減価償却できる「建物部分」の取得価額の求め方

建物部分の取得価額の計算式は?
建物部分の取得価額の計算式は?

木造住宅は土地部分と建物部分に分かれます。
減価償却とは劣化分を差し引くことなので、もともと劣化という概念がない土地については除外して考えます。

まずは3,000万円という取得金額から建物部分だけの取得金額を抽出する必要があります。
購入時の売買契約書に書いてある場合もありますが、もしも書いてなければ消費税から逆算することも可能です。

売買契約書を見ると、不動産会社などから購入している場合は必ず消費税の記載があります。この消費税は建物部分にだけ課税されているため、そこから逆算して建物部分の価格割合を算出することができます。
例えば、消費税が120万円との記載があれば、次のような計算式となります。

建物部分の取得価額:(120万円÷8%)+120万円=1,620万円
土地部分の取得価額:3,000万円−1,620万円=1,380万円

よって、減価償却するのは、建物部分の取得価額である1,620万円に対してとなります。

減価償却費の計算方法

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減価償却の計算方法

では、実際に木造住宅の減価償却費を計算してみましょう。
木造住宅の減価償却費は、次の計算式によって求めます。

減価償却費=建物部分の取得価額×0.9 ×償却率×経過年数

償却率は建物の構造ごとに以下のように決まっています。

木造:0.031
軽量鉄骨:0.025
鉄筋コンクリート造:0.015

仮に10年後に売却した場合、先ほど求めた取得価額を当てはめると以下のようになります。

1,620万円×0.9×0.031×10年=451万9,800円

これが木造住宅を新築で購入してから10年目に売却した場合の減価償却費です。
※経過年数が年の途中の場合、6ヶ月以上の場合は切り上げて、6ヶ月未満は切り捨てて計算をします。

経費等も控除対象に入ることに注意
経費等も控除対象に入ることに注意

では、この減価償却費を建物部分の取得価額から引いてみましょう。

1,620万円−451万9,800円=1,168万200円

この金額が10年間保有した後に取得費として控除できる建物部分の金額です。
よって、最初に戻りますが3,000万円で売却できたとすると、譲渡所得は単純計算で次のようになります。

1,168万200円+1,380万円=2548万200円
3,000万円−2,548万200円=451万9,800円

これが譲渡所得です。
ただし、これはあくまで単純計算であり、通常は取得費に以下のような費用も加算して控除することができることを覚えておきましょう。

【その他取得費になる費用】
1:不動産会社に支払った仲介手数料
2:不動産の登記費用
3:不動産取得税

定額法と定率法について

実は減価償却の方法には、定額法と定率法の2種類の方法があります。
「定額法」とは、その名の通り毎年同じ金額が減価償却費として発生していく計算方法です。
これに対し「定率法」とは、当初の減価償却費が多くなる仕組みになっており、その後徐々に減少していく計算方法です。

償却資産によってはどちらで計算して経費として計上していくのか選べますが、マイホームのような自分の居住用住宅の場合は原則として定額法を用います。先ほどの計算例も定額法による償却率で計算をしています。

マイホームの場合は特例措置を使える

マイホームの場合は特例措置が使えます
マイホームの場合は特例措置が使えます

このように、古くなったマイホームが思わぬ高値で売れると、嬉しい反面多くの譲渡所得が発生することとなるため、その分の譲渡所得税が心配ですが、ご安心下さい。
マイホームの場合は、もともと営利目的で売却しているわけではないため、その他の不動産売買とは違っていくつかの特例措置が設けられています。

【マイホームを売却して譲渡所得が発生する際に使える主な特例】
1:特定の居住用財産の買換え特例
マイホームの売却価額を、買い換えたマイホームの取得価額が上回る場合に、本来課税されるはずの譲渡所得を買い換えたマイホームに繰延べすることができます。

2:3,000万円の特別控除
マイホームの譲渡所得が3,000万円以下であれば税金が発生しないという特例があります。

このように、マイホームを売却すると減価償却分があるため、購入時よりも安く売れても譲渡所得が発生することが多々あります。ですが、マイホームの場合は、上記のような特例措置が設けられていますので、よほどの利益が出ない限り、そこまで気にする必要はないでしょう。
ただ、古くなればなるほど減価償却されるため、売却価格が下がらなければその分譲渡所得が増えるということを覚えておきましょう。

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