不動産営業の種類を完全解説!売買・賃貸・仕入れの仕事内容と年収比較

2025年08月22日

不動産で営業と一口に言っても、仕事内容や年収に大きな違いがあります。したがって、キャリア形成・ワークライフバランスなど、重視したい点によって、目標とする営業の種類も方向づけが必要になります。

本記事では、不動産営業について、代表的な売買・賃貸・仕入れを例に、仕事内容や年収面などについて解説します。不動産業界で営業を志望する方は、ぜひ参考にしてください。

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不動産営業の仕事内容を分かりやすく解説

不動産営業と一口に言っても、実は大きく3つの種類に分かれています。それぞれ扱うお客様も収入源も異なるため、まずはその違いから見ていきましょう。

不動産営業の3つの分類

営業で代表的な売買、賃貸、仕入れの業務には、どのような違いがあるのでしょうか?大きな違いはビジネスのお客さまと収入源です。

売買営業は、土地や建物の売買取引を仲介する仕事です。売主と買主の間に立って取引をサポートし、仲介手数料を得ています。ただし、自社が売主となる場合は、仲介手数料ではなく販売利益が収入源となります。

賃貸営業は、物件を貸したい大家さんと借りたい入居者をつなぐ仕事です。仲介手数料は最大で家賃1か月分が上限となっています。自社が貸主の場合は仲介手数料はなく、賃料収入が主な収入源です。また、大家さんから物件管理を委託されることで、家賃の約5%の管理委託費も得られます。

仕入れ営業は、自社が買主として物件を購入する仕事です。購入時点では利益は発生しませんが、買った物件にリフォームや調査を行い、再販することで販売利益を得る仕組みです。

このように、同じ営業職でも収益構造やお客様が大きく異なっているのが特徴です。

売買営業の仕事内容

売買営業の場合、さらに買主がお客さまの場合と、売主がお客さまの場合で、仕事内容や流れに以下のような違いがあります。

客付け営業(買主がお客様の場合)

お客様の希望条件をしっかりとヒアリングすることから始まります。間取りや予算、立地などの条件を整理し、条件に合う物件を検索します。気に入った物件が見つかれば現地調査を行い、お客様を案内します。最終的に売主とお客様双方が合意すれば、売買契約を締結します。

元付け営業(売主がお客様の場合)

まず物件の査定を行います。現地調査や過去の取引事例をもとに適正価格を算出し、売主と媒介契約を結びます。その後、販売図面を作成し、レインズ(不動産流通機構のシステム)に登録します。ポータルサイトや自社サイトで物件情報を発信し、購入希望者を募ります。買主が見つかれば、売買契約を進めます。

売買営業は扱う金額が大きいため、リスクもリターンも大きな分野です。お客様への丁寧な対応と、専門知識の習得が成功の鍵となります。

賃貸営業の仕事内容

賃貸営業は扱う物件数が非常に多いのが特徴です。自社物件だけでなく、他社管理物件も含めて幅広く取り扱います。

基本的な流れは売買の客付け営業と似ています。お客様の希望条件をヒアリングし、条件に合う物件を検索します。候補物件が見つかれば現地案内を行い、気に入ってもらえれば賃貸借契約を締結します。

賃貸営業では、一件一件を丁寧に対応しながらも、効率的に数をこなすことが重要です。電子契約やバーチャル内見など、デジタル技術を活用した業務効率化も欠かせません。

仕入れ営業の仕事内容

仕入れ営業は、自社が買主となるためシンプルな業務構造が特徴です。買主を探す必要がないため、広告宣伝活動は不要です。

主な業務は売主の探索です。Web広告や電話営業などを通じて売主を見つけ、買取交渉を行います。物件の査定も重要な業務で、現地調査や過去の取引データをもとに適正価格を算出します。条件が整えば、売主と直接売買契約を結びます。

仕入れ営業の成功は、売主探索と交渉力にかかっています。日頃からの人脈作りと、地道な営業活動が成果につながる分野です。

不動産営業の年収比較

厚生労働省のデータでは、住宅・不動産営業の平均年収は618.3万円、平均求人賃金は28.8万円となっています。この金額は他の業界に対して魅力的ですが、営業のトップセールスから新人まで含んだ全ての平均なので、実際は400万円台の収入の人も多いです。

上記の金額を600万円台に押し上げているのはやはり、営業職の給与が高いためです。ただし、営業でも商材や勤務先によって年収には開きがあります。以下では分類ごとの営業職の年収の傾向をご紹介します。

売買営業の年収

売買営業は販売価格が高く、インセンティブ(歩合給)が設定されるため、個人の年収が1千万円を超えるケースも珍しくはありません。勤務先の規模や、個人成績で年収は大きく変わりますが、大きな稼ぎを狙いたい人には魅力的でしょう。

別の考え方として、大手で老舗の企業などは歩合の比率が収益に対して低い反面、基本給や諸手当、福利厚生が充実しているケースもあります。

安定度やワーク・ライフバランスを重視する場合は、そのような選択肢も良いでしょう。ただしそのような大手老舗企業は、新卒の生え抜き採用をメインとすることが多いため、応募の際は要注意です。

賃貸営業の年収

賃貸営業は前述のように賃料1ヶ月分が収益の単位となるため、1案件あたりの売り上げは高くありません。したがって歩合の設定があっても、よほど数をこなしていかない限りは、高年収は難しいと考えられます。

ただし、賃貸でもテナントなど商業物件の客付け営業は賃料自体が高額になるため、高収入の営業マンも相当数存在しています。

仕入れ営業の年収

仕入れ営業の場合もやはり会社や商材で開きが大きく、年収は400〜1000万円、扱う物件によってはそれ以上と幅が広がります。

住宅の仕入れを始め、開発用地やビルなど、会社によって得意ジャンルが異なります。

規模が大きい案件になると、インセンティブは数百万円単位となることもあります。ただし、高インセンティブの開発系仕入れ営業は、地道な交渉で長い期間を要することが多いです。

不動産営業で年収を上げる方法とは?

不動産営業に転職後、収入を上げていく方法はあるのでしょうか?その方法をご説明します。

経験年数を積み重ねる

基本的なことですが、経験年数を積み重ねることは、年収を上げるための重要なテーマです。

前出の厚生労働省のデータで、住宅・不動産営業の経験年数と給与額の相関を調べたものがあります。

以下のように、経験年数を重ねるごとに上昇カーブが続いています。

経験年数別の所定内給与額

経験年数所定内給与額
0年29.54万円
1~4年31.44万円
5~9年35.17万円
10~14年39.6万円
15年以上44.06万円

資格を取得する

また、資格取得で手当や社内昇進が得られることが期待できます。宅建士の取得で手当が1~3万円という企業が多いため、それだけでも年収では12〜36万円の上乗せです。

宅建士は契約業務で宅建の有資格者しかできない独占業務があり、宅建業の従業員5人当たり宅建士1人という設置義務もあるため、必要とされる度合いが高まります。専門知識を身につけた人としての扱いも受けるでしょう。

宅建士以外にも、不動産営業に役立つ資格は多数あるため、ポジションに応じて有利な資格を選択しましょう。

売買営業はFPや住宅ローンアドバイザーなどライフプラン系の資格を活かし、賃貸営業は賃貸不動産経営管理士を取得して、物件オーナー(大家さん)のサポートスキルを厚くするなどです。

別種の営業にチャレンジ

賃貸からテナント営業や仕入れの営業にスライドすれば、高い比率のインセンティブが得られるようになるでしょう。ただし、お客さまとの接し方や相手の立場、社内での立場など、これまでの職務とは何が違うか、よく理解しておくことが大切となります。

また、営業職は情報収集と、得た情報の活かし方が生命線の一つなので、新しいポジションでの人脈の広げ方にも意識が必要です。

転職でキャリアアップ

キャリアマップを自主的に検討し、スキルを身につけることによって、年収の伴った転職も可能となります。

一つ一つの案件をこなす営業から、不動産投資家のコンサルティングや、大規模な開発の仕入れなどにスライドしていくことで、年収アップを図れます。

目標を決めて、そこに向かうために何を身につけていけばいいか、意識的に日常業務に取り組めると良いでしょう。また、転職時にはこれまでの実績や自身のセールスポイントを明確にする必要もあります。

不動産営業の魅力・メリットを紹介

ここで改めて、不動産営業職全般の魅力・メリットについて整理してみましょう。

年収アップの可能性

諸条件で開きはあるものの、比較的高めの年収の仕事に、未経験から参入できる点は魅力的です。そして、前述のように各種の方法でさらに年収アップをはかれる余地もあります。

反面、営業職はポジションや繁忙期などで、激務に偏ることもあるので、ワークライフバランスをうまくとる必要がある点には注意しましょう。

転職や復帰がしやすい

営業スキルや専門知識は、他社やほかの業種でもすぐに活かしていくことが可能です。また、営業職は数字で成果をはかりやすく、前勤務先での実績も説明しやすい点も、スムーズな転職につながるでしょう。

また、人生さまざまなライフイベントに見舞われ、一時的に仕事を離れることもあります。その点不動産の営業は結婚、出産、介護、体調を崩して休職などを経た後でも、復帰がしやすい仕事といえます。復帰後は営業以外の職種に変わっても、不動産やお客さま対応のスキルは活かすことが可能です。

お客さまの生活を支えるやりがい

専門知識や最新のエリア情報を駆使してお客さまをサポートする営業の仕事は、信頼を得られれば受ける感謝も大きいです。

売る場合も買う場合も、良い取引が成立しないと以降の人生設計が立たないため、お客さまも真剣です。沢山の選択肢や、納得のいく解決策を柔軟に提示する必要があります。

多額の売上を誇るトップセールスマンは、紹介の見込み客で多くの取引を成立させています。以前関わったお客さまからの「〇〇さんなら安心して頼れる」というお墨付きが、好循環を生んでいるのです。

まとめ

不動産営業の種類や仕事内容、年収などについて解説しました。売買・賃貸・仕入れに大別される不動産営業は、それぞれお客さまの性質や業務で関わる人も異なり、仕事の進め方にも違いがあります。

しかし不動産営業の範囲であれば、キャリアを積んで年収アップをはかっていくことは可能です。長く働き、年収アップに成功している人も多い世界です。

不動産の営業職を目指すうえで大切なことは、自分をどう活かしたいかをしっかりまとめることです。まず「家族を年数回旅行に連れていける家計に」「安心して暮らせるお部屋探しで若い人の役に立ちたい」などのモチベーションから始めましょう。

そしてどんな職場で、どんな形で成功しているか、喜ばれているか、イメージを具体化していくことをおすすめします。


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監修

不動産のOTOMO

不動産ブロガー。30歳未経験で不動産業界に転職し、営業や企画に携わり、宅建も取得。不動産業界の魅力を伝えるため「不動産のOTOMO」ブログ運営を開始し、累計40万PVに到達。LH不動産転職の理念に共感し、不動産業界の魅力を伝えるコンテンツを配信中。 資格:宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

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