賃貸仲介の仕事内容を徹底解説|不動産営業1日の流れ・必要スキル

2025年07月09日

賃貸物件を探したことがある方なら、不動産会社のスタッフがさまざまな業務を担当していることにお気づきでしょう。実は賃貸仲介の仕事は、物件紹介だけでなく広告作成から顧客対応、物件の仕入れまで、想像以上に多岐にわたる業務を一人で担当します。

管理業務も兼ねる場合は、入居者対応や家賃管理、建物メンテナンスまで業務範囲が広がり、習得すべき知識とスキルは膨大です。

この記事では、賃貸仲介の仕事内容や1日の流れを解説するので、ぜひ最後までお読みください。

こんな⼈におすすめの記事
・賃貸仲介業務に転職したい
・賃貸仲介の業務内容を知りたい
・賃貸仲介に求められるスキルを知りたい

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賃貸仲介はどんな仕事?

賃貸の仲介(媒介)とは、賃貸物件を貸したい人(物件オーナー)と借りたい人の間を取り持ち、契約成立から入居までのサポートをする仕事です。

大きく分類すると、以下の業務で構成されます。

  • 入居者の募集
  • 接客
  • 賃貸借契約業務
  • 物件仕入れ

お部屋探しのお客さまの要望をヒアリングした結果をもとに、最適な物件をマッチングし、入居までのサポートをすること、物件情報に精通していくことが求められます。

中小企業では、オーナーから預かった物件の管理業務と仲介営業を兼任するケースも多いですが、ここでは、客付けと仕入れをメインにご説明します。

仲介を賃貸管理業務と一体で行うことも

郊外や地方・中小規模の店舗などでは、仲介業務を管理業務と兼任して行うケースが多いです。覚えることが多い反面、仲介だけでなく賃貸業(不動産投資)の全体像までが把握できるため、それだけ勉強になるともいえるでしょう。

また、大手については独自の戦略で拡大している企業の分類を以下にまとめました。転職先の整理の参考にしてください。

賃貸仲介会社の分類

分類業態
アパートメーカーのワンストップ事業・建設から客付け、管理までワンストップで行う

・管理戸数ランキングの常連

・オーナーからサブリースで借り上げ客付け

・もしくは貸主として物件所有
フランチャイズ・全国的な知名度で集客力がある

・TVや冊子などネット以外のメディアでも広告

・直営以外に中小企業に看板やシステムを提供
管理&客付け・郊外や地方に多い

・地域密着性とお店の個性

・WebやSNSで集客及び広告ができている

賃貸仲介の業務内容

続いて、賃貸物件の仲介業務の具体的な内容をご紹介します。

入居者の募集

物件ごとのデータを自社やポータル、業者間流通のシステムに入力し、Web上で公開する作業を行います。文言や画像、動画の内容が成約率を左右するため、どれだけしっかりしたものを準備するかも大切です。成約率の高い会社は各種SNS、YouTubeなどもうまく活用して客付けするケースも増えています。

接客・追客業務

物件への問い合わせや、内覧希望への対応をします。1組のお客さまが、お部屋探しから契約までに、平均数日から1ヶ月以内の期間をかけるとされています。

すぐには決めない見込みのお客さまに対しては、お客さまの希望条件に合った物件のマッチングを行い提案し追客を行います。希望の物件が見つかったら、入居申し込みを記入してもらい、管理部門か管理会社を通して物件オーナーの意向を確認できたところで、賃貸借契約の準備に移ります。

賃貸借契約業務

担当業務によっては賃貸借契約書、重要事項説明書などの作成を行います。重要事項説明は仲介の場合、宅建士の有資格者が行う必要があります。オンライン重説が普及してきており、学生の上京などの場合、契約で地方から出向かずに済むなど、お客さまサービスとして有効な方法となっています。

物件仕入れ

物件の仕入れは、ここまでのお客さま対応とは別の流れで行います。新しい物件情報を仕入れ、自社のメディアに掲載して募集をかける仕事です。

物件の仲介のみであれば、管理会社=元付け業者に許可を取って、自社メディアに掲載するのみです。しかし、物件の管理まで行う場合、物件オーナーから管理業務を受託する必要があります。

別の会社がすでに管理を行っている物件を無理に管理受託することは「抜き」行為と称し、モラル違反となります。オーナーの意向を尊重しながら、空室対策や家賃アップの提案をします。

新しく仕入れた物件は、その内容をしっかり把握してお客さまへの紹介に備える必要があります。


不動産会社と物件のかかわり方

管理会社=元付け業者・オーナーから物件管理を受託している

・管理費収入あり

・客付けは仲介業者まかせのことも
仲介業者=客付け会社・客付けのみの仕事をする

・仲介手数料が収入

・オーナーから広告宣伝費をもらえるケースも

賃貸仲介・営業マンの1日

この項では、賃貸仲介の仕事を、1日の業務の流れやサイクルで見ていきましょう。

典型的な一日

賃貸仲介の営業職の人が過ごす1日をご紹介します。大まかな流れとして、午前中は当日の段取りの確認から資料の準備などの雑務、午後は接客を中心とした動きになることが多いです。夕方帰社後に残務整理や書類作成を行います。

以下のスケジュール例は、説明のためにやや詰め込み気味となっていますが、終日接客や新規問い合わせなどがなく、物件情報の整理や、エリア内の新しい物件の仕入れのみを行っているような日もあります。

※以下はあくまで一例のケースです。

時間業務内容詳細
9:00-10:00始業準備とデスクワーク・店舗の清掃と開店準備

・夜間に届いたメールや問い合わせの確認

・前日の案件フォローアップ
10:00-11:00情報共有・ミーティング(進行中案件の進捗、当日の来店予約確認)

・新着物件情報の社内共有

・電話問い合わせへの初期対応
11:00-12:00物件管理業務・空室物件の現地確認

・写真更新

・募集図面の作成

・修正

・ポータルサイトへの物件情報アップロード
12:00-13:00昼食休憩休憩時間
13:00-14:00来店接客・予約済みお客様の接客開始

・ヒアリングに基づく物件資料の準備・提案
14:00-17:00現地案内・商談・車両での物件案内(通常2-4物件を巡回)

・現地での物件説明

・気に入った物件があれば申込書の作成サポート
17:00-18:00事務処理・翌日準備・契約関連書類の作成、整理

・翌日の来店予約

・案内スケジュールの最終確認

・管理会社やオーナーとの連絡調整
18:00業務終了退社

曜日のサイクル・繁忙期

賃貸仲介の仕事で特徴的なのが、曜日による仕事のサイクルと、繁忙期の存在です。水曜日と、その前後の1日が休日となることが多い不動産業では、曜日による仕事の流れもやや独特です。

土日は接客が入ることが多いため、それを受けて月曜と火曜で入居申し込みや契約等の書類処理を行うことが多いです。また、水曜以外の休み明けは、お客さまからのメッセージへの対応が多くなりがちですが、近年休み中のお客さま対応は、ほかの担当者が対応する会社も増えています。

そして、賃貸仲介でもっともインパクトのある忙しさとなるのが、例年1月末から3月末くらいにかけての繁忙期です。この時期に進学、入学、人事異動にともなう転勤などが集中する結果、書類作成、接客、デスクワークなど、業務のすべてのサイクルの仕事を、急ぎの順にこなすことになります。

また、繁忙期にはお客さまの来訪や契約が多い分、事務処理がなかなか追い付かず、残業となる場合もあるでしょう。

賃貸仲介に必要なスキルは?

賃貸仲介業務では、どんな点がスキルとして歓迎されるのでしょうか?この項では賃貸仲介に必要なスキルセットについて解説します。

コミュニケーション力

まず、お客さまに寄り添って、「何を望んでいるか」ニーズをしっかり引き出す「聞く力」が役立ちます。

自分の考えを述べる前にしっかり聞き役に回って、お客さまの本心を話させてあげるように心がけることが大切です。遠慮して要望を言わない人、考えがまとまり切っていない人など、お客さまの状況はさまざまなので、様子をよく観察しながら、気持ちに寄り添いましょう。

営業でキャリアを積むにしたがって、お客さまの信頼や共感を得られるような物腰やトークの仕方、服装や髪型までこだわるようになってきます。まずは落ち着いた話し方や、清潔で押しつけ感がない外見を心がけましょう。

関連記事>>不動産営業の髪型の理想とは?成果を出すためのポイントや注意点を解説

営業力

営業力とは、相手を丸め込むようなテクニックではなく、納得と共感を得る力といえます。

提案力=要望をよく把握したうえで、比較材料として物件のメリット・デメリットを明快に伝えられる提案力は、接客前の準備に負うところが大きいです。

また、営業の世界ではクロージングを重視します。クロージングの能力とは、お客さまにとって必要な情報が揃った段階で、最終的な考えをまとめ上げ、背中を押してあげる力です。あくまでお客さまの利益に沿いながら、最終的な決断を促しましょう。

専門知識

上記と並行して宅建業の知識と、お客さまの手続きをサポートできるスキルが必要となります。

何か聞かれたときに、最初からすぐに答えが返せるわけではありませんが、現場の場数と並行して、自分で勉強したり、先輩の会話を参考にしたりすることで、改善されていきます。

不動産や建築、税法、その他法規などはどんどん新しく変わっていくので、常に学び続ける必要があります。しかし、一度自分の中で基礎ができ上がってくれば、部分的なアップデートの繰り返しで済むようになります。

この他にも、地域の特色や需要、存在する物件の相場に関する知識も随時仕入れて持っておきます。「あそこに新しいお店が開店した」「このエリアは交通の流れが変わって家賃相場がやや下がり気味」などの情報が、お客さまとの会話に活きてきます。

まとめ

賃貸仲介業務の業務内容について、さまざまな角度から解説しました。転職を念頭に業務内容を研究するとき、欠かせない点はお客さまからの視線です。

まず、どんなお客さまがお店に行くのか、賃貸住宅の入居者とはどんなニーズを持つ人が多いのかを考えてみましょう。そうすると、応募先がどんなお客さま層をターゲットにしているか、その仕事が「なぜそうなっているか」が立体的に見えてきます。

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あなたにマッチした、不動産業界での働き方を一緒に考えていきましょう。

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監修

不動産のOTOMO

不動産ブロガー。30歳未経験で不動産業界に転職し、営業や企画に携わり、宅建も取得。不動産業界の魅力を伝えるため「不動産のOTOMO」ブログ運営を開始し、累計40万PVに到達。LH不動産転職の理念に共感し、不動産業界の魅力を伝えるコンテンツを配信中。 資格:宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)

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