コンパクトマンションとは、ワンルームとファミリー向けタイプの中間に位置する広さの部屋を持ったマンションのことです。

シングルやDINKS(子どものいない共働きの夫婦)世帯にとっては、より住みやすい環境を手に入れるうえで、ファミリー向けタイプ以上に有力な選択肢となる場合もあるでしょう。

今回はコンパクトマンションの魅力と特徴、選び方のコツを詳しく解説していきます。

コンパクトマンション

 

コンパクトマンションには、ワンルームやファミリー向けマンションにはないさまざまな特徴が備わっています。ここではまず、コンパクトマンションがどのような特色を持つのか、具体的に見ていきましょう。

  • 専有面積は30〜50平米台
  • 間取りは1LDK〜2LDKが中心
  • シングルやDINKS、シニア層がメインターゲット
  • 都心部などの利便性が高い立地

広さについては明確な定義がないものの、専有面積は30〜50平米程度である場合が多く、20平米台が多いワンルームと、60~70平米台が多いファミリータイプの中間に位置するといえます。

 

間取りは1K~2LDKまでさまざまな種類があるものの、2人世帯も想定されていることから、LDKのある物件がメインです。

 

ターゲットは2人までの少人数世帯であり、主に30〜40代のシングルや共働き世帯が意識されているほか、子育てを終えたシニア世帯も含まれます。

 

ファミリータイプの物件と比べて、面積を抑えている代わりに、通勤や生活の利便性が高い立地に建てられるケースが多い点が特徴です。

コンパクトマンション

 

不動産の需要は、人々の生活スタイルの変化に大きな影響を受けます。ここでは、コンパクトマンションが登場した背景を大きく2つに分けて見ていきましょう。

 

1990年代までは、分譲マンションといえばファミリータイプのものが主流であり、ほかには20平米台のワンルームが中心とされていました。

 

しかし、30平米以下のワンルームでは住宅ローンを組むことができないため、一括で購入できる資金力を持った人が主に投資目的で利用するケースが多かったのです。

 

そうした中、晩婚化や共働き世帯の増加により、次第に1~2人世帯でのマンション需要が向上しました。その結果、中間のサイズに位置するコンパクトマンションが徐々に増加していったのです。

 

1980年代ごろから、東京23区ではワンルームマンションに対してさまざまな規制がかけられるようになりました。

 

ワンルームマンションに居住する世帯は「その地域に定着する割合が低い」「住民票を移さないケースが多く住民税収入につながらない」といった点が問題視されたのです。

 

規制の内容は自治体によって異なり、「一定割合で40平米以上の住戸を設ける」「最低専有面積を28平米以上にする」「一定基準のワンルームマンションに課税する」といったものがあります。

 

こうした背景から、これまでのワンルームマンションからコンパクトマンションへと傾向が変化していった面もあるのです。

コンパクトマンション

 

これまでに見てきたとおり、コンパクトマンションのターゲットは1~2人世帯が中心だといえます。ここでは、具体的にどのような人に適しているのか、さらに詳しく掘り下げてみましょう。

  • 都心部に職場がある人
  • セキュリティとデザイン性を重視したい人
  • 子どもが独立したシニア世代の夫婦
  • 賃貸よりも分譲を優先したい人
  • 将来的に資産運用したい人
  • 30平米程度の1DK〜1LDKはシングル
  • 50平米程度の2LDKはDINKSや子ども1人世帯、シニア世帯

コンパクトマンションの魅力のひとつは、立地の利便性にあります。都心部を中心に駅近の物件が多いことから、職場が都心部にある人は利点を生かせるでしょう。

 

また、似たような価格帯のファミリー向け物件と比べると、広さを抑えている分、デザイン性やセキュリティに優れているものが多いといえます。そのため、特に女性のシングル世帯などでは、長く住み続けられる快適な拠点を手に入れるうえで有効な選択肢となるでしょう。

 

防犯性に優れた物件では、子どもが手を離れたシニア世帯も快適に生活することができます。夫婦2人だけで暮らすようになると、階段のある一戸建てを売却して、移動が楽なワンフロアのマンションに引越しをする人も少なくありません。

 

さらに、コンパクトマンションは物件によって、月々のローン支払いを家賃と同程度に抑えられるものもあります。そのため、賃貸ではなく購入したい人や将来的に資産運用を考えている人にとっても、魅力的な物件だといえるでしょう。

 

また、コンパクトマンションにはさまざまな間取りがあり、広さによって適した世帯構成にも違いが生まれます。30平米台はシングル向け50平米程度のものはDINKSや子ども1人世帯、シニア世帯と、大きく2つに分けられています。

コンパクトマンション

 

コンパクトマンションにはさまざまなメリットとともに、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、両面からコンパクトマンションの特徴を見ていきましょう。

  • ファミリー向けより価格が安い
  • 利便性の高い立地に住める
  • 共用施設や設備が充実している
  • 50平米以上なら購入時に税制メリットを受けられる
  • 売却・賃貸運用が比較的しやすい

コンパクトマンションの大きな魅力は、立地の割にファミリー向けのものよりも安い価格帯で物件を見つけられる点にあります。

 

通勤に便利だったり、買い物や病院など周辺環境が充実している物件が多かったりするため、若い世代のシングルやDINKS世帯だけでなく、シニア層でも快適に生活できるのです。

 

共用施設については、セキュリティ設備や宅配ボックスなどの設置率が高く、物件によってはバリアフリーが導入されているところもあります。また、エントランスや廊下などの共用部分においても、デザイン性に優れている物件が多い点が魅力です。

 

また、50平米以上の物件では、住宅ローン控除や住宅取得金等資金贈与の非課税特例(※)、不動産登録免許税の軽減といった税制上のメリットがある点も特徴的です。

 

さらに、立地や設備などのグレードの高さを考えると、売却や賃貸などの需要も見込めるものが多いといえます。

 

(※)2021年税制改正では、住宅ローン控除および贈与税非課税措置の対象となる床面積要件が、これまでの「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和されます。ただし、「40㎡以上50㎡未満」の住宅については、「合計所得金額1,000万円以下」の所得制限が設けられている点に注意が必要です。細かな期間や特例については、これまでも見直されてきた経緯があるため、今後の動向をチェックしておきましょう。

  • ライフステージの変化に対応しづらい
  • 50平米未満の物件は売却・賃貸運用がしにくい

専有面積が限られているコンパクトマンションは、出産などのライフステージの変化に対応しづらい面があります。そのため、シニア層以外では、生涯住む家として選択するのが難しいケースも少なくありません。

 

また、50平米未満の物件では、賃貸や売却のターゲットを絞り込みにくい側面もあります。シングル向けを考えると、より価格の安いワンルームマンションと比べられてしまい、2人以上世帯向けと考えると広さが物足りなく感じられてしまうのです。

 

さらに、投資家向けの売却を考えたときにも、税制上の利点がある50平米以上のものと比べれば不利になってしまうことがあります。将来的に賃貸や売却、投資家への売り出しを考えている場合には、ターゲット層や利回りの面にもきちんと目を向けておきましょう。

最寄り駅までの利便性

 

コンパクトマンションには立地や条件といった点において、多数の選択肢があります。ここでは、コンパクトマンションを選ぶ際に目を向けるべきポイントと、効率的な探し方について紹介します。

 

基本的には、コンパクトマンションの利点である「利便性の高さ」を意識しておくことが大切となります。特に、最寄り駅からの徒歩分数や、周辺の商業施設などの立地条件は、生活の利便性に大きく関わってくるポイントです。

 

また、意外と見落としてしまいがちなのが、ターミナル駅までのアクセスです。最寄り駅に急行や快速が停車するか、乗り換えに便利かといった点にも目を向けておきましょう。

 

こうしたポイントは、自分が居住するだけでなく、売却や賃貸運用を考えるうえでも重要となります。

 

LIFULL HOME’Sのポータルサイトでは「シングル&DINKS向け新築マンション特集」から、もしくはキーワード検索で「コンパクトマンション」と入力すると、簡単に絞り込むことが可能です。

 

また、住みたい地域を指定してから、○○~○○平米など具体的に専有面積を設定して検索するといった方法もあります。この場合は、上限と下限を同時に決められるため、より理想に近い物件を見つけやすくなります。

 

たとえば、税制上のメリットを生かせるコンパクトマンションに住みたい場合は、50平米以上60平米以下と設定すると、希望に沿った物件だけに絞り込めるのです。

 

また、資産価値が重要なコンパクトマンションでは、エリアごとの土地の相場を把握しておくことも重要です。LIFULL HOME’Sの「住まいインデックス」では、地域ごとに坪単価相場を調べることができるので、活用してみましょう。

コンパクトマンションを探す

 

マンションのなかには「ザ・パークハウス」や「クリオ」といったブランド名を冠したものも多数あります。コンパクトマンションを探すうえでは、こうしたブランドから絞り込んでいくのもひとつの方法です。

 

ここでは、主なブランドごとの特徴を具体的に見ていきましょう。

 

三菱地所レジデンスの魅力は、高いブランド力による安心感と、購入後のサポートの手厚さにあります。また、ファミリータイプの物件と同じマンション内に設けられることが多いのも特徴です。

 

三菱地所レジデンスのコンパクトマンションブランドとしては「ザ・パークハウス アーバンス」があり、低層タイプや戸数を制限した小規模タイプ、メゾネットタイプなど多様な種類が展開されているのが魅力です。

 

野村不動産のOHANAシリーズも高い認知度とブランド力があり、確かな安心感が魅力となっています。また、企画から施工、アフターサービスまで自社グループで完結している一貫性の高さも大きな特徴です。

 

2,000万円~3,000万円台といった低価格と高品質の両立がテーマとなっており、構造をシンプルにしている分、価格を抑えても高級感のある外観が保たれています。

 

明和地所は首都圏に限らず、地方にも幅広く展開している点が特徴です。

 

コンパクトマンションブランドとしては「クリオ・ラベルヴィ」があり、限られた空間を効率的に利用できる間取り設計や開放感のあるつくりが意識されています。

コンパクトマンションに住む

 

  • コンパクトマンションは、専有面積が30~50平米程度のマンションを指す
  • 30平米台はシングル向け、50平米台はDINKSやシニア世帯向けといった需要の違いがある
  • 高い利便性の割にファミリー向け物件よりも価格が安く、投資用としての価値も見込める
  • シニア層以外は生涯住む家になりにくいといったデメリットもある
  • 50平米を超えると、税制上の優遇措置が受けられるなどのメリットが増える

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