宅建独学でゼロからのスケジュールは?効率の良い勉強方法とは

2025年09月23日

毎年20万人以上が受験する宅建試験(宅地建物取引士試験)は、通学講座、通信講座など、受験をバックアップするための様々なサービスが充実しています。しかし、時間や予算の関係でそのようなサービスが受けられない人が多いのも事実です。

宅建は、独学でも合格することができます。本記事では独学の基本的なノウハウ、合格に必須の効率の良い勉強法をご紹介します。

こんな⼈におすすめの記事
・宅建を独学で取得したいが不安
・独学での合格実例を参考にしたい
・独学の学習スケジュールが知りたい

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宅建は独学でも十分合格できる

宅建が独学でも合格できる点について、詳細を説明します。それは国家試験が人材育成を目的としていることに関係があります。

独学でも合格できる理由

宅建は試験問題だけ見ると難問も出題され、専門的な指導がないと合格できないという先入観が生まれがちです。

しかし実際はそのようなことはなく、正答率60%以上の基本的な問題に正答できれば、ほとんどの年度の合格基準点を超えることができるようになっています。

試験に難問も含むのは、簡単に取得できない程度に合格率を維持するためと考えられます。

基本的な問題をきっちり学習し、あとは法改正など年度特有の情報を押さえておけば、独学でも十分に合格が可能です。

独学者のハンデはある?

宅建試験の平均的な合格率17~18%に対して、各通学予備校の合格率は70%台が主流とかなり高くなっています。一方で独学者の合格率は、予備校受講者と比べて相当低いと推測されます。これらの差については、理由は以下のように考えられます。

  • 講義のインプット内容
  • その年の試験の最新情報
  • 刺激・モチベーション

これらの点を補えれば、独学でも有利に転じることができます。

学習カリキュラム自体は、独習用テキストもすぐれた内容です。独学者の推定10%台の合格率は、勉強方法や量が適切でない可能性があります。テキストをひと通り読むだけでは、中々正答率をあげることは難しいです。

最近ではYoutubeなどでも視聴可能な良質なコンテンツも増えているため、工夫次第では独学者固有のハンデは減ってきていると言えるでしょう。

宅建試験とは?独学者の実態

独学の受験者像について、もう少し深掘りをしてみましょう。

独学者の割合は非常に高いと考えられる

宅建受験者に占める独学者の割合の高さは、複数の指標から確認できます。

年間申込者が20万人以上という大きな市場に対し、各出版社が競って多数の宅建テキスト・参考書を出版していること、オンライン上の合格体験談で独学での合格報告が圧倒的多数を占めていること、SNS上でも独学での学習記録が数多く投稿されていることなどがその根拠として挙げられます。

ただし、どの程度の独学者が適切な試験準備をしているかは不明な部分もあります。

独学者のタイプ分類

独学の受験者は主に、以下のように分類されると考えられます。

  • 実務経験を積みながら2~3回の受験で取得するタイプ
  • 実際には従業しないが合格自体を目的とするタイプ
  • 学生が在学中に受験(合格者全体の1割前後)
  • 転職によるキャリアアップ狙い(国家資格初学者が大半)

もっともモチベーションが高いのは転職組、続いてすでに不動産業界に働く人であると考えられます。この両者は働きながら合格を目指すため、勤務時間以外で効率的な学習方法と時間の使い方を求められます。

宅建独学の効率を最大化するスケジュール案

宅建の合格に必要とされる勉強時間は300~400時間といわれ、この幅は個人差を表しています。準備期間の長さによって、以下の合格に必要な3期をどのように配分するかをご紹介します。

  • インプット期: テキスト読みで理解を進める時期
  • 定着期: 反復で記憶の定着と不得意分野の洗い出し・潰し
  • アウトプット期: 模試や練習問題、過去問の反復でさらにできない問題潰し

1年プラン

インプット期(11~3月)⇒定着期(4~8月)⇒アウトプット期(9~10月)
勉強時間:平日=30~60分 週末=60~90分

時間に余裕がありますが、油断は禁物です。インプット期は受験勉強に慣れる意味合いも含めて、例えば1日10分だけでも毎日積み重ねることを習慣にしましょう。

時間的な余裕を生かして不動産市場の最新動向(賃貸の空き部屋率、不動産に関係する法改正とその意味、どんな家が売れているかなど)にもアンテナを張り、情報収集してみましょう。試験に出るというよりも、業界への関心を高めるためです。

定着期は、ちょうど試験出願の時期に当たりますが、過去問中心に繰り返しで記憶の定着を進めましょう。アウトプット期には模試を予約し、力試しと場慣れをはかります。

6か月プラン

インプット期(4~5月)⇒定着期(6~8月)⇒アウトプット期(9~10月)
勉強時間:平日=60~90分 週末=90~120分

6~7か月は標準的な取り組みの勉強期間設定です。最初の2か月でテキストを2~3回通すことが出来るのが理想です。定着期には出来ない、分からない部分を洗い出しながら、8月中に法改正関連の問題などはチェックしておきます。

できれば9月と10月の直前に2回は模試を受けて実力を確認し、学習に活かしましょう。

3か月プラン

インプット期(7~8月)⇒定着期・アウトプット期(9~10月)
勉強時間:平日=90~120分 週末=150~210分

短期決戦型のため、過去問題演習を中心に取り組みましょう。1日の勉強時間を隙間時間等をフル活用して取り組む必要があります。

間違えた問題が理解できるようになるまで、印を入れて繰り返します。問題演習、テキストの読み込みを繰り返しましょう。

効率重視のため、3か月プランの場合は問題の優先順位がついている問題集がおすすめです。優先順位が低いCランク問題は後回しにし、A、Bの問題を中心に進めましょう。可能であれば公開模試を1回受けられると理想です。

独学に適した教材選びと勉強環境の整え方

通学講座ではあまり考えない教材選びと環境整備ですが、独学の場合はすべて自分で考える必要があります。

教材選び

テキストは単元末に1肢ごとの関連頻出問題が載っているものを選びましょう。テキストとセットになって出版されている過去問・問題集も準備します。スマホアプリと連動するタイプのものもあるので、自分に合ったものを探しましょう。

上記の2冊以前に、最初にマンガ図解系のテキスト本を1冊読み通すのも効果的です。

過去問を解くために、スマホにアプリを入れます。アプリは各問題について本試験での正答率や、自分の過去の正誤履歴がデータで残るものが必要です。

模試は予約して受ける会場模試が理想です。郵送やネット採点も活用しましょう。

勉強環境

自宅は一人になれる場所、静かで極力物が置いていない部屋に、机を置いて利用しましょう。可能な範囲ですが、範囲で気温や光量変化の少ない部屋が理想的です。図書館やカフェ、自習室も効果的です。

仕上げ期には暗記する数字を壁に張りましょう。トイレなどに貼っておくのもおすすめです。集中しやすい環境には個人差があるので、自分が一番得意とするスタイルを見つけましょう。

限られた時間で結果を出す勉強法

働きながらの限られた時間、かつ独学で合格を目指すには、学習内容以外にもノウハウがあります。

重要分野の見極め

まず学習範囲の全体像をとらえ、分野の特性や分野ごとの勉強法を把握しましょう。例えば「何のための法律なのか」や「この分野は暗記主体だ」などです。

何のための法律なのか?といった背景は、通学講座は丁寧に教えてくれますが、テキストに書かれているケースはそう多くはありません。

まず、簡単な問題を落とさないように宅建業法と、諸法令の数字暗記問題は、最優先で正答率を上げていきます。

そして、権利関係の民法や不動産登記法は余裕ができてから丁寧に取り組みましょう。これらの認識・区分けがはっきりできていれば、合格がしやすくなります。

効率的な暗記法

不得意な個所を洗い出して狭めていくことで、得点力が上がります。記憶の定着を図るためには、前述のようにまず繰り返しを増やすことです。

また、リアリティのある記憶は「生きるのに必要な情報」に分類され、長期記憶化しやすくなります。実務で使用している契約書、重説、謄本などを入手して、問題文と照らし合わせると良いでしょう。インターネットでも用語を検索することで、実際の画像を目にすることができます。

生活習慣の見直し

1日のうちの勉強可能な時間や、すき間時間を洗い出してみましょう。朝出勤前の勉強がおすすめです。また、国家試験受験を機会に、最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることも大切です。

記憶力と生活習慣

気をつけたいことストレス、睡眠不足、過度の飲酒
心がけたいこと適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠

宅建独学者が陥りがちな失敗パターンと対策

ここからは、独学者の注意すべき失敗パターンの回避策をご紹介します。

教材選びの失敗

テキスト選びの際に、5問免除講習や登録実務講習に使うような分厚いテキストは公的な点が頼もしいですが利用には注意しましょう。

これらのテキストは広い範囲がカバーされておらず、要点の絞り込みがなされていない状況です。したがって独学で使うと、優先順位づけができません。

テキストは最新年度のものを利用するようにしましょう。過去問題集も、法改正が反映されている最新のものを選びましょう。同様に、更新が止まっている=アップデートされていないアプリの使用もやめましょう。

関連記事>>宅建の勉強におすすめのアプリは?6選を紹介!

情報不足のリスク

独学者には、通信や通学の講座受講者が得られる情報がありません。法改正などを踏まえた頻出必至の問題、今年の出題傾向予想などは、模試やネット上の情報などで仕入れる必要があります。

ネット上で根拠のはっきりしない不正確な情報には、振り回されないよう注意しましょう。宅建試験は急に難しくなったり、合格率が急降下することはなく、毎年比較的安定した内容で行われます。

モチベーション低下の罠

周囲に受験者がいない状態で一人で勉強を続けていると、刺激や不安の共有ができずにモチベーションが下がる時もあるかと思います。

受験者を周囲に探したり、模試の受験やネット上の体験談などをうまく活用したりすることで、気持ちのテンションを保ちましょう。

宅建独学合格する人の共通点(継続のコツ・時間管理術)

宅建を独学で合格する人に共通するのは、完璧主義よりも「継続力」を重視できる人です。毎日高いモチベーションを維持する必要はなく、むしろ淡々と決めたことを実行できるかどうかが鍵となります。

合格者は「今日はテキストを10ページ読む」「今週中に過去問50問解く」といった具体的で実現可能な目標を立てています。そして「8月末までにテキスト3周完了」「9月末までに過去問2周目終了」など、月単位での大きな目標も明確にし、それを着実にクリアしていくことで自信を積み重ねていきます。

また、合格する人は、できない問題や苦手分野から目を逸らしません。模擬試験で思うような点数が取れなかったとき、感情的にならずに「なぜ間違えたのか」「どの分野の理解が足りないのか」を冷静に分析し、具体的な対策を立てられます。この振り返りと改善のサイクルが、着実な実力アップにつながっています。

継続は力なり。小さな積み重ねを大切にできる人こそが、独学での宅建合格を手にしています。

まとめ

繰り返しとなりますが、正しい方法であれば、独学でも宅建合格は十分可能です。時間の使い方と勉強法の工夫をしっかり行うことで、合格率は上げられます。

また、蛇足ですが不動産業にすでに勤務している場合は、5問免除はできる限り受けましょう。5問が自動的に正解になることのありがたさは、少し学習を進めてみれば分かるかと思います。

「今から始めれば間に合う」を合言葉に、ぜひチャレンジしていただけたらと思います。

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監修

不動産のOTOMO

不動産ブロガー。30歳未経験で不動産業界に転職し、営業や企画に携わり、宅建も取得。不動産業界の魅力を伝えるため「不動産のOTOMO」ブログ運営を開始し、累計40万PVに到達。LH不動産転職の理念に共感し、不動産業界の魅力を伝えるコンテンツを配信中。 資格:宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

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