転勤が決まったり、転勤の可能性が出てきたりしたとき、これまで住んできたマイホームを売るか貸すかは難しい問題です。生活の拠点を移動する際には、新たな環境へ目を向けるとともに、これまで過ごしてきた環境の整理も行わなければなりません。今回はマイホームの売却に必要な期間や手順とともに、それ以外の方法についても詳しく見ていきましょう。

家の売却を検討

 

転勤によって生活の拠点を移す際、マイホームに関する選択肢は、単身赴任を除いて「売却」「賃貸」「空き家」の3つに絞られます。ここではまず、どのような基準で住まいの扱いを判断すべきか、具体的なポイントを見ていきましょう。

 

マイホームの処分を判断する際には、転勤をした後の予定から考えることが大切です。具体的には、「今住んでいる街に戻る予定があるのか」「どのくらいの期間で戻るのか」の2点が重要なポイントとなります。

 

戻る予定が明確でない場合や、長期にわたって戻らないことが決まっている場合は、売却を考えてもいいでしょう。空き家にしている間も住宅ローンや各種税金の支払いはなくならないため、できるだけ早く売却を済ませたほうが経済的です。

 

一方、1年以内の短期間で戻ってくる予定であれば、空き家にしておくのが自然な選択だといえます。ただ、2年を超えて戻る予定がないようであれば、賃貸もひとつの選択肢となります。

 

賃貸借契約の多くは2年ごととされているため、立地などにもよるものの、2年間貸し出せるのであれば借り手が見つかる可能性がないわけではありません。このように、今後の見通しを基準として判断すると、実情に適した答えを見つけやすくなります。

売却査定

 

住宅を売却するまでには時間がかかるので、売却の手順をきちんと押さえておく必要があります。ここでは、売却までの具体的な流れと細かなポイントについて見ていきましょう。

 

住宅の売却を検討したときには、まず不動産会社に価格査定を依頼します。このとき、注意しておきたいのは、「複数の会社に見積もりを依頼する」という点です。

 

不動産の価格には定価という概念がないため、依頼先によって査定額に差が生まれることもあります。また、売り出し価格が高ければ高いほどいいというわけではなく、適正な価格を設定することが買い手を見つける重要なポイントでもあるのです。

 

そのため、複数の会社に査定をしてもらい、適切な価格範囲を知っておきましょう。一度の入力でまとめて複数の会社に依頼が行える「不動産一括査定サイト」などを利用するのが便利です。

 

そのなかから、気に入った不動産会社を見つけたら、媒介契約を行い売却活動へと移ります。

 

売却活動とは広告の掲載や購入希望者の募集、内見案内などを指しており、基本的には媒介契約を結んだ不動産会社が行ってくれます。そのため、この期間は売り手側として特にすべきことはありません。

 

ただ、スムーズに活動を進めるためにも、事前に値引き可能な金額を相談したり、内見までに家の掃除や修繕を済ませたりすることが重要です。

 

購入希望者が見つかったら、実際の売却価格や引き渡しの日付などを具体的に交渉する段階に入ります。条件交渉の段階では、売却までの期間に余裕があるかどうかが大きなポイントです。

 

期間にゆとりがなければ、あまり難しい条件を提示することができず、希望どおりの価格で売却できない可能性もあるのです。そのため、あらかじめ手順を逆算して、早めにスタートを切ることが大切となります。

 

売買契約の締結後は、買主の住宅ローン借り入れを経て、物件の引き渡し・決済となります。決済の段階では、登記の移転等を済ませる必要があるため、当事者とともにそれぞれの仲介会社や司法書士などの専門家が集まって手続きを進めていくのが一般的です。

家の売却

 

これまでに紹介したとおり、不動産売却を行う際にはさまざまな手順を踏む必要があるため、時間の逆算をしておくことが大切です。ここでは、売却までにかかる時間の目安を見ていきましょう。

 

エリアや条件などによっても異なるものの、中古住宅の売却期間は3~6ヶ月程度が目安とされています。手順のなかでは、売却活動と条件交渉にもっとも多くの時間が必要とされる場合が多いため、物件の条件や仲介会社によって左右される面も強いといえます。

 

そのため、よりじっくりと買い手を見つけたいと考えるのであれば、必然的にスタートの時期を早める必要があるのです。

急な転勤の場合には、売却までにそれほど時間をかけることができないため、難しい判断を迫られるケースも多いといえます。そこで、無理に転勤前での売却を急がず、新生活が落ち着いてから取りかかるのもひとつの方法です。

 

LIFULL HOME’Sで調査した結果では、転勤や転職でマイホームの売却をした人のうち、売却を急いだのは54.2%、落ち着いてから行った人は45.8%となっています。転勤時には新居探しを同時に行わなければならないため、新生活を始めてからのほうがいい結果につながるケースは少なくありません。

 

ただ、転勤先から売却する場合には、基本的な手続きを不動産会社に一任することになります。そのため、会社選びにはさらに慎重さが求められます。

 

また、買い手の顔が見えない状態で交渉をしなければならない点や、売買契約には立ち会わなければならないところにも注意が必要です。

家を貸す

 

賃貸にする際には、売却とは違った点に目を向ける必要があります。ここでは、他人に貸し出すメリット・デメリットと、主な注意点を解説します。

 

一番のメリットは、住まいの所有権を維持しながら家賃収入を得られる点です。また、住んでくれる人がいることで、住宅の劣化を予防できるメリットもあります。

 

基本的に、建物は使用されていない状態のほうが老朽化が進みやすくなります。そのため、借り手がいない場合には、身内などに無料や低額で貸し出すといった判断も有効です。

 

一方で、借り手が見つかりにくい点や税金が余計にかかってしまう点はデメリットです。一戸建てを借りるのはファミリー世帯が中心であるため、2年程度の短期間で借りてくれる人を見つけるのはそう簡単ではありません。

 

また、賃貸によって所得税や住民税などが発生するため、賃料がそのまま収益につながるわけではない点も理解しておきましょう。

 

マイホームを賃貸する場合には、契約の形態に注意が必要となります。なぜなら、一般的な賃貸借契約で使用される「普通借家契約」では、正当な事由なく貸主から更新を拒むことができないためです。

 

たとえば、2年後に転勤先から戻ってくる予定があったとしても、借主が更新を望む場合はそのまま契約を継続しなければならない可能性があります。そのため、トラブルを避ける目的で、契約の更新がない「定期借家契約」を結ぶほうが無難です。

 

また、住宅ローンを利用している場合には、無断で他人に貸し出すと規約違反になってしまうこともあります。あらかじめ金融機関に相談をすれば、許可してもらえるケースも多いので、必要な手続きを怠らないようにしましょう。

 

管理会社を調べる

 

売却や賃貸ではなく、空き家にする場合もいくつか気をつけておきたいポイントがあります。ここでは、空き家にするメリット・デメリットを見ておきましょう。

 

マイホームを空き家にするメリットは、転勤事情の変更にも柔軟に対応できる点です。万が一予定よりも早く戻ってくることになっても、住居を空き家にしておけば生活の拠点について心配する必要がありません。

 

一方で、住宅ローンの負担が重くなるため、金銭面のやりくりが難しい点はデメリットです。

 

空き家の管理については、管理会社に委託することもできます。空き家となってしまった物件は、不法侵入やゴミの不法投棄などのリスクもあるため、離れた場所にいる間は心配事が増えてしまいます。

 

管理会社への委託は、そうした不安を解消するために有効な手段となるのです。ただ、その場合は管理委託のコストもかかってしまうため、経済的な負担を考慮したうえで慎重に判断しましょう。

不動産の売却査定を調べる

 

転勤後のマイホームの取扱いについては、売却・賃貸・空き家のそれぞれに注意点があるため、メリットとデメリットを比較しながら慎重に判断しましょう。そのうえで、売却を行う際には、インターネット上で査定を依頼するのが便利です。LIFULL HOME’Sでは不動産の売却査定を行っており、物件のエリアや細かな売却理由ごとに適した不動産会社が紹介できます。信頼できる不動産会社選びに迷ってしまうときには、活用してみるといいでしょう。

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