そもそも土間とはどういう場所？

 

土間とは、屋内で床板が張られていない、土足で歩ける空間です。

 

現代の日本の住宅は、部屋の中では靴を履かずに過ごすのが一般的ですが、昔の民家は、玄関と居室の間などに土間がつくられ、台所や作業場として使われていました。家の“内と外の中間”のような場所といえます。

 

もともとは名前のとおり、土を押し固めてつくられていましたが、現代では土がそのまま露出しているタイプは少なく、漆喰を塗り固めたもののほか、コンクリートやモルタル、タイルで仕上げることもあります。

土間のある間取りのメリット・デメリットとは？

 

土間を取り入れた家には、どのようなメリットとデメリットがあるでしょうか。

メリット

 

屋内でも外のような使い方ができる

 

まず、メリットとしては、屋内でも外の空間のような使い方ができることです。

 

D I Yなどの作業をしたり、プランターなどを置いてガーデニングを楽しんだりすることができます。雨の日や寒い日なども趣味を気軽に楽しむことが可能です。

 

外で使うものの収納場所に

 

収納場所として使うのもいいでしょう。土間は土足で行き来できるように、汚れやキズに対しても強くつくられているので、たとえばレインコートや傘など、外で使って汚れたり濡れたりしたものを置いておくのに向いています。

 

自転車やベビーカーなどの置き場所としてもおすすめです。外に置くと雨や風にさらされ、盗難のリスクなどがあるものも、土間であれば安心して保管できます。

 

あるいは、ゴルフバッグなどのスポーツ用品、子どもが外で遊ぶための道具なども土間収納に置いておけばすぐに外に持ち出せます。

 

来客時のおもてなしスペース

 

少し広めの土間空間があれば、ちょっとした来客時のおもてなしスペースとしても活用できます。

 

短い時間の訪問であれば、わざわざ居室に上がってもらうことなく、靴を履いたままベンチや小上がりなどに腰掛けてもらって話をすることもできるでしょう。台所が近くにあれば、すぐにお茶を出すこともできて便利です。

デメリット

 

寒さや湿気への対策が必要

 

一方、デメリットとしては、寒さや湿気への対策が必要になることです。特に冬場など、土間は玄関ドアに接していて冷気が入りやすいうえに、地面からの熱が直に伝わるので底冷えします。

 

古い家や、土間とリビングなどの生活空間が隣接している間取りの場合は注意しましょう。床下に断熱を施したり、床暖房を導入したり、土間と居室との間に仕切りを設けたりといった対策が必要です。

 

また、湿気がこもりやすい土間空間に、濡れた物をずっと放置したり、汚れた物を持ち込んだりするとカビの発生などにもつながり、衛生的によくありません。

 

設計時には窓や通気口の位置などに注意しましょう。さらに、こまめに換気をする、除湿機などのアイテムを活用するなども有効です。

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土間のある間取りの家を建てる際に注意するポイント

 

土間を取り入れた家は、メリットもデメリットもあるので、それらを理解したうえで検討することが大切です。

 

家の中に土間をつくるには、ある程度の広さが必要になるので、スペースを取ってつくるからには後悔しないように以下のようなことに注意しましょう。

目的・用途をはっきりさせる

 

土間を何のために使うのか、目的を明確にしましょう。それによって間取りも変わってきます。

 

たとえば、食料品などを収納しておくパントリーのような使い方をしたいのであれば、キッチンの近くに設けると便利であり、ガーデニングが目的であれば、採光なども考える必要があります。

 

また、収納が目的であれば、キャンプ用品やスポーツ用品をしまいたいのか、防災用品を入れておきたいのかなど、収納したい物を具体的にイメージしたうえで、それに応じた広さや位置を考えましょう。

 

さらに、ライフステージの変化についても考えておきましょう。「子どもの三輪車やベビーカーを置きたい」と思って土間をつくっても、子どもが成長すると使わなくなるかもしれません。将来的にどう使うかも想定しておくのが賢明です。

素材はよく考えて選ぶ

 

床材に何を使うかは重要なポイント。素材によって特徴が異なるので、それらを把握したうえで目的に合ったものを選ぶようにしましょう。

 

たとえば、タイルは色や柄などのバリエーションが豊富なので好みに合わせて選ぶことができますが、目地（タイルとタイルの間の継ぎ目）の汚れが目立ちやすいのは欠点です。

 

コンクリートやモルタルは無機質でシンプルな印象になります。丈夫でお手入れも比較的簡単です。

土間のある家、どんな間取りにするといい？ 間取り例を紹介

 

土間のある間取りの例を紹介します。自身の目的や用途に合わせて、上手に取り入れましょう。

土間収納

 

玄関のすぐ横に土間収納があるタイプです。ベビーカーや三輪車、アウトドアグッズなどを入れておけば、必要なときにすぐ外に持ち出すことができて便利です。

 

段ボールや空き缶などの資源ゴミを置いておいても、外出時にさっと捨てに行くことができるでしょう。

土間リビング

 

こちらは、LDKの一部に土間空間を設けています。居室とゆるやかにつながっているので、誰かがそこで作業をしていても、キッチンやダイニングにいる家族と自然なコミュニケーションが生まれます。

 

窓に面した日当たりのいいところに土間があるので、植物を置いたり、ベンチなどを置いてくつろいだりするのにも向いています。

通り土間

 

通り土間とは、玄関から廊下状に続く土間のことで、昔の町家などによく活用されていました。この家の場合は、玄関から勝手口までを通り土間がつないでいます。

 

土間を通って、パントリーやキッチンへ行くことができるので、買い物をして帰ってきたら、すぐにパントリーに食料品を収納し、そのまま台所へ行って食事の支度を始める、といった使い方も可能です。

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まとめ

 

土間は収納スペースや作業場、ガーデニングなど、さまざまな用途で使うことができます。

 

注文住宅に土間を取り入れる場合は、まず目的を明確にして、それに合わせて使う素材や効果的な間取りを考えましょう。

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