「ファミリー向け」とはどのような住宅を指すのだろうか?

「ファミリー向け」「シングル向け」「DINKS向け」と言っても、明確な定義があるわけではなく、主に間取りの構成によって分けられています。狭いほうから見ると、一般的にワンルームや1K、1DK、1LDKなどの間取りが「シングル向け」、2DKや2LDKが「DINKS向け」(子供のいない夫婦だけの世帯)、それ以上の3DK、3LDK、4LDKなどが「ファミリー向け」(夫婦と子供2人の世帯を想定)といった具合です。
専有面積で言えば「シングル向け」は30平方メートル未満、「DINKS向け」は40~50平方メートル台、「ファミリー向け」は60平方メートル台以上となるケースが多いでしょう。ただし、60平方メートル以上のワンルームや1LDK、60平方メートル未満の3LDKなども存在するのであり、あいまいさは残ります。供給側から見た購入者や賃借人のターゲット層として、「ファミリー向け」「シングル向け」「DINKS向け」などに分けられていると言っても良いでしょう。もちろん単身者が「ファミリー向け」に住んでも、本人がそれで良ければ問題はありません。なお、一戸建て住宅の場合にはそもそも「シングル向け」「DINKS向け」といった考え方がなく、たいていの一戸建て住宅はすべて「ファミリー向け」になります。

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ファミリー

「ファミリー向け」の広さは時代とともに変わる?

現在は70平方メートル台で3LDKの間取りが主流となっている「ファミリー向け住宅」ですが、その広さは供給された年代によっても異なります。マンションの供給が始まった昭和30年代(主に公団住宅)では、40平方メートルから広くても60平方メートル程度の3DKタイプがファミリーを対象としたものでした。コンパクトにまとめられていたため、居室が小さいばかりでなく、浴室やトイレ、洗面所などが極端に狭かったり、廊下のスペースがなかったりします。
その後、時代が進むとともに60平方メートル台や70平方メートル台のものが主流となり、バブル崩壊後の地価下落に伴って80平方メートル台のものが多くなるとともに、100平方メートルを超えるものも見られるようになりました。4LDKの間取りや、LDKがたいへん広い物件も供給されています。その一方で、購入者の需要価格帯はあまり変わらないため、地価の上昇期には販売価格を抑えるために専有面積を狭くする傾向や、立地の郊外化も進んだりします。さらに、少子化や核家族化が進むことで広い物件の需要が減るなどの要因もあり、平均面積は拡大期と縮小期を繰り返している状況です。もちろん地域差もあり、東京23区よりも名古屋市のほうが2割以上広いというデータもあるようです。

「ファミリー向け住宅」の特長

駅前立地では「シングル向け」「DINKS向け」など、いわゆる「コンパクトマンション」の割合が高く、「ファミリー向け」は駅から少し離れた立地、あるいはバス便などの立地になりがちです。これは専有面積の広さによる販売価格の上昇を抑えることとも関係があります。そのぶん、駐車場や駐輪場などの設置割合は高く、一時期は全戸分の駐車場を備えた物件も多く供給されました。近年は自家用車を所有する世帯が減り、余った駐車場の問題を抱えているマンションの例も見られます。
「ファミリー向け」の大規模マンションも多く、棟内に託児所を備えたり、小型の商業施設を誘致したりしている場合もあります。物件によっては、パーティールーム、ゲストルーム、プール、共同浴場などさまざまな共用施設がありますが、これらが過剰ではないか、うまく活用されているかどうかなどについては注意が必要です。住民同士の交流を目的として、さまざまな催しを行っているマンションもあるでしょう。供給されてからの年月が浅いマンションでは家族構成や年代の似通った世帯が多く住む傾向にあるため、家族同士での付き合いが生まれる機会も多いようです。

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