主婦のNさん(46歳)の、夫の転勤に伴うマンションの売却体験談

該当物件/夫の転勤のため、住んでいたマンションを売却
家族構成/4人暮らし(夫50歳、長女18歳、次女15歳)

~売却した住まいについて~
エリア/大阪市阿倍野区
立地/最寄り駅から徒歩7分
間取り・総面積/2LDK・71m2
築年数/37年
Nさんの居住年数/約20年
売り出しから売却までにかかった期間/約3週間
売却年月/2016年4月

ポイント/マンションを売るか、貸すか

子どもたちの学校のことを優先し、夫はしばらく単身生活

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東京出身のNさん

東京出身のNさんが大阪に住むようになったのは約20年前。結婚してすぐにご主人が大阪へ転勤になり、大阪へ、短期間の社宅住まいを経験した後、住まいを購入しました。それが今回、ご紹介する売却体験談の対象となるマンションです。

「1979年に建てられたマンションです。購入当時、既に築15年を経過していましたが、以前に住んでいたオーナーさんによってリフォームされていました。床に大理石を使っていたり、外国製の洗面台蛇口を取り入れていたり、内装にはこだわりが見られました。そんなところを夫が気に入って、購入したのです」。

間取りは2LDKで総面積は71m2。6階建ての5階、南向きの明るい角部屋でした。そうして長女、次女と2人のお子さんが誕生し、子育てをしながら大阪での暮らしに馴染んでいったNさんでした。

歳月が過ぎ、2014年8月、ご主人に転勤の辞令が出て東京へ戻ることになりました。そのとき、長女は高校2年生、次女は中学2年生。「娘たちは転校したくないと言いました。受験のこともあるし、一家揃ってすぐに東京へ引越しするわけにはいきません。夫には単身で東京住まいを始めてもらい、私と娘2人は大阪に残ることになりました」。

売るのか貸すのか、夫婦の意見が衝突

ほどなく、お子さんたちの進学先について、志望校が固まりました。次女は東京の高校を、長女も東京の大学をめざすことになったのです。そして決まったのは、お子さんたちの受験が終わる2016年3月には東京へ引っ越して、ご主人との4人暮らしを再開するということ。

問題は長年住んでいるこのマンションをどうするか、です。売る・貸すという2つの選択肢があるなかで、夫婦の意見が2つに分かれました。Nさんは売却を希望したのに対し、ご主人は「貸したい!」の一点張りでした。「夫はここに強い思い入れがあって、売りたくなかったんです」。

Nさんはなぜ、売りたいと考えたのでしょう?

「貸すのは面倒くさいと思ったんです。賃貸に出す場合、不具合のある部分はすべて修繕しなければいけないので、手間がかかります。わが家は老朽化でいろいろな支障が出てきていました。台所や洗面台、お風呂場の蛇口がゆるんでいて水漏れしていたり、リビングの引き戸の開け閉めがしづらくなっていたり…。でも、売却なら、このままの状態で売りに出せます。買った人がリフォームすればいいのですから。不具合がある状態で売るので、売却価格は低くなると思いますが、それでも私は売りたかった。なにしろ、その頃の私は忙しかったのです。パートの事務職で働いていたし、なんといっても娘2人の受験を控えていたことが大きかったです。娘たちのケアや、学校説明会のために何度も上京する必要があったり…。だからマンションを賃貸に出すために修繕工事の手配をしたり、段取りを組むのが煩わしかったんです」。

結論が出ないまま、不動産会社に相談

売るのか貸すのか、夫婦の話し合いが続くなか、2016年になり、お子さんたちの受験シーズンを迎えました。次女の合格発表があり、進学する高校が決定。長女の進路も決まり、入学準備のために3月17日に東京へ引っ越すことになりました。ご主人も家族揃っての東京での新生活に備え、都内の賃貸マンション(3LDK・81m2)の契約を済ませました。

でも、気がつけば2月も下旬。「売るのか貸すのか」の決着がつかないまま、引越し日の3月17日というタイムリミットが迫っていたのです。とりあえず不動産会社に連絡し、売却と賃貸のケースの両方で査定の見積もりを出してもらうことにしました。査定を頼んだ不動産会社はA社、B社、C社の3社。

「A社は全国展開している大手不動産会社で、夫の希望で声をかけました。実は夫は結婚とほぼ同時期に住宅ローンを組み、東京都内で3LDKの中古マンションを買っているのです。そのときお世話になったのがA社で、印象がよかったということでした」。ご主人が購入した3LDマンションには住むことがないまま、大阪へ転勤。その後、賃貸マンションとして人に貸し、今にいたっています。「今回の転勤でその3LDKマンションに住むことも考えましたが、約60m2と4人家族で住むには狭いのです」と、Nさん。

さて、大阪のマンションですが、B社に査定を依頼したのは、新聞に折り込みチラシが入っていたからというシンプルな理由でした。「社名にここの最寄り駅の名前が入っていたので、“地元の不動産売買に強いかも”って、なんとなく思ったんです」。

そしてC社は、なんと、A社からのアドバイスで声をかけたという不動産会社でした。
「A社の担当者が査定に来たときにこう言うんです。“このエリアに強い不動産会社が一社あるので、査定を頼んでみては?”と。それがC社でした。よくよく聞いてみると、A社は大手ですが、大阪のすべての地区に強いわけではないのだそうです。ライバルになる不動産会社の情報を教えてくれるとは驚きましたが、すぐにC社に連絡し、査定をお願いしました」。

売却と賃貸の両方でアプローチ

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転勤となってしまったら、
家はどうする?

3社の担当者と会い、それぞれから売却・賃貸の両方の査定をしてもらったNさん。その結果、媒介の依頼をしたのは、A社とC社でした。決め手は何だったのでしょう?

「査定価格は3社ともほぼ同じで、相場からはずれた査定額ではないなと、私は思いました。前々から住宅情報サイトでこのエリアの売却物件の価格と、賃貸の家賃をチェックしていて、だいたいの相場をつかんでいたんです。担当者の対応も3社ともよくて、“売却と賃貸の両方で広告を出します”と、言ってくれました。でもB社にだけ、依頼しなかったのは理由があります。A社の担当者から“B社は物件の売却に熱心ではなく、依頼を受けてもほったらかしにするという噂があります”と、聞かされたからです。そんな悪い評判がある会社は信用できないので、媒介契約をしませんでした」。

そうして媒介契約を結んだA社とC社の2つの不動産会社。
「この2社を比較すると、売り出し方法には差はなかったと思います。売却情報とともに“賃貸でも同時募集中”というキャッチフレーズを入れた形でチラシ広告を出してもらい、インターネットでも広告を掲載してもらいました。ただ、対応はC社の担当者のほうがきめ細やかでよかったです。まず、売却の売り出し価格と賃貸の家賃をいくらにするか、夫の意見を受け入れてくれました。夫は査定額が低いと不満だったのです。A社からは“ご主人の希望する価格では無理です”と言われてしまいましたが、C社とは話し合いで価格を決めることができたんです。その結果、売却の売り出し価格は、査定より700万円高い金額に。賃貸の家賃は“ご主人がおっしゃる金額より少し下げることができれば、賃貸でも可能性があると思います”と担当者から言われ、夫の希望より2万円下げました」。

さらにNさんにとってありがたかったのは、C社の担当者から修繕についてのアドバイスをもらえたことでした。

「賃貸でも出すので、修繕が必要でした。でも、不動産会社に査定にきてもらったとき、私は引越しの荷作りに追われていた真っ最中。3月17日が迫っていて、修繕のことまで考える余裕はなかったんです。そこで、どこをどう修繕すればいいのか、C社に質問したら、“最低限、ここだけは”というポイントを教えてくれたんです。とても助かりました」。

C社から教えてもらった修繕ポイントは台所などの水回り、そして経年変化で動きが悪くなっていた引き戸、汚れが目立っていた壁など。それらの修繕工事をする会社については、Nさんがインターネットで探し、工務店4社から見積もりをとり、壁や引き戸などの修繕はそのなかの1社に任せることになりました。

「水回りの工事はマンションの管理人さんに聞いて、このマンションに住む人たちがよく利用しているという会社を紹介していただきました」。

引越したあとで修繕工事、その後に内覧受付スタート

しかし、室内は引越しの段ボール箱が積まれている状態。修繕工事の会社に来てもらっても工事に取りかかれないし、売却や賃貸の内覧希望者が現れても迎えることができません。そのため、引越しを終えた後で修繕工事を行ない、それから売り出し(同時に賃貸入居者募集)開始という段取りで進めるしか方法はありませんでした。

「3月18日と19日の2日間で修繕工事、その翌日の20日から売り出し開始という流れでした。引越し後なので修繕の仕上がりを確認できないのは不安でしたが、マンションの管理人さんに鍵を預けて工事に立ち会ってもらいました。物件の内覧は、A社とC社に対応をお任せしたので、内覧に来た方々とはお会いしていません」。

そうして3月20日から約3週間後の4月7日、C社の媒介で売却の契約が成立。購入したのは、同じマンションに住む60代のご夫婦でした。「エレベーターのない棟の3階に住んでいたご夫婦で、年齢を重ねるにつれ、階段を昇り降りするのがつらくなっていたとのこと。エレベーターのある棟で条件に合った部屋が売りに出されたら買いたいと考えていらしたそうです」。

ちなみに内覧には、購入した60代夫婦のほか、3組が訪れたといいます。「C社からの紹介で2組、A社経由では1組。いずれも物件の購入を検討中の人たちで、賃貸での内覧希望ははなかったようです」。

売却した価格は、売り出し価格より300万円低かったといいます。でも、売り出し価格は査定より700万円高く設定していたので、不動産会社の査定よりも400万円高く売ることができました。

タイムスケジュールに余裕をもたせればよかったと思う

今思えば、こうすればよかったということは?

「もっと早くから準備を始められたらよかったなと反省しています。不動産会社を決める際にも、各社の強みを比較して選ぶことができたでしょう。修繕をお願いした工務店についても、早い時期に手配しておけば慌てずに済んだのにと思います。今回の工務店選びの決め手は、価格だけではなく、私が指定した3月18日か19日に工事に来てもらえることでした。3月は工務店の繁忙期で、”絶対にこの日に“というリクエストに対応できる工務店を見つけるのに苦労したんです。余裕をもたせたタイムスケジュールを組むことが大切だと実感しました」。

前述したように、Nさんご夫婦は都内にマンションを所有し、賃貸で貸しています。将来的には売却して東京で新たな住まいを購入するプランもあるといい、そのときには今回の経験を活かして余裕をもって準備を進めたいと、Nさんは話してくれました。

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