新築で家を建てる際に土地のお祓いを行うことがありますが、実はどんな意味が込められているのかよく分かっていないという方も多いのではないでしょうか。

今回は新築を建てる際のお祓いについて詳しく知りたい方のために、お祓いを行う理由や手順について紹介します。

新築を建てる際、なぜお祓いをするのか？

 

家を建てるための工事を行う前に、神職の方をお呼びしてお祓いを行うことがあります。これを地鎮祭（じちんさい）といいます。

 

地鎮祭とは、新築工事の開始前に行われる儀式です。これから工事が安全かつ無事に行われるように、また、この土地に暮らす人々が安心して過ごせるように、土地やこれまでに建てられてきた家に感謝を込めて祈祷します。

 

同時にその土地の神々を祝い鎮め、建物を建てる許可を得ることで、お祓いとしての効果をもたらすと考えられています。

地鎮祭は必須の行事なのか？

 

地鎮祭は日本において古くから受け継がれてきた儀式ですが、江戸時代の後期頃より、家族の幸せを願い、庶民の間で普及しはじめたといわれています。

 

歴史や伝統を重んじる方や、工事が無事に終わり、今後の生活を安心して過ごせるよう願いたい方は、現在でも地鎮祭を行っているようです。

 

しかし、地鎮祭を必ず行わなくてはいけないということはありません。忙しく日程調整が難しい場合や特に気にしないという理由から地鎮祭を行わない方もいます。

 

また、コスト面から行わないという方もいます。神社によってお祓いに必要となる料金は異なりますが、一般的に、神主に式を行ってくれた謝礼として2～3万円、お供え物の費用を合わせると5万円前後かかる場合があります。

地鎮祭以外にもお祓いが行われる儀式がある

 

地鎮祭以外では、建物の基礎部分が完成した時点で行われる上棟式（じょうとうしき）や、家屋が完成した後に行われる竣工式（しゅんこうしき）でも、お祓いが行われる場合があります。

 

上棟式では大工さんたちへの感謝の気持ちとともに、家屋の守護神や工匠の神々を祀り、これから建てる住宅が幸せな場所になるよう、また工事が無事に完了するようにという願いを込めます。

 

竣工式では、無事に工事が完了したことへの感謝を報告し、新しい家に住む方が幸福かつ災いなく過ごせるよう祈るために行われます。

新築を建てる際のお祓いの手順

 

新築を建てる際のお祓いは主に地鎮祭で行われますが、一口にお祓いといっても、地域や信仰する宗教によって、お祓いの流れや考え方は異なります。ここではあくまで一例として、お祓いの手順を紹介します。

 

まず、これから建物を建てる土地の中心に、清浄な場所を示すための葉の付いた青竹を四隅に立て、しめ縄を張り、祭壇を設けます。その中央に神籬（ひもろぎ）という神様が依り憑くものを立て、事前準備が完了します。

 

次にいよいよ祭儀を行います。修祓（しゅばつ：お祓い）の後に神様をお招きする降神（こうしん）を行います。土地の神様を祀った後に神饌（しんせん：供物）が供えられ、これから行う工事が無事に行われるよう祈るとともに、建物の繁栄を祈る祝詞（のりと）を奏上します。

 

その後、米を打ち撒いたり供えたりする散供（さんく）、次いで工事を依頼した施主や工事関係者が初めて土地にカマやクワ、スキを入れる苅初（かりぞめ）、穿初（うがちぞめ）、土均（つちならし）などを行い、玉串を奉り、神様のご加護を願うのが地鎮祭における一般的なお祓いの手順です。

井戸の埋没や下水道設備工事にもお祓いを行う場合がある

 

土地に昔から存在する井戸があり、工事のためにやむを得ず埋めなくてはいけない場合があります。その際は、昔からこの土地での生活を支えてきてくれた井戸の神様へ事情を報告し、感謝するとともに、お祓いの一環として神饌をお供えすることがあります。

 

また、下水道設備工事などを行う場合にも、土木工事の安全や工事完了後の設備が快適に利用できるようお祈りするべく、お祓いを行うケースもあります。

 

もし、井戸の埋没や下水道設備工事を行う必要がある場合は、一度地鎮祭を依頼する神社などに相談してみましょう。

新居完成後にもお祓いを行う場合の手順

 

地鎮祭を行ったのち、建物が完成したら、入居する前にあらためて建物のお祓いを行う場合があります。これは、土地の神様に無事家が完成したことの報告と、末長い安全を祈願するためです。

 

こちらも地鎮祭と同様に、行うかどうかは自由です。お祓いを検討される方や行うべきかどうかを自身で判断できない方は、お近くの神社または不動産会社に一度相談をしてみましょう。

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お祓いは近くの神社に問合せるのが一般的

 

新築を建てる際に、これから行う工事が無事に完了することや、今後よりよい生活が送れるよう祈願したい方は、土地のお祓いや地鎮祭なども検討してみましょう。

 

お祓いを行うためには、ご自身で近くの神社に問合せて進めるのが一般的です。

 

現在では、必ずしも地鎮祭を行わなくてはいけないというわけではないため、不動産会社などの仲介会社が手引きをすることはあまりありませんが、相談には応じてくれるケースもあるため、一度問合せてみるといいでしょう。

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よくある質問

Q.1：新築の家を建てる前に行う「土地のお祓い」とは、何のためにするのですか？

A.1：「土地のお祓い」とは、主に工事を始める前に行う「地鎮祭（じちんさい）」のことです。工事の安全と、そこに住む家族が安心して暮らせるように、土地の神様へお祈りをする儀式です。

Q.2：家を新築する場合、地鎮祭は必ず行わなければいけませんか？

A.2：いいえ、必ず行う必要はありません。個人の考え方や価値観に合わせて、行うかどうかを自由に決められます。費用やスケジュールを考慮して、行わない選択をする方もいます。

Q.3：地鎮祭を行う場合、費用はどのくらいかかりますか？

A.3：依頼する神社によって異なりますが、神主への謝礼やお供え物などを合わせて、5万円前後が費用の目安です。

Q.4：地鎮祭以外に、家づくりに関連するお祓いや儀式はありますか？

A.4：建物の骨組みができたときに行う「上棟式（じょうとうしき）」や、家が完成したときに行う「竣工式（しゅんこうしき）」などがあります。

Q.5：地鎮祭は、家づくりのどの段階で行うのですか？

A.5：建築工事が始まる前の、基礎工事を着工する前に行うのが一般的です。

Q.6：地鎮祭当日は、具体的にどのようなことをするのでしょうか？

A.6：神主が祝詞（のりと）を読み上げて工事の安全を祈願したり、施主（建築主）が初めて土地にクワを入れる儀式をしたりします。内容は地域や神社によって異なります。

Q.7：地鎮祭をお願いしたい場合、どこに連絡すればよいですか？

A.7：建築予定地の近くにある神社へ、直接問合せて依頼するのが一般的です。建築を依頼する不動産会社やハウスメーカーが手配してくれることも多いので、まずは相談してみましょう。

Q.8：購入した土地に古い井戸があります。埋める際にもお祓いは必要ですか？

A.8：はい、お祓いをすることがあります。井戸の神様にこれまでの感謝を伝え、埋設する事情を報告するためです。詳しくは、地鎮祭を依頼する神社に相談してみましょう。

Q.9：家が完成した後、入居する前にもお祓いをするのでしょうか？

A.9：はい、行うことがあります。家の完成を神様に報告し、家族の安全などを願うためです。地鎮祭と同様に、行うかどうかは自由に決められます。