ワンフロアで生活できる平屋は世代を問わず人気の住宅ですが、2階がない分、屋根からの熱の影響を受けやすいため、室内が暑くなりがちです。そこで意識したいのが、断熱性能です。今回は、平屋を建てるときに断熱性能を意識すべき理由や建築時のポイントについて紹介します。

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快適な暮らしを実現するためには、住宅の断熱性・気密性がポイントになります。まずは、断熱性の意味と気密性との違いについて紹介します。

住宅における断熱性とは、住宅の外から室内へ、もしくは室内から外への熱の移動を遮断する性能のことです。断熱性が高いほど室内の温度を保ちやすくなります。

 

断熱性を高めるためには、建物の外壁や内壁、屋根・天井・床下などに断熱材を導入することで熱を伝えにくくし、屋外の温度の影響を抑える仕組みが一般的です。

断熱性とセットで扱われているのが、気密性です。気密性とは、住宅の中の隙間を減らして外気の侵入を防ぐ、密閉性の高さのことを指します。一般的には、建物の接合部分に気密シートなどを導入し、隙間をなくす工事が行われます。

 

断熱性が高くても隙間があれば外気が侵入して室温が変化してしまうため、断熱性と気密性の両方の性能を上げるのが一般的です。言い換えれば、高断熱住宅には高気密性能が備わっているものということができ、これをまとめて高気密・高断熱住宅と呼んでいます。

 

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平屋は2階建てや3階建ての住宅よりも、断熱性能が重視されます。その主な理由は、下記のとおりです。

  • 2階がないので屋根からの熱が伝わりやすい
  • 床面積が多いと冷気が伝わりやすい
  • 採光を考えた設計で暑くなりやすい
  • 建物の形によっては風通しが悪く暑くなる
  • 立地によっては日当たりが悪く室内が寒くなる

平屋は1階建ての住宅で、すべての部屋のすぐ上に屋根があるため、屋根からの熱が室内に伝わりやすいうえ、2階建てと同じ床面積なら屋根の面積が2倍になるため、暑くなりがちです。また、住居スペースを確保するために床面積が広いと、その分、下からの冷気が伝わりやすい傾向があります。

 

ほかにも、平屋は建物の高さがない分、日当たりの確保が課題となるケースが多いため、大きな窓を取り付けたり、天窓を設置したりと、日当たり重視の間取りになりがちです。室内に入り込む光が多いほど気温も上昇する傾向があるため、「暑さ」は平屋のデメリットでもあります。

 

また、上から下への風の通り道がないので通気性が悪くなってしまったり、周囲の建物に遮られて日当たりが悪くなったりと、平屋には室温に影響する要素が複数あります。

 

以上の利用から、平屋で快適に暮らすためには断熱性能を重視した方がよいでしょう。

断熱性能の高い平屋を建てるためには、どんな点を意識すればいいのでしょうか。家づくりの際のポイントについて紹介します。

高断熱の平屋を建てるために重要なのが、ハウスメーカー選びです。ハウスメーカーによって住宅の断熱性能の特徴が異なるため、ホームページや過去の実績などで、使用している断熱材の種類や厚さなどをチェックしてみるといいでしょう。

 

優れた断熱性能で省エネルギー性を高めた「ZEH住宅」を得意とするハウスメーカーは、断熱性能を強みとしているケースが多いです。

断熱性を高めるためには、外壁と内側の間に断熱材を敷き詰める「内断熱」と、建物全体を断熱材で囲む「外断熱」の2つの工法があります。内断熱の方が外断熱よりも費用が安く、日本では一般的な断熱工法といわれています。

 

一方、外断熱は外壁が厚くなり、コストが高くなりがちですが、内断熱よりも断熱性が高い傾向があり、住宅の劣化を防ぐ効果も期待できます。

 

ハウスメーカーによっては外断熱と内断熱の両方を備えた断熱を実現しているケースもありますが、費用と断熱性能のバランスを考慮して、どの断熱方法がいいのか検討してみましょう。

建物の断熱性能を上げるためには、窓の断熱性能を意識することも重要です。夏は窓から熱が入り、冬は温かい空気が窓から出ていくなど、建物でいちばん熱が出入りするのが窓です。平屋は採光を確保するために窓を多く設置するケースがあるため、ガラスやサッシの種類を確認し、断熱性能の高いものを選ぶようにしましょう。

断熱性能に優れた家は、空気の循環が悪くなりがちです。そのため、断熱性能を高くする際は、間取りの工夫や換気システムの導入などで、通気性をよくする工夫が必要です。風が通りやすい場所に窓を設置したり、建物の形状を横長などのシンプルな形にしたりと、風が通りやすい工夫をするのもおすすめです。

高断熱住宅を実現するためには、断熱性能だけでなく気密性能も意識することが重要です。どちらかのみが優れている状態では、効果は半減してしまいます。

 

断熱は断熱材の性能によって左右され、気密は施工の精度によって左右される傾向があります。ハウスメーカーが公表している断熱性や気密性の数値なども参考にしてみるといいでしょう。

 

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断熱性能については、住宅の断熱性能がどれくらいかを示す「断熱等性能等級」を確認すると分かりやすいかもしれません。等級は1~7まであり、数字が大きいほど断熱性が高くなります。

 

また、数字が低いほど断熱性が高い「Q値」や「UA値」、気密性の高さを表す「C値」なども注目してみましょう。ハウスメーカーが公表している場合もあれば、第三者機関に依頼して調べることも可能です。

 

これから新しく平屋を建てるときには、ハウスメーカーの担当者や建築士に断熱性能や希望する等級について相談しながら、高気密・高断熱の家づくりを進めていきましょう。

住宅における断熱性能とは? 

住宅の外から室内へ、もしくは室内から外への熱の移動を遮断する性能のことを断熱性能といいます。詳しくは、「住宅の断熱性能とは?」をご覧ください。

平屋に断熱性能が求められる理由は? 

平屋は構造上、屋外の気温から影響を受けやすいため、室内で快適に過ごすために断熱性能や気密性能が求められます。詳しくは、「なぜ平屋に断熱性能が求められるのか」をご覧ください。

平屋の断熱性能を高めるために意識したいポイント

平屋の断熱性能を高めるためには、断熱材の種類や厚さ、通気性について意識することが重要です。詳しくは、「断熱性能を重視した平屋を建てるポイント」をご覧ください。

ハウスメーカーの断熱等級を確認する方法とは

住宅の断熱性能については、ハウスメーカーが公表している等級や数値などを確認するか、もしくは第三者機関に依頼して調べる方法があります。詳しくは、「ハウスメーカーの断熱等級を確認するのもおすすめ」をご覧ください。

 

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