暖房の設定温度を高くしてもなかなか暖かくならず、部屋が寒いと感じたことはないでしょうか? 暖房は長時間使えば使うほど、光熱費も高くなってしまいます。
そこで、この記事では部屋が寒くなってしまう原因や、できるだけ暖房器具に頼らない部屋の防寒対策についてご紹介します。
目次
部屋が寒い理由は?

結露した窓ガラス
実は部屋の中の暖かい熱はあちこちから逃げていっています。暖房で部屋を暖めていても、夜寝る前に暖房を切ると一気に室温が下がり始めるのです。朝起きたときに布団からなかなか出られない経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
部屋の中でも一番熱の流出が多いのがドアや窓などの開口部で、約58%の熱が流出していくことがわかっています。窓の近くに立ったときに、冷たい空気を感じるのはそのためです。ちなみに開口部以外は、換気と外壁からはそれぞれ15%、床からは7%の熱流出があるといわれています(※)。
※参照:「一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会」
http://www.kensankyo.org/syoene/qanda/mado/a_9.html
この数字から、部屋の熱損失の原因の半分以上は開口部にあることが分かります。部屋の寒さ対策として、まずはこの開口部を重点的に対策するとよいでしょう。
自分でできる窓の断熱対策
それでは自分でできる窓の断熱方法を紹介します。
断熱シートを窓に貼る

気泡緩衝材(プチプチ)を使う方法も
断熱シートはホームセンターでさまざまな種類のものが売られています。
空気は熱を通しにくいため、中に空気の入っている緩衝材タイプの断熱シートがおすすめです。
断熱シートはシールタイプのほかに水で付けるタイプもあり、初心者でも簡単に貼ったり剥がしたりすることができます。
ガラスだけでなく窓枠にも対策を
多くの窓にはアルミサッシがよく使われています。金属であるため熱を伝えやすい性質があり、簡単に外の冷たさが部屋の中に入ってきてしまいます。窓のガラス部分だけでなく、サッシ部分も合わせて断熱対策をするようにしましょう。
断熱シートはガラス面だけでなく、サッシ部分まで覆うといいでしょう。
サッシ枠用の断熱テープや、断熱用の塗料などもホームセンターで売られています。
カーテンや断熱ボードで窓を覆う

カーテンでも寒さ対策はできる
カーテンや断熱ボードで窓を覆うことでも寒さ対策ができます。
生地が薄かったり窓より短いカーテンは外からの冷気を通しやすく、室内の暖気を奪います。
面積の広い厚手のカーテンで窓をすっぽり覆うことで、冷気の入り込みを抑えることができ、部屋の保温効果が高まります。特殊な織り方や裏地を使った断熱カーテンも売られているので、高い効果を求めるならチェックしてみるとよいでしょう。
断熱ボードを立てかけるとさらに効果的です。断熱ボードはすきま風だけでなく、コールドドラフトにも効果的です。コールドドラフトとは、窓辺で冷やされた空気が下降して、床に沿って部屋中に広がる空気の流れのことです。
断熱ボードを窓の足元だけでも置くと、この流れをシャットアウトできます。またカーテンにつく結露も防げます。
隙間テープを貼る
隙間テープは、スポンジ状の素材に両面テープがついており、窓やドアの隙間に貼り付けて隙間風を防ぎます。
両面テープを剥がして気になるところに貼るだけなので、簡単に取り付けられるようになっています。
隙間テープを貼るときに注意したいのは、隙間風が入ってくるのは窓やドアの隙間だけではないということです。窓枠のレールの部分やつなぎ目、窓と窓の間などからも隙間風は入ってくる可能性があるのでしっかりふさぎましょう。
24時間換気は消してよい?
2003年の建築基準法の改正により、それ以降に建てられた住宅には24時間換気システムの設置が義務づけられています。換気をすることで部屋の熱は逃げていってしまいますが、24時間換気システムを切るのはおすすめしません。
なぜなら、24時間換気は、建材に含まれる化学物質によって起こるアレルギーなどの健康被害(シックハウス症候群など)を防ぐために設置されています。寒さ対策のために健康を害することは得策とはいえないからです。
前述のとおり換気による熱損失は開口部に比べれば少ないようです。24時間換気を止める前にそのほかの断熱対策に取り組みましょう。
それでも寒ければ住まい探しをしてみよう

どの部屋を選ぶかも重要なポイント
さまざまな対策をしたのに思ったような効果が得られない場合は、住み替えを検討してもよいでしょう。以下のような視点で、暖かい住まい選びをしてみるといいでしょう。
マンションの中住戸を選ぶ
中住戸とは、最上階や1階ではない中層階で、角住戸ではない住戸を指します。つまり上下左右を他の部屋に囲まれている部屋のことです。
この場合は上下左右の部屋が断熱空気層の役割を果たしてくれます。さらにその住戸でも暖房を使っているので、少しの暖房で暖まりやすい部屋といえます。
もちろん夏にも同じことがいえるので、夏に涼しく冬暖かさを感じやすく、冷暖房費の削減にもつながります。
窓が単板ガラスか複層ガラスかをチェック
複層ガラスとは、ガラスとガラスの間に空気の層があるガラスです。ガラスの間の空気が緩衝材となり、熱が伝わるのを防ぎます。
窓ガラスと同時にサッシがアルミかそれ以外かもチェックするとよいでしょう。アルミは熱を伝えやすい素材です。なお、最近はサッシメーカーから断熱効果の高い樹脂製窓も多くつくられています。
まとめ
寒さがつらい冬も、部屋の中では暖かく快適に過ごしたいですよね。
部屋自体の保温性能が上がれば、寒さが緩和するだけでなく暖房費の節約にもなり、省エネにもつながります。
もし今部屋が寒いと悩んでいる方は、簡単にできる防寒対策からすぐに始めてみましょう。
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