注文住宅を建てる際には、間取りや設備にこだわりを盛り込んで、理想の住まいを実現したいものです。しかし、事前にきちんと計画を練っておかないと、結果として予算がオーバーしてしまうことがあります。

この記事では、家づくりでコストダウンできるポイントについて解説します。大きな買い物だからこそ、節約できる部分や注意点などの細かいところに目を向けていきましょう。

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ポイント1:家の形状をシンプルにしてコストダウンを実現しよう

 

家づくりでコストダウンしたいときは、大きく分けて「家の形状」「間取り」「設備」の3点がポイントになります。設計の初期の段階で、家の形状について丁寧にプランを組んでおくと、間取りや設備の調整も進めやすくなるものです。

 

まずは、家の形状をシンプルにしてコストダウンを実現する方法について紹介します。

家の形状は複雑になるほど、基礎や外装にかかる費用は膨らむもの。できるだけ凹凸の少ない形状での設計がポイントになってきます。1階と2階の面積を同じにする総二階であれば、建設時に必要な建材の量を減らせたり、工程にかかる時間を短くしたりできます。

屋根についても、なるべくシンプルな形状とデザインを追求するのがコツです。切妻や片流れといったシンプルなデザインの屋根にすると、工程にかかる時間が短くなり、コストダウンにつながります。

外構のコストを抑える方法としては、フェンスや門扉を設置しない「オープン外構」が代表的です。とはいえ、フェンスやブロック塀には車の衝突事故による被害を抑える役割があるため、角地や交通量が多い土地の場合は安全対策として必要なケースもあります。

 

コストダウンを優先すべきかどうかは、設計士などの専門家に相談しながら進めていきましょう。また、防犯面に不安があるときは、建物周りの全体ではなく、一部分にフェンスや門扉を設置する「セミクローズ外構」という方法も有効な選択肢となり得ます。

一般的に、建築費は床面積が広くなればなるほど高くなります。どうしても予算がオーバーしてしまう場合には、床面積を狭くするという判断も避けられません。

 

家族構成やライフスタイルに合わせて、心地よく暮らせるスペースを確保しながら、削れる部分がないか考えてみましょう。たとえば、廊下スペースをコンパクトにするのも一つの方法です。

 

居住スペース以外の空間を効率的に設計すれば、部屋の広さを保ったまま床面積を縮小することは可能です。

ポイント2:シンプルかつ効率のいい間取りを意識しよう

 

家の形状や外構を決めたら、効率のいい間取りを検討します。シンプルな間取りにしておくと、実際に生活を始めてからも、レイアウトの調整がしやすくなって便利です。

住宅用階段にはいくつかの種類があり、それぞれ施工費用が異なります。もっとも施工費用を抑えられるのは、スペースを圧迫しない「らせん階段」です。ただし動線が直線ではないため、大型の家具を運べない、上り下りの負担が大きいなどのデメリットもあります。

 

次に施工費用を抑えられるのは、一直線の「直階段」です。シンプルな形状のため、設置面積を抑えられるのが特徴ですが、落下防止のための手すりを設置したり、勾配を抑えたりする必要はあります。

 

一方、踊り場がある「かね折れ階段」や「折り返し階段」は、途中で休憩できたり、安全性が高かったりと良い面がありますが、相応の床面積が必要なため費用も高くなりがちです。家族構成や使い勝手も考慮しながら、適切な階段を選択しましょう。

窓のサイズが大きいと、ガラスやサッシの費用が膨らむだけではなく、人件費もかかります。日当たりや風通しに問題がないように注意したうえで、窓の数を調整してみるといいでしょう。

バルコニーが広いと、その分だけ構造的な支えも必要となるため、見た目以上にコストがかかってしまうことがあります。バルコニーの用途を明確にし、必要最小限の広さにするとコストダウンにつながります。

 

また、必ずしもすべての部屋につけなければならないというわけではありません。方角や部屋の使い方も踏まえてバルコニーの有無も検討しましょう。

キッチンや浴室といった水回りの設備は、なるべく1ヶ所に集約させるのがコストダウンのコツです。それぞれが離れていると長い給排水管が必要になるため、コストがかさむ原因になります。

 

家事動線の観点から考えても、水回りはできるだけ近い位置にまとめるといいでしょう。

利便性を考えれば各部屋に収納スペースを設けたいところですが、個数に応じて扉などの部材が増えてしまうため、費用がかさむ原因となります。コストダウンを考えるのであれば、収納スペースはなるべく1ヶ所にまとめる方が効率的です。

 

たとえ1ヶ所であっても、荷物の量によっては大きめのウォークインクローゼットで目的を果たすことも可能です。棚やパイプで空間を仕切れば、家族それぞれのスペースをつくることができます。

部屋数は多くなるほど壁やドアの数が必要になるため、材料費がかかる原因になります。子どもが小さいうちは個別の部屋を用意せず、あえて部屋を仕切らずに大きな空間にしておくのも一つの方法です。

 

いずれ子どもが大きくなったときには、後付けで仕切りを設ければレイアウト変更が可能です。このように将来的に部屋を区切る予定がある場合は、設計段階で照明や窓の数が偏らないように配慮しましょう。

 

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ポイント3:設備や建材の選び方を工夫しよう

 

家の形状と間取りがまとまったら、設備や建材といった部分に目を向けましょう。

家族構成やライフスタイルを考えて、不便がないようであればトイレを1つにするという選択肢もあります。あるいは、来客も使用する1階のトイレを多機能なものにしておき、家族のみが使う2階のトイレは最低限の機能のものにするといったように、グレードに差をつけるのも有効です。

効果的な節約を行うためには、仕上げ材に目を向けることも大切です。特別なこだわりがなければ、仕上げ材はなるべく標準仕様のものにそろえておくと、大量発注でコストを抑えられるだけではなく、建物全体に統一感を出すこともできます。

家づくりにおいては、基本的に特別な仕様やデザインのものを使うほどコストがアップしていきます。そのため、これといったこだわりがない箇所については、施工会社がそろえている既製品でまとめるとコストを抑えられます。

コストダウンすべきでないポイント

 

家づくりでは節約できる部分は多くあるものの、コストダウンすべきでない部分もあります。注意点を確認して、後悔のない家づくりを進めましょう。

耐震性や耐火性といったような、安全に関する部分はコストを削るべきではありません。万が一への備えは暮らしの安心にもつながるため、耐震・防災は家づくりにおいて欠かせない条件といえます。

 

同様に、防犯対策も大切なポイントです。鍵や玄関ドアなどは値段やデザインだけでなく、安全性もしっかりと確認しましょう。

断熱性や気密性といった快適さに関わるポイントも、優先的にコストを割くべきといえます。安価な断熱材を使用すると、外気の影響を受けやすくなり、夏場も冬場も快適な室温調整が難しくなってしまいます。

 

冷暖房のコストがかかるだけでなく、結露やカビなど住まいの寿命に関わる問題にもつながります。むやみに費用を削らないように、施工会社と相談しながら検討しましょう。

 

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ランニングコストを考えて、効果的なコストダウンを実現しよう!

 

家づくりで欠かせないポイントは、長期的な視点を持つことです。初期費用を抑えても、修繕費やメンテナンス費用といったランニングコストがかさむと、結果として大幅な支出となってしまいます。

 

そのため、ランニングコストを踏まえた設計や設備選びがポイントになります。たとえ初期費用がかかったとしても、水回りの設備は節水や節電に優れているものを選ぶ、照明器具を省エネ商品にするなどの選択も有効です。

 

家づくりの段階である程度のまとまった予算が必要になったとしても、将来的にはコストダウンを実現できます。

  • 家づくりでコストを抑えるためには、「家の形状」「間取り」「設備」がポイント
  • シンプルなデザインにすると、工程にかかる手間が少なくなり、材料費や人件費を抑えられる
  • 標準仕様の資材を選ぶと、大量発注が可能になりコストダウンにつながることも
  • 安全と安心に関わる部分は、コストを抑えるべきではない
  • 将来的なランニングコストも考えて、長期的な視点で節約を検討しよう

 

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