注文住宅を建てる際にポイントとなるのが、断熱です。

断熱をすることで室内を快適な温度に保ちやすく、冷暖房費を抑えることができます。しかし、断熱といっても大きく分けると外断熱と内断熱の2種類の工法があります。

今回は、ローコスト住宅で外断熱を取り入れるケースを例に、メリットやデメリット、注意点について紹介します。
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ローコスト住宅イメージ

 

断熱とは、その名のとおり外気の熱を遮断することです。住宅においては断熱材を使用して断熱化を行いますが、断熱の工法は大きく分けると外断熱と内断熱の2つがあります。

 

外断熱とは、柱と外壁の間に断熱材を入れて屋外の熱を遮断する方法のことを指します。

 

一般的に外断熱は鉄筋コンクリート造の場合に用いられる工法で、建物全体が断熱材で包み込まれるため、外気をしっかりとシャットアウトし、さらに気密性にも優れるのが特徴です。

 

また、外断熱と似た言葉で「外張り断熱」がありますが、これは外断熱の一種で、鉄骨造や木造住宅でよく用いられる工法です。

 

柱の外側から建物を断熱材で包み込むので、壁内部と室内の温度差が少なく、壁内部での結露の発生が少なくなります。

 

一方、内断熱とは、柱と柱の間に断熱材を配置する工法のことで、室内の熱を外へ逃がさないようにする仕組みとなっています。外断熱よりも施工が簡単で、木造一戸建ての多くで内断熱工法が用いられています。

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ローコスト住宅を検討している人のなかには、外断熱工法をローコスト住宅で取り入れることができるのか、疑問に思う人もいるかもしれません。

 

ローコスト住宅とは、一般的な注文住宅よりも安い価格で建てることができる住宅のことです。坪単価の目安は30万~50万円ほどで、フルオーダーというよりはセミオーダータイプの住宅が多く、ある程度規格が決まっています。

 

ローコスト住宅は、設備や仕上げ材の選択肢を絞り、住宅の仕様をパッケージ化することでコストを安く抑えています。

 

外観はシンプルなデザインで、設計も比較的簡単なタイプが多いですが、もし外断熱にする場合はオプションで追加費用が発生するケースが多いでしょう。

 

大手ローコスト住宅の中には、断熱性能にこだわっている商品を売り出しているケースもあります。

 

ただし、施工会社にもよりますが、独自の断熱工法を採用していたり、外張り断熱と内断熱を組み合わせて商品化していたりするケースもあります。

 

ローコスト住宅で外断熱を採用できるかどうかは、施工会社が外断熱に対応していれば可能です。

 

ただし、ローコスト住宅の場合は気密断熱性能よりもコストを優先する傾向があるため、材料費が高く、施工の手間がかかる外断熱を敬遠する傾向があります。

 

断熱方法については、他の内断熱や外張り断熱も一緒に検討し、トータルコストを踏まえて選択するといいでしょう。

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外断熱のメリット・デメリット

 

外断熱は、柱と外壁の間に断熱材を入れて、屋外の熱をシャットアウトする工法です。断熱性能が他の工法と比べて高いという特徴がありますが、メリットもあればデメリットもあります。

外断熱のメリット

  • 断熱性と気密性が高い
  • 結露が起こりにくい
  • 柱などの構造体の劣化が少ない

外断熱のデメリット

  • 工事費用が他の工法と比べて高い
  • 外壁が厚くなる
  • 外観に凹凸のあるデザインをしにくい
  • 地震などで外壁材や断熱材がずれたり、外れたりすることがある

外断熱で使用される断熱材は、主に繊維系と発泡プラスチック系の2種類で、使用する断熱材が限られる分、コストが高くなる傾向があります。

 

また、壁が厚くなることでデザインや室内の面積に影響が出たり、地震で外壁材や断熱材がずれたりするといったリスクが考えられます。

 

しかし、メリットとしては内断熱よりも断熱性と気密性に優れていることが挙げられ、冷暖房費を安く抑えることができます。

 

また、内断熱より結露が起きにくく、外側から建物を包み込むので構造体の劣化が少ないというメリットもあります。

 

省エネに取り組みたい人や、北海道や東北地方などの寒冷地では、外断熱はまさにぴったりの工法といえるでしょう。

ローコスト住宅で外断熱を採用する際の注意点

 

ローコスト住宅で外断熱を取り入れる際は、施工会社選びが重要なポイントとなります。

 

外断熱はすべての住宅メーカーが取り入れているわけではないので、施工会社が得意とする工法であるかどうか、過去の施工実績などを確認してみるといいでしょう。

 

また、外断熱のデメリットでも触れたように、大きな地震によって外壁材や断熱材がずれてしまう可能性があります。ずれないように補強する方法についても施工会社の担当者に相談するようにしましょう。

 

大手ハウスメーカーの外断熱の住宅は、坪単価がおよそ65万円~となっており、ローコスト住宅で外断熱を採用した場合も一般的な注文住宅と近い価格になる可能性があります。

 

予算オーバーにならないように外断熱以外の工法も視野に入れ、納得のいく住まいを手に入れましょう。

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更新日: / 公開日:2021.11.22