「トランクルーム」とは?

普段使用しない荷物を一時的に預けることができる貸スペースを、一般的に「トランクルーム」と呼びます。マンションなどの集合住宅で居室とは別に設けられる倉庫も同じ名称ですが、ここで説明するのはそれとは別で、個人または法人が契約し利用料を支払うかたちで利用するものを指します。
個人利用では趣味やレジャーの道具、法人利用では使わない書類を預けるなどの様々な用途があり、近年利用者・事業者とも増加しています。東日本大震災以降は、家財道具や思い出の品物を預け「リスク分散」の観点でも注目されています。

「トランクルーム」と言っても種類はいろいろ

一言で「トランクルーム」と言っても実は様々な種類があり、会社によって異なる呼び方をすることもあります。現在、これらについて統一した名称は業界で定められていないのが実情ですが、一般的には以下のような種類に分類することができます。

名称 トランクルーム レンタル収納スペース コンテナ
主な運営会社 倉庫会社 不動産会社など賃貸会社 不動産会社など賃貸会社
場所・環境
  1. ・事業者所有の倉庫内(屋内)での保管
  2. ・空調管理の有無は事業者によって異なる
  1. ・建物内の倉庫・オフィスビル・マンションなどの一室を仕切って収納スペースとしている。(ビルインタイプ)
  2. ・各スペースには施錠できるため、セキュリティ機能は高い
  3. ・空調管理は行われるが、温度・湿度を管理されている場合と換気のみ行われる場合など事業者によって異なる
  1. ・駐車場や空き地などの屋外で、輸送用コンテナなどを積み上げるなどして建築物とした中を区切って収納スペースとしている
  2. ・コンテナに設けられた換気口による自然換気のみで、空調管理は原則行われない
契約形態 寄託契約
(事業者が荷物を預かり保管する)
賃貸借契約
(利用者が区分されたスペースを借りて自分で収納する)
賃貸借契約
(利用者が区分されたスペースを借りて自分で収納する)
制限 倉庫業法に基づいた認可が必要 特に無し 特に無し
保管物の
出し入れ
事業者の立会いが必要 利用者が自由にできる 利用者が自由にできる
利用時間 営業時間内 自由(原則。24時間営業の場合もあり) 自由(原則。24時間営業の場合もあり)
預けた荷物の
保証
あり(事業者側に預かった物の保管責任がある) なし(保管責任なし) なし(保管責任なし)
メリット セキュリティレベルは最も高く、安心度が高い(現金・有価証券・宝飾品等を取り扱う事業者もある)
  1. ・荷物の出し入れの自由度が高い
  2. ・屋外と比較すると荷物の劣化を防げる
  1. ・荷物の出し入れの自由度が高い
  2. ・比較的費用が安価
  3. ・コンテナの入口まで車の横付けが可能な場合が多く、利便性が高い
デメリット
  1. ・荷物の出し入れの自由度が低い(営業時間内、別途費用発生の場合も)
  2. ・比較的費用が高め
  1. ・場所のセキュリティは厳重だが、預けた荷物に対しての責任は負ってもらえない
  2. ・大きな荷物なども持ち運びは自分で行わなければならない
  1. ・屋外にあるため、預けるものによっては劣化の可能性がある
  2. ・コンテナの敷地内には第三者が侵入しやすい場合もあり、セキュリティ面に不安がある

※詳細は運営会社によって異なります

ただし、先に説明したように明確な名称が統一されていないことから、上記の「レンタル収納スペース」にあたるサービスでも、「トランクルーム」と表記される場合もあります。また、事業会社によってサービスは異なるため、実際に選ぶ際にはサービス内容の詳細確認が必要です。
トランクルームは国土交通相に倉庫業の認可を受けて「荷物を預かる」のに対し、レンタル収納スペースやコンテナは「荷物を預ける場所を貸す」という、「サービスの目的」が異なるのが大きな違いです。それにより、預けたものに対しての保管責任の有無や、利用時間の自由度などが異なります。預ける荷物や時間の都合など、用途に合ったサービスを選びたいですね。

認定トランクルーム

認定トランクルーム

倉庫業法では、事業者が「トランクルーム」を行うためには建物・設備のハード面と管理・運営のソフト面の要件を整備することを義務づけています。これらの要件を満たし、国土交通相に認定されたトランクルームは、窓口やパンフレットなどに下図のようなマークを掲げています。トランクルームを選ぶ際の目安としても良さそうです。
しかし類似マークもあるため注意しましょう。正しいマークには「国土交通相」の文字と「認定番号」が記載されています。

2019年 06月23日