新築時に防音対策をしておいたほうがいい？

 

騒音と感じるレベルは、人によって異なります。楽器や大きな話し声は騒音と取られるケースが多いですが、中にはエアコンを起動させた際の室外機の音や、洗濯機、掃除機の使用音といった生活音でさえも騒音として感じられる場合もあります。

 

このように、たとえ自分にとっては気にならない音でも、他人にとっては不快な騒音と感じてしまう可能性があることを第一に考えておきましょう。

 

なお、環境省の環境基準（※）によると、生活において望ましい音量は“住宅地の場合、昼間であれば55デシベル以下、夜間は45デシベル以下とすること”と推奨されています。

 

大きさの目安として、60デシベルは走行中の自動車内程度、50デシベルは換気扇の稼動音が聞こえる程度、40デシベルは図書館程度の静かさです。

 

※ 出典：「騒音に係る環境基準について」（環境省）

http://www.env.go.jp/kijun/oto1-1.html

騒音には種類がある

 

騒音と呼ばれる音には大きく3つの種類があります。

これらの音は、家の窓や壁、出入り口などの構造によって伝わり方が異なります。

新築時から防音対策するのがおすすめ！

 

防音対策の中には簡単に行える工事もありますが、場合によっては既存の壁を解体したり、構造自体の強化が必要となったりすることがあります。

 

新築時に防音対策について検討しておけば、建築時に防音対策が行えるので費用が抑えられます。そのため、のちのち防音対策を検討しようとお考えの方は、なるべく新築時から取り入れることをおすすめします。

 

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新築時におすすめの防音対策とは？

気密性と断熱性を高くする

一般的に高気密・高断熱の住宅は、外からの音を気密性の高い外壁で遮り、跳ね返しきれなかった音を壁の中の断熱材が吸収するため、遮音性が高いといわれています。

 

特に、隣の家との距離が近い住宅では、隣の家の音が聞こえて気になってしまう場合もあります。騒音の影響が考えられる立地の場合は、気密性と断熱性を高めた住まいづくりを検討してみましょう。

防音性の高い建築構造を選ぶ

 

新築ならではの防音対策としておすすめなのが、防音性の高い建築構造を選ぶことです。RC造やSRC造といった鉄筋コンクリートは、何本もの鉄の骨組みにコンクリートを流しているため、密度が高く、防音性が高いといわれています。

 

一方、木造建築の場合は、建材となる木材が通気性の良い半面、音も通しやすいため、RC造やSRC造と比べると遮音性は低くなります。

 

木造建築の住宅で防音対策を行いたい場合は、カーペットや防音ゴムを使用して音が響くのを防止する、また、音の出る家具家電を壁側に配置しないなど、屋内の工夫で防音対策を取るようにしましょう。

間取り選びで騒音を軽減

生活音などから発生する騒音は、間取りを考える段階でも対策が可能です。例えば、家族のほとんどが長く過ごすリビングの上に、子ども部屋を配置しないようにすると、2階からの音が聞こえづらくなります。

 

また、トイレや浴室、洗濯機のある場所は騒音が発生しやすいため、リビングや寝室から遠ざけるだけでなく、隣の家と近くなるスペースに配置しないように工夫すれば、屋内だけでなく隣の家との騒音トラブル防止にも効果的となります。

 

また、他の家から出る騒音に悩まされないために、可能であれば、近隣住宅のトイレやお風呂にあたる部分と、自宅の寝室などのプライベート空間を近づけないような間取りにするのもおすすめです。

騒音が伝わる部分ごとに対策を取る

 

騒音が伝わる原因であると考えられる部分ごとに、対策を取っていくことも効果的です。特に床や壁、天井は、室内外の音が響きやすく、伝わりやすい部分です。

 

この3つの部分を二重構造にすることで、遮音性が高くなり、外部からの騒音防止と同時に屋内からの騒音も漏れにくくなります。

 

次に、住宅の中で音が出入りしやすい部分といえば窓と出入り口です。

 

窓は大きさと位置にこだわるようにしましょう。音は空気を伝わっていくので、窓から漏れる音は遠ければ遠いほど聞こえづらくなります。

 

このため、窓の位置はなるべく隣の家の窓から離すように工夫して、空気による音の伝導を緩和させ、互いの家から出る騒音を軽減させましょう。

 

また、窓の大きさは小さい窓のほうが防音効果を期待できますが、窓が小さいと採光が減るため、周辺環境を見て決めるようにしましょう。

 

より騒音を減らすためには、気密性を向上させ、空気が出入りする隙間を少なくすると効果的です。二重窓や二重サッシ、複層ガラスを採用することも防音対策としておすすめです。

 

間取りの関係上、洗濯機などが入り口にある場合は、出入り口の防音対策も心がけましょう。高気密・高断熱の防音ドアを採用すると、家の中の音が漏れにくくなります。

畳で遮音性を高める

騒音対策として、畳を敷くのもおすすめです。畳に利用されているイグサの繊維には吸音性があり、家庭内から出る騒音を軽減させてくれます。

 

騒音対策として、家族の憩いの場として和室を設けることも検討してみてはいかがでしょうか。

自分だけでなく近隣の方々も快適に暮らせる防音対策を

 

自分では騒音だと思っていない音が、トラブルのきっかけとなることもあります。防音対策を行うことで、自分だけでなく近隣の方々も音に悩まされず、お互いに快適な生活を送ることができます。

 

騒音によるトラブルを他人事と思わず、新築時から防音対策を心がけていきましょう。

 

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