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ヨーロッパでは古くから飲まれていた、凍えるような寒い冬でも体が芯からポカポカ温まる魔法のような飲み物があります。それが、「ホットワイン」です。ワインにスパイスやハーブ、フルーツなどを入れて温めた飲み物で、一般的なワインとは違った楽しみ方ができます。

今回は、元国際線の客室乗務員でソムリエ資格をもつ私が、世界のホットワイン事情や簡単に作れるおすすめレシピをご紹介します。ワイン好きの方はもちろん、普段はワインを飲まない方もお好みに合わせてアレンジができるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

ホットワインとは

ホットワインとは、読んで字のごとく温かいワインのことです。ワインを温めるだけではなく、スパイスやハーブ、フルーツなどを入れて、オリジナルレシピを楽しめる飲み物です。
ホームパーティではお料理を引き立て、冬のキャンプでは焚き火の周りで楽しむお洒落アイテムとして大活躍します。

また、体にいいとされるスパイスやハーブを入れて温めれば、健康的にもさまざまな効果が期待できます。冷え性の私は、生姜やローズヒップなどを加えたホットワインがお気に入りです。生姜は体を芯から温め、ローズヒップの甘い香りはリラックスできるので、寒い真冬の夜に寝る前の一杯として、欠かせません。

ホットワインの成り立ち

紀元前3世紀頃、医学の父と呼ばれるヒポクラテスがワインを温めて薬代わりに使ったことから、飲まれるようになりました。2世紀頃には、領土拡大のために戦うローマ帝国の軍人たちが寒い冬を乗り切るためにホットワインを飲んでいたそうです。ローマ帝国が領土を広げていくに連れて、ホットワインの存在もヨーロッパ全土に広まっていきました。

それから長い間、ヨーロッパ各地でそれぞれのレシピで楽しまれていたホットワインですが、脚光を浴びたのは19世紀の終わり頃。各国のお酒メーカーがクリスマス商戦の一環としてホットワインのレシピを紹介したところ、ヨーロッパ全土での人気が高まりました。

それ以来、クリスマスの時期になるとマーケットの屋台でホットワインが振る舞われるなど、ヨーロッパの冬の風物詩になっています。

世界で楽しまれるホットワイン

クリスマスのヨーロッパは、乗務員にも大人気の渡航先ですが、担当するフライトは自分たちでは選べません。そのため、クリスマスシーズンにヨーロッパ便が割り当てられると、みんなウキウキして、ステイ中の計画を立てます。クリスマスのヨーロッパといえば、なんといっても「クリスマスマーケット」です。

私が一番思い出に残っているのは、ドイツ・フランクフルト・アムマインのクリスマスマーケットです。1393年から続く、世界最古のクリスマスマーケットといわれています。

毎年ヨーロッパだけでなく、世界中から多くの観光客が訪れ、ヨーロッパの中でも最大級の規模です。大きな広場の周りを囲むように、たくさんの小さな屋台が立ち並びます。お店の屋根には、サンタクロースやクリスマスツリーなどの色とりどりのデコレーションが輝き、真冬の乾いた空に活気を与えます。

その中でも、私の一番の楽しみは食べ物屋さんの屋台です。フランクフルトなので、もちろんお目当ては、目の前の鉄板で焼いてくれるパリパリのフランクフルトソーセージ。周りが硬い楕円形のパンに挟んでもらい、ホットドッグにしていただきます。

そして一緒にいただくのが、ドイツのホットワイン。ドイツ語では、Glühwein(グルーヴァイン、グリューワイン)といいます。

あたりは日が落ちて、寒さはより一層深まりますが、一面に照らされるイルミネーションとグルーヴァインの甘いスパイスの香りが私をファンタジーの世界へと誘い、体はいつまでもポカポカとしていました。

ドイツに限らず、ホットワインはヨーロッパ各地で飲まれています。フランスでは Vin Chaud(ヴァン・ショ)、スペインではvino calient(ヴィーノ・カリエンテ)。北欧ではGlögg(グロッグ)と呼ばれ、さまざまなレシピで楽しまれています。

美味しいホットワインの作り方

ホットワインは、赤ワインが主流ですが、白ワインやロゼワインを使っても美味しいです。いずれにしても、スパイスやハーブ、フルーツなどを加えて調理するので、高価なワインを使う必要はありません。おうちにある赤ワイン・白ワイン・ロゼワインを混ぜ合わせて作ってみるのもよいでしょう。

また、ホットワインは、はちみつやお砂糖などの甘味を加えて作りますが、甘味の量を調節できるのでワイン自体は辛口でも美味しくできます。

基本のレシピ

ホットワインは、小鍋にワインと材料を入れて、沸騰させないように弱火で温めます。アルコールは少しずつ蒸発してしまうので、出来上がりのアルコール度は低めです。

アルコールに弱い方は、お鍋を火にかける時間を少し長めに設定しておくと安心です。逆に、アルコールが強いほうが好みなら、出来上がったホットワインに、コアントロー・ラム・ブランデーなどを数滴加えるのもおすすめです。

それでは、ドイツで飲まれている一般的な基本のホットワインのレシピをご紹介します。

基本のホットワイン(2人分)の材料
・ワイン300ml
・クローブ 4〜6粒
・シナモンスティック 1本
・スターアニス(八角) 2-3個
・オールスパイス 2~3粒
・はちみつ 大さじ1
・レモン 8分の1
・オレンジ 8分の1

あくまでも基本のレシピなので、お好みで調節してください。各スパイスは少しクセがあるので、苦手なものがある場合は無理に入れる必要はありあません。はちみつは砂糖や三温糖でも代用可能ですし、甘さは元のワインの甘さも関係するので調節しながら加えてみてください。

また、レシピによっては水を加えて作ることもありますが、私はワインの味が濃いほうが好みなので、水は加えずに作っています。加水も自分の好みに応じてアレンジしてみてくださいね。

柑橘系はレモンとオレンジを使っていますが、柚子やみかんなどを使っても美味しいただけます。ご家庭にある材料でいろいろ試してみてくださいね。

ワインは、赤ワイン・白ワイン・ロゼワイン、どれを使って作っても大丈夫です。赤ワインはコクが強く、白ワインはさっぱりした味わい、ロゼワインはその中間ぐらいになるといった印象です。

基本のホットワインの作り方

1)すべての材料を小鍋に入れ、弱火で10分くらいコトコト温めます。アルコールが飛んでしまうので沸騰させないように気をつけてください。すぐに飲むこともできますが、火を止めてから、20分ぐらい漬けておくと味が馴染んでさらに美味しいです。漬ける場合は、飲むときに冷めていたら、もう一度温めてくださいね。

2)茶こしなどで濾(こ)しながらカップに注ぎましょう。

3)装飾にスターアニスやレモンを加えます。シナモンスティックをマドラー代わりにさしてもお洒落です。

お鍋でワインと一緒に温めたスパイスやフルーツは見た目がヘタっているので、装飾用は新しいものを加えたほうが映えます。

電子レンジを使う場合

一人分からマグカップで簡単に作れるので電子レンジも便利です。私も寝る前にサクッと飲む際には、もっぱら電子レンジで温めています。

熱燗モードなどがあるレンジの場合は、熱燗モードに設定します。ない場合は30秒ぐらいずつ、様子を見ながら温めてください。温まってから沸騰するまでがあっという間なので、沸騰しないように中尉が必要です。(電子レンジで赤ワインが沸騰すると結構悲惨です。)

また、見た目にこだわらず一人で飲む場合、とっておきの裏技があります。スパイス・ハーブ・ドライフルーツを細かく砕いてティーバッグに入れ、ワインとともにレンジで温め、しばらく浸しておく方法です。飲むときに少し冷めていたら、また温めなおして、ちょうどいい温度でいただきましょう。
好みの調合でホットワインの材料の入ったティーバッグをいくつか作って常備しておけば、いつでも手軽にホットワインが楽しめます。基本のレシピにお好きなものを加えたり引いたりして、あなただけのオリジナルのレシピを作ってみてくださいね。

ここからは、私が好んで飲むホットワインのレシピをいくつかご紹介します。

シャルドネ・ローズヒップティー

まずは、簡単にできるホットワインレシピから。シャルドネと ローズヒップティーのホットワインです。ワインは、シャルドネ以外でもいいのですが、私はこの組み合わせがスッキリと飲めるため気に入っています。

ちなみに、シャルドネとは、世界各国で飲まれている有名な白ワインです。ワインにあまり詳しくない方もシャルドネという名前はご存知だと思います。

シャルドネはワインの名前だと思っている方も多いかも知れませんが、シャルドネはワインの名前ではなくブドウの品種の名前です。巨峰やマスカットと同列というとわかりやすいでしょう。

実は、ワインの勉強をする前の私も、シャルドネというワインがあるのかと思っていました。ワインの名前や種類って地域によって全然違うし、たくさんあるので難しいですよね。

それでは、本題に戻してレシピを紹介します。

シャルドネ・ローズヒップティー(一人分)

材料
・白ワイン(シャルドネおすすめ) 150ml
・ローズヒップティー 1ティーバッグ
・はちみつ(お好みで)
・レモン(お好みで)

小見出し:作り方:
作り方はシンプルです。

1)白ワインをお鍋で温めます。一人分の場合は電子レンジを使ったほうが楽ですが、いずれにしても沸騰させないように気をつけながら温めましょう。
2)ワインをカップに注ぎ、ローズヒップティーのティーバッグを入れて5分ほど蒸らします。

3)お好みではちみつやレモンを加えてください。

ローズヒップの代わりに別のハーブティーでも美味しく、カモミールやルイボスティーもおすすめです。スパイスなどを入れずに純粋に紅茶とシャルドネの風味を楽しめるレシピです。
アルコールに弱い方は、お湯で出した紅茶とワインを半々くらいで混ぜるといいでしょう。

ロゼ・アップル

イギリス・ロンドンでは、ホットワインとともにWassail(ワッセル)という、りんご酒を温めたものがよく飲まれています。日本ではりんご酒がなかなか手に入りにくいので、こちらはホットワインで代用するレシピです。

ワインは赤・白・ロゼのどれも使えますが、ロゼワインで作るとほんのりピンクでかわいいので、ロゼワインをおすすめします。ちなみに、いかにも英語のような「ホットワイン」ですが、実は和製英語です。本場イギリスでは、Mulled wine(モルドワイン)といいます。

ロゼ・アップル(一人分

材料
・ロゼワイン 150ml
・りんご 中 4分の1個
・スターアニス 1.2個
・クローブ 2〜3本
・シナモンスティック 1本
・お砂糖 小さじ2
・レモン(お好みで)

作り方
1)りんごは皮を剥かずに薄さ5ミリ〜1cmほどにスライスします。(ワックスや残留農薬が心配な場合はよく洗うか、皮を剥きましょう。)
2)お鍋にすべての材料を入れて、弱火で20分ほど温めます。途中で沸騰しないように注意です。
3)りんごが少し透き通り、ペタンと柔らかくなったら火を止め、さらに20分くらい漬け込みます。

4)飲む前にもう一度温めて濾(こ)しながらグラスに注ぎます。りんごは、グラスに一緒に入れるか、お皿に盛ってコンポートのようにして食べても美味しいです。

シナモンはスティックがなければ、トースト用に売っているシナモンシュガーなどを使っても美味しく作れます。シナモンとりんごの香りが、暖炉の前のロッキングチェアでくつろぐ、英国風の真冬の夜の過ごし方を思い起こさせます。

ジンジャー・ハニーミント

生姜とはちみつを使ったシンプルなホットワインです。ミントを入れることで爽やかな風味に仕上がります。クローブやスターアニスはお好みで加えてください。

ジンジャー・ハニーミント(一人分)

材料
・ワイン 150ml
・生姜 ひとかけ
・はちみつ 小さじ1
・ミントの葉 適量
・レモン ひとかけ
・クローブ(お好みで)
・スターアニス(お好みで)

作り方
1)生姜は薄くスライスします。
2)すべてを鍋に入れて弱火で10分ほど温めます。ミントやレモンは飾り用のものを取っておいて、残りは一緒に入れて温めましょう。
3)濾(こ)しながらグラスに注ぎ、装飾用のミントとレモンを飾ったら出来上がりです。

ちなみに、こちらはホットワインのレシピですが、一度お鍋で温めた後に、冷蔵庫で冷やして氷を入れても美味しくいただけます。さらに炭酸で割るとジンジャーエールのようなワインのカクテルになりますよ。

今回ご紹介したレシピ以外にも、さまざまなハーブやフルーツを使ってアレンジができます。また、ブランデー・コアントロー・ラムなどのお酒をさらに加え、風味やアルコールを高める飲み方もあります。いろいろ試して、自分だけのオリジナルレシピを探してみるのもホットワインの醍醐味です。

ワインを楽しめる住まい

ワイン好きの私の家には常に無数のワインがストックしてあります。基本的にセラーかキッチンの収納棚に保管していますが、いつか海外のレストランのようにディスプレイを楽しむつもりです。

対面キッチンのある物件

今は新型コロナウイルスの影響で気軽に友人と集まることは難しいですが、以前はよくワイン好きな友人とワインの持ち寄りパーティをしていました。
女性のお友達と数人で飲むときはなぜかキッチン周辺での立ち飲みスタイルが多いです。
交代でお料理を作ったり、飲んだりを繰り返していました。カウンター前にスツールを置き、順番にカウンターの人が入れ替わるバー形式で飲み続ける時間は楽しいものです。オープンな対面キッチンだと、こんな楽しみ方ができますね。

テラスがある物件

最近は外食を楽しむ機会がめっきり減りました。そこでわが家では、家族がそろうときは普段の何でもない日でも、意識的にお庭(テラス)で食事を楽しむようにしています。
簡単なイルミネーションでテーブル周りを囲うだけで、夜は特別なリゾート感を味わえますよ。

まとめ

真冬の寒さが続きますが、ぜひお好みのホットワインで体を温め、リラックスして新しい日常を楽しんでいきたいですね。

元CAバンビ

元CAバンビ日本ソムリエ協会認定ソムリエ/フリーライター/旅行ブロガー

ブログ「元CAのずぼら日記」を運営。国際線の客室乗務員だった経験から海外旅行を楽しむヒントや飛行機に関する裏話、またCA在職中に取得したソムリエ資格を生かして、美味しいワインの選び方やワインに合うお料理に関する情報を執筆しています。

※このページの内容は、2021年1月7日時点での情報です。掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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