「相続」は大変

【総資産15億円を相続した芸人2】前田けゑ、養子入りする編

相続は配偶者や血族関係者がいれば誰にでも発生します。相続は100人いれば100通りの事情があります。だから、揉めたりしないように生前から準備した方がいいと思っています。
僕が相続したときは相続について全く知らなかったため、時間と労力がかかってかなり大変な思いをしました。若いうちに相続をした経験者として、これから相続される方々へ向けて、養子縁組・介護・不動産事業・相続・税金・後継・資産運用・保険などについてこのコラムで伝えたいと思います。
ちょっとでも相続について詳しく伝えたいと思って、2016年2月に相続診断士資格を取得しました。

僕は俗にいう「おばあちゃんっ子」だった

【総資産15億円を相続した芸人2】前田けゑ、養子入りする編

まずは相続に関係ないようで関係ある僕の生い立ちから…。
大阪府岸和田市で四人兄弟の三男で生まれ、だんじり祭りやナインティナインさんが主演された映画「岸和田少年愚連隊」の舞台になった町で育ち、それなりに頑固で根性強く生きてきました。

両親が小2で離婚し、ここで初めて苗字が変わり、子どもながらに今でいうイジメみたいなやつも受けましたが、自力で気合いで乗り切りました。この頃に母親に引き取られたのですが父親が勝手に家を売り払ったため、出ていかないといけなくなり、おじいちゃんおばあちゃんが住んでいた160坪の平屋に僕ら家族が住ませてもらうようになりました。小さい時は、家だけを見てよく「前田の家金持ちやなー」と勘違いされました。広い庭には柿の木やみかんの木があり、のびのびと生活させてもらっていました。

母親はピアノの先生から鉄板焼き屋に転職し、仕事仕事だったのでおばあちゃんがよく気にかけて冷蔵庫をいっぱいにしてくれていました。そんなおばあちゃんに僕は懐いていて、俗にいうおばあちゃんっ子でした。

資産家のおばあちゃんと初対面

【総資産15億円を相続した芸人2】前田けゑ、養子入りする編

そんなおばあちゃんから10年前(2006年)に連絡が入りました。「名古屋で友だちが会いたがってるから今度みんなでご飯に行こう」と。
僕はミュージシャンの傍ら全国の音楽イベントの裏方などの仕事もしていたので「名古屋にいるときならいいよ」といつも通り返事をしました。おばあちゃんとは大阪に帰ったとき、おばあちゃんが東京に来たときによくご飯を食べていたし、そこにはいつも親戚やおばあちゃんの知り合いが同席していたので、年配の方と食事をするのは日常って感じでした。名古屋の会食の日は、みんなでうなぎを食べに行きました。

名古屋のおばあちゃんとの初対面です。僕は25歳でした。うなぎを食べながら楽しそうに9割くらい名古屋のおばあちゃんがしゃべりまくっていました。というか僕がしゃべろうとしてもガンガンのクロストークでしゃべらせてもらえませんでした(笑)。

途中で思ったのは、当時84歳の名古屋のおばあちゃんは、25年前に旦那さんに先立たれ、自身も数年前から脳梗塞で半身が不自由だったので、この会食がすごく楽しいんだなって。
最初の会食のときから、おばあちゃんに名古屋のおばあちゃんが跡取りを探すお願いをしていて、その跡取り候補に僕が呼ばれているってことくらいはなんとなくわかりました。おばあちゃんたちはストレートですから(笑)。この会食の話で名古屋のおばあちゃんは「墓を守って欲しい」と言っていました。その他にも戦争の話やおばあちゃんとの昔話や名古屋の家の話など…自分のしたい話の繰り返しだったような気がしますが、名古屋のおばあちゃんが嬉し泣きをしていたのは覚えています。

総資産が15億円あることに、気がついていなかった

【総資産15億円を相続した芸人2】前田けゑ、養子入りする編

後におばあちゃんにちゃんと説明してもらいましたが、やはり名古屋の家は跡取りがいないので、昔からおばあちゃんっ子で信用できる僕なら、養子にしても…という考えがあったようです。養子になって継いでも、血縁の壁を乗り越えて、後継になれると信じて後継者になることをお願いされました。
といっても、当時僕はまだ25歳、ミュージシャンとして活動して、テレビの仕事を続けること、おばあちゃんにも名古屋の事をちゃんと気にかけて対応してもらえるのであれば、ということが僕の中の条件でした。

この時点では、総資産額が15億円もあることは気がついていなかったし、相続ではお金が入るということは理解しても、養子に入った頃はまだまだ先の事だし、自分のものになると決まったわけでもないから、大家さんを継ぐとしか考えていませんでした。

跡取りになる。「誰かに必要とされる生き方がしたい」

今思うともっと他に気にする事あるやろ!! ってツッコミどころ満載ですが、当時の僕は小さい頃から本当に良くしてくれた自分のおばあちゃんの為ならという気持ちが強かったんです。

高校卒業後、自分でアルバイトで稼ぎ、ホームヘルパー2級(介護職員初任者研修)の資格を取得して自分の家族は自分でみようと思っていたくらいですから。あと名古屋のおばあちゃんが、ごはんを一緒に食べたことに涙を流して喜んでくれたときに、誰かに自分が必要とされる生き方がしたいって思って、前向きに跡取りになる事を考え出しました。

跡取りになるといっても、名古屋のおばあちゃんの事情を聞かないとわからないことだらけなので、2回目の会食からは跡取りになるつもりで会いに行って話しました。

資産家でも、自分は関係ない

名古屋のおばあちゃんが地主の不動産の大家さんでもあり、山・ビル・マンション・駐車場を数カ所持っていると聞いたとき「面倒くさそう、自分には関係ないや」と思いました。何も知らなかったんです。後継ぎになるってことがどういうことなのか…。

★チェックポイント -跡取りになる覚悟が大切-

【総資産15億円を相続した芸人2】前田けゑ、養子入りする編

跡取りが一人とは限らないので、本人(被相続人)が存命のうちに誰が法定相続人なのか、または指定相続分があるのか、総資産の確認も必ずしておきましょう。法定相続人は配偶者や子どもが数名いて、相続する権利があっても持ち家など分割できない資産があるため、生命保険などで対応したり、本人の意思を時間をかけてしっかり伝えて、誰がどの資産を相続するのか、またはしないのか話し合っておきましょう。
生前に話し合うのはピリッとするかもしれませんが、しておかないほうが大変な事態になるかもしれません。相続人から相続の話はしづらいものですが、相続について少し勉強しておくだけでもスムーズに笑顔で相続について家族で考えていけるのではないかと思います。

連載

【総資産15億円を相続した芸人1】前田けゑ新連載スタート!
【総資産15億円を相続した芸人3】前田けゑ、通帳・印鑑・不動産台帳を任される編
【総資産15億円を相続した芸人4】前田けゑ、相続税の支払い期限が迫る編
【総資産15億円を相続した芸人5】前田けゑ、相続税を安くする編

【総資産15億円を相続した芸人6】前田けゑ、立ち退きに四苦八苦編
【総資産15億円を相続した芸人7】最終回に伝えたいこと編

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