山梨県では5件に1件が空き家!〜どんどん増える日本の空き家

空き家の増加がとまらない空き家の増加がとまらない

空き家の増加がとまらない。5年毎に行われる住宅・土地統計調査では総住宅数等とともに空き家の数も調査されるが、空き家の数は調査のたびに増加している。近時の調査を見ても、平成10年の調査では総住宅数約5024万戸に対して空き家は576万戸(11.5%)であったのが、平成15年調査は総住宅数約5389万戸に対して空き家約659万戸(12.2%)、平成25年調査では総住宅数約5759万戸に対し空き家は約757万戸(13.1%)と戸数増加とともに、その割合も増加するばかりだ。

これらは日本全体の数字であり、エリアによる差もある。東京への通勤エリア内である神奈川県、埼玉県がともに10%台と比較的少ない。一方、ワースト1の山梨県は20.2%。5件に1件が空き家という事になり、その割合は首都圏近郊のほぼ倍の数字となっている。

また、賃貸用住宅に限ってみれば事態はもっと深刻だ。例えば大阪府。賃貸住宅の空室は20.1%。こちらも5件に1件は空き家という事になる。20%を超える都道府県はなんと27。最高は福井県で、なんと30.1%が空き家。家が3軒並んでいれば、どれかが空き家といった状況だ。

人口減だけが理由ではない!〜空き家はなぜ増える?

空き家が増えるのには理由がある。住宅が余っているのに新築が供給されるからという理由ももっともだが、それではエリアによる空き家の数や率に差がある事の説明にはならない。

都道府県別のワースト1,2の山梨県、長野県についてはいわゆる「セカンドハウス」が放置されるケースが増えているという特殊要因が考えられるが、一般的には「相続問題が解決しない」「賃貸しようにも借り手がつかない」「解体したくても解体費が工面できない」「解体して更地になると固定資産税があがるので勿体ない」等々の理由が考えられる。

行政の空き家対策

空き家が多くなると「老朽化による倒壊の危険」「不法侵入等により治安の悪化」といった問題が発生する。もとより住民がへるわけで地域の活力も損なわれる。そのような状況を是正する為の行政の動きも全国で広がっている。

国がかかわるとこでは「空き家再生等推進事業」(というものがある。地方公共団体が行う「空き家住宅の除却」「空き家建築物の活用」「所有者の特定」等に対して国費で1/2を負担するというものである。「解体したいが資金がない」といったニーズがあれば、大変うれしい制度といえる。

空き家を積極的に活用していこうとする仕組みとして「空き家バンク」がある。「空き家バンク」とは、空き家の売却(もしくは賃貸)希望者と移住希望者をマッチングするシステムの総称。「空き家条例」が都心部の行政にも制定されているのに対し、「空き家バンク」は郊外の行政が中心である。行政毎に仕組みはもちろん稼働状況も異なる。各行政の「空き家バンク」の情報をまとめたサイトも存在し、地域活性化の施策として注目されている。

「空き家バンク」が空き家を減らそうとする動きであるのに対して、空き家を適正に管理させる為に策定されるのが「空き家条例」だ。2010年に埼玉県所沢市で「所沢市空き家等の適正管理に関する条例」されたのを皮切りに、全国で複数の市町村が同様の条例を制定しており、都道府県別でワースト3の空き家率(17.9%)である和歌山県は「景観支障防止条例」を制定し県単位で取組みを始めている。

空き家解消の救世主となれるか?〜注目される民間の「空き家ビジネス」

また、民間では「空き家ビジネス」が広がっている。

個性的な空き家をリノベーションして売買や賃貸に出したり、空き家の一戸建てを複数人に貸しシェアハウスしたりといった手法は、徐々にではあるが件数が増え、認知度がましている。また「いずれは戻って住みたい」「売却したいがなかなか売れない」といった理由で空室期間が長い物件の管理を行う「空き家管理」を行う地元企業も存在する。

「空き家ビジネス」は、空き家の件数に比べるとまだまだマーケット規模は小さい。リノベーションを施しての有効活用も、特徴的な物件、例えばお屋敷や町屋が用途を変えて市場に出ている程度で、一般的な一戸建てやマンションにまでは波及していない。平凡な空き家の活用手法が見いだせれば、さらに「空き家ビジネス」が広がる可能性はある。

空き家やシャッター商店街はどう変わっていくか?

寂しさを感じるシャッター商店街寂しさを感じるシャッター商店街

営業をしていない店舗が居並ぶ「シャッター商店街」という言葉は、いまや一般名詞のように使用されている。なかには、商店会や地元住民の手によってかつての活気をよみがえらせようといろいろと試行錯誤が繰り返され、息を吹き返そうとしている商店街もある。

空き家が立ち並ぶ街並みは、今後どのように変わっていくのかを注目していきたい。

■参考サイト
空き家再生等推進事業
国土交通省が、居住環境の整備改善及び地域の活性化のために推進する事業

ニッポン移住・交流ナビ〜空き家バンク・住まい情報
全国の「空き家バンク」等のまとめを見る事ができるサイト

所沢市空き家等の適正管理に関する条例
空き家が適正に管理される事を目的として制定された条例

景観支障防止条例(和歌山県)
廃墟化した建物が景観を損なう事を防止する為の条例

2013年 10月11日 13時17分