不動産デベロッパーの仕事内容は?ゼネコンとの違いを解説

2024年11月30日

不動産デベロッパーってどんな仕事?よく聞くゼネコンとの違いや就職のメリット、デメリットも合わせて知りたい。今回はそのような方に向けて不動産デベロッパーの仕事内容について解説します。ゼネコンとの違いや仕事の魅力についても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

こんな⼈におすすめの記事
・不動産デベロッパーの仕事に興味がある
・就職を目指す際のメリット、デメリットを知りたい
・未経験でもチャレンジできるか知りたい

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不動産デベロッパーとは

デベロッパー(developer)とは、日本語で開発者という意味であるように、不動産デベロッパーは、不動産の開発を行う仕事のことです。

大型の商業ビルやマンションの開発、リゾート開発、宅地開発など、まちづくりの要素が強く開発された不動産は将来に渡って残り続けるため「地図に残る仕事」とも言われています。

開発を行うための土地を一度取得して建設物をつくるのが特徴であり、開発した不動産を販売・賃貸することで収益を得るのが不動産デベロッパーの事業内容です。

ゼネコンとの違い

デベロッパーとよく混同されがちな事業にゼネコン(総合建設業者)がありますが、その役割には違いがあります。

デベロッパーは、取得した土地を企画・開発し、それを販売や賃貸によって収益を得るのに対して、ゼネコンは主に建物の設計や施工を担当します。

ゼネコンもプロジェクトの企画や管理に関わることがありますが、その主な役割は建物の建設です。一般的には、デベロッパーが土地を取得し、企画を進めた後、ゼネコンに建設を依頼するという形でプロジェクトが進行します。

ハウスメーカーとの違い

ハウスメーカーもゼネコンと同様に建物の施工を請け負う業者ですが、デベロッパーとは役割が異なります。

ハウスメーカーは、特に戸建住宅や中小規模のアパートを中心に取り扱うことが多い一方で、ゼネコンが担当するような大規模な建設プロジェクトに携わることもあります。

ハウスメーカーは木造だけでなく、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建築も行うことがあり、一般的にはデベロッパーの企画に基づいて建物の施工を担当しますが、規模に応じて自社企画の住宅販売も手がけます。

不動産デベロッパーの種類

一口に不動産デベロッパーと言っても、開発する物件によってさまざまな種類があります。

ここでは、主な不動産デベロッパーについて5つの種類を解説します。

ビル開発

オフィスビルやテナントビルなどのビル開発は、不動産デベロッパーの中で最も大型の開発行為にあたります。

開発したビルは、開発事業者が保有し、賃貸物件として貸し出すことで賃料収入を得るのが一般的な収益モデルです。

大手不動産デベロッパーが手がけるビル開発は特にスケールが大きく、周辺の街並みを一変させるビッグプロジェクトになるケースが多いです。

分譲マンション開発

ビル開発に次いでスケールが大きい開発行為が、分譲マンションの開発です。

マンションデベロッパーは、取得した土地に対してマンションの開発を行い、一室ごとに販売することで得た売却益が事業収益となります。

開発するマンションは、手がける事業者によって異なり、4階建て以内の小規模なマンションから大型のタワーマンションまでさまざまです。

収益不動産開発

区分マンションや1棟アパートなど、収益不動産を開発するデベロッパーもあります。

収益不動産開発は、開発したマンションやアパートを投資家に対して販売し、不動産管理も同時に行うことで、売却益と管理手数料で収益を得るのが一般的です。

老後の年金問題から不動産投資に注目が集まる今、都市部を中心に収益不動産の開発を行うデベロッパーが増えています。

戸建開発

戸建開発とは、取得した土地に新築戸建を企画して建築し、販売する事業のことです。

建売業者やパワービルダーと言われることが多く、不動産デベロッパーの中で建物のスケールは小さいですが、会社によっては、100区画規模の大型現場を手がけるケースもあります。

戸建開発は山や畑など、もともと宅地以外の土地を開発するケースもあり、使用されていない遊休地を新しい住宅地として整備することで、街並みをつくり出し価値を創造する役割を果たします。

リゾート開発

リゾート開発とは、観光地としてニーズがあると思われるエリアの土地に対してリゾート向けの商業施設やホテルを建設することで新しいリゾート地をつくり上げる開発事業を指します。

開発するエリア全体を整備することでスケールが大きく、失敗したときの経済的リスクが高いため、資金力がある大手デベロッパーや外資系企業が手がける現場が多いです。

デベロッパーの中では特殊であり、開発を手がける企業は限られますが、社会的な課題となっている地方の活性化につなげる役割を果たします。

不動産デベロッパーの仕事内容

冒頭でも述べたように不動産デベロッパーは、開発に適した土地を取得し、企画・開発した建設物を販売・賃貸することで収益を得るビジネスモデルです。

ここでは、そんな不動産デベロッパーで実際に行う業務内容について解説します。

マーケティング

不動産デベロッパーは、まず開発する物件に合わせてマーケティングを行うところから始まります。

エリアごとに適した開発行為を行わなければ、消費者に受け入れられず、最終的にプロジェクトで利益を出すことはできません。

プロジェクトのスタートが土地の取得から始まるデベロッパーの仕事において、はじめのマーケティング調査は、事業の成功を左右する大切な業務です。

用地仕入れ

マーケティングによって開発する企画や商品が決まると、自社の企画や商品に合った土地を仕入れる必要があります。

デベロッパーは、仕入れた土地に対して開発を行うため、土地を仕入れた時がプロジェクトのスタートです。

用地仕入れは、不動産営業の中でも「花がた」と言われる仕事の1つであり、自社の企画に適した土地か見極めるための専門的な知識や経験が必要ですが、未経験から挑戦できるケースもあります。

設計・企画

土地を仕入れた後は、買い取った土地に対して建設物の設計・企画を行う仕事があります。

土地の仕入れを行う場合、ある程度の設計や企画を想定して買取をしますが、最終的な商品の設計は、それを専門とする設計士が行います。

デベロッパーの商品設計は、土地の買取を行った仕入れ営業と設計士で話し合い、プロジェクトを成功させるため、周辺ニーズに合った企画を考えるのが一般的な流れです。

建物の施工

商品の設計・企画が決まると、次は建物の施工を行います。

建物を施工するのは、工事を専門とする部署が行い、多くの場合、自社では施工管理だけを行い、工事自体は下請け会社に依頼するケースが多いです。建設部門を自社で持ち、施工も自社でおこなう場合もあります。

工事の質が悪いと、自社で魅力的な商品を企画しても、商品に欠陥が出てしまうリスクがあるため、建物の施工管理は、品質向上のため大切なポイントとなります。

開発物件の販売

マンションや戸建を分譲するデベロッパーの場合、開発された自社物件を販売する仕事があります。

物件の販売を行って初めて会社の利益となるため、販売営業には、いち早く自社物件を完売させることが求められます。

販売営業の仕事は案内や商談だけでなく、自社物件の広告やポスティング、物件の清掃など、業務の内容は幅広いです。

開発物件の賃貸

ビル開発など、開発した物件を賃貸することで収益を得るデベロッパーの場合、オフィスやテナントを借りたい事業者向けに物件を貸し出す仕事があります。

オフィスやテナントは、賃貸営業の中で最も高額の部類に入るため、契約内容をはじめ賃貸に関わる専門的で細かい知識が必要です。

できるだけ長く入居してもらえるよう、事業者の与信調査など、入居に関わる審査も複雑になるため、賃貸営業としての深い知識が身につきます。

物件管理

ビル開発など、開発した物件を賃貸に出すデベロッパーの場合、建物が完成した後に、物件管理の仕事があります。

物件管理は、建物の維持・修繕や共用部の清掃、入居者の対応など、賃貸物件に必要な管理業務すべてが該当し、業務の幅は広いです。

賃貸物件は、入居者の満足度を上げ、入居率を維持することで収益アップにつながるため、物件管理は賃貸事業を維持する上でとても大切な業務となります。

不動産デベロッパーに就職するメリット

デベロッパーの仕事は、不動産業界の中でも花がたと呼ばれるように魅力の多い仕事です。

ここでは、不動産デベロッパーに就職するメリットについて解説します。

高収入とインセンティブ

不動産デベロッパーは他の業界と比べて高収入が期待でき、特に大手では基本給に加えてインセンティブ制度も充実しています。
プロジェクトの成功に応じた報酬を得られるため、実力や成果に基づいた収入アップが見込めます。また、福利厚生がしっかりしている点も、安定した生活を支える大きな魅力です。

幅広いキャリアパス

デベロッパーはマーケティング、プロジェクトマネジメント、用地仕入れなど、様々な部門を経験できるため、幅広いキャリアを築けます。また、管理職や経営層へ昇進するチャンスがあり、自己成長の機会も豊富です。キャリアの選択肢を広げたい人にとって理想的な職種です。

大規模プロジェクトのやりがい

都市再開発や商業施設の開発など、大きな社会的影響を持つプロジェクトに携わることができます。
プロジェクトの成功により、地域社会に貢献する達成感を味わえるため、やりがいのある仕事といえます。自分が手がけたプロジェクトが地域のランドマークとなる可能性もあり、大きな誇りを持つことができるでしょう。

専門スキルの習得

デベロッパーの仕事を通じて、マーケティング、財務、法務、建設技術など、幅広い専門スキルを習得できます。
プロジェクト全体に関わるため、多方面にわたるスキルが身につき、他の業界でも応用可能な能力を磨くことができます。将来的に独立や転職を視野に入れる場合も、強みとなるでしょう。

不動産デベロッパーに就職するデメリット

不動産デベロッパーは高収入が期待でき、専門的な知識やスキルが身につく魅力的な仕事ですが、就職や仕事をする上で難しい点やデメリットもあります。

ここでは、不動産デベロッパーに就職するデメリットについて解説します。

会社によっては採用のハードルが高い

まず、大手デベロッパーをはじめ、会社によっては採用のハードルが高く就職や転職を目指すのが難しい点です。

ビル開発やリゾート開発、街の再開発など、スケールの大きな開発事業を行うデベロッパーほど、学歴や職歴を重視する傾向があり、採用のハードルが高くなります。

覚えることが多い

不動産デベロッパーの仕事は、専門性が高く不動産に関わる幅広い知識が必要になるため、覚えることは多いです。

はじめのうちは分からないことだらけで、仕事に慣れるまでの数年間は修行の期間にあたるため、早く仕事を覚えて活躍したい気持ちの強い人ほど、つらいと感じてしまうかもしれません。

仕事の責任が大きい

不動産デベロッパーは、プロジェクトにかける事業資金が莫大である分、事業の成功に向けて責任が大きい仕事です。

土地を取得するところからスタートして商品開発を行い、施工された完成物を販売・賃貸することで収益を得るため、事業期間が長く、利益が確定がするまでは、プロジェクトに対して責任を負います。

もちろん、会社の資金で開発行為をするため、自分の家計に経済的負担を被るわけではありませんが、自分が事業者になったつもりで、責任感のある仕事をすることがデベロッパーの仕事には必要です。

未経験から挑戦できる不動産デベロッパーもある

不動産デベロッパーの仕事は専門性が高く、一般的には用地仕入れや開発計画などの経験が求められますが、未経験からでも挑戦できるポジションもあります。

特に戸建や小規模な宅地分譲を行うデベロッパーでは、経験がなくても挑戦できるケースが多く見られます。

一方で、大手デベロッパーや大規模な都市再開発を行う企業では、学歴や職歴が重視されることが多く、採用のハードルが高い場合もあります。

しかし、経験者向けのポジションが多い中で、意欲と学ぶ姿勢が評価される企業も増えてきています。

まとめ

今回は、不動産デベロッパーについて、仕事内容や扱う物件の種類、就職するメリットについて解説しました。

まちづくりの要素が強いデベロッパーは、社会的意義のある魅力的でやりがいの大きい仕事です。

解説したように、未経験からチャレンジできる仕事もあるので、興味がある人は、ぜひ就職・転職を検討してみてください。

LIFULLが運営する不動産業界専門の転職支援サービスでは、宅建に挑戦中の方を含め、未経験の方のサポートも積極的に行っています。

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監修

不動産のOTOMO

不動産ブロガー。30歳未経験で不動産業界に転職し、営業や企画に携わり、宅建も取得。不動産業界の魅力を伝えるため「不動産のOTOMO」ブログ運営を開始し、累計40万PVに到達。LH不動産転職の理念に共感し、不動産業界の魅力を伝えるコンテンツを配信中。 資格:宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

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