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布1枚でその空間が華やかになったり、安らぎを与えたりする、魔法のようなエレメント。
たかが布1枚ですが、されど布1枚。柄やテクスチャーで、洋服やインテリアなど人々の暮らしに活力をもたらすものが、テキスタイルです。

幅広い知識とスキル、センスをもとに最適なテキスタイルデザインを実現できること、またお客様が安心して依頼できる職能者であることの証として「窓装飾プランナー」という資格があります。
今回は、そんな窓装飾プランナーである私が、テキスタイルの楽しみ方、簡単に取り入れるコツを紹介します。

テキスタイルとは?

布(テキスタイル)には様々な種類があるのをご存じでしょうか?
「テキスタイル」とは、本来ラテン語の「TEXERE…織る」が語源で、厳密には織物のことをいいます。

織物と聞くと、着物や帯など日本の伝統を思い浮かべる方も多いでしょう。正解です。着物は織物であり、テキスタイルなのです。
現在では、おしゃれな布や布のデザインをテキスタイルと呼ぶことが多く、インテリアではカーテン、スローケット、クッションカバーなどをいい、空間を彩る1つとして欠かせない存在となっています。

布の総称を指す「ファブリックス」という言葉もあります。こちらは繊維をその種類にかかわらず、織り、編み、フェルト、撚(ひね)り、からみ、ひも組、フィルムなどの工程によって平面状にしたものをいいます。

何だか難しい話になりましたが、ファブリックスも布で、テキスタイルも布です。とにもかくにも、テキスタイルはとてもたくさんの種類や柄がある、おしゃれな布のことをいいます。近年、進歩した科学技術により従来の認識を超えた柄、デザインが豊富になりました。

テキスタイルの資格、「窓装飾プランナー」とは

一般社団法人 日本インテリアファブリックス協会が創設した、「窓装飾プランナー」というインテリアテキスタイルに特化した資格があります。
糸の繊維や織り組織から、窓装飾の多彩なデザインやアイテムの知識を問う資格です。
それぞれのテキスタイルが持つ特徴を駆使し、装飾的にも機能的にも最適な空間へ導くプロフェッショナルです。
同じ眺めで同じ環境の窓はありません。お客様に自分らしいピッタリなデザインに出会っていただくサポートをするのが、「窓装飾プランナー」の役割です。

私はこの資格を2015年に取得しました。この資格に挑戦したきっかけは、窓装飾やテキスタイルで部屋を彩ることが「面白そうだな」と思ったことです。
また、当時の私はインテリア小売店で働いていました。カーテン、テキスタイルの問合せはたくさんありましたが、サイズだったり機能だったり説明が難しいことも多い中で、しっかりお客様へご案内したいと思ったからです。
糸の組織や織り、編みの知識など、独学での資格試験の勉強は非常に大変でしたが、私にとって、新しい出会いとなりました。
テキスタイルは学べば学ぶほど、奥が深いです。寝具に向くテキスタイル、クッションなどのポイント使いに向くテキスタイルと、本当に様々です。

わが家のテキスタイル事例

ここで、実際の私の部屋を紹介します。寝室はお気に入りに囲まれて過ごしたいので、オリジナル・オンリーワンの落ち着きスペースを目指しています。
自分でデザインしたカーテンをかけ、オリジナルのシュシュタッセルでテキスタイルを束ねています。

こちらのシュシュタッセルは、シアーと呼ばれる薄い透過性のある生地で縫製をお願いしました。縫製屋さんがとても苦労されながらも、素敵に仕上げてくれました。
本来、薄い生地でこのような縫製はしないので、生地に穴が開きやすかったり切れやすくなったりして大変だったと後日伺いました。
チャームやトリムでテキスタイルをドレスアップし、窓辺に射し込む光が反射して室内を優しくキラキラと華やかにしてくれます。室内にキラキラ反射するものを飾ると空気が浄化され、風水的にも良いといわれています。

リビング・ダイニング・キッチンはアクセントでテキスタイルを楽しむ

テキスタイルはカーテンはもちろんですが、ダイニングのセンターマット・クッション・スローケットと毎日の生活で活躍しています。

日本には四季があります。季節が変わるたびにワンポイントのアクセントで気分を手軽に変えられるのがいいですね。
たまにラグジュアリーに、ときに和モダンに。テキスタイル1つで空間を変えられるのは、本当に魔法のように感じます。
ところで、わたしは昔からお気に入りは大切に使うタイプです。小学生の頃に読んでいた雑誌の付録の布筆箱を、今も使っています。すごくおしゃれでもないですしチャックも壊れかけていますが、肌触りがわたしにとって好みなのです。
テキスタイルは毎日触れることが多いエレメント。特にカーテンは毎日開閉しますし、ランチョンマットやコースターも食事やお茶タイムなど、使用頻度が高いエレメントです。
性能や肌触りも大切にすることで、触れるたびに嬉しい気持ちになり、大切に、長く使うのだと思います。

テキスタイルを暮らしに取り入れる魅力

私がテキスタイルを暮らしの中に取り入れることで感じた魅力は3つあります。

早起きができるようになった
お気に入りのカーテンで毎朝の開閉が嬉しくなり、朝が苦手だった私も早起きになりました。

自分だけのオリジナルな部屋を楽しむことができる
部屋のコーディネートに取り入れるときは、気になったテキスタイルをハサミでカットし、気分にあわせて部屋を彩ります。そうすることで、簡単にオリジナルのコーディネートを完成させることができるのです。

プチ模様替えを気軽に楽しむことができる
テキスタイルを取り入れることによって、大きな模様替えやリフォームをしなくても部屋の雰囲気を簡単に変えることができます。

テキスタイルを取り入れるポイント

インテリアコーディネートは床材や家具、そしてテキスタイルと様々な商材が組み合わさることで完成されます。床材や家具を変えるのは金額もそれなりにかかるので、ハードルが上がります。
一方で、手軽に取り入れやすいテキスタイルは、ワンポイント取り入れるだけでも気分が明るくなったり部屋の印象が変わったりと、取り入れやすいインテリアの楽しみ方といえます。

テキスタイルには大きく分けて「編んだもの」と「織ったもの」の2種類があります。インテリアに取り入れるために、それぞれの特徴やメリット・デメリットを抑えておきましょう。

「編んだもの」について

「編んだもの」とは1本、あるいは数本の糸でつくったループに次の糸を引っ掛けて新しいループをつくり、これを連続することで布状にしたものです。

身の回りの代表例としては、靴下、レースなどがあげられます。
編んだものの最大の特徴は伸縮性が高いことです。伸縮性が高いので、ソファにスローケットをかければ体に優しく馴染みますし、窓辺にレースをかけると心地いい風にのって柔らかくなびいてくれます。ざっくりと編んだテキスタイルであれば、涼しさが感じられ季節感の演出にも一役買ってくれるでしょう。

編んだものは雰囲気や素材感を取り入れたいときに選びたいテキスタイルですね。
反面、編んだものはほつれやすく、少し引っ掛けてしまうとほどけてしまいます。編んだテキスタイルを取り入れる場合は注意が必要です。

「織ったもの」について

次に「織ったもの」。織ったものは経糸と横糸を交差させて作られています。

織ったものは柄が最大の見どころだといえます。プリントで柄が写されているものは絵が描かれている様に表情が出ます。絵具のような繊細なデザインもあり、見ているだけでワクワクしてきます。
また、色使いや大胆な大柄のテキスタイルも豊富です。ベッドリネンやホームパーティのダイニングクロスなどに使用してもおしゃれですね。

さらに、織る時に糸で柄を出すテキスタイルもあります。こちらはボリューム感があり重厚感、高級感が特徴です。何気ないカジュアルなソファに重厚感のあるクッションを1つ置くだけで、クラシックなソファへ変えてくれます。
他にも壁にかけるタペストリーやラグなどにも向いていますね。

このように重厚感や高級感がある反面、テキスタイルとしては重いので窓装飾にシェードとして使用する場合は、昇降に負担がかかります。どのテキスタイルにも向き不向きがありますので、取り入れる際は気を付けましょう。

リビング、ダイニングにはたくさんのテキスタイルが混在

ラグ、ランチョンマット、テーブルクロス、コースター、クッション、スローケット、ソファ…好きなものだけをそろえていくだけでも、楽しくてワクワクするインテリアになります。
ただ、ちょっとしたルールを作ると空間に統一感が生まれ、洗練されたおしゃれなインテリアコーディネートになりますよ。

アクセントは1つに絞る
例えば、部屋ではゆっくり落ち着いて過ごしたいな…となれば、落ち着いた色、素材を選んでいきます。落ち着いた色ですと派手すぎず暗過ぎない色。明るい灰みのライトグレイッシュトーンがおすすめです。

素材は豪華な装飾もなく、シンプルで肌触りが優しい方が落ち着くでしょう。
そんな落ち着いたインテリアの数々の中で、1つだけ自分の気に入ったアイテムを取り入れます。そうすることで、その1つに目線が行き、空間が引き締まってグッとグレードが上がります。これはインテリアテクニックで「フォーカルポイント」と呼ばれる技です。
アクセントが2つになると、目線がどちらを見ていいか迷ってしまいます。そのため1つ、または1ヶ所にお気に入りを絞ります。

色の割合を意識してアクセントをつける
インテリアを創り上げていくために色の割合も意識しましょう。インテリアではベースカラー、アソートカラー、アクセントカラーと色の割合を3つに分けて仕上げていきます。ベースカラーが70%、アソートカラーが25%、アクセントカラーが5%の割合になります。

先ほどお伝えしました、お気に入りを1つ。こちらがアクセントカラーにあたり、クッションやマット、タペストリーなど空間に変化や遊びを与えるものになります。
ベースカラーが床、壁、天井となり空間が広がる色を選びます。選ぶというよりほとんど決まっている場合が多いかと思います。
アソートカラーというのがテキスタイルであるカーテン、椅子張り地(ソファ)などになり、住む人の嗜好を表現する色となります。

ちなみに、ソファの下に敷くラグは、ソファのサイズより少し大きめを選ぶと納まりがよくなります。色はソファの色より1段階暗くすると安定したインテリアになり、落ち着きが出ます。ソファはシンプルな色味にし、アクセントでクッション、スローですてきなテキスタイルを取り入れると気分で楽しく変えられます。

アソートカラーで使用したものから1色を選びアクセントカラーに用いると、空間が統一され、より洗練された雰囲気となります。
アソートカラーは住む人の個性が1番反映され、その部屋に入った時の全体の印象を与える重要なものです。そのアソートカラーはテキスタイルで決まるといっても過言ではないですから、とても楽しく選びがいがありますね。

テキスタイルが映える間取り

カーテンや窓回りをデザインして楽しみたい場合は、角部屋がおすすめです。これは統一感のある空間にするため、窓が2つあるというのがポイントになります。この2つの窓は大きさが違っていても、同じデザインでなくても構いません。
同じような雰囲気のテキスタイルデザインにすることで、十分おしゃれになりますよ。

窓の高さは、人の目線にちょうどいい位置に設定されていることがほとんどです。そこに自由に自分でデザインしたカーテンをかければ、きっと毎日が楽しくなることでしょう。

「デザイン」といっても難しく考える必要はなく、ワンポイントに鳥のブローチをつけてみたり、裾に黒いポンポンのフリンジを縫い付けてみたり…洋服を着ておしゃれを楽しむ感じで構いません。

テキスタイルの良さはトータルでインテリアを構成していくときに発揮しますので、最低必要広さも重要です。仮に2人で住む場合のソファは幅150cm~180cm×奥行85cmになり、ダイニングセットであれば幅150cm×奥行80cm前後です。
これは人に必要な幅寸法が1人あたり幅約60cmといわれていて、家具はその幅を基準にして作られているからです。

窓の位置、建具の位置によってレイアウトが変わってきますが、人の動線は40cm~60cmになるので2人で住む場合は12畳以上のリビングダイニングを確保しておくといいでしょう。

まとめ

テキスタイルは、手軽に自由におしゃれを楽しませてくれます。洋服もインテリアも、今の自分を映し出す鏡であり、自分を囲む部屋は最高のオートクチュールです。
この記事を読んで、テキスタイルを取り入れたら楽しいかも…そんな風に思っていただけたら嬉しく思います。

虎岩沙緒理(とらいわさおり)

虎岩沙緒理(とらいわさおり)窓装飾プランナー・インテリアコーディネーター・AFT色彩検定1級

戸建住宅、マンション、店舗などのインテリアデザイン・トータルコーディネートを提案。インテリア小売業からハウスメーカーを経て独立。もうすぐオープン予定の御殿場プレミアムアウトレット・ヒルサイドエリア(第4期増床工事)内飲食店のデザインを手掛け、内装エレメントにテキスタイルも取り入れる。

※このページの内容は、2020年6月29日時点での情報です。掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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