【リノベ暮らしな人々】vol.56 柵のある家
住空間の写真の専門家Mさんはカメラマンの傍ら、ラボを営み、4歳のお子さんを持つ1児の母。多くの住まいを見てきたMさんにとって自分らしい住まいを作ることは自然な流れでした。忙しい毎日だからこそ家では穏やかに過ごしたい。そのための工夫とは?

住まい探しのきっかけ

Mさんは大阪都心のシンボルパーク『靭(うつぼ)公園』界隈で約7年暮らしていました。―なぜこの地域が気に入っていたんですか?
「取引先である出版社に近いという理由で住まいと最初の仕事場を構えたことがきっかけで、仕事もプライベートでもお付き合いしたい人たちが増えました。あとは、やはり靭公園ですね」―引越しを考えたきっかけは?
「立地は気に入っていましたが部屋が北向きで気分がよどみがちだったこと。子育てするのに都心でいいの? という迷いが浮上し、いっそ地元に帰る? など遠回りした時期もありましたけど、結局、私たちは通勤が嫌いだった! と気が付きこのエリアに回帰しました」―住まい探しの条件を教えてください
「職業柄ゆずれなかったのは、きれいな光の入り方と風通しですね。この地域で、それがかなうものを探していただきました」【リノベ暮らしな人々】vol.56 柵のある家

リノベーションのポイント

自覚している生活の癖を反映し、ストレスに感じていた部分を徹底的になくしていったというMさん。

●玄関
「とにかく狭い玄関が嫌で」と通常の3倍ほどに土間を広げています。仕事の機材も、趣味の山登りから帰ってきた荷物も、お子さんの三輪車も余裕の広さです。

【リノベ暮らしな人々】vol.56 柵のある家
【リノベ暮らしな人々】vol.56 柵のある家


●ランドリースペース
共働きなので夜に洗濯&室内干しの毎日ですが、いつも視界に洗濯物が干されているのは悲しい。そこで脱衣室を拡張し除湿器をつけて、まとめ干しできるスペースをつくりました。【リノベ暮らしな人々】vol.56 柵のある家
●キッチン
「オープンキッチンを維持できるタイプではない」とのことで、あえて閉じた空間にしています。【リノベ暮らしな人々】vol.56 柵のある家
●リビング
「オープンなLDKが今の常識のようになっていますが、自分の生活を振り返って思ったんです。子どもがいるとモノが部屋中あちこちに散在してる」
同じ年代の子どもがいる設計者に話すと意見が一致。いかにもな子ども対策ではなく、大人と同じレベルで考えたい。そこで提案されたのが『柵』でした。【リノベ暮らしな人々】vol.56 柵のある家

柵の向こうは、おもちゃで遊び、床でくつろぐリビング。
柵の手前は、食事をしたり、仕事の作業をする板の間と空間を分けました


【リノベ暮らしな人々】vol.56 柵のある家

家を選ぶ時に大切にしたかった、光と風が合わさって、
ご覧のとおり、気持ちのいい空間になりました


「柵を設けた結果、家族も片付けが上手になりました」とMさん。また、過ごし方の仕切りができたことで日々の些細な気分転換にもなっているそうです。

リノベ暮らしInfo

■家族構成: 夫婦+子ども1人
■専有面積: 約70m2
■建物築年: 平成10年
■リノベーション費用: 約750万円
■不動産探し、設計施工: Arts&Crafts(大阪)

■取材後記

家づくりへのテンションや取り組み方がMさんそのものでした。素材選びや、家具のコーディネートはあとの話。水面下で人柄や生活理念が確実に設計に反映されているから、心身の安定が伝わってきます。作るってそうそう、こうやって自分の暮らしについて考えることだよねと初心にかえる、そんなお住まいでした。

Arts&Crafts(大阪)コンテンツ協力:リノベーション住宅推進協議会

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