「断熱等級」とは、住宅の断熱性能に関する基準です。断熱性は快適な生活空間を保つだけでなく、省エネ性にも大きく関わることから、住宅における重要なテーマのひとつとされます。
今回は断熱等級の基本的な仕組みと「断熱等級6」が注目される理由、断熱の重要性について解説します。また、断熱性能を追求するうえで、押さえておきたいハウスメーカー選びのポイントも見ていきましょう。
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断熱等級とは

断熱等級6とは、現行(2025年1月時点)の断熱等級において上から2番目にあたる区分です。ここではまず、断熱等級の基本的な意味を確認しておきましょう。
品確法で定められた断熱性能の基準
断熱等級(断熱等性能等級)とは、住宅の断熱性能を一定の基準に従って分類したものであり、等級の数値が高いほど断熱性能も高いことを示しています。
国土交通省が制定した「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって定められており、長らく4つの等級で区分されてきました。
そこから、2022年4月には等級5が、10月には等級6・7が新たに加えられたことで、断熱に力を入れるハウスメーカーが増えているのが現状です。
断熱性能を決める要素
住宅の断熱等級に関する基準には、「UA(ユーエー)値」と「ηAC(イータエーシー)値」があります。
■UA値
UA値とは「外皮平均熱貫通率」とも呼ばれ、簡単にいえば「屋内、屋外の熱が外皮を通してどれくらい出入りしやすいか」を示す指標です。UA値が「低い」ほど熱が出入りしにくいため、断熱性能は高いと判定されます。
■ηAC値
ηAC値は冷房期における「平均日射熱取得率」のことであり、「低い」ほど日射が入りにくいため、冷房効率が高いと判断されます。
つまり、「UA値とηAC値が低い」ほど、「断熱等級は高い」ということです。
■Q値
断熱等級に直接の関連はありませんが、住まいの断熱性を決める要素としては「Q値」も挙げられます。Q値は「熱損失係数」とも呼ばれ、室内の熱量がどれだけ室外に逃げやすいかを示した数値のことです。
Q値もその他の値と同様に、数値が低いほど断熱性能が高いと判定されます。
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断熱等級1~7の違い

現行の断熱等級には1~7までの区分が設けられています。
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
等級7 | UA | 0.20 | 0.23 | 0.26 | - | ||||
ηAC | - | 3.0 | 2.8 | 2.7 | - | ||||
等級6 | UA | 0.28 | 0.34 | 0.46 | - | ||||
ηAC | - | 3.0 | 2.8 | 2.7 | 5.1 | ||||
等級5 | UA | 0.40 | 0.50 | 0.60 | - | ||||
ηAC | - | 3.0 | 2.8 | 2.7 | 6.7 | ||||
等級4 | UA | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | - | |||
ηAC | - | 3.0 | 2.8 | 2.7 | 6.7 | ||||
等級3 | UA | 0.54 | 1.04 | 1.25 | 1.54 | 1.81 | - | ||
ηAC | - | 4.0 | 3.8 | 4.0 | - | ||||
等級2 | UA | 0.72 | 1.21 | 1.47 | 1.67 | 2.35 | - | ||
ηAC | - | ||||||||
等級1 | 無断熱、省エネ対応なし | ||||||||
「地域区分」とは地域の気候に応じた区分のことであり、東京都23区は地域区分6です。基本的には寒い地域が1、暑い地域が8に分類されています。
たとえば、北海道などの寒冷地は1に分類され、同じ等級をクリアするにはより厳しい値が求められます。反対に、沖縄などのエリアは8に分類されており、UA値は規定されていません。
なお、区分8のηAC値については、等級6を上回る日射遮蔽(しゃへい)対策は現実的に想定できないため、特に設定はされていません。
ZEH(ゼッチ)水準
断熱等級と関連性のある基準として、「ZEH水準」が挙げられます。
ZEHとは「Net Zero Energy House」の頭文字をとった略語であり、年間の一次エネルギー消費量とエネルギー総出量の収支をゼロにすることを目指した住宅のことです。
省エネ性を高めるためには断熱性の向上が不可欠であり、実際に「断熱等級5」が、ZEH水準が求める断熱基準と同等とされています。

HEAT20
HEAT20とは「一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会」の略語であり、同団体が設けた建築物の外皮性能水準のことです。
具体的にはG1・G2・G3の3段階で水準が定められており、G2は断熱等級6相当、G3は断熱等級7相当とされています。
断熱等級6が注目される理由
断熱等級6が注目される理由としては、近年の住宅に求められる断熱性能の厳格化が挙げられます。
たとえば、2025年度以降は、すべての新築住宅で等級4以上の性能が義務化されることとなっています。
さらに、2030年には断熱等級5が新築住宅を建てる際の最低基準になる予定です。
数年先には断熱性能に関するニーズが大きく変化することから、住宅メーカーもより高い技術を追求し、断熱等級6以上を目指す動きがスタンダードになっているといえるでしょう。
断熱等級が高い住宅にする4つのメリット

断熱性能が高い住宅では、さまざまなメリットを得られます。
ヒートショックの予防
断熱性能の高い住宅は、室内全体の温度が均一に保たれやすくなるため、ヒートショックをはじめとする健康被害のリスクを軽減できるのがメリットです。
ヒートショックは、脱衣所と浴室のように寒暖差の激しいエリアの移動で起こることが多く、場合によっては命を落とす危険性もあります。
断熱等級を高めれば身体への負担が軽減されるため、ヒートショックのリスクを減らすことが可能です。
快適な室温の維持
断熱等級が高い住宅は外気の影響を受けにくいため、冬の寒さはもちろん、夏の暑さからも室内の環境を守ってくれます。
安定した室温が保たれるため、テレワークや勉強などの作業効率が高まるとともに、睡眠の質の向上も期待できます。
光熱費の負担軽減
室温が安定すれば、冷暖房の効率も向上するため、光熱費の削減にもつながります。
断熱性は省エネ性を追求するうえで重要な要素であり、地球環境に配慮したライフスタイルを実現できるのも、断熱等級を高める大きな目的です。
補助金の活用が可能
2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、環境に配慮した住宅づくりにはさまざまな補助制度が設けられています。
たとえば、新築住宅を建てる際に利用できる「子育てエコホーム支援事業」や「戸建住宅ZEH化等支援事業」などは、条件のひとつとして一定以上の断熱性が求められます。
また、「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」では、断熱性の向上につながる特定のリフォーム工事を行う場合に、補助金を活用することが可能です。
さらに、2024年からは新築における住宅ローン控除の利用条件に省エネ基準が適用されているため、住宅ローンを利用する場合も断熱性は重要なポイントとなります。
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断熱等級が高い住宅を建てるときの注意点

断熱性を高めるうえでは、同時に目を向けておくべき注意点があります。
高気密・高断熱住宅を目指す
住宅全体の断熱性能を高めるためには、断熱性だけでなく気密性にも気を配る必要があります。気密性が高いほど住宅に隙間がなく、不要な熱の出入りが少ないということになります。
さらには、断熱材や構造体に悪影響を及ぼしかねない湿気の流入・排出をコントロールする機能も高めます。
住宅の気密性は「C値」と呼ばれる値で示され、そのほかの断熱に関する指標と同じく、数値が小さいほど性能が高いと判断されるのが特徴です。
そのため、UA値やQ値などとともに、C値にも留意してハウスメーカー選びを行うとよいでしょう。
換気や通風に気を配る
高気密・高断熱の家では、能動的に空気の入れ替えや余分な湿気の排出が行えるように換気・通風の性能も高めておくことが大切です。
2003年の建築基準法改正により、現代の住宅には24時間換気システムの導入が義務付けられているため、「意図的に設備のスイッチを切らない」「定期的にフィルターの清掃・交換を行う」といった点を意識しておきましょう。
また、通気性のよい間取りや窓配置なども考慮することで、快適な住空間を保ちやすくなります。
断熱性能にこだわりのあるハウスメーカーを選ぶポイント

断熱性の高い家づくりを行うには、優れた技術を持つハウスメーカーを見極めることが大切です。最後に、ハウスメーカー選びのポイントを紹介します。
木造住宅に強いハウスメーカーを選ぶ
一般的に、断熱性は木造住宅の方が高いとされています。
また、木造と鉄骨造、鉄筋コンクリート造では断熱や遮熱の仕組みも異なるため、木造住宅の施工実績が多いハウスメーカーを選ぶ方が相談しやすいでしょう。
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付加断熱を得意とするハウスメーカーを選ぶ
住宅の断熱工法には、「充填断熱」「外張断熱」「付加断熱」の3種類があります。
充填断熱とは柱と柱・壁の間に断熱材を充填する工法であり、施工コストを抑えやすいことから、もっとも広く採用されています。
外張断熱とは、構造体の外側から断熱材でスッポリと家全体を囲う方法であり、充填断熱と比べると構造体などの骨組みの部分も断熱できるメリットがある半面、施工コストはやや高くなるのが特徴です。
そして、充填断熱と外張断熱を組み合わせた工法が付加断熱です。
施工の手間が二重にかかってしまうため、コストも高くなるのが一般的ですが、もっとも高い断熱性能を実現しやすい工法といえます。
断熱性能を追求するのであれば、付加断熱を得意とするハウスメーカーを選ぶとよいでしょう。
施工精度の高いハウスメーカーを選ぶ
同じ断熱工法や断熱材を採用していても、細かな配慮や施工精度の差によって、断熱性や気密性には大きな違いが生まれるケースもあります。
たとえば、コンセントやスイッチの周囲は隙間ができやすいため、有効な副資材の活用や正確な施工技術が求められます。
ハウスメーカーが公表している断熱性能の指標とともに、口コミなども確認しながら施工精度を見極めましょう。
相性のよいハウスメーカーを紹介してもらう
さまざまなハウスメーカーがあるため、情報収集に力を入れるあまり、どこに依頼すすればいいのか分からなくなってしまうこともあります。
そんなときに活用を検討したいのが、LIFULL HOME’Sの「住まいの窓口」です。
住まいの窓口では、中立の立場にあるハウジングアドバイザーを相手に、資金計画から家づくりのプラン、ハウスメーカー選びまでを幅広く相談することができます。
相談者の希望があれば、断熱性能に強いハウスメーカーのなかから、相性がよい依頼先を選別して紹介してもらうことも可能です。
住まいの窓口ではすべてのサービスを無料で利用できるので、家づくりの悩みをお持ちの方はぜひご利用を検討してみてください。

記事のおさらい
断熱等級とは?
断熱等級とは品確法で定められた断熱に関する基準であり、現行(2025年1月時点)のものは1~7の7段階に分かれています。具体的な等級は、地域区分ごとに定められた「UA値」と「ηAC値」の基準を基に判断されます。
断熱等級6が注目される理由は?
近年の住宅に求められる断熱性能の厳格化が大きな理由です。2025年度以降はすべての新築住宅で4以上が義務化、さらに2030年には断熱等級5がすべての新築住宅を建てる際の最低基準になる予定であることから断熱等級6以上を目指す動きがスタンダードになっているといえます。
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