【2025年】宅建の合格点推移と過去の受験者数は?10年分のデータをもとに解説

2025年08月26日

宅建の資格は、不動産のことをよく知らない方には難しく感じますが、知識ゼロからでも充分合格できる試験です。この記事では不動産業界を目指す方、宅建受験を考える方向けに、試験のレベルや過去の合格点・受験者数の推移などを解説します。

こんな⼈におすすめの記事
・宅建試験はどの程度の点数で合格できるか知りたい
・宅建試験は毎年難易度が変わるか知りたい
・どうやったら合格点をクリアできる?

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宅建試験の概要について

まずは、宅建試験の概要について解説します。

不動産資格の基礎

宅建試験(宅地建物取引士試験)は、不動産取引の基礎になる関係法令の知識や、不動産業で守らなければいけないルール、税金に関する基礎などの知識を問う試験です。不動産業務に必要な知識を幅広くカバーしているため、業界就職の第一歩として位置づけられています。

以下、試験の概要です。

スケジュール

  • 6月上旬:試験日発表
  • 7~8月:試験案内配布・出願
  • 9月:受験票発送
  • 10月第3日曜日:試験日
  • 11月:合格発表

受験資格 なし。年齢・性別・学歴・職歴・国籍ほか不問。

試験方法 四肢択一式マークシート方式 2時間 50問回答(登録講習修了者の場合は45問)

試験科目

科目問題数配点
宅建業法20問20点
権利関係(民法等)14問14点
法令上の制限8問8点
税・その他8問8点

試験地 原則として、住民登録している都道府県の会場。 受験票で試験会場指定。

受験料 8,200円

※不動産適正取引推進機構

圧倒的な受験者数が示す資格の価値

宅建試験の特徴として、受験者数が多いことが挙げられます。2024年の受験者数は241,436人と他の不動産系資格と比較しても、多いことがわかります。

2024年・不動産関連資格の受験者数と合格率

資格名受験者数合格率公式発表サイト
宅地建物取引士241,436人18.6%不動産適正取引推進機構
不動産鑑定士(短答試験)2,144人36.3%国土交通省
不動産鑑定士(論文試験)847人17.4%国土交通省
マンション管理士10,955人12.7%マンション管理センター
管理業務主任者14,850人21.3%マンション管理業協会
賃貸不動産経営管理士30,194人24.1%賃貸不動産経営管理士協議会

※各試験実施機関の公式発表数より

なぜ宅建士が求められるのか?

宅建士の有資格者は、接客や書類作成で独占業務(宅建士しかできない業務)を持ちます。また、不動産企業には従業員5名のうち1人という宅建士の設置義務があり、希少性が高い資格です。また、設置義務があることから各不動産会社は、宅建士を資格手当付きで採用したり募集を行なっています。

不動産業以外に建設、金融機関、保険業界、地方自治体や一般企業の財務などの分野でも、宅建士の有資格者が求められる募集があります。

毎年4万人前後も合格者を出して、飽和状態にならないのか心配も出そうです。

しかし、宅建試験に合格したものの宅建士として登録しない方が相当数にのぼるうえ、高齢で資格登録を消除する方もいるため、飽和状態にはなっていないのが現状です。 宅建を取ることでキャリアが広がる点は一つの大きな特徴と言えるでしょう。

関連記事>>【2025年版】宅建士になるとできることは?3つの独占業務と年収アップ効果を解説

過去10年の宅建試験の傾向

ニーズが高いということは、宅建試験は年々難しくなっているのでしょうか? 過去の宅建試験のデータ10年分から、合格点の変遷などの情報を分析してみましょう。

2024年の合格点は37点で合格率18.6%

2024年の宅建試験は「過去数年で最高の合格率18.6%」を記録しました。

・受験者数:241,436人(過去最多)
・合格者数:44,992人
合格率:18.6%
合格点:37点(50点満点)

過去10年の合格点の推移は?

続いて、過去10年までさかのぼった傾向も見てみましょう。

実施年度受験者数合格者数合格率合格点(一般)合格点(5問免除)
令和6(2024)241,43644,99218.6%3732
令和5(2023)233,27640,02517.2%3631
令和4(2022)226,04838,52517.0%3631
令和3(2021)10月12月209,74924,96537,5793,89217.9%15.6%34342929
令和2(2020)10月12月168,98935,25829,7284,60917.6%13.1%38363331
令和元(2019)220,79737,48117.0%3530
平成30(2018)213,99333,36015.6%3732
平成29(2017)209,35432,64415.6%3530
平成28(2016)198,46330,58915.4%3530
平成27(2015)194,92630,02815.4%3126
平成26(2014)192,02933,67017.5%3227

試験実施概況(過去11年間)| 不動産適正取引推進機構

2020年と2021年のみ、コロナ禍で受験会場の密度を緩和するために、試験が2回行われました。 

これまでの傾向を見ると、過去最高点数は令和2年の10月試験で38点の合格ラインとなりました。それまでは平成30年の37点が最高点でしたが、その点数を上回った形となります。

受験者数は約20万人以上を推移

平成29年以降、宅建試験の受験者数は20万人以上が続いています。2024年は24万人を超え、過去最多の受験者数となりました。

先程の他資格でも比較しましたが、多くても数万人の受験資格が多い中で、非常に多くの受験者がいる人気試験であることが分かります。 

宅建試験は受験の要件も幅広く年齢制限などもないことから、様々な背景の方が受験している試験です。

宅建試験の合格点目標は37点以上・上位18%以内

宅建試験には「○点取れば必ず合格」という固定の合格点はありません。その年の受験者全体の成績に応じて合格ラインが決まる相対評価制です。

試験実施後、まず問題の正答率データが分析され、全受験者の成績分布が確認されます。そして上位15〜19%程度に入る点数を合格点として設定するのです。この仕組みにより、1点の差で数万人の明暗が分かれることになります。

合格率15〜19%の範囲で合格基準点が決められている

宅建試験の合格率は過去20年までさかのぼっても、大体15〜19%の幅で推移しています。受験者数の増減があっても、それに合わせるかのように、合格率はだいたい一定です。

この15〜19%という数字は、宅建士の数の増減やニーズを見越して決められていると考えられますが、ほぼ変わりません。

比較すると、資格として歴史の浅い賃貸不動産経営管理士などは、有資格者のニーズの変化や国家資格化にともない受験者も増加しました。過去10年の合格率が85%前後から30%前後まで、大きく変動しています。

関連記事>>なぜ宅建の合格率は低いのか?理由と受かるための方法を徹底解説

過去の傾向では37点前後が合格ライン

したがって、合格率に合わせて受験者のレベルを一定に保ち、年度ごとの公平性も確保するために、合格点は近年37点前後の範囲で定めていると考えられます。

これらのことから、37点・上位18%以内で大体合格の目安とするのが妥当です。模擬試験なども全問で7割以上の正答率になったら、合格が見えてくるラインです。

しかし、近年は難化している傾向にもあるため、38〜40点の得点力をつける必要があります。37点ギリギリを目指すと、本番で間違える可能性やイレギュラーに対応できないためです。より合格確率を上げるためには高いラインに目標を定めるのも一つでしょう。

合格点目標をクリアするには?

具体的には、どこまで勉強すれば合格点目標をクリアできるのでしょうか?

勉強時間と勉強内容を決める

勉強のスケジュールを組み立てるうえで、自身に立場の似た過去の受験者の体験から、勉強法や時間の使い方を参考にしましょう。

似た立場とは、不動産業界経験、国家資格の受験経験、現在仕事をしているか、予備校か独学かなどです。一日に何時間勉強するか、テキスト、過去問、模試などを含めた本番までの勉強量を決めます。 

物量がすべてではありませんが、勉強量はやはり実力や自信につながります。以下は独学で必要とされる300時間をクリアするために必要な1日の勉強時間の目安です。

1日の勉強時間勉強日数
1時間約10カ月(300日)
2時間約5カ月(150日)
3時間約3カ月強(100日)

1日2時間平均確保するのであれば、少し余裕を見て4月末にスタートを切るということになります。

 宅建試験は、正しい勉強法で毎日着実に勉強できれば、合格ラインに達することができる試験です。 受験する方の知識レベルによって、必要な勉強時間は異なります。例えば法学部出身で知識がある方と、全く法律の知識がない方では、土台も変わってくるでしょう。 

宅建試験は、受験者数も多いですが、申し込みしたにも関わらず、実際に受験しない方も多くいます。試験当日を無事に迎えられるよう、無理ないスケジュールを計画することが合格の秘訣とも言えます。

関連記事>>【2025年】宅建の勉強時間の目安は?1年前から3ヶ月前までの勉強時間や進め方を解説

模試で実力を確認する

模試は8月以降に予備校、独学用などが実施されるので、複数回受験して実力を確認しましょう。点数や評価、合格可能性、自身の弱い分野などを参考にし、合格レベルに達しているかも判断します。

模試は本番に慣れるというメリットもあるので、オンラインだけでなく会場実施の模試を受けてみるのもおすすめです。 本番の試験時間やスケジュールに合わせて受けることで、当日焦らないようなシミュレーションを行いましょう。

試験は全体で2時間ですが、どう配分するのか、事前に対策が必要です。

実際の現場を見て、記憶とひもづける

宅建試験につきものの専門用語や、学習範囲の広さを実際に目で見て確かめることも、記憶には有効です。例えば、「市街化区域」と「調整区域」といった専門用語がありますが、これらはネットで画像などを調べることで、イメージを沸かせることができます。 

可能であれば現地に行ってみて、雰囲気を感じてみるのも有効です。 

また、宅建士の独占業務である重要事項説明書(35条書面)の記載内容を覚えるときは、実際の重要事項説明書を手に入れて、テキストの記述と中身を見くらべましょう。

テキストだけよりも、すんなり頭に入るでしょう。登記簿謄本も同様です。 難解な用語や、広範囲の法律のひとつづつが人々の住まいや暮らし、街づくりにどう関わっているのかが分かれば、勉強の効率は飛躍的に良くなります。

5問免除を利用する

5問免除とは、不動産会社で実務に就いている方向けの優遇制度です。

アルバイトやパートでも、不動産会社から従業者証明を発行してもらえれば、免除の資格が得られます。

受講料を払ったうえで、指定された日程で国土交通大臣が指定する講習を受講し、「登録講習修了者証明書」の交付を受けます。

5問免除の対象の分野は、難易度の高い問題ではありませんが、5点加算の安心感は大きいです。利用できるならおすすめといえるでしょう。

継続学習のコツ

モチベーション維持のためには、週単位での目標設定による小さな達成感の積み重ねが効果的です。

学習記録をつけて進捗を可視化し、SNSやブログで仲間との情報交換を行うことも励みになります。何より資格取得後の明確な目標を持つことで、学習への意欲を持続できます。

挫折を防ぐためには、無理のないスケジュール設定と体調管理の優先が不可欠です。完璧主義にならず、定期的な息抜きを確保しながら、長期間にわたる学習を継続していくことが最終的な合格につながるのです。

まとめ

宅建受験を考える方向けに、試験のレベルと、過去の合格点・受験者数の推移などを解説しました。

合格率15〜17%は、決して易しい試験ではありませんが、不動産会社で働く上では必須の資格です。正しい勉強法をすれば合格可能な試験のため、ぜひチャレンジしてみてください。

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監修

不動産のOTOMO

不動産ブロガー。30歳未経験で不動産業界に転職し、営業や企画に携わり、宅建も取得。不動産業界の魅力を伝えるため「不動産のOTOMO」ブログ運営を開始し、累計40万PVに到達。LH不動産転職の理念に共感し、不動産業界の魅力を伝えるコンテンツを配信中。 資格:宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

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