一戸建ての設計において、広さや間取りタイプが重要なのは確かです。しかし、同じ広さや間取りであっても、細かなつくりによって住み心地には大きな違いが生まれます。

今回は、住宅面積30坪の3LDKを建てる際に押さえておきたいポイントや、生かしたい間取りのアイデアをまとめて紹介します。

注文住宅カタログを探す無料で住まいの窓口に相談する

 

「1坪=3.3平米」で計算すると、30坪は約99平米となります。ここではまず、30坪(99平米)がどのくらいの広さにあたるのか、さまざまなデータを基に見ていきましょう。

 

国土交通省「住生活基本計画における居住面積水準」では、世帯人数ごとに必要な居住面積を以下のように定めています。

 

必要な面積(平米)

1人世帯

2人世帯

3人世帯

4人世帯

最低居住面積水準

25

30

40(35)

50(45)

誘導居住面積水準(都市型)

40

55

75(65)

95(85)

誘導居住面積水準(一般型)

55

75

100(87.5)

125(112.5)

( )は3~5歳児が1名いる場合

 

最低居住面積水準とは、健康で文化的な生活を送るのに必要な広さのことです。

 

それに対して誘導居住面積水準は、多様なライフスタイルに合わせたゆとりのある広さの目安であり、都市型は「都市部での共同住宅」、一般型は「郊外での一戸建て」での生活を想定しています。

 

この水準を踏まえると、99平米は3人世帯の誘導居住面積水準(一般型)や4人世帯の誘導居住面積水準(都市型)に該当することが分かります。そのため、3~4人家族であれば、比較的にゆとりを持って住める広さだと判断できます。

 

一方、最低居住面積水準で見た場合、99平米は5人以上でも十分に住める広さだといえます。ただ、部屋数を踏まえて検討すると、3LDKに5人以上で住むには部屋割りに大幅な工夫が必要になるでしょう。

 

住宅金融支援機構が行った2022年度「フラット35利用者調査」によれば、注文住宅の住宅面積は全国平均で122.8平米とされています。この数字と比べると、99平米は平均よりやや狭い水準といえるでしょう。

 

ただ、分譲された区画に建てられることが多い、建売住宅の全国平均面積は101.9平米となっています。そのため、住宅面積99平米は、一般的な建売住宅と同じくらいの水準と考えることができます。

 

注文住宅カタログを探す 無料で住まいの窓口に相談する

 

一口に3LDKといっても、実際のつくりには、さまざまなバリエーションがあります。ここでは住宅面積30坪の3LDKのうち、2階建ての事例をいくつかピックアップして間取りの特徴を見ていきましょう。

 

この事例の住宅面積は約28坪です。2階に3つの居室をまとめ、1階部分を水回りとLDKに充てることで、16.5畳の広いリビングを確保できている点が特徴です。

 

また、キッチン奥のパントリーのほか、ウォークインクローゼットや小屋裏収納を設けており、十分な収納スペースを備えています。

 

なお、2階に居室をまとめる場合、部屋の独立性が高まる半面、家族同士のコミュニケーションが希薄になりやすいのが課題となりますが、この事例ではリビング内に階段を設けているので、自然とコミュニケーションの機会が生まれやすくなっています。

 

住宅面積約30坪の事例です。この事例では、各部屋の大きさをややコンパクトに抑えるとともに、廊下などを省スペース化することで、サービスルームやウォークインクローゼットを確保しているのが特徴です。

 

また、2階にリビングを配置することで、日当たりの確保や道路からの視線を遮る工夫がなされています。住宅が密集する都市部では、特に効果的な間取りといえるでしょう。

 

平屋はバリアフリー性が高く、ワンフロアにすべての設備が集約されるため、老後も住みやすいのが魅力です。

 

また、庭との接点をつくりやすい点や家族間のコミュニケーションを図りやすい点など、2階建て以上にはないメリットがあります。

 

住宅面積約27坪の事例です。この事例では、日当たりのいい南側に2つのテラスが設けられています。庭との接点が多いため、室内にいながら四季の変化を楽しめるのが特徴です。

 

そして、効率的な家事動線も魅力です。水回りが1ヶ所に集約されており、その先には勝手口が設けられているため、掃除やゴミ出しなどの負担が軽減されるつくりとなっています。

 

平屋の場合、水回りを点在させると配管の関係から費用が高くなりやすいので、施工コストやメンテナンスコストの面から見ても効率的な配置となっています。

 

注文住宅カタログを探す 無料で住まいの窓口に相談する

 

必要な土地の広さを計算するときには、建ぺい率に注目して考える必要があります。ここでは、建ぺい率の基本的な仕組みも含めて、30坪の一戸建てを建てるのに必要な土地の広さを見ていきましょう。

 

建ぺい率とは、「敷地面積に対する建築面積の広さ」の上限を決める数字です。建築面積とは、建物を真上から見たときの面積となります。

 

土地にはそれぞれ、景観の維持や火災時の延焼防止のために、建ぺい率が30~80%を目安に設定されています。

 

そのため、原則として敷地いっぱいに建物を建てることはできません。上限を守らない住宅は、いわゆる違法建築という扱いになるため注意が必要です。

 

今回は一般的な住宅街によくある設定として、「建ぺい率50%」のケースで必要な土地の広さを計算してみましょう。

 

2階建てで30坪の住宅を建てる場合、どのようなつくりにするかによって必要な土地の広さは変わります。

 

仮に総二階(1階と2階の広さが同じ)で建てるとすると、各フロアが15坪ずつになるので、建築面積も15坪となります。

 

建ぺい率が50%であれば、最低限必要な土地の広さは倍の「30坪」と計算できます。

 

平屋の場合は、基本的に住宅面積がそのまま建築面積となります。そのため、建ぺい率50%の場合、30坪の平屋を建てるのであれば、少なくとも土地には倍の広さである「60坪」が必要です。

 

都市部では地価が高いため、あまり広い敷地を求めようとすると、土地の取得費用が建築費用を上回ってしまうケースもめずらしくありません。

 

そのため、30坪の住宅面積を確保するなら、基本的には2階建てや3階建てが主な選択肢となります。

 

住宅面積30坪は、平均的な注文住宅の住宅面積よりもやや狭いため、スペースを効率的に使う工夫が必要です。ここでは、30坪の一戸建てで生かしたい間取りのアイデアを紹介します。

 

スキップフロアとは、床を半階ずつずらして、中2階のような居室を設けるつくりのことです。

 

ワンフロアよりも空間を立体的に使えるため、土地の広さに限りがある場合や、傾斜地に家を建てる際に効果的な方法とされています。

 

また、スキップフロアと通常階にはゆるやかなつながりが生まれるため、家族のコミュニケーションを図りやすくなるのもメリットです。

 

スキップフロアを取り入れた間取りのメリットとデメリット
スキップフロアを取り入れた間取りのメリットとデメリット
スキップフロアのある間取りはメリットも多いので、実際に住宅を購入される際に導入を検討しているケースも…記事を読む

 

リビング階段は事例でも紹介したように、2階の居室に上がる際に必ずLDKを通ることになるため、家族のコミュニケーションが生まれやすいのが特徴です。

 

さらに、廊下に階段用のスペースを設ける必要がないため、面積を有効に使うことができます。

 

リビング階段のある間取りのメリット・デメリットとは? 注文住宅で設置する場合の事例も紹介
リビング階段のある間取りのメリット・デメリットとは? 注文住宅で設置する場合の事例も紹介
リビング階段のある間取りは開放感やコミュニケーションのとりやすさから人気ですが、どんなメリットやデメ…記事を読む

 

ロフトは通常フロアの上に設けられる空間のことであり、小屋裏収納とも呼ばれるスペースです。

 

天井高1.4m以下、床面積を直下の階の2分の1未満に収めるという制限はありますが、大きな荷物を収納したり、ちょっとしたワークスペースとして利用できたりと、幅広い用途があります。

 

高さ制限がある土地で3階建てが難しい場合、2階にロフトを設けて使えるスペースを広げるといった方法がとられるケースも多いです。

 

床下収納は主にキッチンの床下などに設けられることが多く、小屋裏収納と比べて熱がこもるリスクが少ないのが魅力です。

 

床下という性質上、あまり広いスペースを確保することはできないものの、炊事や掃除に使う用品にはこまごまとしたものも多いので、活躍する場面は多いでしょう。

 

注文住宅カタログを探す 無料で住まいの窓口に相談する

公開日: