「宅建士って聞いたことはあるけど、実際に何ができるの?」そんな疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
宅建士は不動産取引において法律で定められた独占業務を持つ国家資格です。この資格があることで、多くの不動産会社では月1万円から3万円の資格手当が支給され、年収アップが期待できます。さらに転職市場でも高く評価されるため、キャリアアップの強力な武器になります。
この記事では、宅建士になると具体的に何ができるのか、どのような収入アップやキャリアメリットがあるのかを詳しく解説します。不動産業界への転職を考えている方や、資格取得でスキルアップを目指している方は、ぜひ参考にしてください。
こんな人におすすめの記事
・不動産営業に転職したいときに有利な資格を知りたい方
・宅建士の資格を取るとどんなメリットがあるか知りたい方
・宅建士の価値を知りたい方
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宅建士になるまでの流れと試験の基本情報
宅建士として活動するには、まず宅建試験に合格し、その後宅建士として「登録」する必要があります。ここでは、宅建士になるための具体的な手順と試験の概要について解説します。
宅地建物取引士とはどんな資格?
宅地建物取引士は、不動産取引において公正で安全な取引を実現するための国家資格です。簡単に言うと、不動産の売買や賃貸において「この物件にはこんな特徴があります」「契約する際はこの点に注意してください」といった重要な情報を、専門知識を持って正確にお客様に伝える専門家のことです。
この資格の最大の特徴は、宅建士にしかできない「独占業務」があることです。つまり、宅建士がいなければ不動産取引ができないため、不動産業界では非常に価値の高い資格とされています。
宅建試験の難易度はどの程度?
宅建試験は年齢制限がなく、10代から90代まで幅広い年齢層が受験しています。令和5年の試験結果を見ると、約23万人が受験し、合格者は約4万人でした。合格率は17.2%となっており、約6人に1人が合格する計算になります。
国家資格としては比較的取得しやすい部類に入りますが、決して簡単な試験ではありません。試験は50問の四肢択一式(マークシート)で記述問題はないものの、しっかりとした準備が必要です。毎年10月の第3日曜日に開催され、申し込みは7月頃から始まります。
試験合格後の登録手続き
試験に合格しただけでは、まだ宅建士として活動することはできません。宅建士として業務を行うには、都道府県知事への登録が必要になります。
登録には以下のいずれかの条件を満たす必要があります。
不動産業界での実務経験が2年以上あること、または登録実務講習を修了することです。登録実務講習は宅建試験ほど難しくなく、合格した知識があれば十分に修了できる内容とされています。
登録にかかる費用は37,000円で、申請書類は試験を受けた都道府県知事に提出します。都道府県によって手続き方法が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
宅建士になると具体的に何ができるのか?
宅建試験に合格し、登録が完了すると、ついに宅建士として活動できるようになります。では、宅建士になると具体的にどのようなことができるのでしょうか。宅建士だけの独占業務から、実生活で役立つメリットまで詳しく解説します。
宅建士だけができる3つの独占業務
宅建士が不動産業界で重宝される最大の理由は、法律で決められた「独占業務」があることです。これは宅建士の資格を持った人でなければ絶対にできない業務で、この業務があるからこそ宅建士の価値が保たれています。
1. 重要事項の説明
不動産を購入したり借りたりする前に、お客様に物件の重要な情報を説明することです。「この物件は築何年か」「どんな設備があるか」「ローンの条件はどうか」「契約を解除する場合の条件は何か」など、取引に関わる大切な情報をすべて伝える必要があります。
2. 重要事項説明書への記名・押印
重要事項を説明した内容を書面にまとめ、そこに宅建士が自分の名前を書いて印鑑を押します。これにより「私が責任を持って説明しました」という証明になります。
3. 契約書面への記名・押印
最終的な売買契約書や賃貸契約書にも、宅建士が記名・押印することが義務付けられています。契約内容に間違いがないことを保証する重要な作業です。
月1万円〜3万円の資格手当で年収アップにつながる
宅建士の資格を取得すると、多くの不動産会社で資格手当が支給されます。一般的な金額は月1万円から3万円程度で、年間にすると12万円から36万円の収入アップが期待できます。
なぜこれほどの手当が支給されるのでしょうか。それは、不動産会社では従業員5人につき1人以上の宅建士を配置することが法律で義務付けられているからです。
つまり、宅建士がいなければ不動産会社は営業できないため、会社にとって非常に価値の高い人材なのです。
転職市場での優位性を築ける
不動産業界への転職では、宅建士の資格があるかないかで選考結果が大きく変わります。未経験者でも宅建士の資格があれば、即戦力として評価されることが多いのです。
特に、宅建士の数がギリギリの不動産会社では、宅建士が退職すると営業停止になってしまう可能性もあります。
そのため、多くの不動産会社では宅建士の確保が重要な経営課題となっており、転職活動では大きなアドバンテージになります。
名刺に記載可能
宅建士証は顔写真付きの公的な身分証明書として使用できます。
運転免許証やパスポートと同じように、銀行での手続きや各種契約の際に本人確認書類として提示できるため、普段の生活でも便利です。
また、名刺に「宅地建物取引士」と記載できるため、お客様からの信頼度が大幅に向上します。
初対面のお客様にも「この人は国家資格を持った専門家なんだ」という安心感を与えることができます。
実生活で役立つ法律知識が身につく
宅建試験では民法という法律を学習します。民法は私たちの日常生活における契約やトラブルについて定めた基本的な法律です。
この知識があることで、自分が家を買ったり借りたりするときにも、不利な契約を結んでしまうリスクを避けることができます。
家族や友人が不動産取引をする際にも、専門知識を活かしてアドバイスできるため、周囲からも頼りにされる存在になります。
「この契約条件は大丈夫?」「重要事項説明で注意すべき点は?」といった相談に答えられるのは、大きなメリットといえるでしょう。
宅建士が活躍できるのは不動産業界だけではない
宅建士といえば不動産会社で働く人の資格というイメージが強いかもしれませんが、実際は様々な業界で宅建士の知識が求められています。
どのような場面で宅建士が活躍しているのか、具体的に見てみましょう。
不動産業界での活用範囲
売買・賃貸仲介会社での活用
不動産の売買や賃貸仲介を行う会社では、宅建士の独占業務が日常的に必要になります。お客様への重要事項説明や契約書への記名・押印は、すべて宅建士でなければできない業務です。
営業担当者として働く場合、宅建士の資格があることで即戦力として評価され、昇進や昇格のチャンスも広がりやすくなります。
不動産管理会社での活用
賃貸物件の管理を専門とする会社でも、宅建士は重宝されます。入居者との契約更新時や新たな賃貸契約締結時には重要事項説明が必要になるためです。
また、物件の維持管理やクレーム対応においても、不動産に関する専門知識があることで、より適切な対応ができるようになります。
建設・住宅業界での需要
住宅メーカー・工務店での活用
注文住宅や建売住宅を販売する会社では、建物を建築するだけでなく、土地の売買も同時に行うケースが多くあります。
このとき、土地の売買契約には宅建士の独占業務が必要になります。建築の専門知識に加えて不動産取引の知識があることで、お客様により総合的なサービスを提供できるため、営業力の向上につながります。
リフォーム・リノベーション会社での活用
既存住宅のリフォームやリノベーションを手がける会社でも、宅建士の知識は活かされます。
工事後の物件を販売する場合や、中古物件を購入してリノベーションする事業では、不動産取引の知識が重要になるからです。
金融業界での価値
銀行・信用金庫での活用
住宅ローンを提供する金融機関では、融資の際に不動産を担保として評価する必要があります。
宅建士の知識があれば、担保となる不動産の適正価値や市場動向を理解でき、より精度の高い融資判断ができるようになります。
また、不動産投資ローンや事業用不動産の融資においても、物件の収益性や将来性を評価する際に宅建士の知識が役立ちます。
保険会社での活用
火災保険や地震保険などの損害保険を扱う部門では、不動産の価値や構造を正しく理解する必要があります。
宅建士の知識があることで、適切な保険金額の設定や、事故時の損害評価をより正確に行うことができます。
その他の業界での活用
不動産関連のIT企業での活用
不動産情報サイトの運営や、不動産業界向けのシステム開発を行う企業でも、宅建士の知識は重宝されます。現場の実務を理解していることで、より使いやすいサービスの企画・開発ができるためです。
コンサルティング業界での活用
企業の不動産戦略立案や、不動産投資のアドバイザリー業務においても、宅建士の専門知識が活かされます。理論だけでなく、実務に精通していることが強みになります。
宅建取得時に合わせて検討したい関連資格
宅建試験の勉強で学ぶ内容は、他の資格とも親和性が高いです。
ここからは宅建取得時に合わせて検討したい資格について解説します。
マンション管理士
分譲マンションなどの管理や運営に関する専門的な資格がマンション管理士です。
マンション全体の管理業務に対する専門家として関わりを持つため、長期的な需要が見込める資格とされています。
マンション管理士の業務内容としては、管理組合への運営アドバイス、大規模修繕に対する長期修繕計画の作成サポート、マンションの維持管理に関するコンサルティングなどがあります。
マンション管理士の資格も試験に合格する必要がありますが、宅建試験と共通している出題範囲もあります。宅建試験の1ヶ月後にマンション管理士試験が開催されるため、宅建試験後にマンション管理士の試験に取り組む方も多いとされています。
管理業務主任者
管理業務主任者とは、分譲マンションの管理会社が管理組合に対して管理契約を締結する際、重要事項の説明や管理事務報告をする際に必要な資格です。
マンション管理士と同じように分譲マンションの管理に関するサポートが主な業務内容といえます。
宅建試験の出題範囲と共通している部分も多いので、こちらもマンション管理士同様、同時に受験しやすい資格とされています。
宅建士が不動産全般の知識を有し、不動産売買や賃貸の仲介に関して公平かつ円滑な取引をするために責任を持つ資格に対し、管理業務主任者は分譲マンションの管理面に特化した資格です。
営業面と管理面の資格を同時に保有することにより、転職などにおいて大きな優位性を持つことが期待できるでしょう。
賃貸不動産経営管理士
賃貸不動産経営管理士とは、賃貸経営に関する専門家の立場を有する資格です。
賃貸不動産経営管理士の資格は、不動産投資などを希望する人に対し賃貸経営の専門家としてさまざまなサポートを行う役割があります。
宅建との親和性が非常に高い資格といえるでしょう。2021年に国家資格化された、注目度の高い資格ともいえます。
不動産鑑定士
数ある不動産関係の資格において最も難易度が高いといわれるのが不動産鑑定士です。
宅建士よりも難易度が非常に高い資格で、合格には長期間の勉強時間が必要とされています。不動産鑑定士の資格を取得することで、不動産の価値が鑑定できるようになります。
鑑定士事務所を開設できるほどの専門性の高い資格ですが、宅建資格とのダブルライセンスによって需要が大きく高まることが期待できるでしょう。
取得には長期間の学習と覚悟が必要ですが、興味のある方はぜひチャレンジを検討してみてください。
まとめ
今回は、宅建士の年収や活かし方をテーマに解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
宅建士の資格は不動産営業にとって非常に有効な資格となり、年収アップやスキルアップにつなげることができるので、是非とも取得しておきたい資格です。
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