神社や旧い街並みが残る雑司が谷...都心にあってその落ち着いた雰囲気をもつ土地が気に入って、雑司ヶ谷の物件の購入を決めたというTさんご夫婦。もとは3DKだった間取りをゆるやかにひとつにつなげて、こだわりと機能を両方を兼ね備えた"ふたり暮らしにちょうどいい"空間にリノベーションされました。
住まい探しのきっかけ
Tさんご夫婦は以前、千葉県の賃貸にお住まいでした。片道1時間半かかっていた、という通勤時間もありもっと職場に近く家賃と変わらない負担で購入できる物件を探し始めたそう。資産価値なども考えて当初から新築を購入することは考えず、中古物件を購入してリノベーションをすることに決めていたそうです。
住まいの探し方
もともと旧い街並みや旧い建物が好きだったというご主人。都心にありながら旧い街並みが残り、都電荒川線と坂道が懐かしい風景を感じさせる雑司が谷で物件を探し始めました。雑司ヶ谷の街並みはご主人の育った大阪の街並みとどこか似ていて、気に入ったのだとか。たくさんの物件を検討する中、最終的に決めた物件は駅からも近く、築33年ながらも管理が行き届いている物件でした。立地も管理体制も含めて、10年20年と住んでも気持ちよく暮らせそうだと感じたから...というのが決めた理由です。
リノベ暮らしのポイント
●お互いを近くに感じながら、自分の時間もつくれる空間づくり
もともとは3DKだった間取り。ふたりで暮らすのにもっと広々と過ごせるようにと間仕切りをすべて取り払い、つながりのある一つの空間にしました。せっかくつなげた空間を大切にするため、全体的に建具や間仕切り壁をうまく利用して、デザインをそこなわないように機能的に設計しています。たとえば、ベッドスペースと水周りの仕切り壁にうまくワークスペースをつくったりと、ふたりの存在を近くに感じながらそれぞれの時間も大切にできる住まいづくりを実現されました。
仕切り壁をうまく利用して、水周りとベッドスペースの間につくったワークスペース。
ひとりはリビングでくつろぎ、もうひとりはワークスペースで作業をする...
互いの存在を感じながら、それぞれの時間をゆっくり過ごせる工夫の空間づくりです

空間を有効に利用するため、ダイニングテーブルと収納を兼ね備えた
キッチンカウンターを設置

仕切り壁には収納も設置。
好きな雑誌とウィスキーがいつも見える場所にあるのはご主人のこだわり
●古いマンションの構造も工夫のリノベーションで楽しく
リノベーションは、元のマンションの構造によって内装が左右されることもしばしば...。この物件は大きな構造梁が部屋の真ん中にあったため、システムキッチンの吊戸棚が設置できませんでした。そこで梁にあわせて開放の棚板を設置し、見せる収納とすることでデザインを損なわないこだわり空間に変更。タイル壁にブラケットライトを埋め込み、よりデザイン性をアップさせたキッチン棚となりました。
浴室は1サイズ大きなユニットバスを入れるため梁欠き(梁にあわせてユニットバスの一部を削ること)を行い、他のスペースを狭めることなくゆったりとしたバスタイムが過ごせるように設計しています。
壁の白いタイルと棚板のシックなブラウンが素敵なキッチン収納。ブラケットライトがよりスタイリッシュな雰囲気を演出しています

梁欠きの部分にあわせアクセントパネルを設置し、
スッキリした印象に

洗面室のドアは部屋の雰囲気に合わせて
真鍮製のアンティーク調の丸ノブに
●空気の流れ、光の取り込み、くつろぎ空間も上手に設計
玄関には土間を設けて、光が取り込めるように設計し、空間に広がりを持たせました。一箇所にまとめたクローゼットは、風通しも考えて、リビングと土間へつなげて開放を可能にしています。またベッドスペースは身の丈より少し高い、モジュールにもこだわった間仕切り壁を設置し、つながりながらもくつろげる空間をつくりあげています。
ベッドスペースの仕切り壁は一番安心できる高さのモジュールに

クローゼットは土間とリビングにつながり、
それぞれ開放が可能

玄関に設けた土間は、窓から共有部分の廊下の灯りが入り、
夜中に帰っても明るいのだとか
写真で見るビフォー

以前は、和室とダイニングキッチン、洋室という3DKの間取りでした
リノベ暮らしInfo
■家族構成: | 30代ご夫婦 |
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■リノベーション面積: | 51.84m2 |
■築年数: | 築33年 |
■階建: | 8階建て |
■構造: | RC造 |
■リノベーション費用: | 640万円 |
■企画・販売会社: | インテリックス住宅販売(TOKYO*STANDARD) |
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■取材後記■
以前、千葉に住んでいた時はほとんど友人を招くことがなかったというTさんご夫婦。この家に引っ越してから友人を招くことが多くなったそう。週末には、雑司が谷、目白や早稲田近辺を散歩して、歩くたびにまだまだ新しいお店や名跡、旧い建物などの発見があったりして、それを楽しんでいるとのことでした。