ドア錠のピッキングは簡単? 不法侵入を防ぐ「Key」は「ディンプルキー」

女性にとって、住まいの安全性は気になるところ。そのポイントとなるのが、玄関の錠前です。最近ではピッキングなど、不正に鍵を開ける方法も以前より簡単にマスターでき、必ずしも「鍵をかけたから安全」とはいえなくなってきました。ストーカーや空き巣の被害を防ぐためには、住まいにどんな錠前がついているのかをチェックしてみた方がいいでしょう。

鍵をかけたから安全……とはいえない現実の怖さ

●鍵のプロではないストーカーでも鍵を開けられる?

都内の企業でOLとして働くSさんは、ワンルームマンションで一人暮らしをしています。そんなSさんを悩ませているのが、正体不明のストーカー。一人で家にいると無言電話がかかってきたり、マンションの玄関ドアに手紙が貼り付けてあったりすることも。手紙には「いつも見ているぞ」と書いてあるだけで、差出人の名前もありません。

最近では、仕事を終えて帰宅するとすぐに電話がかかってくるなど、だんだんエスカレートしている気配が。そしてある日、玄関ドアの鍵穴がひっかき傷だらけになっているのを見て、Sさんの不安はピークに達します。
「これって、誰かが開けようとしたの?」

会社の先輩に相談すると、「その気になれば、たいていの鍵は簡単に開けられてしまうわよ」と言われました。針金数本を使って錠前を開けるピッキングという技術を身につければ、思っているよりも簡単なのだとか。

知らない人が自分の部屋に侵入してくるなんて……想像しただけでも恐ろしいですよね。

Sさんはパニックに!

●犯罪に遭わないためにはセキュリティレベルの見直しを

「ど、どうすればいいでしょう? 今はまだ、鍵を開けられなかったみたいですけれど、ちょっと頑張ればできるようになるかもしれないってことですよね?」

焦るSさんに先輩が教えてくれたのは「セキュリティの見直しが効く」ということでした。「侵入しにくいマンションに引っ越したら、被害はすぐになくなったわよ」という人も。

以前に比べて予防に力を入れてくれるようになったとはいえ、警察は事件が起きてからでないと、なかなか対応してくれないことが多いです。自宅のセキュリティレベルを見直して安全な物件に引っ越した方がいい、というのが都会の一人暮らしに慣れた先輩たちのアドバイスでした。

今の物件のセキュリティに不安があれば、一度見直してみることをおすすめします。
セキュリティレベルの高い物件を探してみてくださいね。

ピッキングしにくい鍵を選ぼう! 

●ギザギザではなく凹みで解錠する「ディンプルキー」

セキュリティの見直しは大事! とはいえ、いきなりそう言われても、何から考えればいいのかわかりませんよね。セキュリティ対策にはいろいろなポイントがありますが、Sさんのように不法侵入を防ぎたいなら、最初に見直すべきポイントは「玄関の錠前」です。

錠前にはピッキングされやすいものとされにくいものがあります。ピッキング被害を防ぐには、後者を選ぶことで安全性を高められます。ピッキングされにくい錠前の代表格といえるのが「ディンプルキー」です。

差し込む部分がギザギザになっている普通の鍵とディンプルキーとの違いは一目瞭然。ディンプルキーは差し込み部分のギザギザの代わりに、その名の通りディンプル(凹み)がいくつもあります。錠前の構造が普通の鍵に比べてかなり複雑なので、ピッキングしにくいのが特徴です。

●解錠に○分以上かかると侵入をあきらめる

ピッキングなどの手段で侵入しようとする人はたいてい、長く粘ることはありません。ドアの前に不自然な格好でかがみこんで作業しなければならないので、「人に見られると不審に思われる」という不安が大きいのです。

たとえば空き巣の場合、解錠するのに5分以上かかると約7割があきらめることがわかっています(出典:財団法人都市防犯研究センター「侵入盗の実態に関する調査報告書」)。つまり、錠前を開けにくいものに変えるだけで、侵入をやめさせる効果は非常に高いといえるのです。玄関の鍵を選ぶ際には、ぜひ「ピッキングのしにくさ」を考慮してみてください。

2階以上の物件を選べば侵入経路を限定できる

●掃き出し窓、ルーバー……いろいろある侵入口

誰かの家に侵入しようと思ったら、入り口になりそうな箇所は玄関以外にもたくさんあります。たとえばリビングの掃き出し窓はクレセント錠だけで施錠されていることが多いので、ガラスを割れば簡単に開けられてしまいます。実際、空き巣で一番多いのはこのケースです。

他にも、浴室やキッチンによく設けられているルーバー窓(ガラスの板を羽状に並べた窓)のガラスを外して入るなんてケースも。ですから、玄関の錠前だけに注目しても完璧な対策にはならないと考えるべきです。

●おすすめの物件条件はディンプルキー×2階以上

そこでおすすめなのが、2階以上の物件です。リビングの掃き出し窓を割るためには、まず樋(とい)を伝ったりしてベランダに登らなくてはいけません。キッチンや浴室のルーバー窓を壊そうとしても、足場がないので困難です。

侵入を狙う犯罪者から見ると、玄関以外から入るのはかなり難しくなるので、玄関ドアのセキュリティアップは効果が大きいと考えられます。さらにディンプルキーのついている物件なら、ストーカーや空き巣の被害を高確率で予防できるのです。セキュリティを重視するなら、おすすめは「ディンプルキー×2階以上」! これを踏まえて物件を探してみてください。

谷垣吉彦

谷垣吉彦ビジネスライター

ビジネスライターとして、不動産を始め、医療や集客など多様なジャンルの書籍制作に関
わる。「暮らしもビジネスも拠点選びがもっとも大切」を信条とし、わかりやすく正確な
情報提供を仕事のテーマとする。

※このページの内容は、2019年3月8日時点での情報です。掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください