積水ハウスはグループ全体で約3万人もの社員を擁する住宅メーカーグループです。
高付加価値の住宅・建物を提供する「請負型事業」、請負型事業の顧客基盤を活かしてリフォームや賃貸住宅管理などを展開する「ストック型事業」。また、都市再開発やまちづくりを行う「開発型ビジネス」のほか、多角的な国際事業も発展しています。
本記事では、積水ハウス株式会社の業績や事業内容・強み、社員の状況などについて、特に核となる戸建住宅事業の詳細を中心に解説します。
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積水ハウス株式会社の沿革と会社概要
積水ハウスは1960年、大手プラスチックメーカーの積水化学工業のハウス事業部を母体として始動しました。
当時従来の木造軸組工法より安価で品質の安定した、鉄骨とプラスチックを用いたプレハブ工法(※)住宅の開発・メーカーとして歩み、1982年には賃貸住宅も発売、鉄骨造やツーバイフォーなど各種工法に分野を拡大していきます。
現在では積水ハウスの戸建住宅はデザイン・快適性・耐久性・省エネルギーなど、こだわりの最新性能をまとった高坪単価の高級商品として認識されるようになりました。
※プレハブ=prefabrication(プレファブリケーション)の略。工場で部材を加工・生産し、現場で組み立てる建築方法。
会社概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 積水ハウス株式会社 |
| 代表者 | 代表取締役兼CEO 社長執行役員仲井 嘉浩 |
| 設立 | 1960年8月1日 |
| 主な事業内容 | 建築工事の請負及び施工建築物の設計及び工事監理不動産の売買、交換及び貸借並びにこれらの仲介及び代理不動産の管理及び鑑定並びに不動産コンサルティング ほか |
| 資本金 | 203,094,381,872円(2025年1月31日現在) |
| 上場取引所 | 東京証券取引所(東証)プライム市場 名古屋証券取引所(名証)プレミア市場 |
| 本社所在地 | 大阪市北区大淀中一丁目1番88号梅田スカイビル タワーイースト |
| 従業員数(単体) | 15,664名 (2025年1月31日現在) |
売上・利益3期分(単体)
まず、積水ハウス単独の業績です。
| 項目 | 2023年1月(第72期) | 2024年1月(第73期) | 2025年1月(第74期) |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 1,203,804 | 1,283,433 | 1,312,172 |
| 経常利益(百万円) | 132,806 | 157,460 | 183,771 |
| 当期純利益(百万円) | 115,222 | 131,332 | 177,347 |
売上・利益3期分(連結)
続いて連結の数字を見てみましょう。
| 項目 | 2023年1月(第72期) | 2024年1月(第73期) | 2025年1月(第74期) |
|---|---|---|---|
| 売上高(百万円) | 2,928,835 | 3,107,242 | 4,058,583 |
| 経常利益(百万円) | 257,272 | 268,248 | 301,627 |
| 当期純利益(百万円) | 184,520 | 202,325 | 217,705 |
2025年1月期連結決算は、売上高が前期比30.6%増の4兆585億円、営業利益が同22.3%増の3313億円、経常利益が同12.4%増の3016億円、純利益が同7.6%増の2177億円です。単体連結ともに、建材費高騰の折にもかかわらず、すべて過去最高を更新しています。
積水ハウス株式会社の事業内容と強み
この項では、積水ハウスの代表的な事業内容と強みについて、2025年度の業績とともにご紹介します。
戸建住宅事業
| 売上高構成比 | 11.7% | 売上高 | 4,790億円 | 営業利益 | 460億円 |
積水ハウスの原点かつ核ともいえる戸建住宅事業は絶えず革新を続けており、以下のような多数のトピックに満ちています。
- 新デザイン提案システム「life knit design」=お客様の感性に寄り添う住まいづくり
- 各分野の専門家で組織するDESIGN OFFICEチームによる戸建住宅のブランディング推進
- ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の「グリーンファースト ゼロ」
- 大空間リビング「ファミリー スイート」
- 次世代室内環境システム「スマート イクス」
- 間取り連動スマートホームサービス「PLATFORM HOUSE touch」
デザイン提案システムやブランディング推進は、2nd・3rdレンジの中級商品の拡販に貢献しています。また、その他の高付加価値提案も好評で、受注につながる強みとなっています。
また、木造住宅の耐震性向上を実現する共同建築事業「SI事業」が、パートナー企業と共同で進められており、建物の骨組みとなる躯体部分の建築を積水ハウスで請け負うことで、他社とのネットワークを広げることができました。
SI事業:https://www.sekisuihouse.co.jp/company/topics/library/2025/20250108/20250108.pdf
なお、同様に戸建住宅事業を手掛けるセキスイハイム(積水ハウスの分社後、改めて積水化学工業本体で立ち上げた住宅ブランド)は、どちらも積水化学工業を母体とし、社章も同じでありながら、現在会社としての関連性がありません。
両社の住宅づくりの思想の違いは、以下を参考にしてください。
| 積水ハウス | フルオーダー比較的自由な現場施工で家を作る布基礎を採用素材の質感やデザインを追求 |
| セキスイハイム | セミオーダー・ユニット工法工場で家の大半を作るベタ基礎を採用HEMSや太陽光・蓄電池などエコ志向 |
上記は得意分野の傾向性を表しています。競争の激しい住宅業界なので、積水ハウスも耐久性やエコなどの住宅性能には積極的で、セキスイハイムでも注文住宅の発注は可能です。
賃貸・事業用建物事業
| 売上高構成比 | 13.3% | 売上高 | 5,449億円 | 営業利益 | 817億円 |
近年は「シャーメゾン」のブランド名でなじみのある積水ハウスの賃貸建物事業は現在、ネット・ゼロ・エネルギーの賃貸住宅「シャーメゾンZEH」の普及に注力しています。(現在の受注割合はZEHが77%)事業用でも土地仕入及びESGソリューション提案(経営戦略提案)の強化により、受注は増えています。
積水ハウスグループの営業職募集は戸建のユーザー対象と、賃貸住宅の不動産投資オーナー対象とがある点、両者はその業務の性格やキャリアパスに大きな違いがある点は認識しておきましょう。
仲介・不動産事業
| 売上高構成比 | 8.7% | 売上高 | 3,560億円 | 営業利益 | 289億円 |
2020年まで積和不動産の名称だった積水ハウス不動産は、グループの仲介業務を担う部門です。中でも積水ハウス不動産東京は、グループ売上高の10%を超える業績をもつ企業です。
継続的に事業法人や金融機関など引合ルートの拡大に取り組み、販売用不動産の仕入れ強化と販売ルートの拡大に注力しており、住宅用地を中心とした販売用不動産の売却が順調に行われています。
賃貸住宅管理事業
| 売上高構成比 | 16.8% | 売上高 | 6,871億円 | 営業利益 | 568億円 |
当連結会計年度における売上高は6,871億1,900万円(前期比6.3%増)、営業利益は568億400万円(前期比13.2%増)となりました。
好立地に建てられた高品質・高性能な賃貸住宅「シャーメゾン」の安定した受注に加え、オーナーとの関係強化によって管理する物件の数も着実に増えています。
既存管理物件では、賃料の引き上げや空室期間を短くするための戦略的なリーシング活動を実施しています。
さらに、入居者の利便性向上を目指して、アプリによる入居手続きや問い合わせ対応のオンライン化、ブロックチェーンを活用したワンストップの入退去手続きなど、デジタル技術(DX)の導入を進めています。
これらの取り組みにより、高い入居率と安定した賃料を維持し、増収に貢献しています。
国際事業
| 売上高構成比 | 31.2% | 売上高 | 12,785億円 | 営業利益 | 789億円 |
国際事業の当連結会計年度における売上高で前期比150.2%増、営業利益は前期比61.4%増と、前期比で大きな伸びとなりました。
米国戸建住宅事業では、住宅ローン金利の高止まりの影響で中古住宅が在庫不足となり、新築住宅へのニーズが戻ったことなどからの増収です。また、コミュニティ開発事業も好調なほか、賃貸住宅開発事業では大きなプロジェクトの引渡しが完了したことでも増収の要因となりました。
オーストラリアでも、戸建住宅の受注が改善傾向で推移しています。
積水ハウス株式会社の年収・社員平均年齢
この3期について、平均年齢や年収を見てみましょう。
| 項目 | 2023年1月(第72期) | 2024年1月(第73期) | 2025年1月(第74期) |
|---|---|---|---|
| 平均年齢(歳) | 43.6 | 43.8 | 43.9 |
| 平均勤続年数(年) | 16.8 | 16.5 | 16.4 |
| 平均年収(円) | 8,342,460 | 8,591,177 | 8,825,963 |
出典:有価証券報告書|積水ハウス株式会社
国税庁が令和4年に公開した民間給与実態統計調査によると、企業全体の平均勤続年数は12.7年となっているので、同社は直近3期を見ると、16年台となっています。社員数の多さを考えると長いと言えるでしょう。
直近の採用情報では、以下のような給与・年収例の提示があります。
| 職種 | モデル年収等 |
|---|---|
| 戸建住宅の企画提案営業 関西第二営業本部 | <33歳、家族(配偶者、子供2名) 扶養の場合>約1,000万円 (基本給34.0万円/月、家族手当:2.7万円/月、営業手当:5.4万円/月、賞与:202万円/年、営業系業績手当:313.6万円/年)※あくまでもモデル。経験・スキルを考慮して優遇あり。 |
| 賃貸住宅、事業用建築物の企画提案及び経営コンサルティング 東日本建築事業本部 | <33歳、家族(配偶者、子供2名) 扶養の場合>約1,000万円 (基本給34.0万円/月、家族手当:2.7万円/月、営業手当:5.4万円/月、賞与:202万円/年、営業系業績手当:313.6万円/年) |
| 技術職(施工管理職/設計職) | 月給 29.73万円 〜 55.47万円 ※別途、通勤手当・時間外勤務手当ほか・管理職の場合は役職手当昇給/年1回(4月)賞与/年3回(定時賞与:9月、3月 業績賞与:3月) ※前期実績5.95ヶ月/年 |
出典:キャリア採用|積水ハウス株式会社 採用情報
積水ハウス株式会社の中期経営計画
積水ハウスでは、2025年が第6次中期経営計画の3か年目にあたります。グローバルビジョンの ”「わが家」を世界一幸せな場所にする” のもと、国内では安定成長、海外では積極的成長を目指して、3か年合計の売上高目標を10兆260億円に設定していましたが、2025年1月期までで目標を上回る10兆946億円を達成しました。
好調の理由として、米国での好業績のほか、この3か年計画で以下のように事業セグメントを再編し、事業単位別の管理方法を導入したことによって組織の連動性、資本効率の向上が見込めたことも挙げられています。
2023年度からの事業セグメント
| 事業セグメント | 事業内容 |
|---|---|
| 請負型 | 戸建住宅賃貸・事業用建物建築・土木 |
| ストック型 | 賃貸住宅管理リフォーム |
| 開発型 | 仲介・不動産マンション都市再開発 |
| 国際事業 | 日本国外の事業全般 |
※旧来のセグメントとの大きな違いは、不動産仲介業をストック型から開発型へ移した点です。
積水ハウス株式会社の人材育成方法
積水ハウスでは「価値創造を支えるのは 従業員の自律である」という観点のもとに、人的資本・人財価値の向上を目指す方針がとられています。個々が充実した人生を送る意志とビジョンが必要であるとするものです。
従業員の自律的なキャリア構築を支援するために、以下のような支援が行われています。
- キャリア自立コース(研修などのサポート)
- Myキャリアシートの活用
- 高度学習支援制度
- キャリア自律休業支援制度=教育機関への就学で国内3ヵ月~1年、海外最長2年の休業が可能
また、採用活動では優秀な人材確保のため、2022年以降キャリア採用をこれまでよりも積極化しています。
まとめ
今回は積水ハウス株式会社の業績や事業内容・強み、社員の状況などについて解説しました。
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