真面目オーラを放つ現場監督のKさん

現場監督のKさん現場監督のKさん

2009年に「マンガはじめて家を建てました!」(ダイヤモンド社)という、自分の体験談+家づくり情報を盛り込んだ本を描きました。
私の実家を二世帯住宅にしたときの、家づくりの基本的な知識と、すったもんだの体験を面白おかしく描いたマンガ書籍です。
そこでこのコラムでは、今家づくりを考えているみなさんの役に立ったり立たなかったりする情報を、楽しくお伝えしていきたいと思います。

さあ、今日はいよいよ家の引き渡しの日。いつもは朝の遅い私たち夫婦だが、その日は張り切って早起きをして、出来立ての家に駆けつけていた。
引き渡しの予定時間よりずいぶん早いのに、現場監督のKさんはもう来ていて、家の周りを掃き掃除してくれていた。

現場監督のKさんは、真面目な印象の方だ。
ふざけた会話をして笑いあったりはしない。
必要事項をきちんと確認して迅速に作業にかかる、真面目オーラを放つ監督さんだった。

まだ家の建築前、庭の木を伐採するか、残しておくかの確認をしていた時、
私「この木は昔からウチにあって、立派なので残したいんですが…」
Kさん「無理ですね。基礎部分にかかりますので。」
とバッサリ。
私「このキンモクセイは…」
Kさん「無理です。」バサッ
私「このツバキは…」
Kさん「無理です。」バサッ

有無も言わせぬやり取りに
「融通ってもんを知らないのかこの人は!」
と心の中で叫んだ私だった。

でも、現場監督さんという立場上、あえて厳しい感じなのかな…とも思っていた。

取説や保証書はまとめて厚いファイルに

取説や保証書はまとめてファイルに取説や保証書はまとめてファイルに

さて、家の引き渡しというのはどういうことをするのかと言うと…。
家のいろいろな設備について説明を受け、説明書や保証書をもらう。
その後家の鍵と保証書をもらうのだ。

まず外から。
水道のメーターの場所。元栓の止め方。ガスメーターの位置。
次に部屋の中。
ガスコンロやお風呂の湯沸し、コンセント、各電気器具の説明。
それぞれに説明書と保証書がついているので、厚めのファイルを買って全部そこに入れておくことをおススメする。
冷蔵庫やテレビなど、新しく買う予定のものがあったらその説明書も一緒に。
なにか故障があったら、そのファイルを見ればいいので、とても便利だ。

外にあるガスの元栓は、大きな地震があった時には自動でガスが止まる仕組みになっている。説明を聞いていた当時は「ふ~ん…」と言う感じで聞いていたが、2011年の震災の時には実際にガスが止まってとても焦った。(ウチは千葉県です)
コンロに火がつかないのだ。どっかでガス管でも破裂した!?ひいー!
いや、しかし落ち着け。説明書を見てみよう!
ファイルを探すと、説明書に解除の仕方がちゃんと載っていた。ああ助かった。
きちんとファイルにしまってくれた過去の私に感謝だ。エライね!私!

現場監督のKさんに異変が…?

現場監督のKさんに異変が…?現場監督のKさんに異変が…?

家の機器の説明が終わり、いよいよ家の引き渡しだ。
家の保証書と引き渡しの書類をいただく。
家のマスターキーも渡された。
わあ、これで家は私たち家族のものに!
(厳密に言うとローンを払い終わらないといけないけど)

すると、現場監督のKさんがしゃきっと姿勢を正して話始めた。
「え~、この度は コホン…
お家の完成、おめでとうございました!」

母と私
「おつかれさまでした~!」

Kさん「私は長年、この仕事していますが、今年は例年にない悪天候続きで…」

ん?あれ?Kさんの声がなんか変?
と思ったら…。

「毎日、水浸しになってしまった現場を、一生懸命作業を手伝ってくださった施主さんはお母様が初めてです。文句を言われても当たり前なところを…ほんとうに…」

現場監督のKさんの肩がふるえ、目からボロボロと涙が!
(建築途中に台風がいくつも直撃し、雨風で大変になった現場を母が毎日手伝いに行っていたのだ)

な…なにがどうしたのか、一瞬パニックになる私と母。
母「バ、バカね!そんなこといいのよもうっ!!」で涙。
私「………うっ」で涙。
あっという間に私と母ももらい泣き。めそめそ、ぐすぐす。
あんなに感染の早いもらい泣きは初めてでした。

いつも冷静に現場を仕切っていたKさんは、本当はとっても熱い心の持ち主だったのだ。
こんなに真面目な現場監督さんに、大事な家を作ってもらって本当によかったな、と心から思ったのだった。

2015年 07月11日 10時14分