大阪はここだけという本も多く、何よりもビジュアルブックの品揃えがこれほどあるのは単純に見ていて楽しいのです。
写真で観る大阪の街の話
これだけの数がある中で、売れ行きに差があるのか、最近の売れている本について聞いてみました。
帰山さん:「最近の本でいうと、この解放出版社から出ている『貧しかったが、燃えていた 釜ヶ崎で生きる人々 昭和ブルース編』(庄司丈太郎著)は、中身がすごく大阪を感じさせますよね。よく売れています。今また、という感じだと思うんですけど。それともう一つは、『隙ある風景』(ケイタタ著)。これは発売からコンスタンスにずっと売れていますね」
地元だからというよりも、一つは70年代から釜ヶ崎を取り続けている写真家の写真ということで、他にない、ここだからこその特徴的な風景が多い前者の作品。後者は大阪のコピーライターであり、写真家の日下慶太さんの写真の大喜利とも言えそうな無防備な人間の瞬間を捉えた写真集でこれまた特徴が色濃い一冊です。そんな写真集が好調とのこと。
さまざまな本があるけれど、写真集やビジュアルブックは装丁も凝った作りのものが多く、モノとして強度があり、持っていたくなります。いろいろ吟味して、1冊誰かにプレゼントするのも楽しそうです。
街を歩くための1冊
帰山さんに街を楽しむための1冊を聞いたところ、こんな素敵な写真集を見せてもらいました。
帰山さん:「この本は此花にあるタトアーキテクツ/島田陽建築設計事務所が設計した”blend inn”(元・ホステル、現在は多目的空間としてBlend Studioと名称が変更されている)の建築物を撮影した写真ですが、元ホテルの空間の中と、ホテルのある街の何かを撮影してそれを対比させています。住居のイメージと街のディテールとの対比が、おもしろく見えますよね」
自分が住んでいる家の中と近隣の風景と、全く別ものと捉えている風景に、共通の形や雰囲気を感じられるだけで、見え方はぐっと広がったり変化が起きたりするに違いありません。
◆今回取材したお店
「BOOK OF DAYS」
住所:大阪府大阪市西区阿波座1-10-2 ボンジュール阿波座202
電話:06-6599-8210
営業時間:11:00~17:00 土・日・祝日 12:00~17:00
定休日:水・日曜休
https://bookofdays-shop.com
趣味の幅も広がるかも!? な本町駅周辺の住環境
本町駅の近くには、世界でも有数のジュニア選手たちが集まる大会を開催している靱公園があります。そのため、靱公園ではテニス教室も開催されスポーツ好きな方にはもちろん、そうでない方にはバラ園で楽しむなど憩いの場としても親しまれています。
ビジネス街と思いきや、大きめな公園もあり、静かに暮らしたいという人にとっても意外と暮らしやすい街。そんな意外性もある本町周辺に興味を持った方は、ぜひ物件情報を探してみてくださいね。
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◆本記事の担当者
取材・文:松村貴樹 写真:三宅愛子