旗竿地とは

 

旗竿地とはその名の通り、旗のような形をした土地のことを言います。よく街で見かける旗を想像してみてください。

 

四角形の旗の部分と棒状の部分でできていますが、まさに土地を上から見たときにその形をしているのが旗竿地です。

 

建築基準法上の制限がある

 

土地に家を建てる場合は、建築基準法によって決められた制限を守る必要があります。ですが、旗竿地なら、この建築基準法をうまく味方にすることが可能です。

 

まずは、建築基準法の基本である、建ぺい率と容積率、接道義務について確認しましょう。

 

建ぺい率

建ぺい率とは、建築面積と敷地面積の割合を示したものです。建築基準法では安全で快適な建築物をつくるため、建ぺい率に制限を定めています。

 

建ぺい率は「建築物の建築面積/敷地面積×100」という計算式で表すことができ、制限されるパーセンテージは用途や条例などによって異なります。

 

つまり、建ぺい率80%と定められている地域に100ｍ2の土地を購入した場合には、80ｍ2しか建築面積を確保することができません。具体的な計算式は以下のようになります。

 

80ｍ2（建築面積）/100ｍ2（敷地面積）×100=80%

 

容積率

容積率とは、建物の延べ面積と敷地面積の割合を表した数字です。建ぺい率と似ていますが、建ぺい率は建物と土地の接地面積割合を計算したもので、容積率は、敷地に対する建物全体の床面積割合を計算したものになります。

 

例えば、建築面積50ｍ2の2階建て住宅を建てた場合の床面積合計は、50ｍ2×2=100ｍ2となります。これを「延べ面積」と言います。

 

容積率は「建築物の延べ面積/敷地面積×100」で算出することができます。建ぺい率と同じように、容積率もまた用途や条例などによって制限されています。

 

接道義務

都市計画地域や準都市計画区域内に建物を建築する場合、建築基準法で定められた道路に2ｍ以上接していなければいけないという大原則があります。これを接道義務と言います。

 

しかし、旗竿地の中には、この接道義務を果たしていないケースもあります。そのような場合には、建物を建てることはできません。

 

すでに旗竿地をお持ちの方は、建築家や建築士、アドバイザーなどの専門家に相談することをおすすめします。

 

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旗竿地の上手な使い方

 

上述した建ぺい率や容積率は、旗竿地にとっては味方になる場合もあります。また、旗竿地は上手に利用することで、一般の土地以上にメリットがある場合もあります。

 

ここからは旗竿地の上手な使い方を紹介します。

 

土地が広くなるので、建ぺい率や容積率の計算には引っかかりづらい

建ぺい率や容積率の計算例を紹介しましたが、これらの計算には「敷地面積」を使用します。つまり、旗竿地の特徴でもある「竿の部分」も計算式に入るということになります。

 

例えば、100ｍ2の旗竿地と、100ｍ2の一般的な土地を比較した場合、竿の部分に建築しない場合は、旗竿地のほうが大きい建物が建てられる可能性が高いということになります。これは旗竿地だからこそのメリットです。

 

※民法234条1項によって、境界線から50cm以上は空けないといけないため、必ず大きくなるというわけではありません。

 

旗竿地の竿部分の使い方

旗竿地は竿の部分を上手に活用することで、使い勝手のいい空間を設けることが可能です。旗竿地を活かす使い方についていくつか紹介します。

 

・竿の部分にも建物を建てる

竿の部分にも建物を建ててしまうという方法があります。竿の部分を活用して広い玄関をつくり、旗の部分には広い部屋をつくるのもよいでしょう。

 

 

・ガレージとして活用

一般的な土地の場合、ガレージをつくるならその分の土地が必要になります。そのため、建物自体を狭くしなければいけないケースも出てきます。しかし、竿の部分にガレージをつくることができれば余分にスペースを確保する必要がないので、旗の部分を広く使うことができます。

 

道路に面さない設計が可能

旗竿地の場合は、旗の部分に建物を建てることが多いです。その場合、建物と道路の間には竿部分を挟むことになります。建物自体が道路に面していないため、道路の騒音が聞こえにくいなどのメリットがあります。

 

比較的安価

旗竿地は土地形状の不便性から、周辺の土地相場と比較して2～3割程度安く購入できる可能性があります。これは、旗竿地最大のメリットです。周辺相場よりも安い値段で土地を購入できるので、差額で内装や家具にこだわることもできます。

 

旗竿地に住むならメリットを最大限に生かす工夫を

 

旗竿地は不整形がゆえに、土地の値段が安い場合が多いのが特徴です。土地形状をデメリットと考える方もいますが、設計の仕方によってはメリットに変えられることがたくさんあります。

 

旗竿地の購入を検討している方は、紹介したメリットを最大限に活用して設計を考えてみてください。

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