「なるべく費用を抑えて、家を建てたい」という人におすすめなのが、ローコスト住宅です。ローコスト住宅は、一般的な注文住宅よりも安いことが大きな特徴ですが、実際にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。

今回は、1級 FP技能士の大島浩之さんにお話を伺い、35坪の土地にローコスト住宅を建てるケースを例に価格相場や間取り・設計のポイント、建てる際の注意点について解説します。
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ローコスト住宅イメージ

 

ローコスト住宅とは、一般的な注文住宅よりも安い価格で建てることができる住宅のことです。

 

コストを抑えてマイホームを購入したい人や、予算が少ない若い世代で一戸建ての購入を検討している人などには、ローコスト住宅がおすすめといえるでしょう。

 

また、建物自体にあまりこだわりがなく、住み始めてから趣味やライフプランにお金をかけたいという人にとっても、ローコストで家を建てることで経済的負担を抑えやすいというメリットがあります。

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35坪の土地にローコスト住宅を建てる場合の価格相場

 

ローコスト住宅は一般的な注文住宅よりも安いことが特徴ですが、実際にどれくらい安いのでしょうか。

 

大島さんによると「一般的な注文住宅を建てる場合、大手ハウスメーカーの坪単価の下限ラインは60万円前後、ローコスト住宅の坪単価の目安は30万円前後が相場」とのことです。

 

仮に、35坪の土地にローコスト住宅を建てる場合、延床面積が30坪とすると、建物本体工事費は一般的な注文住宅で1,800万円~、ローコスト住宅は900万~と単純計算できます。

 

上記の値段にプラスして付帯工事費や諸費用などがかかるため、建物代の目安はローコスト住宅で約1,000万円~、一般的な注文住宅は約2,000万円~が目安です。

 

ローコスト住宅で建てる場合は、一般的な注文住宅と比較すると価格が半分近く抑えられるケースもあるといいます。

35坪の土地にローコスト住宅を建てる際のポイント

 

注文住宅でローコスト住宅を建てる際には、間取りや設計、デザインを工夫し、コストを抑えながらも住みやすくするのがポイントです。

 

ローコスト住宅は区分としては注文住宅ですが、フルオーダーではなくセミオーダーと考えるのがいいでしょう。プランが限定された設計や構造・仕様がシンプルであることもローコスト住宅の特徴です。

 

「間取りを考える際は、展示場に足を運んでイメージをある程度つかんでおきましょう。ローコストに抑えるためにロフトなどのオプションは付けず、子どもがいる世帯は間仕切り壁やドアなどを減らし、大きな空間にするのがおすすめです」(大島さん)

 

子どもが2人いる場合は、部屋をシェアできるようにすることでローコストに抑えられるというメリットがあります。間取りのポイントは、なるべくシンプルに、必要な居室とスペースを確保することです。

 

ローコスト住宅といっても平屋や2階建てなど、建物の設計にはいくつか選択肢があります。

 

「平屋は屋根面積や基礎面積が2階建てよりも広くなるため、できるだけコストを抑えたい人は、外壁の面積や基礎の容積を減らすためにシンプルな総二階にするのがおすすめです。水回りを2階に配置すると工事費が加算されるので、キッチンと浴室、トイレは1階に集約するのがいいでしょう」(大島さん)

 

採光や通風、換気などの理由から、窓や出入り口を増やすという方法がありますが、開口部は必要以上に設けないことで費用を抑えることができます。

 

また、水回りの設備や出窓など、オプション扱いになるものは優先順位の高いものから検討しましょう。

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35坪の土地にローコスト住宅を建てる際の注意点

 

同じ35坪の土地でも、地域によって建ぺい率(敷地に建てられる建物面積)が異なるため、どれくらいの広さの家が建てられるのかは、差が生じます。

 

そのため、35坪の土地にローコスト住宅を建てる際は、敷地条件についてもあらかじめ調べておくことが大切です。

 

また、ローコスト住宅には安い理由があります。「準規格型で間取りに制約があり、広告費や人件費を抑えているなど、なぜ安いのか、理由について知ることが大切です。ある程度規格が決まっていると間取りに制限があるため、理想の間取りが叶えられない可能性があります」(大島さん)

 

間取りや設計以外にも、建物本体価格以外の費用についても、注意が必要です。大島さんによると、特殊工事費などの名目で費用がかかると、総額では思っていたよりも高くなる可能性があるそうです。

 

安い素材で家を建てた結果、屋根や外壁のメンテナンスに費用がかかることも考えられますので、維持費にどれくらいかかりそうかも事前に確認するようにしましょう。

 

展示場だけではなく、実際に建てた家を見学し、可能であれば施主の話も聞いてみるのがおすすめです。

 

ローコスト住宅は一般的な注文住宅よりも半分以下の価格帯で建てられるケースもあり、マイホームの購入費用をできるだけ安く抑えたい人におすすめの住宅です。

 

ハウスメーカーによって仕様や設備、間取りなどの条件が異なるため、希望に合った住宅を建てることができるハウスメーカーを選びましょう。

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更新日: / 公開日:2021.11.08