モデルハウス購入は焦らず慎重に

家を建てると決めた時、まずは近くの住宅展示場や希望のエリアのモデルハウスを見学に行くことを考える方も多いでしょう。そして見学だけ…と思って行ったはずが、完成された綺麗な部屋を見て、「この家も家具もまるごと欲しい」と思うこともあるのではないでしょうか。しかし、モデルハウスでご自身が理想とする家具や照明、カーテンもすべて込みで売りに出されていたとしても、即決するのはおすすめできません。

実はモデルハウスには、魅力的にみえるような数々の仕掛けがあります。しかし、人によっては相場よりも安く良い家が手に入る場合もあります。モデルハウスのメリット・デメリットを知った上で、購入は慎重に検討することをおすすめします。

 

注文住宅のモデルハウスとは？

そもそもモデルハウスとは、住宅購入希望者が住宅メーカーごとの設備や仕様などの違いを比較してもらうために作られたものです。モデルハウスを見学することで、図面を見るだけでは分からなかった実際の広さや使い勝手のよさを、イメージしやすくなります。モデルハウスは主に販売目的ではなく、展示用として作られたものがほとんどであるため、最新の設備やオプションがフル装備である場合が多いです。
モデルとなる住宅の建設費は、一般に販売されている住宅より割高なものが多いのですが、自社の家の良さを知ってもらうことが目的なので住宅メーカーがすべて負担をしています。

 

モデルハウスは新製品に対応している必要があるため、長くても5年間位で建て替えます。展示場など短期の貸地に建てられたものは、短期契約期間完了後の約2、3年で割り引いて販売したり、取り払われたりすることが多いようです。

 

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モデルハウスのメリット・デメリット

分譲地のモデルハウスと、住宅展示場からの移設では状況が異なりますが、モデルハウス購入のメリットで考えられることを挙げてみます。

 

• 実物をみてから購入できる
• 値引き交渉がしやすい
• すぐ入居できる
• 設備や家具・家電がついている場合が多い
• 同じものを注文住宅でつくるよりも安くなる
• 設備がモデルハウス仕様でランクが高い

 

上記のように主に価格面でのメリットが目立ちます。モデルハウスは新築といっても多くの人の出入りがあり、傷んでいたり汚れていたりする部分もあるので、そこを追及すれば値下げ交渉がしやすくなるでしょう。さらに、展示期間終了が近い場合、終了までに売り切りたいという住宅メーカー側の思いもあり、大幅な値引き交渉も成功するかもしれません。

 

また、実際の部屋の広さや日当たりなどを確認してから納得した上で購入することができることもメリットです。間取りを考えたり、好みの家具や家電を揃えたりなど、家づくりにこだわりのある方の場合は、注文住宅で一から自分好みに作る方が良いかもしれませんが、価格重視ではじめから家具や家電が備わっている方が好都合だという方はモデルハウス購入に向いているといえるでしょう。

 

一方、モデルハウス購入における懸念材料としては、既に完成した家を買い取るということで、家が出来上がるまでの過程を全く見ることができないという点です。通常の注文住宅の場合、土地の地盤から建物の基礎まで自分自身で細かくチェックすることができます。しかし、モデルハウスの場合、建つまではすべて住宅メーカー任せということになるので、耐震性や構造上の問題が後から発生するリスクが少なからずあるかもしれないということも頭に入れておく必要があります。

 

モデルハウスを良くみせるための工夫とは

カタログからは分かりにくいサイズ感や動線、家具の納まりなどをモデルハウスで確かめることは大事なことですが、実はモデルルームには広くみせるためのいくつかの工夫があります。たとえば、部屋の大きさは変えることができなくても、家具の配置や高さでより広くみせることは可能です。多くのモデルハウスでは、少しでも広く見えるように家具は低めで統一し、生活感がでないように収納家具は置かず、観葉植物などを置いてオシャレな部屋を演出しています。

 

また、部屋の大きさを調べる際、畳数を参考にすることが多いのですが、畳の大きさは実はいくつかあることをご存知でしょうか。団地間といわれる１番小さいサイズ（170cm×85cm）は一番大きい京間・本間（191cm×95.5cm）サイズの約8 割程度しかありません。間取り図には団地サイズで表記し、少しでも部屋を大きくみせようとする会社も存在するので注意が必要です。

 

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