仲介手数料ってなに? 無料の物件は本当にお得? 秘密を全て教えます

賃貸物件探しを進める中で「仲介手数料無料」と表記されている物件を見たことがあるかもしれません。これらはなぜ無料なのでしょうか? そもそも仲介手数料とはどのようなもので、それが無料になる物件にはどのような理由があるのでしょうか? 仲介手数料の仕組みや、無料になる理由について確認しましょう。

新生活にかかるお金をできるだけ抑えたい

急な転勤で新居の費用が心配に

社会に出て数年。会社での仕事にもようやく慣れたころ、気になり始めるのが
「知らない土地に転勤を命じられたらどうしよう?」
ということではないでしょうか?

転勤することは昇進のチャンスかもしれないし、新しい場所で自分の実力を試して成功できることや、新たな友人や恋人との出会いもあるかもしれません。とはいえ、仕事がうまくいくのか、新しい環境になじめるのかと不安はあるでしょう。

引越し費用を抑えるため、仲介手数料や敷金・礼金0の物件を探したいという人も多いかと思われます。物件の契約にお金がかからなければ、その分のお金を家具や家電に使うことができ、快適な新生活を送ることができるのも、魅力ですよね。

仲介手数料無料物件の魅力とは?

入居にかかる初期費用を抑えるにあたって、「仲介手数料無料」と表記されている物件は魅力的に見えますが、実際にお得なのでしょうか? 安心して契約するためにも、仲介手数料について知りましょう。

仲介手数料無料のメリットは?

仲介手数料は、物件探しや契約の締結などでお世話になる不動産会社に支払うお金です。仲介手数料の金額は法律で上限が決められていますが、借主から受け取る手数料を0円として、貸主に全額負担してもらっても法的には問題はありません。

初期費用がお得な物件は仲介手数料無料以外にもある

賃貸物件に入居するために支払う初期費用には、次のものがあります。

・敷金……退去時の原状回復費用などにあてられ、残った金額は借主に戻ってきます。家賃の1か月分が目安
・礼金……大家さんへのお礼。退居時には返却されないのが原則です。家賃1ヵ月分が目安
・前家賃……入居する月の家賃を前払いするもの。家賃1ヵ月分が目安
・保証料……家賃保証会社を利用する場合にかかる費用。家賃の0.5~1ヵ月分が目安
・火災保険料……損害保険会社に支払う保険料。不動産会社から勧められる保険以外に加入する場合は、加入証明書などを提出する必要が出てきます。
・カギ交換費用……鍵の形状などによって異なる

フリーレント、敷金礼金不要などの物件も

「フリーレント」とは、入居後の1~3ヵ月ほどの家賃を無料とする契約です。物件ごとに、家賃がかからない期間が違いますので、契約時に必ず確認しましょう。また、敷金礼金不要で、入居時の初期費用が抑えられる物件もあります。

仲介手数料無料の仕組みとは?

仲介手数料に関する基本的なルール

物件オーナー・大家である「貸主」と、物件に入居したい「借主」を引き合わせる仲介事業を行うのが不動産会社です。仲介手数料は不動産会社の重要な収入源です。

ただし、不動産会社が受け取ることができる仲介手数料は「家賃の1ヵ月分+消費税額」が上限であることが、宅建業法で定められています。

貸主、借主の仲介手数料負担について

不動産会社は、借主から手数料を受け取るだけでなく、貸主から受け取っても構いません。また、貸主、借主の両方から手数料を受け取る場合でも、その総額は「家賃の1か月分+消費税額」を超えてはなりません。
「仲介手数料無料」とされている物件は、貸主が手数料を負担しているために、借主の負担が軽くなります。

仲介手数料無料の訳は?

仲介手数料無料の物件は、初期費用が抑えられるので、人気が高まります。貸主が「早く誰かに入居してほしい」「空き室の状態を長引かせたくない」と考えて、仲介手数料全額を負担することが多いです。

家賃は下げにくいので仲介手数料を下げる場合も

物件の人気を高め、注目を集めるために「家賃を下げる」という方法もありますが、この方法には慎重な物件オーナーもいます。
なぜなら、すでに入居している物件住人と、これから入居する人の家賃に違いがあることが分かると、物件オーナーと住人、住人と入居希望者の信頼関係に影響することも考えられるからです。そのようなトラブルを避けたい物件オーナーは、仲介手数料を下げる方法で、物件に注目してもらうと考えるのです。

仲介手数料のほかに交渉すべき初期経費とは?

敷金や礼金の相場は、以前より安くなっています。敷金が家賃の3ヵ月分、礼金が家賃の2ヵ月分が当たり前だった時代もあったのですが、現代ではどちらも家賃の1ヵ月分が相場となっています。
このことからも、賃貸物件に入居するための初期費用を抑えたいときは、物件オーナーに交渉を持ちかける余地があるでしょう。

入居時に交渉してみるべき費用は?

敷金、礼金、前家賃について「初期費用の負担さえ下がれば、この物件に入居したい」という姿勢を見せながら、物件オーナーと交渉する方法があります。特に、人の移動が少ない季節に空き部屋を抱えている物件オーナーは、早く空き部屋を埋めるために、交渉に応じてくれることもあります。

ただし、物件に入居してからも、物件オーナーや不動産会社との関係は続きます。あまり強引に値引き交渉をして、信頼関係を損ねてしまうことのないよう、限度やマナーを守って交渉しましょう。

また、初期費用を全て一括で支払うことが難しい場合は、クレジットカードで初期費用を支払い、分割払いをする方法も。クレジットカードが使えるかどうかは、不動産会社によって違うので、注意してください。

短期間で別の物件に移ることが決まっているなら、家具や家電がついている物件を選ぶと、引越しや入居にかかる費用を抑えることもできます。

お得に見える物件の注意点

空き室が続いているために、やむなく仲介手数料を無料としたり、敷金・礼金を0としたりしている物件ではないか、チェックが必要です。その場合は、物件の間取りや周辺環境に、なんらかの「暮らしにくい要因」が存在するかもしれません。

仲介手数料や敷金・礼金を0とする代わりに、家賃が割高に設定されている可能性もあります。周辺の物件の家賃について調べ、入居したい物件の家賃と比べてください。退去までのトータルでのコストがどのくらいになるかも、必ず比べておきましょう。

初期費用が低い物件は「契約1年未満で退去する場合は、違約金を請求する」などの条件がつけられる場合もあります。短期間で転勤になる可能性があるなら、物件選びの際に不動産会社にその旨を伝え、違約金の設定がない物件を選ぶようにしましょう。

以上、仲介手数料と法的な決まり、仲介手数料無料で入居できる物件の選び方や注意点についてご紹介してきました。お得に入居できる物件もたくさんあるので、調べてみましょう。

河野陽炎

河野陽炎ライター、コラムニスト

大阪南部で農家をリノベーションした住宅を自宅兼オフィスとしている。3級FP技能士資格を活かして、金融・経済・保険などの記事を数多く執筆する。田舎で暮らすフリーランス、闘病・介護などの事情で在宅仕事を選んだ人が、社会で活躍するためには、キャリアデザインやライフプランを確立させ、衣食住や人間関係などを、着実に理想に近づける生き方が大切だと、執筆やセミナー・講演をとおして伝えている。

※このページの内容は、2019年1月10日時点での情報です。掲載内容の実施に関してはご自身で最新の情報をご確認ください