注文住宅を建てる際には、まず予算の上限を決め、家族構成やライフプランから必要な部屋数を検討して間取りを明確にすることが大切です。

今回は5LDKの一戸建てをテーマに、建築費用の目安や注意点を紹介します。

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5LDKとは、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)と5つの居室を組み合わせた間取りのことです。

 

住宅としては部屋数が多い間取りになるため、子どもの多い世帯や親と同居をする世帯など、居住人数が多い家族にも向いているつくりといえます。

 

また、部屋数が多いため、それなりに広い土地が必要になります。同じ居住面積であれば、部屋数が少ない方が広くLDKを確保しやすくなるため、本当に居室が5つ必要か十分に検討しましょう。

 

一戸建ての建築費用は、基本的に延床面積と坪単価によって決まります。一口に5LDKといっても、居室やLDKの広さはもちろん、廊下や収納の設け方などによって延床面積は大きく異なります。

 

ここでは、5LDKの延床面積と坪単価の目安を紹介したうえで、建築費の相場を解説します。

 

一般的な5LDKの住宅を建てようとすると、延床面積はおおむね40~50坪程度になることが多いです。

 

一例として、延床面積45坪の5LDKのプランにおいて、各スペースの広さの目安を表にまとめたので参考にしてみてください。

 

坪数

畳数

玄関

2

4

玄関収納

0.5

1

バス

1.5

3

洗面所

1

2

トイレ

0.5

1

収納(各部屋分の合計)

4

8

廊下

4

8

階段

2

4

LDK

10

20

居室1

5

10

居室2

4

8

居室3

3

6

居室4

3

6

居室5

3

6

ウォークインクローゼット

1

2

その他

0.5

1

合計

45

90

表のとおり、居室が5つあっても、20畳という広いLDKを設けることは可能です。

 

ただ、吹き抜けを採用したり、トイレをもう1つ設置したりする場合は、リビングや居室などの広さを調整する必要があります。

 

どのような暮らしを実現したいかによって、必要な延床面積やスペースの配分は異なります。家族と話し合いながらスペースの広さを決めていきましょう。

 

国土交通省の2023年「建築着工統計調査」データを基に、1坪「3.3平米」として換算すると、一戸建てにおける平均的な坪単価は次のようになります。

住宅の種類

平均坪単価

一戸建て住宅総計

79.2万円

木造

75.9万円

鉄骨造

108.9万円

鉄骨鉄筋コンクリート造

99.0万円

鉄筋コンクリート造

125.4万円

一戸建ての建築費のおおまかな目安を知りたいときは、この平均坪単価に延床面積を乗じることで求められます。

 

しかし、ここで一つ注意しておきたいポイントがあります。それは、坪単価があくまでも「建築費用の一部である本体工事費を示すもの」であるという点です。

 

一戸建ての建築費には、「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の3つのコストがあります。

 

本体工事費とは、基礎や柱・壁などの構造体や内外装、水回り設備の設置など、住宅本体を建てるために必要なコストの総称であり、建築費全体の75%程度を占めます。

 

そのため、その他の費用である付帯工事費や諸経費も考えて、残りの25%程度の費用分は別で計算しなければなりません。

 

また、メーカーによって坪単価計算に用いる面積にも違いが見られます。一般的には延床面積が使用されることが多いですが、延床面積に含まれないベランダなどを含む施工床面積で計算されることもあります。

 

そのため、坪単価で建築費を計算する際は、あくまでも概算費用しか求められないという点は理解しておきましょう。

 

それでは、実際に45坪の5LDKを平均的な坪単価で建てた場合の建築費総額を計算してみましょう。

45坪の5LDKを建てた場合の建築費目安

  • 本体工事費:45坪×79.2万円=3,564万円(全体の75%と想定)
  • 建築費全体:3,564万円÷0.75=4,752万円(本体工事費+付帯工事費+諸経費)

あくまで一例ではありますが、今回の条件では建築費の目安は4,752万円となりました。

 

住宅金融支援機構の2022年度「フラット35利用者調査」によると、注文住宅を建てた人の費用の全国平均は3,715.2万円とされているため、1,000万円程度上回る金額であることが分かります。

 

ただ、より坪単価の高い、あるいは安いハウスメーカーを選んだり、鉄筋コンクリート造にこだわったりした場合には、結果に大きな違いが生まれます。計算結果は、あくまで一例として参考にしてください。

 

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5LDKを建てるとなると、相当な広さの土地がない限り、基本的には2階建て以上となります。ここでは、5LDKの2階建てを建てるときの注意点を見ていきましょう。

 

5LDKは部屋数が多い分、2階建てであってもある程度の土地の広さが求められます。駐車場や庭などの室外スペースも考慮して、十分な延床面積を確保できるかどうかを検討しながら土地探しを進めましょう。

 

なお、土地の広さが不十分なケースでは、3階建てにして延床面積を広げるという方法も考えられますが、その場合は高さや斜線制限に注意する必要があります。

 

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部屋数の多い5LDKでは、個々のプライベート空間を確保しやすくなる半面、家族間のコミュニケーションが希薄になりがちといった課題も生まれます。

 

そこで検討したいのが、リビング階段です。リビングを経由して各部屋に移動するような動線をつくることで、コミュニケーションの機会を設けやすくなります。

 

また、階段の設計では将来的な体力の変化を想定することも重要です。上り下りがしやすいよう、各段のスペースを広くとったり勾配を緩やかにしたり、手すりや滑り止めをつけるなどすることで、転倒・転落のリスクを減らすことができます。

 

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5LDKの間取りプランを考えるうえでは、実際の事例を参考にしながら検討するのが近道です。ここでは、傾向の異なる2つのプランを間取り図とともに紹介します。

 

■リビング階段が特徴の2階建て

 

この事例の大きな特徴は、玄関から2階の居室に移動する際に、必ずリビングを通る設計になっている点にあります。

 

リビング階段が家の中央に設置されているため、自然と家族間のコミュニケーションが生まれやすくなります。

 

また、生活に必要な水回りは1階部分に集約されているため、高齢になってからは1階のみで暮らしを完結させられるのも長所といえます。

 

■広いLDKが魅力の3階建て

 

3階建ての場合は、部屋数の多い間取りタイプでも広いLDKを確保できるのが魅力です。

 

この事例では、2階部分を丸ごとLDKにあてることで、約31畳ものゆったりとしたLDKを実現しています。また、居室が1階と3階で分かれているため、二世帯でも暮らしやすい間取りといえます。

 

都市部などで土地の広さに限りがあるケースでは、参考にしやすい間取りプランです。

 

続いて、平屋で5LDKを実現するうえでの注意点についても見ていきましょう。

 

平屋で5LDKを確保しようとすると、建築面積(真上から見たときの建物の面積)はかなり広くなります。

 

たとえば、建ぺい率50%の土地で45坪の平屋の5LDKを建てる場合、土地の広さは単純計算して90坪(約297平米)以上は必要となります。

 

2022年度「フラット35利用者調査」によると、注文住宅の土地の平均的な面積は全国平均で約76.6坪(252.7平米)、首都圏においては約52.2坪(172.2平米)とされています。

 

つまり、平屋で標準的な5LDKを建てるには、平均を大きく上回る土地の広さが必要になるということです。

 

平屋は2階建て以上と比べて、基礎や屋根の面積が大きくなるため、建築コストが高額になりやすいのも特徴です。

 

ハウスメーカーが参考として表示している本体価格や坪単価より、実際のコストが高くなってしまうケースも考えられるため、見積もりの段階で細かく確認しておくことをおすすめします。

 

平屋はワンフロアに必要なスペースが集約されているため、バリアフリー性が高く、生活動線も効率的になりやすいです。

 

しかし、5LDKとなると端から端までの距離が長くなるため、回遊動線を採用するなどして移動しやすいつくりを考慮することが大切です。

 

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■広い敷地をぜいたくに使った平屋の5LDK

 

平屋の魅力の一つは、各スペースに庭との接点を持たせやすい点にあります。

 

この事例では、全体的に建物を敷地の北側に寄せて日当たりの良い南側を広くとり、採光性とともに庭とのつながりを高める工夫がなされています。

 

南側の和室には広縁、洋室にはウッドデッキと、それぞれ庭への出入りが可能です。また、LDKには天窓が設けられているため、北側であっても自然光の入る空間を実現しています。

 

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5LDKの間取りは、部屋数と居住人数のバランスから考えれば、二世帯でも十分に住める間取りタイプといえます。しかし、LDKが一つしかないため、二世帯住宅のタイプとしては「完全同居型」となります。

 

完全同居型とは、単世帯用の一般的な住宅に、二世帯が一緒に生活するスタイルを指します。居室を除いたすべての空間を二世帯が共用するため、生活するうえでお互いをサポートしやすいのが魅力です。

 

一方、リビングや水回りを共用するため、世帯ごとのプライバシーの確保が難しいのがネックといえます。そこで、二世帯住宅にするのであれば、部屋数を減らして、「部分共用型」にするのも一つの方法です。

 

部分共用型とは、以下の間取り図のように、室内設備やスペースの一部を二世帯で共用するスタイルを指します。

 

 

どの部分を共用とするかによって住宅のつくりは大きく異なりますが、上記のように玄関のみを共用して、上下で生活空間を分けるのがシンプルで設計しやすい方法といえます。

 

LDKと水回りを2セット配置することで、世帯ごとにプライバシーを確保しやすくなるため、二世帯住宅でも一定の距離感を保って生活できるのが特徴です。

 

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・5LDKは部屋数が多いため、人数が多い世帯や二世帯同居などに適した間取りといえる

・一般的なつくりの5LDKを建てようとすると、延床面積は45坪程度、建築費は4,750万円程度が一つの目安になる

・2階建てや3階建ての場合は、階段の設計に意識を向けることが大切

・平屋で5LDKを実現するためには広い土地が必要

・プランを立てる際には事例を参考に考えてみるのも一つの方法

 

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