おすすめ不動産を売るならLIFULL HOME'Sの売却査定で見積もり!(無料)家を売却しようと考えた時に「貸してみるのもアリかな?」と考える人が増えています。個人の不動産投資が人気を集めていることも原因にあるようです。どちらが得かというだけではなく、双方のメリットやデメリットも考慮したシミュレーションが大切です。

賃貸を考えている人が気になるのは「継続的な収入」という点ではないでしょうか。家賃収入で次の家のローン返済にもでき、将来的にはその収入を老後の生活費にすることも可能です。

 

しかし、売却してまとまったお金が入る魅力も捨てがたいと感じるかもしれません。思い描いているだけではわかりにくいので、実際に数字を入れ込んでシミュレーションしてみるとよいでしょう。

 

不動産検索サイトや賃貸経営サポートサイトを活用することで、売却した場合と賃貸に出した場合の数字的シミュレーションを行うことができます。また同じく数字だけでは判断しづらいメリットとデメリットに関する情報も入手し、どちらの選択を取るべきなのかの判断材料にすることがポイントです。

 

家賃収入か、まとまったお金か。売却のシミュレーションを!

家賃収入か、まとまったお金か。売却のシミュレーションを!

築20年の3LDK駅徒歩5分のマンション。売却価格は3,000万円。ローン残債なしと想定します。売却と賃貸に関連する経費や収益は次のように試算できます。

 

【売却した場合】
・諸経費
仲介手数料 96万円
印紙代 1万円(売買契約書に必要)
抵当権抹消登記費用 1万2,000円(印紙代は2,000円)
・手元に残るお金
 2901万8,000円

 

この他には売却の条件として清掃費用、不用品の廃棄費などの費用がかかる場合もあります。このケースではローン残債がないという前提で抵当権の抹消登記費用も考慮しています。ローンが残っていて売却金の中から一括返済するのであれば、繰り上げ返済手数料がかかる可能性もあります。また、売却で利益が出ている場合は、不動産譲渡所得に対して課税がされるので注意が必要です。

 

※売却金でローンが残る場合はその不足分を清算できなければ売ることはできません。

 

【賃貸する場合】
・家賃収入
家賃相場 8万円(駅近築20年のファミリ―マンションの相場家賃として)
 ※敷金・礼金は収入に換算していません
・初期投資費用
リフォーム費用250万円
(クロスの張り替えや和室を洋室への変更、水回りの設備グレードアップなどの平均相場)
賃貸仲介業者への手数料 8万円
火災保険料 20万円(10年間分一括支払い 月約1,600円)
・毎月の諸費用
管理費・修繕積立金 1万円
固定資産税・土地計画税 18万円(1年間)月1万5,000円と想定して計算

 

経費を差し引いた収益を見てみると、初年度の収益は37万4,000円です。5年経過時点で収益合計187万円になります。
※リフォーム費用は10年の減価償却としています。

 

10年目での収益合計は382万円です。年間約35万円の収益(月計算3万円弱)という結果になります。

 

家を売却した場合に得る金額が2901万8,000円でした。

これを10年間定期預金に預けておくと仮定すると…
10年後は約2,906万4,287円です(金利0.02%)。

 

【売却で得る利益約4万6,000円(税引き後)<賃貸での収益約382万円】
売却と賃貸、10年後に手にする利益分にはとても違いがあることがわかりました。しかしそれだけで判断するのにはまだ早いです。

 

単純計算でシミュレーションしてみると、賃貸物件として収益を上げたほうが得だという結果が出ました。しかし、実際にはそこまで簡単にはいかない部分もあるので注意してください。それは次のような場合です。

空室や思わぬトラブルへの費用発生もある

上記の賃貸収益シミュレーションは10年間常に満室であることを想定しています。実際には、空室になる期間も想定しておかなければいけません。人口減少により今は都市部でも空室率が20%というエリアもあります。その点を考慮すると収益は10年で210万円となり満室を想定していた場合の6割にも落ち込みます。単純に20%だけの収益減少にとどまらないのは空室時にかかってくる固定費が収益部分を圧迫するからです。

 

さらにこのシミュレーションの中には不動産賃貸管理会社への管理費を参入せず自主管理を想定しています。水道漏れや騒音問題等で日夜問わず直接ご自身に連絡がくることを避けたいのであれば、家賃の5%の管理委託費を支払い賃貸管理会社に任せることが必要となります。その場合は10年でさらに30万円かかります(※空室期間中には管理費は発生しません)。

 

また不動産から得る所得は確定申告の必要があります。会計が苦手な人は税理士に依頼する費用も考慮する必要があります。

 

このような数字を入れ込んでみると10年で手元に残る金額が180万円前後です。さらに、もしもの場合の修繕費分が発生すると、そこから差し引かなければなりません。

 

一方、売却した場合にはその現金を単純に定期に預け入れるか、リスクの少ない投資信託に預け入れることが一般的ではないでしょうか。定期預金では10年でも5万円弱の利息しか増やすことができません。活用するためには他の金融商品での資産形成が必要かもしれません。

10年後に定期預金していた売却金額の元金は、手を付けなければそのまま残ると考えるのが当然です。しかし経済情勢の変化によりインフレが進むとお金の価値が10年後も同じであることは保証できません。その時の情勢で現金でも目減りする恐れは否定できないのです。投資信託への預け入れという方法もありますが、これも元金が保証されるわけではありません。

 

一方、マンションを保有し続けた場合、将来の資産価値はどうなっているでしょうか。マンションは築30年になっています。RC造の耐用年数が47年のため、残存期間は残り17年です。まだこんなに残存期間があるなら、そこまで目減りしていないのでは? と思われがちですが、不動産(特に築古の物件)については簡単に将来の資産価値を予測することはできません。

 

近隣に新築物件が建設されたり、隣に同じ規模のマンションが建築されて日当たりが悪くなったりするとその資産価値に一気に影響します。もしそこまで資産価値が下がらなかったとしても、築20年のマンションと築30年のマンションでは売却できるスピードが断然違ってきます。よほどプレミアの付いている場所のマンションでない限り、築20年の時とは売却できる条件が違うということは念頭に置いておいたほうが良いでしょう。

 

10年後のそれぞれの資産価値は?

10年後のそれぞれの資産価値は?

持ち家を売却するのか、賃貸物件として貸し出すのか、ここまでの検証を総合的にまとめてみました。

 

【自宅を売却した場合】

  • 売却益が出る場合は譲渡税がかかる
  • 定期預金は利息が低いが元金の確保はできる。ただし、10年、20年先の現金の価値が同じである保証はない
  • 預金だけでは資産形成が難しいし金融商品での運用にはリスクも伴う

 

【自宅を賃貸物件として貸し出した場合】

  • 初期設備投資が必要
  • 賃貸経営に関するノウハウを習得して常に満室経営を目指す
  • 急な修繕や事故などに対応する余剰金を考えておく必要がある
  • 10年後、20年後は物件の資産価値が目減りすることも考えておかなければならない
  • 不動産所得の申告をしなくてはいけない

このように考えていくと、どちらがご自身の選択肢になるのか具体的になってくると思います。比較的時間のあるライフスタイルの人なら賃貸経営についての時間に余裕がもてるかもしれませんし、忙しい人であれば売却してしまったほうが、面倒がないかもしれません。

持ち家を売るのか貸すのか。最終的にはご自身や家族だけで悩まず、情報収集を積極的に行ってみることも大切です。不動産検索サイトでは売却条件だけではなく、賃貸する場合の近隣の家賃相場や空室率といった情報を探すこともできます。いきなり不動産会社に飛び込み相談してみても、その営業方針で「売る」「貸す」の決断を迫られてしまいかねません。事前にある程度はご自身で調べてみることも大切です。

 

急いで決断する必要がないのであれば、賃貸経営セミナーに参加したり、全国各地にある大家の会などに出席したりして実際に賃貸経営をしている人の話を聞くことも有意義です。

家を売却することも賃貸にすることも、いずれも「不動産活用」です。端的な利益の計算だけではなく、将来設計を考慮してその活用方法を決めることが大切です。どちらが得かという結論ではなく、この先の人生設計のために、どのようにその不動産を活用していくべきなのかという判断が必要になってくるでしょう。

 

独身の人・子どものいない夫婦・若い世帯・定年前の夫婦など、ご自身の置かれている状況でも選択肢は変わります。いずれを選択するにしても、貴重な財産を後悔のないように活用していくことが重要です。

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