引越しには、進学や転勤、結婚など、人それぞれさまざまな理由があります。どのような理由であれ、暮らしが変わる出来事はドキドキしますよね。
新しい環境への不安もありますが、私はワクワクする気持ちのほうが大きく、引越しというイベントをいつも楽しむように心がけていました。仕事柄、独身時代に7回の引越しをしてきたのでそう思わざるをえなかった面もありますが…。
今回は、元転勤族の私と元引越し会社勤務の主人が、スムーズに引越しする方法や費用を抑えるコツを紹介します。慣れない引越しの準備に不安がある方はぜひチェックしてみてくださいね。
わが家の引越し歴

引越し三昧の独身時代
私は学生時代から一人暮らしを始め、転勤の多い職場に就職しました。転勤の内示は早くて1ヶ月前、遅いときは1週間前ということも。引越しは驚くほどやらなくてはならないことが多く、転勤の場合は勤務しながらそれをこなさなければならないため、本当に大変です。
最初の頃は急な内示に戸惑っていた私でしたが、引越し歴後半になる頃には、冷静に効率よく準備を進め、遠方の土地でもスムーズに引越しを手配できるようになりました。慣れてくると、自然と優先順位がわかるようになり、引越しを楽しむ余裕も出てきます。
会社が転勤費用を出してくれて、新しい環境でチャレンジするチャンスを与えてくれる。度重なる転勤にうんざりするのではなく、楽しむようにしたことで引越しは私にとってワクワクするイベントに変わりました。
夫婦の特技は引越し
主人は引越し会社の営業をしていたので、引越しの規模や時期に応じた相場を熟知しています。現場に出ることもあったので、引越し当日の流れやスムーズな作業ができる方法も把握しています。
結婚を機に、同棲していたアパートから主人の実家へ引越しする際も、またたく間に荷造りが終わりました。その結果、新生活にワクワクしながら前日にも関わらず夜遅くまでゲームをしていたなんてことも。緊張する気持ちもあったはずですが、リラックスしすぎてしまった思い出です。
夫婦そろって最低限の手間で引越しをすることに慣れていたので、新生活はいつもスムーズにスタートできています。
バリエーション豊かなわが家の引越し歴
一人暮らしのときには転勤で大阪から北海道へ行くなど、1回の引越しでかなり長い距離を移動していました。主人と同棲をし始めてからも転勤があり、夫婦二人での引越しを2回経験、子どもが生まれてからは家族6人での引越しも経験しました。引越し会社に依頼したこともありますが、家族や友人に頼んで自力で引越したこともあります。
このようにさまざまな引越しスタイルを経験してきた経験から、今回はお伝えしたいと思います。
自力で引越し! 押さえておきたい荷造りのコツ

引越し直前に慌てる人が多いと思いますが、1週間もあれば、仕事をしながらでも十分に荷造りはできます。まずは、自力で引越しする場合に押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
①準備するものは?
自力で引越しをする場合は、大きなサイズの段ボールは運びにくいため、中〜小サイズを多めに準備しましょう。小さめ、中くらいのサイズならスーパーでもらえることもあります。
合わせて、油性ペンとハサミ(カッター)とガムテープ、梱包用の新聞紙やチラシ等を準備します。
油性ペンは段ボールの中に何が入っているかを記入するために使うので必須です。荷ほどきした際に使う段ボールをまとめる用の紐もあれば完璧。
できるだけ大きなカバンやショッピングバッグも準備しておきましょう。難しい場合は大きめで厚手のゴミ袋を用意。かさばる衣類は綺麗にたたんで運ぶことで、中身がわかりやすくなります。
引越し会社に依頼する場合は、壁や床を保護するために養生材を用意してくれますが、自力での引越しの場合は毛布などを用意しておくと安心です。重いものを床に置いて少し滑らせたり、家具に巻いて部屋や家具を保護したりといったことに使えますよ。
②割れ物の梱包には衣類を活用
食器類を運ぶ場合、梱包材がかさばり荷物が増えてしまいます。自力引越しの場合は特に、運ぶ荷物の数はできるだけ減らしたいですよね。
荷物を増やさず食器類を運ぶポイントは、衣類などの布製品と一緒にまとめること。衣類が梱包材代わりになり、包む手間も省けますしゴミも削減できます。食器が入っているとわかるようにシールなどを貼り、段ボールにタオルと一緒に詰め込む時は必ず段ボールに食器(割れ物)と記入しておきましょう。
③全部は詰めない
これは引越し会社に依頼する場合も同じですが、家族が3日分着まわせる服と下着と、食器や靴など最低限の日用品だけは分けておきます。
到着後にすぐ使うものは、なるべく自分で持ち歩くようにします。
・荷ほどきのハサミ
・化粧品
・携帯の充電器
・常備薬など
その次に使うものは、ジャンルがバラバラであっても1~2個の小さい箱などにまとめておくと便利です。
・歯ブラシ
・バス用品
・タオル
・洗剤
・お箸やコップ
・当日の着替えなど
段ボールの表面に「すぐ使う」など大きく書いておきましょう。
引越し後、荷ほどき中にお目当てのものを探すのは大変なので、こうしておけばストレスが少なく数日は日常生活を送ることができます。他のものは事前に箱に詰めてしまいましょう。
引越し会社に依頼するなら? 荷造りのコツ
①準備するものは?
ほとんどの場合、ガムテープ、梱包材、段ボールは事前に引越し会社のほうで持ってきてくれます。油性ペンとハサミ(カッター)だけは自分で準備しておきましょう。また、自分で引越しをする場合と同じように、3日分の衣料品と日用品、食器類など以外はすべて荷造りしておきましょう。
②段ボールは余裕をもって
引越し会社の場合、運び出す荷物の量に合わせてダンボールの数を提案してもらうことができます。なお、段ボールのサイズが選択可能です。本などの重いものは小さめの段ボールに、軽くて数が多いキッチン用品などは中サイズに入れると運ぶのも取り出すのも容易になります。
また、大きさだけでなく、重さも段ボール選びには重要です。容量が多いほど重くなってしまうため、種類があるなら中〜小サイズを多めに頼んでおくと安心です。使わなかった分は引き取ってもらえるので、遠慮なく注文しましょう。
③専用ボックスを活用しよう
引越し会社によりますが、大抵の場合はハンガーボックスやシューズボックス、食器入れなど専用の段ボールが用意されています。これは再利用ができるため、引越しが終わると引き取ってくれることが多いです。
服を運ぶときは圧倒的にハンガーボックスが手間いらずなので、ぜひ活用しましょう。ただし、引越し当日に持ってきてくれることが多いため、服はハンガーにかけてある分が入る数、靴も詰めたい数を把握して、段ボールを注文しておきましょう。
大切なものは安全に運びたいので梱包は重要ですね。専用ボックスがある場合はどんどん活用しましょう。
段ボール生活にしない! 荷ほどきのコツ

荷ほどきはなんといっても当日がカギです。引越した日にやるかやらないかで、後々の生活の快適さがまったく変わります。
運び終わったら、とにかく全部中身を出す
荷ほどきのコツは、私はこれ以外の方法はないと思っています。当日に移動した勢いですべて荷ほどきをしてしまうのです。一息つくのは全部出してから。いったん落ち着いてしまうと、膨大な荷物の量に作業をするのがおっくうになり、ついつい後回しになってしまいます。
特に引越し会社に依頼する場合は、段ボールや梱包材はすべて引き取ってもらえます。後日回収してくれるところもありますが、その日のうちに終わらせるためにも、大雑把でもいいので段ボールと梱包材は全て出しましょう。とにかく「最大限のスピードでやる」のがコツです。
自分で引越す場合も段ボールや梱包材の処理が一番大変で、いつまでも置いておくと気が散ります。当日中に段ボールはまとめて紐でくくり、梱包材もまとめておいて後は捨てるだけの状態にしておきましょう。
あとは食器類や衣料品を食器棚やクローゼットに片付けておけば、部屋を見渡したときに大方の作業は済んでいます。自分が一旦落ち着ける快適な空間を目指して、引越し当日に力を出し切りましょう。そのほかの作業は落ち着いてから少しずつやっていけます。
コストパフォーマンスよく引越したい

ここからは、元引越し会社勤務の主人からのアドバイスをもとに、コストパフォーマンスよく引越しする方法を紹介します。
家族が多いなら丸ごとお任せパックも検討
家族が多い場合、引越しの負担は相当なものです。家事や仕事の間に家族全員の荷造り…考えただけでも消耗してしまいますよね。
そのような場合は、引越し会社が用意している荷造りから荷ほどきまでお任せできるパッケージ商品の利用も検討してみましょう。もちろんいくらかは高くなりますが、心身ともに元気な状態で新生活をスタートすることができます。
費用を抑えるなら引越しの時期に注意
引越し会社にはいくつか多忙な時期があります。当然その時期は引越し依頼が集中し、日程を押さえるのも大変なうえ、費用も高くなります。
まず、引越し依頼が1番多くなるのは3月中旬から4月中旬。2番目が12月上旬から中旬。3番目が8月末から9月上旬です。この時期を避けて引越しをすると、費用は抑えられやすくなります。一番の閑散期は5月のゴールデンウィーク後です。
また、繁忙期は人手が足りないので1日に3回現場を回ることもあるそうです。そういうときは、一番遅い時間帯に荷物の引取り、引渡しを設定すると費用が抑えられる場合があります。ただし、前の現場次第なので時間が読みづらいというデメリットもあります。
引越しの見積りを手軽に済ませたいたら

引越しのコストを抑えるなら、相見積りを検討しましょう。私は転勤の内示があった際、会社から「引越し会社の見積りを最低3社はとるように」と言われました。「ただでさえ短期間で引越しをする必要があるのに、そんな暇はない!」と思いつつ、当時大急ぎで電話とFAXで見積りをお願いした記憶があります。
引越し会社の営業の方の訪問は、お互い時間を拘束されます。さらにその結果数社は断らなければならないので、精神的にも負担がありますよね。
手軽に相見積りをとりたい場合は、最近はインターネット上で見積り依頼ができるさまざまなサイトが登場しています。
まとめ
引越しは大変ですが、計画的に準備を進めていけばあっという間に終わります。時間は有限なので、できれば引越しに費やすよりも、新天地での環境に慣れて楽しむことに使いたいものですね。
この記事が少しでもそのお手伝いになれたら嬉しいです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。