ご希望の間取りを作ってきましたニャっ!

ワクワクの間取り!ワクワクの間取り!

2009年に「マンガはじめて家を建てました!」(ダイヤモンド社)という、自分の体験談+家づくり情報を盛り込んだ本を描いた。
家づくりの基本的な知識と、私のすったもんだの体験を面白おかしく描いたマンガ書籍だ。
そこでこのコラムでは、今家づくりを考えているみなさんの役に立ったり立たなかったりする情報を、楽しくお伝えしていきたいと思う。

TOKIOの国分君似の若い営業さんは「ほっけハウス(仮名)」の新しい商品を猛プッシュしているのだった。でも、私もダンナさんも、そのお家が気に入っていない。なんとかきちんと断ろうと思うのだが、そのたびひらりひらりとうまくかわされ、家の測量、家の間取りを作ってもらうところまできた。

計測、間取りの提案、ここまでは無料なのだ。
ここから先は有料になる。つまりハウスメーカー側としては、がっちり契約をとっておかなきゃならないところだ。

私の経験でいうと、どこのハウスメーカーさんでも、間取りの提案は無料でやってくれていた。メーカーによってまったく違う間取りが見られるのでとても参考になった。でもよくよく見ると、すごいへんてこな間取りのところもあったので、ご注意を。うっかりOKしたら、ずーっとへんな間取りの家に住むことになっちゃうぞ。


「ご希望の間取りを作ってまいりましたニャっ!!」
と、ニコニコ顔の国分君。
あれから毎週、国分君は私たちのアパートを訪ねてきているのだ。

先週は、私たちの希望の間取りを作るための聞き取りをしていった。
「はいっ、はいっ」とメモをとっていた国分君。
わーっ!楽しみ!!ワクワク!
と見せてもらった間取り図は…。

この間取りのご提案でこのお値段!

暖かいのが希望の父の部屋は…暖かいのが希望の父の部屋は…

「1階、親世帯 2LDK
2階、子世帯 2LDK
小屋裏3階、2部屋のプランです」

「どれどれ」

「ほおほお」

「わあ、広いね」

間取り図というのは、見ていてとても楽しいものだ。この部屋はこうして、ここにソファーを置いて…なーんて考えると夢が広がるね。

と、楽しく眺めていたら、ちょっと気になるところがある。先週私たちの希望を聞いていった国分君だけど、その希望が反映されてないところがいくつもあるぞ。「収納を多めに」と言ったのに、1階2階合わせても収納は3カ所、「日当たりのいい部屋を父の部屋に」と言ったのに、北側の日の当たらない部屋が父の部屋になっている。

国分君「気になるところがあったらどんどん言ってくださいね!」
いや、もちろん言いますけどさ……。

そして国分君は男らしく堂々と言ったのだ。
「ほっけハウスと契約してくださいますか!?」

えっ!?もう?
びっくり。展開早い。

だって、間取りに納得してないし、肝心な値段の話もまだちゃんとしてないよ。

ダンナ「そもそも、この家いくらで建つんですか?」
そうそう、値段だよ。

国分君「ごにょごにょ万円くらいで…」

私たち「は?」

国分君「ごせんまんえん万円くらいで…」

私たち「はあああああ?」

ひっくり返る私たち。だって、予算はうすぼんやりと、その半額くらいに考えていたから。いや、そうだ。ちゃんと国分君にもその予算は伝えてあったじゃないか?

私たち「とても私たちには無理です!」

国分君「でもでも、思い切りお値引しますからっ!!」

私たち「でも、まさか半額にできるわけじゃないでしょう?」

国分君「それは…そうですけど…」

国分君「ほかにも、…あるんじゃないですか?ほら…お父様の隠し貯金とか…」

これには、ほんとうにビックリした。今なんつった?

国分君の上司が切り札持ってきたぞ!

「落としたる」オーラがすごいお二人「落としたる」オーラがすごいお二人

だって、だいたいの予算は伝えてあるのに、その倍の値段のする商品を持ってきて、そんな高いものは買えません、って言ったら

「あなたのお父さんの貯金を使えばいいじゃないですか?」

って言ったのだ。この人は。すごい考え方。なんだか頭が真っ白になってきた。いやいや、無理です。こんな感じで契約なんてできませんて。

私たちは断りたいのに、まだまだ国分君はがんばるつもりらしい。次の週には国分君が、年配の上司と、花柄のスカーフをステキに巻いたインテリアコーディネーターさんと一緒にやってきた。いや、正しくは国分君が連れられてやってきた。

橋田 壽賀子先生似のコーディネーターさんが、
「インテリアのご趣味はどういったスタイルがお好みですか?」
なんて言って、飾り付けたステキなお部屋のカタログを見せてくる。

いや、橋田先生、インテリアなんてまだまだ先ですから。というか私たち家具持ってないんです。だいたい家を買ったら、家具を買うお金なんてぜんぜん残ってないと思うし。

なんだろう、この展開。なぜ今、部屋のコーディネートの話をする?そこで年配の上司が口を開いた。

「はっはっは、家具の話はまだ気が早かったですかねえー」

あ、よかった。この人はちょっとまともかも、と思ったら

「では…わたしどもと契約してくださいますかっ!?6月までに契約してくださったら、いっせんまんえんお引きしますっ!!」

かみ合わない私たち。そして訪れたサヨナラ。

もうこれ「切り札」!!って感じ。
いや確かに切り札なんだと思うけど、私たちにしてみたら、納得できる間取りも見てないし、値段もぜんぜん無理だし、そもそもこのほっけハウスの新製品が高い理由は、私が気に入っていない、その重厚な外観を作っているレンガのせいだというし。どれもこれもかみ合っていないままここまで来てしまった感じだ。それに、一千万円も値引きできるカラクリってなんなの?

きちんと断れなくて、ずるずるやり取りをしてしまったけど、私たちの結論は、最初の印象と同じままだった。ほっけハウスは、私たちの家ではなく、自分たちの商品を建てたいだけみたい。後日、返事を聞きに来た国分君に、
「ごめんなさい。お断りします。」とお伝えしたのだった。

次回、新登場。
塩辛ホーム(仮名)のベース型の顔をした営業さんが、資料を持ってやってきた!

ベース型の顔のベース君ベース型の顔のベース君

2013年 10月31日 10時02分