不動産業界に転職するタイミングは?どの時期が良いのか見極めよう

2024年07月03日

せっかくの転職ですから、なるべく有利なタイミングで動きたいものです。不動産業は人材採用の適期が比較的はっきりしているため、その傾向を知っておくことは意味があります。この記事では、不動産への転職を有利に行いたい方向けに、不動産業界に転職するタイミングはいつがいいのか、業界の現在の状況、季節的な適期、準備のスケジュールなどを解説します。

こんな⼈におすすめの記事
・不動産業界は転職に適した景況か知りたい
・不動産会社が採用に積極的な時期、手控える時期を知りたい
・なるべく有利な条件で、転職活動を行いたい

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最新の不動産求人の傾向【今がチャンス?】

まず、今の不動産業界が転職するのに適した状況なのか、求人の傾向や景況を解説します。

2024年問題が影響

2024年の法改正施行で、建築従事者と建材運搬の流通業者の労働時間規制が始まります。それにともなって不動産会社も、業務の効率化を求められている状況です。

これからは不動産の業務も働き方改革や現場の生産性向上を目的として、遅れていたDXに取り組む企業が増えてくるでしょう。

例えば、業務支援ソフトやIT重説、VRなどによる広告は比較的新しい分野のため、対応してくれる人材を採用する動きが始まります。国や自治体からのIT導入の助成金が出る状況も後押しになるでしょう。

これらのDX化は、顧客サービス向上や新しい集客のチャンネルとなるほか、売上増につながる業務に注力されることになります。人手不足には変わりはないため、採用も引き続き行われていきます。

不動産業界の求人推移は上昇傾向

厚生労働省の統計によると「不動産・物品賃貸業」の新規求人数推移は、2021年4月以降前年同月を上回って推移しています。今後も不動産業界では人手不足の傾向が続くことから、求人数が減ることは考えにくい現状です。

また、日本の課題でもある、高齢化・人口減少の問題を受けて、不動産業界も空き家、投資物件、相続、賃貸物件の扱いの変化など、多彩な課題を解決していくことで未来がひらけるでしょう。細かい業績の上下も、求人数には影響します。

「先週と今週で募集の状況が違う」ことはありがちなので、転職市場の動向は、継続してチェックしましょう。

不動産業界・年間でおすすめの転職タイミングは?

不動産業界は、他の業界よりも繁忙期と閑散期がはっきりしているため、意識することで採用に有利にはたらきます。賃貸管理や仲介を例として、タイミングを見てみましょう。

【未経験者】年間でおすすめの転職タイミングは?

不動産業界の繁忙期は転勤や就職、進学が多い1月から3月までです。

この時期は不動産業界、特に賃貸仲介会社はかき入れ時で、通常期の何倍もの業務量を乗り切ることに注力しています。

この期間は採用の件数自体も減り、新たに雇った人を教育する余裕もないケースも多いです。

また、上記繁忙期ほどの忙しさではないですが7月、10月、12月もお客さまの転勤転職や異動、入学などがあります。それにともなって6月、9月、11月からはやや忙しくなる傾向にあります。

職種により異なりますが、不動産業界未経験の方が応募するうえでもっとも有利な時期は4月から6月は一つの基準と言えるでしょう。

不動産業のサイクルに合わせた転職活動の例(未経験者)

3月:情報収集
4月:転職エージェント登録 
5月:選考開始~内定

3月の段階で、業界研究を始めるのをおすすめします。

また、宅建試験にチャレンジすることも、未経験であれば熱意のアピールになります。3月頃から勉強を始め、7月に出願して10月に受験となります。他の資格試験の出願タイミングや必要とする勉強時間も調べてみましょう。

【経験者】年間でおすすめの転職タイミングは?

不動産業界経験者が転職する上でベストなタイミングは、12月採用に向けた活動でしょう。前述のように、繁忙期には即戦力が求められるためです。

その他に7月、10月、12月も前任者がボーナスをもらって退職することが多いため、引き継ぎ期間を見越した少し前が、採用時期として適期と言えます。

不動産業のサイクルに合わせた転職活動の例(業界経験者)

10月:情報収集 
10月末:転職エージェント登録 
11~12月:選考開始~内定

2月〜3月は繁忙期であるだけでなく、新卒社員の求人がピークで、経験者の転職組にはやや不利になる可能性もあります。

上記はあくまで一例であるため、有資格者の退職にともなう人員の補充が急がれる場合などニーズは通念あります。採用情報には常にアンテナを張っておき、「この会社はなぜ今採用しようとしているのか」を考えてみましょう。

不動産業界・自分にとって最適な転職タイミングとは

続いて、理想の転職タイミングとは、どのようなものかを解説します。
転職の際は、ゆっくりタイミングを図っていられない時もありますが、新しい仕事に専念できるよう、

なるべく余裕をもって新しいステージに備えたいものです。ここでは、どのようなことを考慮しながらタイミングを図るかを解説します。

現在の仕事の状況

自分の仕事が忙しい時期は転職について準備不足になりやすいので、転職のスケジュールはなるべく計画的に進めましょう。

前職の退職は忙しくない時期、引継ぎをしやすい時期が理想です。現在、不動産業界の方は繁忙期は人手不足で引き継ぎもままならないため、避けるのがよいでしょう。

現在の経済状況

次が決まってから退職できれば理想的ですが、退職して転職活動に専念する場合、転職先の決定が長引くことも想定しておきましょう。

転職期間のための持ち出しの資金が必要となることもあるので、経済的に余裕をもちながら転職活動を行えれば安心です。

ライフイベント

実家からの独立や結婚、出産など、出費やイベントの重なる時期は、転職活動への意識の集中が難しくなります。

ライフイベントに先だって転職を完了し、慣れておくのであればいいですが、大きな人生の変化となる転職は、タイミングとしては慎重に考えた方が良いでしょう。

不動産会社へ転職するまでにやるべきこと

転職活動はタイミングとスケジュールが大切です。転職開始のタイミングまでに、何を終えておくと良いのかを見ておきましょう。

業界研究をする

不動産業界とはどのような仕事をしているのか、職種ごとの業務内容やワークライフバランス、キャリアデザインなどを知りましょう。

業界研究で得た知識をもとに、不動産業界でどんな仕事をしたいか、志望の方向性を組み立てていきます。不動産関連のキーワードで「DX」や「空き家問題」など、現状がどのようになっているかを学んだり、関連する知識を身に付けておきましょう。

不動産営業に関する書籍を事前に読んでおくこともおすすめです。

資格を取得する

転職先の方向性が定まったら、不動産関連の資格取得を目指すのもおすすめです。

合格していなくとも「今年受験予定」というだけで採用側の評価は違ってきますし、試験勉強は業界研究の一環にもなります。

不動産業界は、資格がなくとも高収入を上げている方はたくさんいますが、資格取得にはさまざまなメリットがあります。

各種の不動産関連の中でも、不動産業に共通する仕事の基礎が最もよく分かり、業務にも役立つのが宅建の資格です。

宅建の勉強をする際には、業界研究を兼ねて以下をやってみると、合格しやすくなります。

  • 出題される契約書面などの実物がどのようなものか、入手して見ておく(できれば記入済みのもの)
  • 都市計画(市街化区域と調整区域の違い)を実際に街で確認してみる。
  • 建築基準法や都市計画法の法令制限(セットバックなど)を実際の物件で確認してみる。
  • 権利関係は、実際にどんな事例があるかを不動産会社の人に聞いてみる。

このような手段で、宅建試験の出題内容を実務に近い状況で理解して、記憶することができます。

企業研究をする

応募候補の会社について情報を整理して、会社ごとに比較してみましょう。
例えば以下のような項目が挙げられます。

  • 会社概要
  • 業態
  • 求める人材
  • 待遇や福利厚生
  • どのような物件を扱っているか
  • 地域密着度

特に着目したい点は、不動産会社としてどのような個性や特色を打ち出して、周辺の他社との差別化をしているかです。

扱う物件から、ターゲットとするお客さまが分かることがあります。例えば賃貸物件は、広めの間取りが豊富であればファミリー層重視で、戸建の売買も同時に盛んであることが多いでしょう。

また、対象エリアを広めにとって物件の仲介に特化しているか、地域密着の売主として中小規模の開発を行っているかの違いも、着目するべき点です。

経験者の中途採用の場合でも、即戦力を期待されやすいので企業研究は手抜かりなく行いましょう。

注意点として、企業研究は理論武装ではなく企業のニーズをくみ取るのが目的なので、業界研究や企業研究で得た知識を、採用活動の際にアピールはしないようにしましょう。

会社やエリアによって、仕事への取り組み方やマナーが違うので、柔軟に素直に対応することも必要です。

自己アピールポイントを明確にする

情報収集や資格取得で身に付けるもの以外に、ご自身が培ってきたアピールポイントに向き合って整理し、応募を開始するタイミングですぐに使えるようにしておきます。

過去の売り上げや業務改善の実績があれば、なるべく具体的な数字で提示できるのが良いでしょう。
それ以外に不動産業界では、以下の要素がアピールポイントとして効果的です。

コミュニケーション力

コミュニケーションでは、自身が一方的に話すよりも、聞き上手の方がいい印象を与えることができます。

お客さまと接して会話を聞き取る姿勢と、正確に伝達する力は不動産業ではとても大切な要素です。

「この人はきちんと話を聞いてくれているな」というのが後述する信頼感への一歩です。また、コミュニケーション力は説得やクレーム対応、営業のクロージングなど、あらゆる局面で武器になります。

メンタルの強さ

メンタルの強さは厳しい局面に対する忍耐力ではなく、相手の立場に立つ、自分の至らない点を客観的に見られるといった力でしょう。

風通しの良い意思疎通ができれば、ストレスを溜めずに安定した仕事ができ、そういう方が歓迎されることになります。

目標達成への意識の強さ

目的意識の高さもアピールにつながります。
共同で目的を達成した経験や、目標に到達するためにどんな手段を工夫したかなどをエピソード化してみましょう。

このような自己アピールポイントを発揮できた過去のエピソードを集めて、まとめてみましょう。相手の方に喜んでもらえたか、数字上の成果につながったかというのが、活きたエピソードとしてのポイントです。

まとめ

不動産への転職を有利に行いたい方向けに、不動産業界に転職するタイミングはいつがいいのか、業界の現在の状況、季節的な適期、準備のスケジュールなどを解説しました。

活動に悩んでいる方は是非参考に活動を進めてみてください。

LIFULLが運営する不動産業界専門の転職支援サービスでは、宅建に挑戦中の方を含め、未経験の方のサポートも積極的に行っています。

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あなたにマッチした、不動産業界での働き方を一緒に考えていきましょう。

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監修

不動産のOTOMO

不動産ブロガー。30歳未経験で不動産業界に転職し、営業や企画に携わり、宅建も取得。不動産業界の魅力を伝えるため「不動産のOTOMO」ブログ運営を開始し、累計40万PVに到達。LH不動産転職の理念に共感し、不動産業界の魅力を伝えるコンテンツを配信中。 資格:宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

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