「みんなの空き家!活用Collection」空き家・遊休不動産の活用プロジェクトをシェア!【LIFULL HOME'S 空き家バンク】
人力車倉庫跡を地元住民と旅人との交流の場に。Hostel YUIGAHAMA + SOBA BAR
- 神奈川県
- 空き店舗
- 宿泊
- 登録日
プロジェクトについて
プロジェクトの概要を教えてください。
この建物がある場所は駅から徒歩7分、長谷の大仏様へ向かう大通り沿いという観光客にとっての好立地であると共に、昔からこの通りで商売をしている米屋、八百屋、飲食店、金物屋、布団屋、美容室といった商店が軒を連ねる、この地域に暮らす人々が生活の中で日常的に利用する商店街でもある。そんな場所にある観光用人力車倉庫跡を、ホステルに改装した。当ホステルの1階には、宿泊者も町の人も利用できる山形そばと日本酒のバー「ふくや」を併設している。コンセプトは、「Mixture(ミクスチュア)=混ざり合う」。地元の人と鎌倉を訪れる旅人が同じ空間で過ごすことができ、そこから生まれる思いがけない出会いを楽しんでいただけるような場所だ。
プロジェクトが始まったきっかけは何でしたか?
古い蔵のような外観のこの建物は築40数年。元々はおもちゃ屋さんだったらしいが、その後、観光用人力車を夜間に保管しておく倉庫として使われていた。その人力車の会社が鶴岡八幡宮の近くに移転したため、がらんどうになったこの物件を持て余しているという情報と聞き、エンジョイワークスで活用することになった。
地元と地続きのこの場所で、外から訪れる旅人とローカルの人々が自然と交流できるスポットになったら面白いのではないか。単純な宿泊施設として宿泊客を囲うのではなく、まちに開かれたラウンジのような存在。異なるバックボーンを持つ旅人と地元の人が混ざり合うことで生まれる予期せぬ出会い、予期せぬ展開こそ、互いに最もワクワクするアクティビティになり得る。
「Mixture(ミクスチュア)=混ざり合う」をコンセプトに、リノベーションが始まった。
プロジェクトを始めるにあたって、
どのような工夫をされましたか?
エンジョイワークスがまず行ったのは、鎌倉で人気のある山形そばと日本酒の店「ふくや」の誘致だ。
宿泊施設というだけでなく、まちの人も利用できるラウンジにするには、飲食店としての顔もある方が良い。
ふくやを切り盛りするヤマカワマサヨシ氏はグラフィックデザイナーでもあり、自ら妥協なく考え抜いたセンスの良い店づくりと、出身地山形の恵まれた素材を生かした文句なく旨いそばやつまみ、日本酒によって、すぐに常連客を量産してしまう。鎌倉で彼が営んでいたカウンター6席だけの1号店は慢性的に行列ができていた。
そばと日本酒は年齢や国籍も問わず旅人にも地元の人にも喜んでいただけるし、この建物の蔵のような外観にもフィットする。ヤマカワ氏も以前から2号店を出したいと考えており、やるなら1号店と競合しない西側のエリアで、と希望していたためこのオファーは良い形で合意に至った。
お互いのニーズがタイミング良く重なったことが、今回良い形での「共創」に繋がったポイントだったと思う。
物件との出会い
どのような方法で物件を入手しましたか?
不動産ならではだが、地域とのつながりを築いてきたことは非常に大きいと思う。ホステルをやってみたいという構想はあったものの、本社オフィスからも近い場所でホステルにぴったりの物件とはなかなか出会えなかった。そんなある日、弊社営業スタッフが物件のオーナー様と立ち話をしていたときに、そろそろ貸しに出そうとしているという話を聞きつけ、その時を逃してはならぬと言わんばかりに1日の間に全社が一丸となりプランを固め、翌日にはオーナー様を押しかけプランを提出し、即日オッケーをいただいた。地域との繋がりがにあったからこそ誰よりも早く情報を得ることができましたし、また、借りたい!と思った瞬間からのスピーディーな行動も、オーナー様にご理解いただけた理由だったのではないかと思う。
リノベーションのこだわりについて聞かせてください。
エンジョイワークスは一級建築士事務所でもあり、当然プロの設計士を複数抱えている。しかし、あえて自社だけでこのプロジェクトを完結させず、地元湘南エリアを拠点に活躍するさまざまな分野のクリエイターやアーティストに、このリノベーションプロジェクトに加わってもらうことにした。そうすることで出来上がる建物の品質が増すのはもちろんだが、この施設に「ジブンゴト」として関わるメンバーが増えれば、さらなる縁故の広がりも期待できるからだ。
施設全体の空間ディレクションをご担当いただいた、横須賀にアトリエを持つ逗子在住のインテリアスタイリストの石井佳苗さんを始め、逗子在住の画家、田中健太郎さん、葉山を拠点に活躍している建築リノベーションの匠、CALLACさん、鎌倉で多くの顧客を抱えるガーデナーのhondaGREENさん、、、本当に多くの方にリノベーションに関わっていただいた。
この取り組みもコンセプトである「Mixture(ミクスチュア)=混ざり合う」に基づいている。
物件ギャラリー
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1Fレセプションから蕎麦屋「ふくや」へと繋がる空間構成に
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空間ディレクションはスタイリスト石井佳苗さん
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ダブルルーム。古民家の空気感を残すデザインに
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共用ラウンジ。旅行者の交流の場になっている
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ドミトリー。「ドミ会」と称するアクティビティを提供
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ヘッドボードはアーティスト田中健太郎さんのデザイン
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ホステルのロゴとなっている「らくだ」
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ベンチや植栽は鎌倉のhondaGREENさん
地域にどんな効果があったか
プロジェクトがスタートしたことで、
地域に変化はありましたか?
地元の人と旅行者の交流は明らかに増えていて、地域にも良い変化が起きているように感じる。
ホステルとふくやは、持ちつ持たれつの相乗効果を発揮している。朝食、ランチタイム、夜は居酒屋として営業しているふくやには、宿泊客と地元の住民がいつでも自然に居合わせ、スタッフが雰囲気を見ながらうまく間を取り持つことで実際に交流が生まれている。店が賑わえば、活気に惹かれて新たなお客さんも入ってくる。
建物の前面にある庭は、ここで何かをやってみたい人が利用できる「貸しスペース」としても稼働させている。例えば、まだ店舗を持つには至らないがいつかは独立開業を志す人に、鎌倉の由比ヶ浜大通りという人通りのある立地を生かしてマーケティングを兼ねながら自分の商品やサービスを提供するチャレンジショップを開いてもらうというような使い方だ。すでに何組もの利用者がイベントやワークショップを開催しており、そのつながりから今後の広がりも期待できる。
こんな風に地域に開いていくことで、地域も良い方向に少しずつ変わってきた。そんな手ごたえを感じている。
今後、地域とつながる中で、
どんな場所にしていきたいと考えていますか?
このように、Hostel YUIGAHAMA + SOBA BARは、単純に建物を作り変えただけでなく、その中で何を行うのか、どんな動きを生み出すのかまでを含めて、「場」としてのリノベーションを果たした事例と言える。旅人、移住者、地元住民、事業者を含めた多様なレイヤーの人々が混ざり合うこの場所で「Mixture」による渦が巻き起こす新しい展開は、属性によって分断されがちなまちの有り様をリノベーションするということなのかもしれない。より地域に開くことで、より多くのMixtureが生まれる姿を目指し、まちのラウンジ的な存在にしていきたい。
プロジェクトに関するデータ
物件について
| 物件名 |
YUIGAHAMA + SOBA BAR |
| 所在地 |
神奈川県鎌倉市由比ガ浜
地図を見る
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| 物件タイプ |
空き店舗 |
築年月 |
1975年1月
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| 取引形態 |
賃貸 |
入手時期 |
2016年6月 |
| 間取り |
3その他 |
事業開始時期 |
2016年8月 |
| 建物面積 |
122.23 m² |
賃料・購入価格 |
非公開 |
| 土地面積 |
- |
事業用リノベ費用 |
非公開 |
| 活用分野(詳細) |
宿泊(民泊、ゲストハウス) ※築年月は不詳のため、推定 |
資金調達について
| 資金調達方法 |
自己資金 |
| 自己資金 |
非公開 |
投融資 |
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補助・助成金 |
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| その他 |
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| 初期投資は回収できたか |
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