ラテアートを趣味にしてみませんか。魅力と始め方をバリスタがまとめます

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出口の見えないコロナ禍で、自宅で過ごす時間が増えた人も多いのではないでしょうか。
今回私がこの記事を通してお伝えしたいことは、「そんなおうち時間に、新しい趣味としてラテアートを始めてみませんか? 」というものです。

今やラテアートの認知度はとても高く、見たことがある人も多いと思いますが、「そもそもラテアートとは何か」を説明できる人は少ないかもしれません。
そこで今回、日本バリスタ協会認定のバリスタとして活動している私が、ラテアートを趣味として楽しむ魅力や始め方をまとめてご紹介します。

新しい趣味におすすめ、ラテアート

今さら聞けない「ラテアートって何?」

「ラテアート」は、「ラテ(Latte)」というイタリア語と「アート(Art)」という英語を合わせた造語です。
イタリア式コーヒーであるエスプレッソに、泡立てた牛乳(フォームドミルク)を注いだ飲み物が、カプチーノやカフェラテです。この表面に、ミルクの白とエスプレッソの茶色によるコントラストを使って絵柄を描く技術が「ラテアート」と呼ばれています。ハートやリーフ(葉、ロゼッタ)の模様が代表的な絵柄です。

1985年頃のイタリアで生まれ、日本には25年ほど前に入ってきました。500年にわたるコーヒーの歴史の中では新しいサービスですが、今や世界中に広まっています。これは、写真映えするラテアートが、インターネット、特にスマートフォンやSNSと相性が良かったことが大きな要因だといわれています。

カプチーノやカフェラテを提供する際の付加価値として生まれたラテアートですが、徐々にラテアート自体を楽しむスタイルが広まりました。絵柄も可愛らしい動物やアニメ・漫画のキャラクターなど、描かれるものは多岐に及ぶようになり、立体的な3Dラテアートや、シロップや食紅で色をつけたフルカラーラテアートも生まれています。

ベースとなる飲み物も、カプチーノやカフェラテに限らず、抹茶や紅茶、ほうじ茶やココアのような“コーヒー以外”にもラテアートが描かれるようになりました。

どこまでを「ラテアート」と呼ぶかはプロのバリスタの間でも意見が分かれるところですが、私は「ラテ(牛乳、豆乳も含む)を使った飲み物に、絵柄(アート)が描かれていればラテアート」だと考えています。まだできて数十年の、発展途上の新しいジャンルですし、そもそも嗜好品なのですから、さまざまなスタイルや可能性があっていいと思っています。見方を変えれば、ラテアートは今、コーヒーが飲めない人でも楽しめるところまで成長したカルチャー、ともいえるでしょう。

趣味としてのラテアート、3つの魅力

幾何学模様なら絵が苦手な人でも簡単に描ける
幾何学模様なら絵が苦手な人でも簡単に描ける

そんなラテアートを楽しもうと思えば、ラテアートを行ってくれるカフェやレストランに出かけることになります。しかし今はこういう状況。外食の機会自体が減っている人も多いことでしょう。
ならばいっそ「自分でラテアートを描いてみる」というのはいかがでしょうか? おうち時間が増えたことを「新しい趣味にチャレンジする機会」と捉えたとき、ラテアートはかなりおすすめできる趣味なのです。

その理由は3つ。それぞれ紹介していきましょう。

ラテアートが趣味としておすすめの理由1
まず1つ目は、周りに「すごーい!」と褒めてもらえることです。…動機が不純でしょうか? いえいえ、これほど具体的で分かりやすいメリットもそうそうありません。
ラテアートは、ちょっとした模様を描く程度ならご家庭でもそれほど難しくありません。それでもとても写真映えするものができるので、できるようになると周りの人から感心してもらえる、コストパフォーマンスが高い趣味なのです。

ラテアートが趣味としておすすめの理由2
2つ目は、初期投資が少なく済むこと。最低限の道具と材料は、100円ショップとスーパーの食品売り場で2,000円もあればそろえることができます。 趣味には何かとお金がかかるものですが、大人が新しく始める趣味としてはかなり手を出しやすい金額ではないでしょうか。

ラテアートが趣味としておすすめの理由3
3つ目は、自分だけではなく、他の人も幸せにできる趣味であること。もちろん自分一人で楽しむこともできますが、ラテアートの本質は飲み物なので、他の人にそれを提供してあげることができます。その人に喜んでもらえそうな絵柄を描いて出したときの相手の笑顔は、出したこちらも嬉しくなってしまう、何ものにも代え難い幸せだと私は思います。
子育て世帯であれば、子どもと一緒にラテアートを楽しむこともできるでしょう。年配の方にも、手先を使う作業が頭の体操になりますし、まさに世代を問わず楽しむことができるのがラテアートの魅力です。

家庭で楽しむラテアートの方法

では、実際にラテアートを作る方法についてご説明します。おおまかな流れは以下のとおりです。

ラテアートのつくり方

手順① ベースとなる飲み物をいれる
手順② フォームドミルクを泡立てる
手順③ ベースの飲み物にフォームドミルクを注ぐ
手順④ フォームドミルクの上に絵柄を描く

それぞれ、順を追って説明しましょう。

手順① ベースとなる飲み物をいれる
これは一般的なカプチーノやカフェラテであれば、エスプレッソにあたります。ご家庭で本格的なエスプレッソをいれることは難しいので、インスタントコーヒーを濃いめに溶いたもので代用が可能です。コーヒーが苦手な方は、抹茶や紅茶、ココアなどでも問題ありません。

手順② フォームドミルクを泡立てる

100円ショップでも購入できるハンディフォーマー
100円ショップでも購入できるハンディフォーマー

これが、ラテアートをつくる上で最も重要な工程です。「フォーム」は洗顔フォームなどの「フォーム」と同じ意味で、その名が示すとおり、牛乳が泡立てられた状態を指します。
60度前後の適温に温められた牛乳は、細かい空気を取り込ませることでガラスのような光沢を持つキメ細かい泡に変わります。

カフェなどの飲食店では、専用のエスプレッソマシンのスチーム機能を使って、熱い蒸気を送り込むことで牛乳を温めながら泡立てています。ご家庭では、まず鍋か電子レンジで牛乳を温めたあと、100円ショップでも売っているハンディーフォーマー(ミルクフローサーとも呼びます)を使って牛乳を泡立てます。

コツは、「モコモコの大きな粗い泡をつくらず、できるだけキメ細かい、とろりとした泡に仕上げる」ということ。もちろん、家庭用のエスプレッソマシンでもフォームドミルクをつくることができます。

手順③ ベースの飲み物にフォームドミルクを注ぐ

フリーポアの代表絵柄「リーフ(葉)」
フリーポアの代表絵柄「リーフ(葉)」

フォームドミルクができたら、①でつくったベースの飲み物に注ぎます。このとき、上手に注ぐと、ミルクの対流だけを使ってハートやリーフ(葉)の絵柄を描くことができますよ。この技術が「フリーポア」と呼ばれるもので、ラテアートの元祖です。

練習すれば必ずできるようになりますが、「ベースの飲み物の状態」「フォームドミルクの質」「ミルクを注ぐ技術」の3つが高いレベルでそろっていないと綺麗な絵柄にはならないので、最初は爪楊枝などの道具を使って絵柄を描く「エッチング」と呼ばれる方法がおすすめです。

手順④ フォームドミルクの上に絵柄を描く
フォームドミルクを注いだら、その上にチョコレートシロップや、濃く溶いたインスタントコーヒーをインク替わりに使って、爪楊枝で絵を描きます。これがエッチングという工程です。
フォームドミルクは時間が経つとどんどん泡が割れて温度も低下してしまうので、できるだけ手早く描くことが大切です。慣れないうちは、線の少ない絵柄を描くようにするといいでしょう。

ラテアート初級編「ステンシル」

ステンシル(左)を使ってパウダーを振る(右)
ステンシル(左)を使ってパウダーを振る(右)

一口に「絵柄を描く」といっても、イラストが苦手な方もいるでしょう。慣れないうちは短時間で仕上げることが難しいものです。そういった方におすすめなのが、「ステンシル」と呼ばれるシート状の「抜き型」を使ったラテアートです。

ベースの飲み物にフォームドミルクを注いだら、抜き型の上からココアパウダーや抹茶を振りかけるだけ。ステンシルは100円ショップにも売っていますし、好きな形に厚紙やクリアファイルを切り抜いて自作することもできます。

綺麗に仕上げるコツは、ステンシルをできるだけフォームドミルクの表面に近づけることと、パウダーを振る際に茶こしのような道具をきちんと使うこと。小さなお子様でもチャレンジできますし、忙しいときにも短時間で作ることができる、初心者向けのラテアートです。

ラテアート中級編「動物を描いてみよう」

ステンシルを使ったラテアートで一通りの流れを覚えたら、いよいよ絵を描いてみましょう。

小皿にチョコレートシロップや濃く溶いたインスタントコーヒーを入れ、これをインクにして爪楊枝で線を引いていきます。このときの楊枝を早すぎず遅すぎず動かすスピード感覚がコツなのですが、何度かやっていればすぐに慣れますよ。

まずは基本である、クマやウサギ、ネコといった動物の絵柄にチャレンジ! インターネットで「イラスト」と「○○(動物の名前)」で検索すると、デザイン化された動物の画像がたくさん出てきますので、これを参考に描くことをおすすめします。動物を描くことでエッチングに慣れたら、徐々に複雑な絵柄にも挑戦してみましょう!

ラテアート上級編「エスプレッソマシン」

注ぎ口の尖ったラテアート用のピッチャー
注ぎ口の尖ったラテアート用のピッチャー

少額で始められることが魅力のラテアート。「まずお試し」程度なら、100円ショップとスーパーの食材売り場で揃うことは既に述べた通りです。

【100円ショップ】
・ハンディーフォーマー(ミルクフローサー)
・ミルクを泡立てるときに使う、容量が大きめのマグカップ
・ラテアート用のカップ(直径が大きなものが作りやすい)
・チョコレートシロップを入れる小皿
・爪楊枝
・ステンシルと茶こし(ステンシルラテアートを作る場合のみ)

【食材売り場】
・牛乳
・インスタントコーヒー
・チョコレートシロップ
・ココアパウダー(ステンシルラテアートを作る場合のみ)
・食紅(ラテアートに色を付けたい場合のみ)

以上の道具・材料があれば、始めることができます。カップはとりあえず家にあるものでも問題ありません。まずはこの辺りから始めて、楽しくなってきたら、少し本格的なものにステップアップするのもいいでしょう。

そうなると欲しくなるものが、ラテアート専用の機材です。

・ラテアート用のミルクピッチャー
・家庭用エスプレッソマシン
・ミルクの温度を測るための温度計

具体的にはこれらの道具です。ミルクピッチャーは注ぎ口が細く尖っているため、ミルクを注ぎやすくなっていることが特徴で、ネット通信販売で1,000円前後から購入できます。エスプレッソマシンは1万円ぐらいから高くても10万円前後、スチーム機能のついた3~5万円程度のものが家庭用としては主流です。

これらの道具を使ってチャレンジしたいのが、フリーポアで注ぐハートやリーフ模様。コツは、フォームドミルクを綺麗に泡立てることと、ミルクを注ぐ「高さ」と「太さ」。注ぐだけで絵柄を浮かばせるテクニックを身につけることができれば、気分はもうバリスタ。周りからの羨望の眼差しも間違いありません。

ラテアートづくりに適した環境・住まいは?

ラテアートの醍醐味はライブ感!

本格的なラテアートに挑戦したくなった場合は、家庭用のエスプレッソマシンを購入したくなることもあります。当然「電源」が必要になりますが、エスプレッソマシンは1,500W(ワット)前後の大きな電力を消費しますので、コンセントがタコ足配線になったり、ワット数の大きな家電と併用したりしないよう、設置場所には留意が必要です。

もう一つ、「ラテアートがさらに楽しくなる!」住まいのポイントは、「アイランドキッチン」「カウンターキッチン」「ダイニングテーブル」といった、「ラテアートを描いている自分の正面に、手元を見てもらえるスペースがある」空間です。

今から自分の描くラテアートを飲んでくれる相手が、カップの向こうからその様子を見つめているところを想像してみてください。ラテアートの魅力であり醍醐味の1つが、「目の前で絵柄ができあがっていくライブ感」です。これを通じて、相手は自分のために世界に1杯の飲み物をつくってくれている、という特別感を味わうことができます。

ラテアートは、飲むだけではなく、「つくっている過程とその時間」も含めて楽しむことができる趣味。手間をかけたものだからこそ、飲んで無くなってしまうことにより一層の愛おしさが生まれるのも特徴です。海外では、このように形に残らず消えてしまうアートのことを「グッバイ・アート」と呼ぶこともあるそうです。

描いているところを誰かに見られながらの作業は確かに緊張するかもしれませんが、ご家庭の趣味なら、プロがお客様からお金を頂戴して提供する商品ではないのですから、「上手く描く」必要はありません。下手になってしまったらそれも含めて笑いながら、楽しい時間を過ごすことができれば、何よりのご馳走ではないでしょうか。

ダイニングルームやリビングルームで、子どもも交えて家族みんなでラテアートにチャレンジするのも、すてきな休日の過ごし方だと思います。

ラテアートは自分も周りも幸せにできる

慣れると、ここまで細かい絵柄も描くことができるように
慣れると、ここまで細かい絵柄も描くことができるように

世の中にはいろいろな趣味がありますが、基本的に「趣味」というもの自体がその人の好きな世界に没頭する行為ですから、他者を置き去りにすることが多いものです。

その点、ラテアートは「飲み物」という成果物ができ上がる性質上、それを他の人にプレゼントすることができます。飲み物1杯にかかるコストはたかがしれていますし、道具さえそろえてしまえば、それほどお金のかかる趣味でもありません。

また、突き詰めればものすごく深い世界で、プロのバリスタが参加するラテアートの世界大会も開催されています。試しにインターネットでラテアートの動画を検索すると、目を疑うような超絶技巧を見ることができるでしょう。

このようにラテアートは入口が広く、続けやすく、奥が深く、そして何よりそれを行う自分だけではなく、周りの人とも幸せな気持ちと時間を共有できる趣味だと私は考えています。図らずも増えてしまったおうち時間ですが、これを機に一度ラテアートにチャレンジしてみませんか?

伊藤 雄一(いとうゆういち)

伊藤 雄一(いとうゆういち)バリスタ / シェフ

ラテアーティスト。日本バリスタ協会認定バリスタ。フルカラーラテアートの第一人者で、ラテアート講師や飲食店コンサルティングも行う。さまざまな企業やアニメ・漫画作品とコラボレーションをしたラテアート制作も多く手がけている。「イタリア料理ベルコルノ」オーナーシェフ。著書に「フォトジェニックなラテアート」(旭屋出版)。

※このページの内容は、2021年4月13日時点での情報です。掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください

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