最近話題の「ボクササイズ」。ストレス解消やボディメイク目的でトライしてみたい、と思う人も多いのではないでしょうか?
私のボクササイズ歴は10年ほど。もはや日常生活に欠かせないものになっています。非日常的といえるボクササイズのパンチやキックの動作は、ストレス解消にはぴったり! ボクササイズで汗をたっぷりかいたあとは何物にも代えがたい爽快感があります。
そこで今回は、これからボクササイズを始めようと思っている人にボクササイズの魅力や始め方を紹介します。
ボクササイズとは

「ボクササイズ」は、ボクシングエクササイズの略称。ボクシング・キックボクシング・ムエタイ・空手の型の動きを取り入れたエクササイズを指します。
ジャブ・ストレート・アッパー・フック・エルボー・ミドルキック・ハイキック・前蹴り・膝蹴りなど、腕や脚だけでなく体幹まで使う全身運動で、しかも有酸素運動と無酸素運動の両方ができるエクササイズです。
技の種類自体は少ないので、基本の技を覚えてしまえば、コンビネーション次第でさまざまな動きが可能に。技の組み合わせは無限大なので、飽きることなく楽しめるのです。
ボクササイズは脂肪燃焼効果が期待できるエクササイズ
ボクササイズは全身運動なので多くのエネルギーを消費します。短時間で全身たっぷり汗をかくことができるため、達成感を得ることもできます。消費エネルギーを他のエクササイズと比べてみると、下記のようになります。
【10分間あたりの体活動消費エネルギー量】体重60kgの人の場合
・ヨガ 15kcal
・軽い筋力トレーニング 25kcal
・ジョギング 60kcal
・エアロビクス 63kcal
・ランニング 73kcal
・ボクササイズ 93kcal(キックボクシング・空手)
参考:厚生労働省 運動基準・運動指針の改定に関する検討会 報告書
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002xple-att/2r9852000002xpqt.pdf
ボクササイズは消費エネルギー量の高いエクササイズであることがわかると思います。「忙しいけど短時間で運動をしたい」という人におすすめです。
ボクササイズのある暮らし

ボクササイズには数えきれないくらいの魅力があります。続けるためのポイントやメリットも合わせて紹介しますね!
ボクササイズを始めたきっかけ
私は約10年、地元のキックボクシングジムに通っています。ボクササイズを始めたきっかけは、「本格的に行うボクササイズ(キックボクシング)ってどんなものだろう?」と興味を持ったことからです。
私は過去に体育館に勤務していた経験があり、当時の同僚にボクシングジムの会長をしている人がいました。その人は、元プロのキックボクサーで、「地元でキックボクシングの楽しさを広めたい」との想いから、職場の会議室を借りてキックボクシング教室を開催するようになったのです。
私はスポーツトレーナーをしていることもあり、自分の健康維持やスキルアップには積極的でした。その教室に週1回通い始め、そこから今に至っています。
指導するその会長の人柄の良さはもちろん、ボクササイズを通じて会員の方とのつながりもできて視野も広がりました。私自身、ここまで継続できているのは想定外でしたが、このように健康面以外でもいいことがたくさんあったおかげだと今では思います。
今ではボクササイズは、完全に私のライフスタイルの一部になっています。
ボクササイズの魅力
心も身体も健康に
ボクササイズの魅力は、なんといっても非日常的な動きによってストレス解消につながる点です。特に、ボクササイズの動きの中でも脚を使った「キック」をしたときの爽快感は、他のエクササイズでは味わえないものです。
仕事のストレスがあっても、ボクササイズをすると大量の汗と一緒にストレスも流れていくようで、終わったあとは体も気持ちもすっきりリセット。
その他にも、私の場合は体力がついて風邪をひきにくくなった、心肺機能が向上して持久力がアップした、筋力が向上したといった効果が感じられました。特に持久力がアップしたことは、過去4回出場したことがある「大阪マラソン チャレンジラン」での完走と好タイムにつながったのではないかと感じています。
ボクササイズでできた人とのつながり
ボクササイズを始めて約10年、ボクササイズを通じて数えきれないほど多くのことを学び、また私の生活に潤いを与えてくれているのを感じます。
私が通っているジムの会長が、パーソナルトレーナーとしての経験も豊富だったこともあり、学んだことはボクササイズの技や筋トレの方法だけに留まりませんでした。スポーツトレーナーとしての指導法を教えてもらったり、落ち込んだときは悩みを聞いてもらったり、人生相談に乗ってもらったりしたことも。
新型コロナウイルスの感染拡大で自粛生活になったときも、オンラインでレッスンを開催してくれ、孤独感を感じることなく過ごすことができました。これは私が通っているジムが特殊だったのかもしれませんが、これからも私に合ったやり方でボクササイズを続けていきたいと思っています。
ボクササイズを続けるためのポイント
ここからは、ボクササイズを続けるためのポイントをスポーツインストラクターの目線からお伝えしていきます。
まず、他のエクササイズでもいえることですが、体にとっていいことをしているのにけがをしては元も子もありません。ボクササイズだけでなく、ストレッチや筋力トレーニングも一緒に行うことをおすすめします。
私はいつも、ストレッチと筋力トレーニングを合わせて行うようにしています。股関節と肩甲骨を使う激しいエクササイズなので、ウォーミングアップやボクササイズを行ったあとのケアを行うことも大切です。
ボクササイズの動きがスムーズにできるようになると、より楽しむことができますよ。
ウォーミングアップ
体の筋温(筋肉の温度)を上げるために、ウォーキングや足踏みを5~10分行いましょう。ボクシングジムでボクサーが行っている縄跳びが、これにあたります。
肩甲骨周りと股関節周辺の太ももや足首、ふくらはぎのストレッチは入念に。怪我の予防や柔軟性のアップにもなります。
筋力トレーニング
筋力がアップすると、ボクササイズをしても疲れにくくなることが期待できます。
おすすめのエクササイズは、スクワット・腹筋・腕立て伏せ・体幹トレーニングです。私はボクササイズのあと、筋トレを合わせて行うことにより日常生活で疲れにくい体になりました。
もちろんやり過ぎには要注意です。
ボクササイズ後のケア
ボクササイズを行ったあとは、体のケアも大切です。ストレッチやフォームローラーなどで疲労した筋肉をほぐしてあげると、翌日以降の疲労感を軽減することが期待できます。
私は寝る前に毎日ストレッチをしています。寝る前にストレッチを行うと、リラックスできて寝つきがよくなりました。
また、柔軟性もアップして怪我の予防になっています。以前は股関節が硬かったのですが、毎日するようになってから開脚ができるようになりました。
ボクササイズはこんな人に向いている
ボクササイズは老若男女問わずできるエクササイズですが、一人でエクササイズをするのが好きな人、コツコツ継続することが好きな人には特に向いていると思います。
私が通っているジムの会員の方は、ほとんどの方が一人で入会して、ボクササイズや筋トレに励んでいます。また、そのような人の方が継続している印象があります。
もちろん友人や家族と一緒でも楽しめますが、ボクササイズはこのように一人でも続けやすいエクササイズといえます。
ボクササイズを始めるには? 用意するものと費用

ボクササイズができる場所は、自宅・フィットネスクラブのスタジオレッスン・ボクシングジムの3種類。多くの場合、初心者向けのプログラムが用意されています。
用意するものは場所によって異なりますが、まずは運動のできる服装と、ボクシングジムならグローブを用意すれば問題ないでしょう。
ここからは、自宅・フィットネスクラブのスタジオレッスン・ボクシングジムで行う際の、それぞれの特徴と用意するもの(あるといいもの)、大まかな費用をお伝えします。

自宅でボクササイズ
自宅でボクササイズを行う場合は、動画サイトや有料のオンライン動画を利用する方法がおすすめです。
畳1畳分のスペースがあればできるため、「とにかく今すぐボクササイズをやってみたい!」という方に向いています。
用意するもの
動きやすい服装(スポーツウェアがおすすめ)・水分補給用の水やお茶
費用
有料のオンラインサービスならドロップインまたは月会費数千円で楽しめるサービスもあるようです。
フィットネスクラブのスタジオレッスン
次に、フィットネスクラブのスタジオレッスンに参加してボクササイズを楽しむ方法です。
格闘技系プログラムはフィットネスクラブでも人気が高いレッスン。30~60分のレッスンが多いようです。暗闇フィットネスといって、あえて照明を落とした真っ暗なスタジオで行うものもありますよ。グループレッスンならではのライブ感を味わうことができます。
用意するもの
スポーツウェア・シューズ・水分補給用の水やお茶
費用
単発ではなく、フィットネスクラブの月会費がかかるところが多いです。
ボクシングジム
ボクシングジムの会員になって、本格的なボクササイズを楽しむ方法です。
ボクシングジムは筋骨隆々のボクサーがいて怖いのでは、と二の足を踏む人がいるかもしれません。しかし最近は、女性や初心者の人でも気軽に通うことができるジムが多くなっています。
本格的に技を学ぶことができるほか、実際にプロのボクサーが練習で使用しているサンドバックやミットを打つことができますよ。
用意するもの
スポーツウェア・水分補給用の水やお茶・パンチンググローブ・キックボクシングの場合はレガーズ(すね当て)・必要に応じてバンテージ(怪我予防のために手、手首に巻くテーピング)
費用
ボクシングジムの月会費がかかります。ジムによりますが、1万円ほどから通えるところが多いようです。
グローブは約2,000円、レガーズは約2,000円、バンテージは約1,000円からあります。
ボクササイズができる物件選び

ボクササイズは自宅でも畳1畳分のスペースがあればできるエクササイズですが、より快適に楽しむためには物件にもこだわりたいものです。ここからは、ボクササイズを続けやすい物件の選び方を紹介します。
自宅で行うなら飛び跳ねてもOKな物件
安心してボクササイズを楽しめるのは、音の心配が少ない物件です。
ボクササイズの動きの中には、ミドルキックや前蹴りなどのフットワークがあるため、飛び跳ねても下の階に響きにくい物件を選びましょう。例えばマンションなら1階であれば、下に住んでいる人に迷惑をかける心配がないですね。
また、自宅でボクササイズを行うときに気を付けたいのは、床などの環境です。滑って転倒しないようにヨガマットを敷く、キックの動作をしても脚がぶつからないように家具を配置するなど、ボクササイズをのびのびとできる環境にしましょう。
ジムに通うなら近いところを選ぼう
ボクササイズをフィットネスクラブやボクシングジムで楽しみたい場合は、ジムの半径2km以内の物件がおすすめです。自宅から遠いと、そのうち面倒になって通わなくなりやすいです。ジムの半径2km以内の物件なら、ジムまで徒歩20分くらいなので、気軽に通うことができて続けやすいといえます。
その他の理由としては、自宅から近いとジムに通っている人と地域の情報交換ができることが挙げられます。「スイーツの美味しい店ができた」など、情報交換ができるとボクササイズに通うのがより楽しい習慣になりますよ。
ボクササイズのある生活で健康な体づくりを
ボクササイズの魅力、メリット、そして私がボクササイズを通して得たものについて紹介してきました。
子どもの頃は虚弱体質ですぐに風邪をひいては寝込んでいた私でしたが、コツコツとボクササイズを継続することにより、体力がついたように感じます。
この魅力をもっと多くの人に知ってもらい、ボクササイズ人口が増えてほしいと思っています。「健康づくりのために何か始めたい!」 と思ったときに、選択肢の一つとしてボクササイズを思い出していただけたら幸いです。